美しい湯釜をもつ草津白根山
草津白根山は山頂付近の火口湖に湯釜をもつ山で、その湯釜がエメラルドグリーンの神秘的な色をもつことで観光として人気のスポットです。その芸術的な景色は、現在も多くの人を魅了しています。 以前は噴火警戒レベルにより、湯釜近くは立ち入ることができませんでしたが、2017年6月にレベルが下がり、展望台まで入れるようになりました。 およそ3年ぶりに湯釜が見れるということで、現在はたくさんの観光客で賑わっています。
日本百名山の一つ
日本百名山とは、小説家の深田久弥が書いた随筆集で、本人が実際に登った中から選んだ100の山々をまとめたものです。本は第16回読売文学書を受賞し、日本百名山ブームを巻き起こしました。 草津白根山も、その百名山に選ばれた山の一つです。 百名山の中でも登山初心者でも安心して登りやすい山なので、休日に気軽に行くことができますよ。
白根山と本白根山
草津白根山は独立峰で、国道を挟んで白根山と本白根山にわかれています。 標高は白根山が2,160m、本白根山が2,171mで、本白根山のほうが古く、白根山は現在も活動している火山です。白根山は本白根山の溶岩でつくられたと研究されています。 今回は湯釜をもつ白根山を主に取り上げますが、本白根山も興味のある方はぜひ足を運んでみてください。
草津白根山の魅力
まず草津白根山が、どうして多くの人に人気の場所なのか、その魅力を大きく3つにまとめました。
草津白根山の魅力 1.神秘的な湯釜
美しいエメラルドグリーンの湯釜
草津白根山の湯釜の魅力は、なんといってもその美しい青緑色です。 これは水に溶け込んでいる硫黄や鉄イオンによるもので、ある波長の光だけ吸収するため、このように見ることができます。また天気により色が若干変化するため、その日にしか見る事のできない色と出会うことができます! 独特の輝きをもつ草津白根山の湯釜は、一見の価値がありますよ。
温泉地独特の酸性の湯釜
草津白根山の湯釜は、直径が約300mあり、水深は約30mにも及びます。 火山ガスの塩化水素や二酸化硫黄が水に含まれているため、国内でも数少ない酸性度の高い火口湖です。 湖の底には硫黄が沈殿しているため、1960年代頃まで採掘されていました。
湯釜を望む展望台
湯釜を望むには、2つの展望台が整備されています。 西側登山道を登った「湯釜西側展望台」と、中央登山道を登った「湯釜展望台」です。ただし、2018年1月現在「湯釜展望台」は噴火レベルによる規制のため、立ち入り禁止となっています。 そのため、湯釜を展望台から見学される方は、湯釜西側展望台へ向かいましょう。 展望台から見下ろす湯釜は絶景ですよ!
草津白根山の魅力 2.高山植物との出会い
豊かな高山植物
草津白根山は亜高山帯で、多数の高山植物が咲き豊かな自然を見ることもできます。湯釜に一直線に歩くのではなく、足下をよく観察してみてください。 コマクサ、コケモモ、ナナカマド、ヒメシャジンなどなど、花図鑑をおともに散策を楽しめます。
高山植物の女王 コマクサ
コマクサは高山植物の女王と讃えられる、高山植物を代表する一つです。毎年5月〜7月頃に見頃をむかえます。 下向きに数輪の鮮やかな花をつける姿は、女王にふさわしい可憐さをもっています。 特に本白根山に多く群生しており、濃いピンク色のものが多く見られます。
草津白根山の魅力 3.壮大なパノラマ景色
登山初心者でも気軽に登れる
草津白根山は、リフトを使えば初心者でも比較的気軽に登れる山です。その上見晴らしも良く、天気が良ければ頂上付近からは遠方の山々を見ることができます。 現在草津白根山は火山規制により頂上付近が閉鎖されているため、パノラマ景色を目的に登られる方は、本白根山の展望台がおすすめです。 眼下に広がる山々は圧巻です!
本白根山の魅力
白根山の隣にある本白根山の魅力は、白根さんが混雑しているのに比べて、ゆっくりと自然を楽しみながら登山できるところです。 高山植物が多く、中にはコマクサなど珍しい植物もありますよ。 また噴火口に水が溜まってできた鏡池は、冬になると凍ることで底石が大きさによって分離される「構築土」と呼ばれる地形があります。これは日本でも珍しいそうです。
草津白根山の基本情報
草津白根山へ行くためのアクセスや、入山期間などをまとめました。 事前に下調べして、美しい湯釜と出会ってください。
草津白根山の名称
草津白根山は正式名称は「白根山」ですが、他の白根山(日光白根山など)と区別するために「草津白根山」と呼ばれています。 「白」は積雪の多いことを表しており、「根」は峰を表しています。平地に比べ積雪の多い群馬の土地からついた名前ですね。
登山期間
登山可能期間
登山可能期間は下記です。 入山時間:日の出〜日没まで 休業:11月下旬〜翌4月中旬 日中に登る方でも、高山地帯で平地より寒いため、いつもより暖かくして行きましょう。
冬期間の湯釜への登山方法は?
