シュロとは
シュロの木はまっすぐ上にに伸びて、扇の様な葉をいくつも広げ、南国ムードあふれる植物ですよね。 ヤシ科の植物ですが、雪の降る地域でも逞しく育っています。 大きく成長すれば存在感のあるシンボルツリーとなり、庭木としても人気です。 国内では「ワジュロ」「トウジュロ」と、この2つの雑種の「アイジュロ」があるそうです。
科名
ヤシ目ヤシ科ヤシ属 ヤシ目ヤシ科ヤシ属は種類が多く、熱帯地方を中心に253属、約3333種があるそうです。
学名
Trachycapus fortunei 語源はごギリシャ語でTrachycarpus(トラキーカーパス)「trachys」(ざらついた)「carpos」 (果実)とされています。
花名由来
漢字では「棕櫚」と書きます。由来は棕櫚の音読みという説と、古名の須呂が転訛したという説があります。
シュロの花言葉・開花時期
花言葉:シュロ
シュロは8月29日の誕生樹です。 10月5日・12月15日の誕生花で、花言葉は「勝利」「不変の友情」です。
開花時期
花期は5~6月。雄雌どちらにも黄色い穀物が実るようにボリュームのある花が咲きます。こんもりと美味しそうに見えますが食べられません。
雄花と雌花の違いは、ボリュームのある方が雄花で雄しべが3本~6本あります。 雌花は雄花よりボリュームが少なく、花が開くと、雌しべが一本しかありません。 この違いで見分けます。雌雄異株とされていますが、雄雌同時に咲く木もあるそうです。
秋にはこのように小さな実がいっぱい実ります。やはり食べられませんが、漢方薬には使われています。その他リースやアレンジメントなどの人気の素材となっています。
シュロの育て方・栽培方法
難易度
庭木としては葉が小さくてピンと育つトウジュロの方が人気のようですが、どちらも丈夫で一度根付けば真っ直ぐすくすく育ちます。 成長は遅いですが、特に栄養もいらず、育てやすい木です。葉っぱは上の方に付き、幹が成長していきます。 特に虫もつかないようですが、蜂が巣を作る場合もあるので気を付けましょう。
植え付け
地植えの場合は高低差をつけて植えると見栄えも格好良く育ちます。まっすぐ上に伸びるので軒先などを避けて植えましょう。 水はけの良い腐葉土などの土に植えてください。植えつけの時期は暑さの落ち着いた秋が良いです。 シュロがあると一気にお洒落な感じになりますよね。
鉢植えで育てる事も可能ですが、庭に植えるよりは大きく育ちません。土は水はけのよい土で、鉢は大きなものを選びましょう。
種まき
種まきは11月頃に実を収穫して、日の当たらない乾燥した状態で保存し、4月頃にまきましょう。
水やり
地植えの場合は最初にたっぷりとあげて、その後はあまり気にしなくても良いですが、鉢植えの場合は表面が乾いたら水をあげましょう。受け皿に水をためないようにしましょう。
肥料
肥料は年に1度、2月~3月に堆肥や鶏糞を根元を囲むように周りにまきましょう。
剪定
古い葉っぱが枯れてきたり、あまり広がり過ぎる場合、葉っぱを10枚程残して剪定しましょう。 葉っぱを切り過ぎると枯れてしまいますので気を付けましょう。 剪定の動画を紹介します。
シュロの伐採
シュロは真っ直ぐ伸びるので、大きくなり過ぎて伐採せざるを得ない場合があるようです。 上を切って葉っぱが無くなると枯れてしまいます。 大きくなったから短くしたいという場合は伐採しかありません。
伐採の時には、幹の周りのネット状の皮を取り除かないと、チェンソーの刃が絡まって切りにくいそうです。 そのため伐採の際には斧がおススメですが、慣れていないと危険なので、大きなシュロは本業の方にお願いした方が良さそうです。 またシュロは繊維質の皮は非常に燃えやすいため、近くで火を扱う際はお気を付け下さい。 伐採の動画を紹介します。
増やし方
シュロの増やし方は、種をまいて苗を育てるしかないのですが、近くにシュロの木が何本かある場合は、野山に野生化したノラジュロと呼ばれるシュロや、小さなシュロ苗があると思います。増え過ぎて雑草扱いにされている所もあるのだそう。 山に行って採取してくるという方もいるそうですよ。
植え替え
植え替えの時期は暑さが落ち着いた秋にしましょう。鉢に植え替える場合は、大きい鉢を準備して、水はけのよい観葉植物用の土を用意します。枯れた葉があったら取り除いて、中心の葉は必ず残しましょう。 外から苗を掘り出す際は、根を傷つけないように注意してくださいね。
シュロの特徴
シュロは常緑高木で、日本で栽培されるヤシ科の植物の中では、最も耐寒性も優れています。雪が降る地域でも逞しく育ちます。 葉は、幹の頂部に20~30枚が集まって付き、扇のような形に広がっています。ワジュロは葉先が垂れ下がり、トウジュロは垂れ下がりません。
幹は暗褐色の繊維質皮で覆われ、たわしやほうきなど様々な道具などに加工されています。 シュロのたわしやほうきは「汚れを掃き清める」という縁起物の意味もあるそうですよ。 シュロの幹はとても固く鐘突き棒にも利用されているそうです。 花、皮、実などは高血圧の治療や止血剤として民間で用いられています。
