天気によって釣果が変わる?
実は釣れやすい雨の日
多くの人にとってあまり外に出たくなくなる天気である雨。ですが、サビキ釣りやバス釣りなど、そんな雨の中だからこそ釣果を上げるチャンスのある釣りもあります。この記事では雨の中での釣りを快適にするための服装や必要な装備、雨の日に釣りをする上での注意点を詳しく解説していきます。
晴れの釣りより快適ではないからといって、せっかくのチャンスを見逃さずに雨の日の釣りに繰り出してみましょう。
釣れるからと言って無理は禁物
雨の日は晴れの日の釣りより釣れるチャンスがあるのですが、その分危険度が上がるのも事実です。相手は自然なので決してあなどらず、あまりにもひどい雨の日には釣りに行くのを止める決断も必要になります。
出発前は天気予報をしっかりとチェックして、釣りに行くかどうかを判断してください。また、雨の日になると逆に釣りにくくなる魚も一部いるので注意が必要です。
なぜ雨の日が釣れるのか
1:釣り人が減る
冒頭でも触れましたが、多くの人はあまり雨降りの中で外に出たがりません。それは釣り人も同じです。そうすると当然釣り場にいる人の数が減るので、いつもよりもいいポイントを確保しやすく、魚に対するプレッシャーも低下します。
雨の中の釣りは視界の悪化など、普段の釣りより多少難易度が上がってしまいますが、これらのメリットはそのデメリットを打ち消して余りあるほどの価値があります。
2:魚の警戒心が下がる
雨が降っていると水中に大量の雨が降り注ぐ音が響くので、魚はちょっとやそっとの着水音では警戒しません。また、水も濁るので魚の視界が悪くなり、ルアーが見切られづらくもなります。
その分、派手目にアピールをしないと逆に魚に気がついてもらえない場合もあるので、いつもより匂いの強い餌を使用したり、アピール力の強いルアーを使うなどして対策を取るようにしてください。
3:魚の活性が上がる
人の体調が気圧に影響されるように、魚の活性と気圧の間にも実は密接な関係があります。基本的に低気圧の方がいくつかの理由で魚の活性が上がり、その分だけ釣れやすくなると言われているのです。
雨は低気圧によって発生するので、まさに雨の日は低気圧によって活性の上がった魚を釣る絶好のチャンスと言えるでしょう。
低気圧で魚の活性が上がる理由
- 餌となるプランクトンなどの動きが気圧の低下によって動きやすくなることにより活発になる。
- 気圧が低くなることで浮き袋内の空気の調節がしやすくなり、浮き上がりやすくなる。
- 気圧の低下により水位が上がり、魚の活動範囲が広がる。
雨の日の釣りにベストな服装
インナーに着る服装は通気性に優れたものが最適
雨の日の釣りに行く際のインナーは吸水性と速乾性に優れ、蒸れないものを選ぶのがベストです。基本的に高い防水性をもつレインコートやカッパは通気性の悪いものが多く、釣りをしているうちに蒸れて汗だくになることも珍しくありません。
汗で湿ったままにしておくと体が冷えて風邪をひく原因にもなりますので、雨の日に釣りに行く際はインナーからしっかり服装を考えるようにしましょう。もちろん替えの服装も忘れずに用意しておいてください。
上着は耐水性に優れたレインウェア
レインウェアを選ぶうえで一番重要視するべきポイントは、防水であることと耐水圧が高いことです。この他に透湿性というものもありますが、これは高級なレインウェアでなければ耐水圧とトレードオフの関係にあるので今回は注目しません。
また、撥水加工のレインウェアもありますが、こちらも水をはじく効果しかないのでおすすめできません。簡易的なのカッパではなく、耐水圧10000ml以上で防水仕様のレインウェアを選ぶようにしてください。
下に履く服装はウェーダーがベスト
雨の日に釣りに行くなら、下はウェーダーと呼ばれる水深の浅い所に入るための胴長靴を履いていくのがベストです。元々高い防水性を持っているうえに、晴れの日でも渓流や、水深の浅いサーフに入っていく際に使えるので持っていて無駄になりません。
さまざまなタイプのウェーダーがありますが、使い回しを考えるなら腰まであるタイプで滑り止めの付いたソールのものを選ぶのがおすすめです。
防水靴や長靴でもOK
ウェーダーまでは必要ないと思う方には、防水靴や長靴にレインパンツのスタイルがおすすめです。最近ではワークマンなどでも安くて性能のいいモデルが販売されているので、あまりお金をかけたくない場合はこの組み合わせを試してみてください。
また、防水靴や長靴を履く際も滑り止めが付いたモデルを選ぶのがおすすめです。
帽子はつばの広いレインキャップ
何の対策も無しに雨の中で釣りをしていると、思いのほか雨が顔にあたります。雨の日に釣りをする際は普通の帽子ではなく必ずつばの広い防水加工のされたレインキャップを被るようにしてください。
つばの短い普通の帽子では雨水を吸って重くなるだけです。加えて思ったよりも顔に雨が当たり続けるのは不快感が強く、視界悪化の原因にもなりますので、しっかりと対策をしましょう。
雨の日の釣りに必要な装備
顔などを拭くためのタオル
いくらレインウェアなどで雨対策をしても多少は濡れてしまうので、顔などを拭くためのタオルは雨の日の釣りに必ず持って行ってください。また、顔や体を拭く以外にも釣り具などの持ち物を拭く用のタオルも併せて持っていくと、帰りの際に車内を濡らさずに済むのでしょう。
