メスティンとは
四角い飯盒(はんごう)
メスティンは長方形のアルミ製の軽量な飯盒のことです。本来はご飯を炊くためのアイテムですが、深い兵式の飯盒と比べ炒めたり煮たりさまざまな調理方法ができることから、クッカーとしても扱われている便利なアイテムになります。
日本では海外ブランドのトランギアが発売したメスティンが知名度が高く人気です。トランギアによりメスティンが広まった後、他社も追従し現在はさまざまなブランドからメスティンが発売されています。
メスティンのサイズ
メスティンはクッカーのように使えますが、飯盒のため大きさは1合~2合程度のものが多いです。例えば有名なトランギアのメスティンは通常サイズが1.5合~1.8合程度となりラージサイズは3合ほどになります。ブランドによって多少大きさは変わりますが、小型の物が多く携帯性の高さも人気です。
キャンプや登山のアウトドアだけではなくお弁当箱のようにしても使われていて、普段使いもしやすいアウトドア用品になっています。
表面の加工について
メスティンはクッカーではなく飯盒のため無加工のアルミ製になっているものが多く、クッカーとしては焦げ付いたり、手入れがたいへんだったりします。しかし、近年は特殊な加工を施しクッカーとして使いやすくなっているものも豊富になってきました。
例えば表面にフッ素加工を施したものは炒めものをしたときに焦げ付きを防ぎ、手入れもしやすくなっています。アルマイト処理したものは傷に強くシーズニング作業が不要になるなど魅力的です。
シーズニング作業とは
無加工メスティンやアルミクッカーを使った際に、アルミの匂いが食材につかないようにする購入した後にする加工です。やり方はメスティンが入る大きな鍋にメスティンと米の研ぎ汁をいれて20分程度煮ていくだけになります。アルマイト処理やフッ素加工、テフロン加工が施されているものはシーズニング不要です。
固形燃料とメスティンについて
メスティンは固形燃料と相性がいい
どのメスティンも固形燃料との相性がいいところも人気です。固形燃料が燃え尽きる頃に料理ができるという点が評価されていて、メスティンの自動レシピという名前で呼ばれています。自動レシピ、自動炊飯などさまざまなレシピがありアウトドアでも家の中でも好まれています。
固形燃料もメスティンと同じようにさまざまなブランドから発売されていますが、100均の固形燃料でも問題なく使えることから自動レシピも手軽です。
固形燃料のサイズに注意
メスティンで自動レシピ、半自動レシピをするときは固形燃料のサイズに注意しましょう。固形燃料のサイズが大きい燃焼時間が長くなったり火力が高くなることも考えられます。固形燃料の燃焼時間は、通常の料理で例えると煮込む時間です。煮込む時間が増えると汁気がなくなったり焦げ付いてしまいます。
そのためレシピ通りメスティンで料理を作っても固形燃料のサイズ次第では、レシピと異なる結果になる場合もある点だけ覚えておきましょう。
メスティンの魅力
1:携帯しやすい
スタッキングして収納できるところもポイントです。長方形で兵式飯盒と比べると浅い形状のためシングルバーナーや袋麺、レトルトパウチなどをスタッキングできパッキングしやすくなっています。ハンドル部分もアウトドア用品ということで折り畳めて便利です。
2:価格
メスティンは安いものでは1000円程度から購入できるところもポイントになります。使い勝手が豊富なキャンプ用品が低価格で購入できる点は大きな魅力です。近年では100均でもメスティンが販売されています。
3:使い方が豊富
メスティンは使い方が豊富なところも魅力です。何も加えずメスティンだけで炊飯、焼く、炒める、短時間だけ煮る料理が作れます。製品によっては揚げ物もできるものもあり、幅広い使い方できる万能な飯ごうです。
そのままでは蒸し料理はできません。網を加えると蒸し料理や燻製も可能になり非常に使い勝手がよくなります。有名なメスティンにきれいに収まる社外品の網なども発売されカスタマイズすることで万能な調理器具になるところが魅力です。
固形燃料を使ったご飯の炊き方
炊飯はメスティンの基本
今回紹介するレシピはほったらかしでも自動できるメスティンの炊飯です。白米を炊く基本の炊飯は缶詰を使った炊き込みご飯で活かせるレシピとなるため、固形燃料を使った基本料理として紹介しますね。
シングルバーナーやIHなどの熱源を使わなくてもほったらかしで、簡単にご飯が炊けるため初心者にもおすすめです。アウトドアだけではなく非常時にも使えるため、メスティンを持っているなら覚えておきたいテクニックとなります。
蓋に重しを忘れずに
固形燃料の大きさによってさまざまなレシピがありますが、ほとんどのレシピでほったらかしにするだけです。炊飯する場合も変わりません。
固形燃料を使った炊飯方法は、水で洗った後に30分吸水させます。きちんと給水させた後は固形燃料に火をつけて消えるまで待ちましょう。沸騰したときに吹きこぼれないように蓋の上に重して待つだけです。火が消えたらタオルで巻いて保温しながら蒸らしましょう。最後の蒸らしの工程も大切になります。
火が消えるまで放置で問題ない
シングルバーナーやガスを使った炊飯は始め弱火だったり、中火だったりとレシピによって作り方が変わります。しかし、固形燃料は火力調整できず一度火をつけると燃え尽きるまで使うことが多いため、火力の調整をしなくてもいい炊飯方法やレシピが一般的です。
ほったらかしにして一個の固形燃料だけできるため、アウトドア料理を作ったことがない方でも作りやすいところが固形燃料での調理の魅力になります。
固形燃料の大きさについて
