ナタを使った薪割りは意外に難しくない!
鉈(ナタ)は人気の焚き火を始め、ワイルドなキャンプなどのアウトドアで重宝する道具です。女性でもキャンプ初心者でもコツさえつかめば、焚き火用の薪割りは難しくありません。
ナタでホームセンターなどで購入した薪を使う焚き火は、キャンプでは欠かせない人気イベントといえるでしょう。ぜひナタの使い方をマスターして、魅力的なキャンプをお楽しみください。
ナタでの薪割りの注意点と準備や道具
ナタでの薪割りの注意点
ナタで薪割りをするときに大切なことは、「危険なことをしない」とい一点に尽きます。ナタなどの刃物全般の取り扱いには細心の注意を払って使用してください。
もちろん薪割り方法を知ることは大切ですが、薪割りの際は周囲に子供がいないか、刃先がボロボロのものを使用していないかなどを充分に気を付ける必要があります。
軍手の使い方
ナタ以外で薪割りで必要な道具は、軍手1組(皮手袋でもOK)・薪・薪割り台の3つとなります。
薪割りをするときは、素手で薪を持つときに薪の″ささくれ″が指などに刺さることがあります。そのため薪を持つほうの手に軍手を2枚1組で着けてください。ナタを持つほうの利き手は、軍手や皮手袋を着けると滑りやすいため必ず素手でナタを持つようにします。
薪割り台とは?
薪割り台とは、薪を割るときに刃がこぼれてコンクリートなどを打ないようにするための台のことです。土の上に薪を立てる方法は薪がめり込んでしまうため、薪割りがしにくくなります。
そこで丸太などの木の切り株があれば薪割り台として利用し、なければ割る前の薪を使いましょう。薪を台代わりにするときは、幅広で平らな薪を平らな地面に置いて使用します。
ナタを使った薪割りの2つの方法
ナタの刃を当てる角度と位置に注意
主なナタによる薪割りの方法は2つありますが、共通してナタの刃を薪に当てるときの「角度」と「位置」が大切なポイントとなります。
ナタの持ち手は必ず下向きになるように注意してください。持ち手がナタの刃よりも下向きにあると、刃が自分の身体に向かないので安全です。薪に当てるナタの位置も必然的に手前になります。必ず持ち手を下向きにし、手前に刃を当てるのが安全な薪割りのコツです。
①″ナタの背を叩く″薪割りの方法
一つ目の方法はナタの″背″を使って行う方法となり、薪割り初心者も挑戦しやすい方法です。まず薪割り台に薪を垂直に立て、薪の上部中央にナタの刃を当ててください。それから太めの薪を使ってナタの背を叩きながら、ナタの刃を少しずつ薪に食い込ませます。
ナタは木目に沿いながら下に入っていくため、さらにナタの背を薪で地面近くまで叩きます。最後の注意点として、ナタの刃が地面に当たらないようにしてください。
②″ナタを薪に打ち付ける″薪割りの方法
次は、ナタの刃を薪に食い込ませたあとに地面に打ち付けて割る方法です。利き手ではないほうで薪の端を持って安定させ、ナタの刃を薪の木目に沿うように当て、軽く力を入れながら叩いて食い込ませてください。
両手で薪に食い込んだナタを持ち上げ、薪割り台めがけて打ち付けるように振り落とします。薪の底が地面と平行になるように振り下ろすのがコツです。この作業を3~4回繰り返すことで薪は安全に割れます。
ナタに刃を当てるときと振り下ろすときのコツ
″ナタに刃を当てるとき″と、″ナタを振り下ろすとき″は、力を思い切り入れないようにするのが安全に薪割りをするコツとなります。
薪にナタの刃を食い込ませるときは、小さな力で数度叩くようにして食い込ませます。ナタを振り下ろすときも一度で薪割りをしようとはせず、必ず数回に分けて割るイメージで作業するのがコツです。
薪の大きさは火の勢いで使い分ける
″薪のサイズ″で使い分ける
焚き火をするときは、薪のサイズによって使い分けが必要となります。薪の大きさは、一番小さいものが割り箸サイズ~直径3センチ、中ぐらいは直径4~6センチ、一番大きい薪は直径6センチ以上の大きさです。
小さく薪割りをするときは薪の上部面積が狭くなるため、ケガをしないように安全に気を付けて行ってください。
焚き火の熾し方
割り箸程度から直径3センチほどの薪は、着火するときの焚きつけ用に使ってください。焚きつけするときは、細い薪以外に乾燥した葉っぱや樹皮と枝を用いることもあります。火が着いたあとは、直径4~6センチほどの大きさの薪をくべ、最後に火の勢いが安定してきたら太い薪をくべましょう。
焚き火を大きくしたいときは、火が安定したら太めの薪をどんどんくべていきます。焚き火は、このように薪の大きさによって火加減を調整してください。
薪割りをしたあとの″薪″の保管方法
キャンプでの薪の保管方法
薪を作った後にすぐに使わない場合は、袋や段ボール箱などに入れて保管してください。薪を地面に散らばったままにすると間違えて踏んでしまい、ケガをすることがあります。薪割り作業においては、薪の上手な保管も大切な作業です。
自宅での薪の保管方法
キャンプ場で余った薪を自宅で保管するときは、「日当たりと風通し」のよい場所で保管してください。理想的なのは、風が薪と薪の間を通り抜けるような場所となり、さらに虫やカビ防止のために屋根があるのもおすすめです。
