コシヒカリ
ササニシキ
ひとめぼれ
あきたこまち
ヒノヒカリ
きらら397
ゆめぴりか
おぼろづき
ふっくりんこ
日本で作られているお米は869種類!
日本で栽培されているお米の種類は、農林水産省の令和2年の統計では869種類となり、北海道から沖縄までのすべての地域の気候風土に合わせたお米が栽培されています。
お米の種類ごとによる作付けは、1位がコシヒカリで圧倒的な36.4パーセント、2位がひとめぼれで9.7パーセント、3位がヒノヒカリで9.2パーセントと続きます。一覧を参考に自分好みのお米の種類を探してみてください。(この記事は2021年10月27日時点の情報です)
お米の開発は1990年を境に進化
日本におけるお米の開発は、さまざまな銘柄をチェックすると1990年が境界といえそうです。寒冷地のため稲作に不向きとされた北海道などでは1990年代以降、続々と美味しいお米が生産されています。
気候温暖化の影響は少なからずあるのかもしれませんが、生産者を始めとする農業関係者のたゆまぬ努力によるものです。王道の美味しいお米だけではなく、1990年代以降に誕生した、"新顔"のお米も味わってください。
世界で作られている主なお米は3つ
世界で生産されているジャポニカ米(日本型イネ)・インディカ米(インド型イネ)・ジャバニカ米(ジャワ型イネ)の3種類は、同じお米といえども全く異なる種類といえます。それぞれに形だけではなく、粘りや食感、甘み、香りなどの味わいにはっきりした違いがあり、向いている料理が異なるのも特徴です。
3種類のジャポニカ米・インディカ米・ジャバニカ米の味わいなどの特徴は、次の一覧をご参考にしてください。
粘り気が特徴の「ジャポニカ米」
ジャポニカ米は、私たちが普段食べているお米のことを指しています。特徴は丸みを帯びた楕円形をしており、加熱すると粘り気が出ること、香りがよいことや甘みがあることも大きな特徴です。
特別な味付けをしなくても美味しく味わえるため、日本では白いご飯を主食におかずと共にいただく食文化が生まれたといわれています。世界的な生産量は2割程度と意外に低めの種類ですが、中国や韓国、欧米などの一部でも生産されているそうです。
粘り気が少ないのが特徴の「インディカ米」
インディカ米は粒が長いのが特徴となり、加熱すると香りが出ますが粘り気が少なく、少しパサパサした食感も特徴です。白いご飯だけで食べられるジャポニカ米との違いとして、煮たり茹でたりすることが多く、他の食材と併せてカレーやピラフなどに調理することが多い点にあります。
世界的な生産量はインディカ米が8割と多く、インドやタイ、ベトナム、中国南部などのアジアの他、アメリカでも栽培されている種類のお米といわれています。
やや粘り気があるのが特徴の「ジャバニカ米」
ジャバニカ米は幅広の大粒種となり、炊いて加熱すると少し粘り気が出るのが特徴です。インディカ米と同じように、どちらかというと炊くよりも、煮たり茹でたりするパエリアやリゾットなどの料理にして食べられています。
インドネシアや東南アジアの他にイタリアやスペインでも栽培されていますが、他の2種類との違い生産量が少なく、きわめてマイナーな種類のようです。ジャバニカのジャバはジャワ島が由来とされています。
細かく分けるとお米は約10万種類もある
世界で生産されている主なお米は3種類といわれていますが、細かく分類すると約10万種類もあるそうです。いずれも短粒種・中粒種・長粒種に分類され、それぞれに見た目や味わいなどの特徴が異なります。
日本国内では見かける機会は少ないかもしれませんが、海外旅行などで見かけたらぜひ試食してみてはいかがでしょうか。ジャポニカ米の美味しさを改めて再確認できるかもしれません。
日本で人気なお米の品種と銘柄:王道5選
①粘りが強くて甘味のある「コシヒカリ」
コシヒカリ
お米の種類で有名なコシヒカリは1956年(昭和31年)に新潟県で誕生し、粘り・香り・甘みも強いのが特徴の、日本を代表するブランドのお米です。冷めても美味しい点も、おにぎり文化がある日本では重宝しています。
北海道と沖縄を除く全国各地で1979年(昭和54年)から栽培されており、品種別の生産量のトップを守り続けています。コシヒカリの名称の前に、生産地名をつけて販売している高級品も人気です。
②あっさりしてクセのない「ササニシキ」
ササニシキ
1963年(昭和38)年に宮城県で誕生したササニシキは、コシヒカリと同じく日本を代表する有名なブランドですが、コシヒカリが流通するまでは最も有名な銘柄でした。特徴はあっさりしてクセがないことや、冷めても味わいが落ちにくいこと、ほぐれやすい特徴などからお寿司屋さんでも人気の銘柄といわれています。
主に宮城県や山形県で栽培されているお米ですが、病気や耐寒性に弱い種類のため年々栽培量が減少しているそうです。
③粘りのあるふっくらした味わい「ひとめぼれ」
ひとめぼれ