メスティンで愛用される固形燃料の大きさは25~35gのが多いです。30gを使うとほとんどのレシピでちょうどいいサイズ感となるでしょう。サイズにより燃焼時間が変わるので大きい固形燃料を使う場合は、ほったらかしにせず適度にメスティンの様子を見てくださいね。
固形燃料を使ったレシピ(ご飯類)2選
1:カオマンガイのレシピ
カオマンガイはタイの人気料理の一つで、本場では屋台でも食べられる料理です。鶏肉を茹でた汁を使いご飯を一緒に炊くことで米に鶏の風味が加わりおいしくなります。食べるときは茹でた鶏肉をご飯の上に置いて食べるのが一般的です。また、そのまま食べるのではなく専用のタレで味をつけます。
固形燃料を使ったメスティンの料理のレシピでは火が通っているサラダチキンで代用しましょう。火が通っている食材のためキャンプで作りやすいです。
作り方
材料 (1合分)
米1合
ニンニク1片
ショウガ少々
サラダチキン4切れ
固形燃料1個
☆お酒☆大さじ1
☆醤油☆大さじ1
☆ガラスープ☆少々
☆ごま油☆少々
☆ニラ☆少々
レタス1枚
ミニトマト1個
きゅうり1/2本
材料が多いですが、作り方自体はシンプルで簡単にできるためキャンプで作りやすいレシピです。作り方は米を水に浸します。このときにきざみニンニクとショウガも入れましょう。30分程度水に浸し、固形燃料に火をつけて炊飯していきます。
炊飯している間にカオマンガイのタレを作りましょう。タレは調味料を混ぜてレンジで加熱するだけで完成です。タレをキャンプで作る場合は、シェラカップで合わせシェラカップごと加熱するといいでしょう。
2:舞茸炊き込みご飯
炊き込みご飯は炊飯するときに材料、調味料を一緒に入れるだけで作れるため、メスティンと固形燃料を使った調理方法と相性がよくキャンプでも作りやすい料理の一つです。調味料を揃えて一から作っても作りやすいですが、缶詰を使うことで調味料が無くても炊き込みご飯が作れます。
そのため登山やハイキングなど少しでも荷物を軽くしたい場合は缶詰かったレシピがいいでしょう。今回は缶詰を使わないレシピを紹介します。
作り方
材料
米1合
水185cc
舞茸1/2パック
めんつゆ小さじ1
しょうゆ小さじ2
塩少々
固形燃料30g or 35g1個
炊飯するときに調味料、小さく咲いた舞茸を入れて炊飯していきましょう。炊きあがるとタオルや保温できる袋に包んで蒸せば炊き込みご飯の完成です。他の材料を加える場合、火を通す必要があるのものは小さく切ってから入れましょう。
ネギのように火を賭さなくてもいいものは完成した後に入れても大丈夫です。ネギは一緒に炊き込んでしまうと色合いが変わってしまいますが、完成したときにトッピングすると色鮮やかな緑色のままになります。
固形燃料を使ったレシピ(スープ・他)2選
1:ポトフ
ポトフも簡単に作れるキャンプ料理です。人参やソーセージなどを煮込む西洋風のおでんといえる料理でスープとしても好まれます。固形燃料を使ったレシピでは、具材が大きいと火が通らなくなる可能性があるためコンパクトに切るところが調理のポイントです。
切ったり、皮を剥いたりと作業する必要がありますが、煮込んでいる段階はほったらかしでも問題ありません。そのため半自動レシピと呼ばれるレシピになります。
作り方
材料(1人分)
キャベツ 1/16玉
人参 1/3本
じゃがいも 正味100g程
エリンギ 1本
ウインナー 2本
コンソメキューブ 1個
クローブ 1本
ローレル 1枚(小さめ)
水 200cc
固形燃料を使ったメスティンのポトフの作り方は非常に簡単です。シンプルなレシピになっており初心者おすすめできるレシピになります。
作り方は野菜の皮を剥いて、食べやすい大きさにしてコンソメスープで煮ていくだけです。固形燃料の火が消えるまできちんと煮込めば完成になります。具材を全てメスティンの中に入れるため、容量の小さいメスティンは注意しましょう。また、ウインナーは長時間煮込んでしまうと旨味がなくなります。
2:パン
メスティンがあるとパンも作れます。簡単なレシピですが完全にほったらかしにはできず、本品も固形燃料を使った半自動レシピとなります。生地を作ったり、焼くときにひっくり返す必要があるレシピです。メスティンをボールのように使うことで荷物が減らせることから、アウトドアでも作りやすいレシピになっています。
作り方
材料(1人分)
牛乳 50cc
塩 ひとつまみ
砂糖 小さじ1
強力粉 70g バター 8g
インスタントドライイースト 1g
固形燃料を使ったメスティンのパン作りのレシピです。作り方はメスティンに合うようにクッキングシートを敷き、一旦取り出した後材料を入れてまとまってくるまで捏ねます。ひとかたまりになると暖かい場所で発酵させて、クッキングシートを敷き再度生地を入れ直して二次発酵しましょう。
あとは固形燃料から少し離れるように五徳で調整して焼いていく形です。途中でひっくり返すだけの半自動レシピとなります。
メスティンはレシピが豊富
固形燃料を使ったレシピのまとめ
メスティンと固形燃料は相性がよく、固形燃料を使ったレシピも多いです。固形燃料を使うレシピは手軽に調理ができ、ほったらかしでも作れるため初心者でも料理しやすいメリットがありキャンプだけではなく家の中でもおすすめできます。
基本的に簡単な調理方法となりますが、固形燃料の大きさにより加熱する時間が変わってくる点だけで注意しましょう。また、レシピによっては固形燃料のサイズを指定しているものもあるので注意してくださいね。
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