キャンプなどのアウトドアで焚き火をする機会が多い人は、まとめて薪割りをして保管しておくと便利です。暖炉の焚火などアウトドア以外の用途でも使う人は、ぜひ自宅での保管方法もチェックしておきましょう。
薪割りあとの″ナタ″の手入れと保管方法
ナタの手入れ方法
ナタは、焚き火などで薪割りをした後は必ずお手入れをしましょう。手入れを怠るとサビがつき、切れ味が悪くなってしまいます。
ナタなどの鋼製の刃物類の手入れは洗剤で汚れをきれいに取り除き、乾燥したタオルや布巾で水分を完全に拭き取ります。殺菌も兼ねて熱湯で洗って消毒するのがベストです。切れ味が落ちてしまうため、刃は決して炙らないでください。しばらく使わないときは、刃物用のお手入れ用油を塗っておくのがベストです。
サビ止めは「サラダ油」もOK
ナタの刃のサビ止めには、植物性のサラダ油も問題ないといわれています。しかし長期間経つとべたつきが出てしまい、べたつきが取れにくくなるのが欠点です。長期間使わずに保管するときは、最低でも半年に一度はサラダ油を洗い落として塗り直すのがよいとされています。
ナタの保管方法
ナタなどの鋼製の刃物類は、鞘(さや)に入れっぱなしにはせず、別々に保管するのが基本となります。しかしナタの刃がむき出しでは危険なため、防錆紙(ぼうせいし)または新聞紙に包んで保管してください。
さらに厚紙で平たい筒を作って刃の部分を保護するのが理想です。そのあとにナタと鞘を商品箱に入れて保管することで、持ち出すときに鞘の紛失をすることが少なくなります。
鞘の手入れと保管方法
鞘には革製・木製・樹脂製などがありますが、いずれも汚れをきれいに取り除き、乾燥させてから鞘だけで保管してください。革製も木製も水分を含んでいるため、くれぐれもナタを入れっぱなしにしないように注意します。
樹脂製はナタを入れっぱなしにしても問題ないとされていますが、やはり別々に保管したほうがよいそうです。
子どもの目につかない場所で保管
ナタなどの刃物類は使い方を間違えると非常に危険なため、子どもの目につく場所では保管しないようにしてください。いたずらなどができないように収納をしっかりし、置き場所も棚の上などにして厳重に保管しましょう。
おすすめの焚き火用のナタの選び方
①「刃の形」で選ぶ
ナタの形は、長方形の「腰鉈」と先端がとがっている「剣鉈」の2種類があり、基本的な使い方や用途は同じです。
人気なのは「腰鉈」となり、焚き火や薪ストーブの薪割り・枝や藪払いにおすすめです。薪割りでは初心者もハンマーのように振り下ろすだけで簡単に使えるのも魅力といえます。「剣鉈」は、「腰鉈」と同じ用途に加えて樹皮を削いだりロープを切断したりなどにも使いましょう。
②「両刃・片刃」で選ぶ
ナタの刃には「両刃」と「片刃」があり、用途によって微妙な違いがあります。
両刃は両面に刃がついており、利き手に関係なく使いやすいのが特徴。焚き火用の薪割り重視ならば、真っすぐな切り口になる両刃が便利です。反対に刃が欠けやすいことや左右対称に研がなければいけないことが欠点になります。
片刃の特徴
片刃は薪割りもできますが、薄くて鋭利なため樹皮を削ぐなどの細かい作業をするときに便利です。その分両刃よりも扱い方にはコツが要るため、ナタの初心者向けではありません。初心者が薪割りをするときは、両刃で慣れてから片刃のナタを扱うとよいでしょう。
③「重量」で選ぶ
ナタの重量はメーカーによって変わりますが、平均的には500g前後の商品が初心者にもよいといわれています。ナタの原理は、ある程度の重量を利用して硬い薪や枝などを割ることにありますが、初心者や腕力があまりない人は、コンパクトタイプのほうが薪割りをするのにおすすめです。
④「柄の持ちやすさ」で選ぶ
ナタの柄はメーカーによって太さや形、材質などの違いがありますが、安全面でも重要なポイントになるため自分に合うものを選んでください。握りやすい形状は丸形よりも楕円形となり、長時間使用しても疲れにくいといわれています。
⑤「刃渡り」も確認する
ナタは、安全性も考慮して刃渡りにも注意してください。初心者にもおすすめの刃渡りは、160~200㎜といわれています。コンパクトに持ち運ぶことも考えると、これ以上の長い刃渡りのナタは少し扱いにくいかもしれません。
ナタで薪割りをしてキャンプを楽しもう!
ナタは焚き火用の薪割りだけではなく、藪や枝払いにも重宝します。2つの方法のコツをつかめば、初心者や女性でもナタの使い方は簡単です。
銃刀法違反に抵触しないように取り扱いには充分な注意が必要ですが、キャンプ場で薪割りをするとかっこよく見えることでしょう。ぜひ使い方をマスターし、キャンプ場で魅力的なひとときをお過ごしください。
ナタの種類が気になる人はこちらをチェック!
ナタを使った薪割りの方法をマスターした後は、キャンパーに人気のあるナタをチェックしておきましょう。ナタは薪割りだけではなく、魚をさばくのにも使える便利な調理道具でもあります。いろいろなメーカーの魅力的なナタを紹介してあるのでご参考にしてください。
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出典:photo-ac.com