シュロの品種・原種
ワジュロ
ワジュロは葉先が垂れ下がるのが特徴です。熊手のような葉の形をしていて、トウジュロより葉のボリュームがあり大きく見えます。 樹高は10メートル程になります。幹は繊維質の皮で覆われており、この皮は腐りにくく伸縮性に優れていて縄や敷物、タワシ、ホウキなどの加工品に使用されています。
トウジュロ
トウジュロは中国原産で、葉先が垂れ下がらないのが特徴です。葉のボリュームがワジュロよりも少しコンパクトに育ちますが、樹高は年数が経てば大きくなります。 幹はワジュロと同じように繊維質の皮で覆われています。
ノラジュロ
人が植えていない場所に鳥などに種子を運ばれて自生しているシュロを「ノラジュロ」又は「ノジュロ」と呼ばれているようです。 もう一種アイジュロと呼ばれるシュロがありますが、ワジュロとトウジュロが自然交配されてできた雑種となるそうです。
原産地
ワジュロは九州南部が原産地で、トウジュロは中国大陸が原産地とされています。
分布域
中国からミャンマー北部、日本では南部~東北地方までとされていますが、北海道でも育つ場所があるそうです。
シュロとヤシの見分け方
シュロとヤシの見分け方は、シュロの葉は軸が伸びてその先に扇形に広がっています。ヤシの葉は鳥の羽状に葉っぱが生えています。下の画像はヤシの木です。葉の生え方が違いますよね。
シュロのその他おすすめ情報
シュロは、葉、花、皮、種などすべて無駄なく活用できる植物です。昔からたわしやほうきなど様々な道具に形を変えて私たちの身近な存在となっています。 本格的なほうきなどは手作りは難しそうですが、大きな葉を使って小物を手作りされている方も沢山いらっしゃいます。 シュロの活用法をいくつか紹介します。
シュロの葉っぱで小物を手作り
シュロの葉っぱでバッタ
シュロの葉っぱでこんな風にバッタが作れます。お子さんと一緒に作ると楽しそうですね。 作り方動画を紹介しますので、作ってみてくださいね。
シュロの葉っぱでハエたたき
シュロの葉っぱを柄をそのまま持ち手としてハエたたきが作れます。 幹の皮を使ったほうきは難しそうですが、こちらのようなハエたたきだったら作れそうですね。良くしなって使いやすいそうですよ。 材料はシュロの葉とアサ紐やシュロ紐などとはさみがあればOKです。 シュロの葉の軸は意外としっかりしているので1つ作ると便利だと思います。
シュロの葉っぱでカゴ&バスケット
シュロの葉でこのようにカゴも作れます。器用な方はチャレンジしてみてください。葉っぱが茶色になっても形はそのまま良い感じになるようですよ。
こちらはシュロの葉っぱのバスケットです。無造作に入れられた食材がとても美味しそうに見えますね。お家にシュロがあったらこんなバスケット、作ってみたいです。
シュロの葉っぱを生ける
お花と一緒に生ける
シュロの葉が手前の蘭の花を引き立たせてくれますね。同じグリーンでも葉の形が違うととてもインパクトがあって素敵ですよね。
お正月飾りにも
こちらは紅白の実と一緒にシュロの葉をお正月飾りにされています。扇型に広がるシュロは色んなアレンジができますね。
シュロの実でアレンジメント
シュロの実はこれからの季節はクリスマスリースなどにも良いですよね。こんなアレンジメントも素敵です。
シュロ紐を使って
シュロ紐でなべしき
こちらはシュロ紐でなべしきを作られています。さすがに紐は手作りは難しいですよね。シュロ紐はホームセンターなどで販売されています。 丈夫なシュロ紐はへたりにくく、熱い鍋を置いても熱を妨げてくれますね。ナチュラルな感じで素敵です。
シュロの皮の繊維で
シュロのほうき
シュロのほうきは丈夫で、フローリング用としてとても人気があるそうです。手間もかかるのでそれだけ高価なほうきとなりますが、一本持ちたいほうきですね。 シュロのほうきができるまでの動画を紹介します。
シュロのたわし
かめの子たわしがどんな風に作られるか知っていましたか?今はナイロン製品もありますが、昔から作られているシュロのたわしはなじみ深いですよね。 たわしが出来るまでの動画を紹介します。
可愛いたわし
シュロたわしがかわいい動物になっています。すごいですね。こちらはたわしではなくてインテリアなのでしょうね。インパクトありますね。
まとめ
シュロは我が家に沢山植えてありました。真っ直ぐ育つので子供が生まれた時の記念樹にも良いと思います。 我が家では母が小さい苗を嫁入りの時に植えたそうで、大きくすくすくと育っていましたよ。電線に付きそうなほどのシュロが15本並んでいるのは南国ムード満点でした。 シュロの葉っぱなどが手に入ったら私も何か作りたいと思います。 皆さんも作ってみてくださいね。
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