ギンポの分類
スズキ目
スズキ目と聞くと食用としても釣りの対象としても有名なスズキが思い浮かびますが分類としてスズキ目に入る魚は非常に多いのです。その数はなんと10000種を超えます! ギンポもその中の1種類で詳細はスズキ目ニシキギンポ科ニシキギンポ属の一種となります。
またギンポとは広義の上での総称で実際にはアサヒギンポ科やベラギンポ科、イソギンポ科など非常に多くの科に分かれています。 別の呼び方で『ウミドジョウ』や『カミソリウオ』といった呼び名があります。
ギンポの外国名
Blenny
ギンポの英名はBlennyといいます。 聞きなれない単語ですが日本語で『ギンポ類』という意味です。
ギンポの学名
Pholis nebulosa
ギンポの学名はPholis nebulosaといいます。 nebulosaとはスペインの言葉で『星雲』という意味です。
ギンポの由来
銀宝と銀棒 2つの由来があります
ギンポの名前には2つの由来があります。 1つ目の銀宝から説明していきます。 昔、日本で銀貨が使われていた時代に「銀宝」という貨幣がありました。この「銀宝」という貨幣は細長い形をしていて「銀宝」に姿かたちが似ているから「ぎんぽ」と名づけられたそうです。
続いて2つ目の銀棒の説明です。 「銀棒」はその名のとおり銀の棒のことを指しています。 ギンポは絶命すると死後硬直により体が硬く鉄の棒のようになってしまいます。また体の色も変色していきまるで銀の棒のように見えることから「ぎんぼう」と呼ばれ始めたそうです。「ぎんぼう」が訛りなどで変化していき現在の「ぎんぽ」になったと考えられます。
ギンポの生息地
生息域は日本全国!
ギンポは日本全国に生息しています。 生息域が広い魚は釣り人にとってどこへ行っても楽しめる嬉しい魚です。普段の生活の中では滅多に目にしない魚ですが、私たち人間の身近なところに彼らも生活しているのです。
ギンポの生態
実はイクメンパパなんです
魚の中には産卵後に魚を守る習性を持つ種類がいます。 ギンポもその仲間で産卵された卵を体でグルっと一周させ外敵から子供たちを守るのです。このように親が卵を守る魚は他にハゼやラージマウスバスなどがいます。
ギンポの生育環境
実は自宅で飼えるギンポ
海水魚を自宅で飼育する事に対して「難しそう」と考える方も多いかと思います。 ギンポは比較的ストレスなどに強く生命力豊かな魚なので飼いやすい部類に入ると思います。またペットショップなどでペット用のギンポが売っていることもありますので入手も容易です。 しかし1つの穴を巣にする性格上なわばり意識が強く2匹同時で飼うとケンカしてしまう恐れがあるので1匹ずつ飼うほうがいいと思います。
ギンポの飼育に必要なもの
ギンポの飼育に必要なものは以下の通りです。 1・水槽 一般的に販売されている水槽で大丈夫です。 深さは大きくても90cmまでのもので十分でしょう。 2・水質調整剤 カルキ抜き薬のことです。水道水に含まれているカルキを抜くために使用します。 3・海水の元 人工的に海水を作る薬です。これが無くてはギンポは生きていけません。 4・ろ過装置 水槽内の水を綺麗にする装置です。水質の悪化は人間で言う空気が汚れている状態に等しいです。必ず準備しましょう。 5・水温を保つ装置 主に水温計やヒーターなどギンポが生きていくにあたって快適な生活空間が保たれるようにします。
ギンポは比較的飼いやすい魚ですが生き物を飼うという事はその命の責任を背負うということです。そのため専門的な知識が必要になります。 更に詳しく知りたい方は当サイトと共に下記サイトも参考にしてください。
ギンポの特徴
小さなウツボのような姿
ギンポを知らない人が始めてギンポを見たとき「ウツボの子供かな?」といった感想を持たれると思います。 体は細長く大きさは最大で20cmほどで、よく見るとハゼのような愛嬌のある顔をしています。
自分の体が入る穴を見つけ巣を作り生活をしています。最近ではテトラポットの隙間に入り込んでいることも多いです。 ダイビングをされる方の中には穴から顔を出したギンポの撮影を楽しまれている方もいます。
ギンポの釣り方
ギンポを釣るなら穴釣り!