布地のタオルの他に、洗車後の車体を拭くためのスポンジタオルを持っていくのも、レインウェアについた水滴を払うのに便利なのでおすすめです。
撥水加工の偏光グラス
雨の日は雨が顔にあたってどうしても視界が悪くなります。そのため、撥水加工のされた偏光グラスを持ち物に加えるのもおすすめです。雨粒が目に入ることを防げますし、水中の様子も裸眼よりは確認しやすくなるのでぐっと釣りやすくなるでしょう。
ただし、撥水加工のされていない偏光グラスは逆に視界悪化の元になりますので、雨の日は使用しないでください。
防水加工のされたグローブ
長時間雨の中に素手を晒していると指先がふやけてしまって、作業がしづらくなってしまいます。夏場や梅雨時期はそれでも気にならないという方も居るかもしれませんが、これが冬場になると明確に指先のダメージとなってかえってきます。
また、雨水で手が滑りやすくなるのも防いでくれるので、雨の日では季節を問わず防水加工のされたグローブを着けて釣りをするのをおすすめします。
防水仕様のカバン
釣り具を始めとした大切な持ち物水浸しにしないためにも、雨の日には防水加工の施されたカバンに釣具を入れるのも大切です。防水加工が施されていれば通常のアパレルブランドのカバンでも問題ありませんが、シマノやダイワなど有名釣具メーカーからも釣り用のものが販売されているので、こちらをおすすめします。
以下に各タイプの防水バックの特徴を表にしましたので参考にしてみてください。
ジッパータイプ | 使い勝手がいいが、長時間の使用や激しい雨に弱い |
ロールアップタイプ | 高い防水性を誇るが、出し入れがしづらい |
フラップタイプ | 逆さにしたりしなければ最も使い勝手がよい |
濡れた服やレインウェアを入れるバケツ
こちらは必須アイテムというわけではありませんが、車で移動する方は濡れたレインコートや長靴をそのまま入れておける、大き目のバケツを車内に用意しておくと便利です。通常ならば車内を濡らさないように水気を払ってから雨具を車の中にしまわなければなりませんが、あらかじめバケツを用意しておけばとりあえずその中に雨具を入れておけるので撤収作業が一気に楽になります。
きちんとした雨具の整理は家に帰ってからゆっくりとやりましょう。
雨具の手入れの仕方
雨具の洗濯の仕方
雨の日に快適に釣りをするためには、雨具のメンテナンスも欠かすことができません。多くの雨具にはタグに洗濯方法が記載されているので、雨具を使用した後はそれに沿った形で必ず洗濯をしてください。
洗剤は一般的な中性洗剤で問題がないものが多いですが例外もありますし、洗濯方法も洗濯機を使っていいものと、手洗いのみのものがありますので、しっかりとタグを見て判断しましょう。
防水効果を長持ちさせる方法
防水効果を長持ちさせるには、洗濯の後に熱処理を行う必要があります。洗濯後、乾燥させたらあて布をして低温のアイロンをかけるか、少し距離を離したドライヤーの温風を当ててください。
熱処理を加えても何度も使用しているとやがて防水能力は薄れてしまいます。その時は防水スプレーなどをかければ防水能力は回復します。後はハンガーにかけて、直射日光を避けて保管しましょう。
雨の日の釣りの注意点
増水に注意
いくら釣れるからと言って無警戒に雨の日に釣りに出かけるのは危険です。その中でも山間部の河川で釣りをする際は、特に増水に注意してください。大丈夫だろうと油断をしていると、一気に水位が上がって流されることもあります。
雨が降っている最中はもちろん、雨が降る前や雨上がりの後でも山側の天気が怪しかったり、川に泥のように水が濁りだしたら増水の発生するの恐れがありますので、速やかに撤収を開始してください。
滑りやすくなる足元に注意
もう一つ雨の日で注意しなければならないのが、滑りやすくなった地面です。特に水辺は濡れると滑りやすくなる所が多いので、スニーカーなどはおすすめしません。
服装の項目でも解説しましたが、滑り止めのしっかりとした靴底の靴を履き、場合によってはアイゼンなども装着して対策を取るようにしてください。
激しすぎる雨は逆に釣れなくなる
ここまで雨の日は釣れると解説してきましたが、実は雨が激しくなりすぎると逆に釣れなくなってしまうこともあります。たとえば横殴りの雨のような中ではそもそもまともに釣りなどできませんし、そこまでの雨になってしまうと魚も雨の音がうるさすぎて周りに反応しづらくなり、逆に大人しくなってしまいます。
何事も過ぎたるは猶及ばざるが如し。あまりに激しい雨になるようでしたらその日の釣りは諦めるようにしましょう。
ポイントを抑えて快適な釣行を楽しもう
雨の日の釣りは、晴れの日の釣りとは違う独特の音と空気感があり、新たな釣りの魅力を発見することができるでしょう。ここまで解説した装備を用意すれば、雨の日にも負けることなく釣りができるので、ぜひ一度その空気感を味わってみてください。
ですが、無理は禁物です。安全を確保して、楽しい釣りライフをすごしましょう。
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出典:unsplash.com/