山の紅葉が美しい地域は？
東北の山の紅葉は絶景
東北の山は福島県の燧ヶ岳（ひうちがたけ／標高2356m）が最高峰で、ほとんどが1500m前後の中低山です。山頂付近でも常緑の針葉樹や岩場が少ないので麓から山頂まで美しい紅葉に染まる山が多いのが特徴です。
智恵子抄で有名な福島の安達太良山や宮城の栗駒山に代表されるように、傾斜もなだらかでシーズンには山全体が紅葉の絨毯に包まれるのが魅力です。
11月まで紅葉シーズンに切れ目がない
東北の山の紅葉は、山頂近くからはじまり次第に裾野まで山全体に広がって行くので、紅葉シーズンに切れ目がなく時期も長く続くので11月でも楽しめる山が多いのです。しかも寒暖の差があるので色づきが鮮やかなのが特徴です。今回は東北の登山の魅力や11月でも紅葉が美しい理由や、11月まで紅葉が楽しめるコースを3つ選んで紹介します。
東北の登山の魅力
①東北の山は登山難易度が低い
標高が比較的低く登山道もなだらかで危険な岩場も少ないので、ハイキング気分で登れる難易度が低いのが特徴です。山頂近くまで広葉樹林や高山植物が続くので初心者でも気軽に登ることができます。
また中低山が多いので酸素が薄い所でかかる高山病のリスクがなく安心です。また高低差による気温の変化も少ないので極端な防寒着などの重装備も必要ありません。
②日帰り登山ができ温泉が多い
登山道の距離や標高差が少ないので、ほとんど日帰りで登山できるのが特徴です。また山間や麓の近くには温泉が非常に多く、特に山形・岩手・宮城エリアの山に集中しています。閑静な山間の温泉でゆったりと日帰り登山の汗を流し、疲れを癒すのはまさに天国です。東北の山に行ったときは日帰り登山と合わせてぜひ温泉を堪能しましょう。
東北の山が11月でも紅葉が美しい理由
①広葉樹や落葉草木が多い
東北の山はブナやナラ・カエデなどの広葉樹やチガヤなどの落葉草木で覆われているのが特徴なので、秋の紅葉シーズンには山頂から裾野まで広大な黄色と真紅のグラデーションが展開されます。
山頂と裾野では紅葉の時期がずれ、範囲が広大なので11月でも紅葉を楽しむことができるのです。10月が見頃のピークですが、日照や気候の条件で11月でも紅葉が残っている場所があるのが東北です。
②登山道の全てが紅葉スポット
もう一つの理由は登山道のどこでも紅葉が楽しめることです。通常の紅葉スポットはコースの一部に点在しますが、東北の場合は登山道そのものが紅葉スポットと言えるのでピーク時期をすぎた11月でも紅葉の絶景の残り香に巡り会うチャンスが多いのです。これは広葉落葉樹が山全体に生息する東北の山特有の状況と言えます。
11月でも色彩のコラボが美しい八甲田山
青森一の紅葉を楽しむロープウェイ登山コース
ロープウェイを利用し赤倉岳・井戸岳を縦走して主峰の八甲田大岳（標高1569m）を往復する、初心者や体力に自信がない方でも登れる人気のルートで11月上旬まで紅葉が楽しめます。ロープウェイは高低差650mを一気に登り、眼下に広がる紅葉の絨毯（じゅうたん）は壮観です。
ロープウェイを降りるとすぐに田茂萢（たもやち）湿原があり遊歩道が整備されています。展望デッキからは湿原一面に広がる草紅葉が見渡せます。
山頂は360度の大パノラマ
八甲田大岳山頂は平らで広く360度の大パノラマを堪能しながお弁当を広げるのも格別です。南側からは南八甲田連峰と十和田湖に東北の山々が望め、北側からは下北半島や津軽海峡に天気がよい日には北海道までの眺望が広がります。
見下ろす紅葉の黄や赤と、見上げる空と津軽海峡の海の青さのコントラストが最高です。また八甲田山は初雪の時期が早いので運がよければ、11月に紅葉と白い雪のコラボが見られるかもしれませんよ。
下山は別ルートで酸ヶ湯温泉へ
下山ルートは登ってきた同じコースを戻ることもできますが、分岐から毛無岱（けなしたい）を経由して酸ヶ湯（すかゆ）温泉へ下りるのもおすすめです。毛無岱は天空の楽園とも呼ばれ登山道の階段から見下ろす湿地帯の紅葉は別世界のようで思わず歓喜の声が上がるほどの絶景です。下山後は酸ヶ湯温泉で汗を流す至福のひとときが待っています。
八甲田山は高倉健の映画で有名な酷寒の山？
