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カバキコマチグモとは?噛まれると危険!日本最強の毒を持つクモをご紹介!

皆様「カバキコマチグモ」はご存知ですか?実は、日本全土に生息していて、国内のクモ刺咬症例の大半を占める非常に危険な毒グモなんです!今回はカバキコマチグモの生態、噛まれてしまった時の対処法など、知っておくと「もしも」と時に役立つ情報をお届けしたいと思います!!
更新: 2023年7月25日
十六夜 乃久亜
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まず最初に「クモ」とは?

出典: http://www.irasutoya.com/2013/03/blog-post_490.html

そもそもクモってなんなのか? 「え、昆虫でしょ?」と思う方もいるかもしれませんが、実は違うんです! なんとなんと!クモは「動物」に分類されます。

昆虫と何が違うのか?見分け方は?そんな素朴な疑問の解決から始めましょう!意外な生態やその特徴に驚く場面もあると思いますので、ぜひご覧ください。

昆虫とクモの違い

出典: http://www.midoriikimono.jp/insect.html

簡単に見分ける方法は、ずばり「足が6本あるか」です。 足が6本ある生物は昆虫、その他の生物は動物に分類されます。クモの他に、ムカデ、ダンゴムシ、ヤスデ、ダニ、サソリなども「動物」に分類されるそう!びっくりですね。

出典: http://i-visualium.net/view/2009/01/

ちなみに毛虫や芋虫は昆虫の幼虫なので昆虫に分類されるそうです。 その他の違いとしては体の作りが「頭・胸・腹」の3つに分かれているかどうかで判断できます。クモは「頭・腹」の2つに分けられますので昆虫ではなく「動物」に分類されるのです。

クモ

出典: https://unsplash.com/photos/aLDuLRjZknE

クモは「節足動物門鋏角亜門クモ綱クモ目」に分類。 この漢字は「せっそくどうぶつもんきょうかくあもんくもこうくももく」と読みます。まるで早口言葉みたいですね。一発で読める自信がありません。

毒グモの種類

日本に生息している毒グモは ・ゴケグモ類 ・コマチグモ類 の2種類です。 カバキコマチグモはコマチグモ類に分類されます。

カバキコマチグモって?

カバキコマチグモ 、漢字だと(樺黄小町蜘蛛)、フクログモ科コマチグモ属、体長はオス、メスともに10~15mm程度。オスの方が少し小ぶりですが、極端なサイズ差はないみたいです。

体が黄色いことから樺黄(かばき)という名前が付きました。足には黒い毛が生え先端は黒い、黒く大きな顎を持つことから「クチグロ」とも呼ばれているのです。

出典: https://www.city.chiba.jp/hokenfukushi/kenkou/hokenjo/kankyo/kumo.html

どちら名前も色に関する名前ですね。 黄色と黒だと遮断機や道路標識のように、危険を知らせるものを思い浮かべちゃいます。 海外だと北朝鮮、中国に生息。そしてなんと、日本全国に生息しているんです!

もしかしたら気付かないだけで、皆様のすぐそばにいるかもしれません! 一体どんな生態のクモなのでしょうか?

カバキコマチグモの生態

カバキコマチグモが日本全国に生息しているなんて驚きますね。実はカバキコマチグモは「日本最強の有毒生物」なんです!そんな有毒生物が日本全国に生息しているなんて...。

もし出会ってしまった時でも冷静に対処できるように、カバキコマチグモのことをよく知っておく必要があります!まずは生態についてです。

カバキコマチグモが生息する場所


カバキコマチグモは幼いうちは草むらに生息。 そして大人になるとイネやススキなど、大型のイネ科の植物がある場所に移り住みます。とても不思議な生態ですね。

カバキコマチグモの巣

皆様「クモの巣」と聞いて思い浮かべるのはどんなものですか? 中央から放射線状に引かれた白い糸に、同心円状に細かく糸が張られたもの。そんなイメージではないでしょうか?

なんとカバキコマチグモは、移り住んだ先の植物の葉っぱを丸めてそれを巣として過ごすのです。 一般的なクモの巣とは全然違いますね!この巣は脱皮や交尾など目的別に作り替えるとされ、夜間は草むらを徘徊して小さな昆虫を捕食。やはり不思議な生態をしていますね。

カバキコマチグモの産卵期

産卵期になる6~8月は、オスが入り口を覆う糸を食い破り巣に侵入し、メスの下に潜り込み交尾。 メスは巣の中で100個前後の卵を産んで、孵化するまでの10日間ほど卵を守ります。

そしてこの産卵期はカバキコマチグモが1番神経を尖らせる時期となっているので、特に注意が必要です!巣が見つけづらいので、知らないうちに巣を壊してしまいカバキコマチグモの怒りをかってしまうかもしれません。

出典: https://www.goo.ne.jp/green/life/unno/diary/200411/1100837600.html

そして産まれたカバキコマチグモの子供たちは、1回目の脱皮が終わると生きている母グモに一斉に食いつき、そのまま体液を吸い取ってしまいます。 しかも!この瞬間も母グモは敵が近くにいれば威嚇して追い払おうとするのです。

その後母グモは子グモに半日ほどかけて体液を吸い尽くされて、キチン質のみの姿になってしまいます。子供のために自分の命も捧げる...究極の母性愛ですね。

刺咬症(しこうしょう)について

節足動物による虫刺されを「刺咬症(しこうしょう)」と言い、ハチ、ブヨ、カ、ダニ、ノミ、クモなどに使用。 刺咬症は刺された(噛まれた)部分の皮膚を中心に、赤い斑点、もしくは蕁麻疹(じんましん)のようなものができます。場合によっては水膨れのようになる時もあるのです。