ギンポを釣る方法の中で一番おすすめできるのが穴釣りという釣り方です。 ブラクリという非常にシンプルな仕掛けを使って釣りをします。重りと針が一緒になった仕掛けで先端の針にエサとなるイカやイソメ、エビなどをつけて釣りをします。釣具屋さんで300円ほどで購入できます。
釣れる時期と狙う場所
基本的に一年中釣れる魚なのですが厳寒期には穴の中からまったく動かない時があります。春先の暖かくなってきた頃から初夏までが比較的釣りやすい時期のようです。
穴釣りで狙う場所はズバリ『穴』です。 テトラポットの隙間や岩と岩の隙間、防波堤の基礎の間など狭い場所に潜んでいる事が多いです。穴釣りについて更に詳しく知りたい方は下記リンクからどうぞ!
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ギンポの味
透明感のある白身が美しい
その見た目から釣れても捨ててしまう人がいるかもしれませんが実はとても美味しい魚なのです。身そのものに旨みが豊潤に含まれており多くの方がその味の虜になっているようです。
味は間違いないですね!上品だけど濃厚な白身って感じでした
捌かれた身は透明感のある白身で外見からは想像できない美しさです。
上品なさらりとした身に味が濃く、塩だけで十分美味しく頂けました。
ギンポの選び方
ギンポは活けが一番!
ギンポは死んでから時間が経つと白色に変色していきます。白く変色したギンポは鮮度が悪いということです。出来るだけ生きているものを選びましょう。 また釣り場で釣れたギンポは素早く氷シメをしクーラーで保冷することで鮮度を保ったまま自宅まで持ち帰る事が可能です。
ギンポの栄養素
白身魚特有の低脂質!
白身魚の多くは低脂質です。白身魚の身にはビタミンAやビタミンB12といった栄養素も含まれています。 ビタミンAはガンの予防や体の再生に一役買っている栄養素です。 またビタミンB12は血液を造る働きがあります。
ギンポの料理
江戸前の最高級天ぷら!
食べられた方の多くが絶賛する料理がギンポの天ぷらです。その美味しさから江戸前の天ぷら屋さんでは常に最高級品として扱われてきました。 身そのものに旨みがあるため味付けは揚げた後の塩のみで十分のようです。
焼いても煮ても美味しい?
多くの場合 ギンポは天ぷらにされることが多いですが実は他の料理でも美味しい魚なのです。 白身魚の定番料理である煮つけから塩焼きまで食卓を賑やかにしてくれること間違いなしです。
ギンポの調理方法
ギンポの捌き方
ギンポは体表に強いぬめりを持つ魚です。 そのため少し捌くのにコツがいります。
その1・氷水でシメる
魚を料理するにおいてシメる作業はとても大事です。 魚が苦しみを感じると旨み成分が少なくなる実験結果も出ているほどです。頂いた命を美味しく頂くために確実にシメましょう。
その2・塩でぬめり取り
タコやアナゴなど ぬめりの強い魚全般に言えることなのですが塩を塗り込むとぬめりを取る事ができます。魚のぬめりは水には溶けづらいのですが塩には溶けやすいので塩を使ってぬめりを取るということです。
その3・三枚に下ろします
ここが未経験者には大変な部分だと思います。頭を落とし内蔵を取り出します。魚の多くは鋭利なトゲを持っていることが多いので注意しましょう。
どうしても上手く捌けない!
初めてギンポを捌く方の中には上手くいかずに挫折してしまいそうになる方もいるかもしれません。他に魚を捌いた経験がある方も 中々捌く機会のない形の魚なので苦戦する方も多いかと思います。 動画で分かりやすく解説されている方がいらっしゃいますので捌くのが上手くいかない方はこちらの動画をどうぞ!
ギンポのまとめ
釣り人と共に生きる愛すべき魚 ギンポ
いかがだったでしょうか? 穴釣りをやられている方の中には外道として嫌われていることもある魚ですが昔から天ぷらの素材として多くの方のお腹を満たしてきた功労者でもあります。 身近なところで簡単な装備で釣れる美味しい魚「ギンポ」をみなさまも是非 ご賞味くださいませ!
銀宝(丁銀) 室町時代後期から明治維新まで流通した銀貨