八甲田山は青森県の南側にあり標高1585mを主峰とする連山の総称で、1977年に公開された高倉健主演の映画で199名が遭難死亡した極寒の雪山のイメージが強い山です。
しかし秋の八甲田山は冬山と対照的に燃えるような紅葉の美しさで登山者の心を惹きつける山です。八甲田山の紅葉の魅力は真紅と黄色に混じる緑のコラボレーションの素晴らしさが11月まで楽しめることです。
11月まで初心者が楽しめる蔵王
蔵王温泉〜ドッコ沼コース
麓にある蔵王温泉から最高峰熊野岳の北側に位置する地蔵山に向かう、紅葉の海を駆け上るロープウェイが2本運行されています。眼下に広がる蔵王の紅葉のスケールの大きさに圧倒され絶句する方も多いのではないでしょうか。
蔵王中央ロープウェイの鳥兜駅から中央第1リフトに乗り継ぎ、リフトを降りて50mほど下ると蔵王の中でも有数の紅葉の名所スポットドッコ沼に着きます。
神秘に包まれたドッコ沼の紅葉
周囲約350m水深2mのドッコ沼の沼底から湧き出る水は枯れることがないと言われる神秘的な沼です。透き通ったエメラルドグリーンの水面を取り巻く黄色と真紅に染まる紅葉は、別世界に踏み込んでしまったような錯覚を覚えます。
神秘的で魅力的な紅葉体験をしたい方におすすめのコースです。ロープウェイで下山したなら近くにある蔵王温泉のお湯に浸かってぜひ汗を流してください。
多彩なコースで紅葉が楽しめる蔵王とは
宮城と山形の県境に位置する蔵王連峰の主峰熊野岳は標高1841mと比較的高い山で、冬は樹氷やスキー場で有名な日本百名山に数えられる名峰です。秋の紅葉見スポットは紹介した以外にも御釜（噴火口）周遊コースなど多彩に点在しています。
カエデやブナなどの落葉樹が密生する蔵王の紅葉は、9月下旬に山頂付近に始まり11月初旬の麓に至るまで標高により時期が異なり長期間にわたり彩の変化が楽しめるのが特徴です。
2つの顔を持つ蔵王
蔵王には山形蔵王と宮城蔵王の2つ趣が違う顔があります。山形蔵王はロープウェイで樹氷原まで登れますが、宮城蔵王は雪上車で登るなどマニアックな顔を持っています。紅葉の風情も異なり宮城蔵王の紅葉の中を流れ落ちる「三階滝」「不動滝」「地蔵滝」は見ものです。ぜひ山形蔵王と宮城蔵王を見比べて見てください。
一度は見ておきたい圧巻の紅葉の安達太良山
安達太良山自然遊歩道コース
全長約2kmの遊歩道を1時間ほどで回れ、登山初心者や足に自信がない方でも圧巻の紅葉の安達太良山を満喫できるコースです。
途中には二階滝・魚止滝・昇竜滝などがあり、ミズナラ・ブナ・イタヤカエデの黄色やオレンジ・赤に染まる紅葉に映える美しい水の滝を、一緒に楽しめる変化に富んだ魅力的な人気コースです。1時間と言わず途中の絶景を堪能する休憩をはさみながらゆっくり散策するのもおすすめです。
安達太良山の魅力
安達太良山は標高1699mの日本百名山に指定されている火山で、その紅葉は「一生に一度は見ておきたい圧巻」と称されるほど多くの人に感動を与える紅葉の山です。
コースも多彩で紹介した自然遊歩道のほか、ロープウェイで山頂を目指し雄大な紅葉を空中散歩するコースや、山頂から鉄山を経由して峰の辻へと縦走するコースなど初心者から本格的登山まで多岐に渡っているのが特徴です。
縦走コースにあるくろがね小屋
くろがね小屋の近くからは、迫力ある岩肌と安達太良山の雄大な紅葉の絨毯のコラボを見渡すことができます。またくろがね小屋では源泉掛け流しの秘湯に浸ることができます。天空の日帰り温泉で汗を流し、体力をリフレッシュするもよし宿泊することもできます。
紅葉の絶景を気軽なハイキング気分で！
東北の山には11月まで紅葉が楽しめる人気スポットがあり、東北ならではの魅力満載です。ハイキング気分で気軽に登山や縦走と合わせて紅葉を楽しめるコースがたくさんあるのが東北の山です。ここまで紹介したコースなどを参考にして今年の秋はぜひ東北の紅葉の絶景を堪能してください。
全国の紅葉スポットが気になる方はこちらをチェック！
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出典：jalan.net