出典: http://benesse.jp/kosodate/201606/20160602-2.html

カバキコマチグモの毒

カバキコマチグモは非常に強力な毒を持っています。 その強さは世界の猛毒生物ランキングで6位に食い込むほどです。日本での死亡例は無いそうですが、海外では死亡した方もいるそうですので油断できません。 噛まれてしまうと、針で抉られる様な激痛、持続的な痛み、点状出血が起きます。

重症化するとさらに酷くなり食欲減退、発熱、頭痛、呼吸困難、悪心、まれにショック症状を起こします。日本全国に生息しているのに死亡例がないのが不思議なくらいです。この症状は通常では2~3日間ですが、酷い場合だと局所の痛みや痺れは2週間ほど続く場合もあります。

カバキコマチグモの毒の種類

カバキコマチグモの毒は神経を麻痺させる「神経毒」になりますが、その他に激しい痛みの原因となる「カテコールアミン」「セロトニン」、さらに「ヒスタミン」「スペルミン」を含みます。

特に「セロトニン」はハチの毒にも多く含まれる成分で、もっとも痛みを感じる物質だとか...。クモの毒でも「アナキラフィシーショック」が起きるそうなので、十分に注意してください!

カバキコマチグモの対策方法


日本全国に生息し、強力な毒を持つカバキコマチグモですが、クモは基本的に自分から人を襲わない動物です。 しっかり対策していれば、少なくとも噛まれることはなくなるでしょう。どんな対策があるのか、ご紹介していきたいと思います!

対策1.近づかない

対策方法 1番は巣に近づかないことです。 「そんなこと!?」と思うかもしれませんが、出会わないことが1番。外出中にススキやイネっぽい植物があったら、そこを離れて通りましょう。それだけでカバキコマチグモの脅威から逃れることができます。

対策2.肌を露出しない

出典: http://www.bellemaison.jp/ep/srvlt/EPFB00/EPFB0005/dProdDtlShow?BELN_SHOP_KBN=100&KAT_BTGO=B77675_588_2017_11&SHNCRTTKKRO_KBN=03&KIKK_HBN=B7767504&IRO_SKBT_SEQ=14404&KIKK_HBN_HYJ_KBN=k

対策方法 イネ科の植物を刈り取る時などは、暑い時期でも肌を露出しないようにしましょう。布1枚あるだけで危険度、安心感が全然違います。

対策3.巣を壊さない

対策方法 葉っぱの先がクルンと巻かれているので、気になって触ってしまう...。好奇心に負けて、葉っぱを開いてしまう人もいるかもしれませんが、絶対にやってはいけません!もし素手でやってしまったら、そのまま噛まれてしまうでしょう。

上記で説明したように、カバキコマチグモの毒は強力です。日本で死亡例がなくても、海外では死亡した例があります。最悪の場合、死んでしまうかもしれません。巣を素手で壊すことは、絶対にしないでください。

カバキコマチグモの対処法

どんなに対策しても、カバキコマチグモとの接触を完全に防げるわけではありません。 そんな時にはこんな対処法がありますよ!是非参考にしてみてください。

カバキコマチグモの巣を見つけた時の対処法

もしかしたら、外出中に偶然カバキコマチグモの巣を見つけてしまうかもしれません。 その時は直接巣に触らないように葉っぱごと切り離し、踏みつぶすという風に対処してください。絶対に直接触らないこと!これが1番大切なことです!

家に入ってきてしまった場合の対処法

巣を作らず夜に餌を探し回るカバキコマチグモは、もしかすると貴方の家に迷い込んでくるかもしれません。 そんな時は ・長い棒などで外へ追い出す ・ハエ叩きで叩く ・掃除機で吸い取って、ゴミと一緒に捨てる ・殺虫剤を使う などの対処法があります。

また、カバキコマチグモは布団に入り込むことが多いそうなので、家の中で見失ったら布団をめくってみてください。

カバキコマチグモに噛まれてしまった時の治療法

どんなに注意をしていても、噛まれてしまう場合もあるでしょう。 そんな時、どのように治療すればいいのかをご紹介していきたいと思います。知っておいて損なしの治療法です!


治療に必要なもの

用意するものはステロイド軟膏(抗ヒスタミン剤入り) と、冷やすもの(冷湿布、氷のうなど)。 この2つです!

治療に必要な「ステロイド軟膏」とは?

1番身近なもので、手に入りやすいものは「ムヒ」です! その中で1番おすすめなのが「ムヒアルファEX」!!生後6ヶ月から使用可能です。ドラッグストアなどでお手軽に手に入ります。

治療の順番

まず噛まれた場所を流水で優しく洗い流してください。 強くこすったり、圧迫したりすると痛みが増してしまうことがあるので注意してください。

流水で洗い流したら、ステロイド軟膏を傷口に塗り込みましょう。 この時も強く塗り込んではいけませんよ! それでも痛みが酷いようだったら鎮静剤も飲んでください。できる処置をまずしておくことが大切ですね。万が一のケースがあるので、注意しましょう。

最後に冷湿布、氷のうなどで冷やしてください。 そして治療が終わった後ですが、自己判断せずに病院へ行きましょう。その際に、クモの種類が分かると診断がしやすいので、余裕があればクモの死骸でもいいので持っていってくださいね。

まとめ

皆様いかがでしたでしょうか? 今回はカバキコマチグモの生態、対策、対処法、治療法などをご紹介いたしました。特に生態なんてびっくりすることばかりでした。

印象的なのは、母グモが子グモに捕食されるということ、そして生息範囲の広さ。まさか日本全国に生息しているなんて...身近に潜んでいる小さな恐怖はとても恐ろしいものですね。今回はカバキコマチグモについてでしたが、他の毒グモにも通じる点が多々あります。もしもの時に役に立ったら幸いです。ご購読ありがとうございました。

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