草津白根山は、冬の期間は積雪により道路が閉鎖されています。 もし登りたい場合はロープウェイを使い、そこからハイキングコースを登ります。 冬に積雪の中の登山は不安・・・という方は、草津国際スキー場では、ロープウェイとスノーシューをつけて草津白根山を散策する「白根山スノーシューコース」を開催しています。所要時間は5時間程度で、最小人数2名から実施されるとのことです。 また天気によりロープウェイが運行中止になる場合もあるので、ご注意ください。
噴火警戒レベル
噴火警戒レベルとは
噴火警戒レベルとは活火山の活動状況によって、必要な防災を知らせるため5段階にレベル分けされたものです。 レベル別の規制は下記になっています。 レベル1:活火山であることに留意 レベル2:火山周辺規制 レベル3:入山規制 レベル4:避難準備 レベル5:避難 これにより普段は観光スポットとなっている活火山でも、入山を規制されることがあります。
2017年6月から警戒規制を引き下げに
草津白根山では、2014年からレベル2で規制されていた噴火警戒レベルを、2017年6月15日からレベル1に引き下げることになりました。 それにより一次見れなくなっていた湯釜の景色を、3年ぶりに見れるようになったのです。 現在も火口から500m圏内は規制中のため立ち入りできませんが、あらためて美しい湯釜を見れるとあって草津白根山は賑わっています。
おすすめの湯釜登山コース
草津白根山を観光するのに、おすすめのコースをご紹介します。 初心者の方からゆっくり自然を楽しみたい方まで、ご自分に合ったコースを選んでくださいね♪
おすすめの湯釜登山コース 1.短時間で湯釜コース
白根火山バス停→白根レストハウス→湯釜西側展望台 所要時間:約30分 短時間で気軽に湯釜まで行きたいなら、白根レストハウスから西側登山道を歩くのが効率的です。登山というよりハイキングになりますが、登山初心者の方や長時間登るのは厳しい・・・という方でもおすすめです。 車でお越しの際は、冬期以外であれば白根レストハウスの駐車場まで登ることができます。
おすすめの湯釜登山コース 2.逢の峰コース
白根山山頂駅→逢の峰展望台→白根レストハウス→湯釜西側展望台 所要時間:約70分 逢の峰は白根山と本白根山の間に位置しており、白根山山頂駅から徒歩10分ほどです。見晴らしが良く、天気であれば草津白根山や弓池を望むことができます。
おすすめの湯釜登山コース 3.本白根展望台コース
白根火山バス停→白根レストハウス→湯釜西側展望台→弓池→逢ノ峰→本白根展望台→鏡池→白根山山頂駅 所要時間:約150分 湯釜を見つつ、本白根山も楽しむならこのコースがおすすめです。本白根山ならではの高原植物を見ることもできます。 途中の逢ノ峰にはあずまやもありますので、休憩しながら進みましょう。
登山日の天気
天気が雨の時は・・・
草津白根山の湯釜は、天気が雨でも規制など出ていなければ、見ることができます。靴は登山靴や運動靴にし、足下によく注意しましょう。 ただ、雨の場合湯釜は雨や霧によりよく見えないことがあるため、日程に余裕があるのであれば、晴れの天気の方が望ましいです。
雷には要注意!
湯釜付近は森林限界を越えているため、高い樹木がありません。そのため、雷を伴う天気の場合は人間が一番高くなってしまうので、要注意が必要です。 もし少しでも雷の兆候がある時は、湯釜への登山は無理をしないようにしましょう。
交通アクセス
交通アクセス 1.電車の場合
電車で湯釜にアクセスするには、電車とバスの利用が一般的です。 ●長野原草津口駅(JR吾妻線)→JRバス白根火山行き乗車(約1時間)→終点白根火山バス停下車→徒歩15分 冬の期間はバスの運行がなくなるため、リフトの利用が必要です。 このほか草津温泉から向かう場合は、草津温泉バスターミナルからロープウェイ山麓駅までの無料シャトルバスも運行しています。
交通アクセス 2.車の場合
●関越道渋川伊香保ICから国道353、145、292を経由し、草津方面へ2時間 車で湯釜までアクセスする場合は、白根レストハウス駐車場まで登ることができます。この駐車場から湯釜まで徒歩片道15分ほどです。 冬の期間は国道292号線横手山西山麓まで規制がかかってしまうため、注意してください。
駐車場
草津白根駐車場
車で湯釜まで向かうなら、「草津白根レストハウス」でカーナビを設定し、レストハウスにある草津白根駐車場を使うのがもっともスムーズです。 車種別の駐車場料金は下記です。(2018/1/8現在) 二輪車:200円 乗用車:500円 マイクロバス:1000円 大型バス:2000円 駐車場は冬期間中は閉鎖さされているので、事前に確認が必要です。
白根レストハウス
何かと便利な白根レストハウス
湯釜に向かう方のほとんどは、こちらの白根レストハウスに立ち寄るかと思います。 白根火山バス停のすぐ近くにあり、先ほどご紹介した草津白根駐車場もあります。 店内は1階がお土産コーナー・喫茶コーナー、2階が展望レストランとなっていて、お昼をいただくことができます。 またお手洗いがあるのも助かりますね。
おすすめの湯釜カレー
このたび白根レストハウス名物『湯釜カレー』が復活いたしました(^ω^):tada::tada:
— 草津国際レストラン (@kusakoku932) July 21, 2017
復活を祝して、湯釜カレーをお召し上がりのお客様にオリジナルステッカーをプレゼントさせて頂きます:heart:(標高2,160mにちなみ先着216枚となります!)#草津温泉 #白根山 #湯釜 #湯釜カレー pic.twitter.com/b90vt5gEXA
白根レストハウスでお昼を食べる方は、名物の湯釜カレーを注文してみてください。 湯釜に見立てたご飯の真ん中にグリーンカレーが入っていて、とってもフォトジェニックですね。 おいしく、かつ楽しくいただくことができます。
まとめ
今回は草津白根山の湯釜を中心に、その魅力や実際のアクセス方法などをお伝えしました。 草津白根山には、美しいエメラルドグリーンの湯釜や、芸術的な景色が広がっています。リピーターが多いのも頷ける、一度は行きたい観光スポットですね。 ぜひ休日に雄大な自然を感じに出かけてください。