宮城県生まれのひとめぼれの味わいは、粘りがありふっくらした炊き上がり、つや、甘み、香りともによく、トータルで優れているのが特徴のお米です。宮城県や岩手県、山形県に福島県などの東北だけではなく、それ以外の地域でも作られており、コシヒカリの次に全国で生産量が多い銘柄といわれています。
1981年(昭和56年)にコシヒカリと初星という銘柄から誕生したブランド米として、上位3銘柄に食い込むほどの人気があります。
④あっさりした甘味の「あきたこまち」
あきたこまち
あきたこまちは、1984年(昭和59年)にコシヒカリと奥羽292号から誕生した秋田の気候に適した種類のお米です。コシヒカリの特徴である粘りと甘み、香りがありますが、違いは甘みがコシヒカリよりも軽いことにあります。つやのよさも相まって、繊細さが求められる和食で重宝されているお米です。
秋田県で開発されましたが、種を福井県から譲渡されたため品種登録されず、山形県や岩手県、福島県、茨城県などでも栽培されています。
⑤主に九州で栽培されている「ヒノヒカリ」
ヒノヒカリ
ヒノヒカリは1989年(平成元年)にコシヒカリと黄金晴から誕生した、九州地区や西日本で多く栽培されている種類のお米です。粘りや甘みのバランスもよく、炊いたときのつやも美しいといわれています。
もちもちした食感はおにぎりにすると、かつお節や梅干しなどの具材とよく合うと評判です。育てやすさと収穫が安定していることもあり、ひとめぼれと同じくらいに多く生産されている種類のお米となります。
日本で人気なお米の品種と銘柄:新顔5選
①かむほどに甘みが広がる「きらら397」
きらら397
きらら397は1990年(平成2年)に北海道で誕生した、北海道のお米のイメージを一新した有名な銘柄です。かむほどに豊かな甘みとしっかりした粘りのある食感、粒の形の崩れにくさ、冷めても味わいが深いなどの点から、丼ものやピラフ、チャーハンなどに合うとされ、飲食店で人気があります。
北海道で生産されており、石狩平野や上川盆地などが主な栽培地になっています。"きらら"というユニークな名称は、一般公募によるものです。
②官能評価で高評価を得た「ゆめぴりか」
ゆめぴりか
北海道らしい名称のゆめぴりかは2008年(平成20年)に北海道上川地区で誕生し、優良品種として採用されたお米です。強い粘り、甘み、香りなどの味わいが優れ、コシヒカリと並ぶ評価を得ています。炊き上がりのつやも美しく、ご飯だけで味わいたい種類のお米です。
マツコ・デラックスさんのCMでも注目されて全国的に有名になったため、一時は品切れ状態が続いたこともありました。北海道の空知や上川地方などで生産されています。
③ほのかな甘みと独特な風味「おぼろづき」
おぼろづき
2005年に北海道の南部地域限定で生まれた「おぼろづき」は、きらら397から栽培されたお米を親に持つ有名な銘柄となります。
粒の形はやや細長く、強い粘りとほのかな甘み、独特な風味が特徴です。官能評価では、ゆめぴりかと共にコシヒカリと並ぶ得点を獲得しています。白いご飯はもちろん、炊き込みご飯やおこわにしても美味しく、冷めてもかたくならないことからお弁当にもおすすめです。
④機内食にも選ばれた「ふっくりんこ」
ふっくりんこ
機内食に採用されたことがあるふっくりんこは、きらら397から生まれたほしのゆめと空系を掛け合わせた種類のお米で、2003年(平成15年)に北海道の南部地域で誕生しました。名称どおりふっくらとした見た目でつやもあり、食欲をそそります。
粘りが少し強く、甘みが強いことからおにぎりや和食全般との相性が抜群といわれており、特に魚介系の種類のお料理に合うそうです。全国でも流通しており、プロ御用達のお米として知られています。
⑤ふくいくとした香りの「つや姫」
つや姫
山形県で1993年(平成5年)に誕生したつや姫は、日本の美味しいお米のルーツといわれる「亀ノ尾」の流れをくむお米です。際立つ粒の大きさだけではなく、名称どおりつやのある輝き、甘み、うま味、香り、粘りなどの全てがごちそうといわれています。
特に粘り気が強く、口の中で弾力を感じられるとか。先に開発された「はえぬき」を上回る食味として育成され、じわじわと人気が高まっているお米です。
精米の度合いによる味わいの特徴
精米による種類の違い
お米の種類は、精米の方法によっても風合いや食感、栄養成分などの違いを生み出しています。有名なブランド米という点だけではなく、精米の方法にもこだわることでより美味しくてよりヘルシーなお米を味わってください。
精米の種類は3種類あり、多くの人が普段食べている「白米」、お米の外側に付いているもみ殻を取りのぞいた「玄米」、玄米からぬか部分を50パーセント取り除いた「五分づき米」となります。
うるち米ともち米の違い
お米の種類は、わずかな遺伝子の違いで「うるち米」と「もち米」の種類に分けられます。多くの人が普段食べているのはうるち米となり、お餅や赤飯、おこわなどに使われる種類がもち米です。
2種類のお米の違いはデンプンの種類によります。もち米には、うるち米に含まれているアミロースというデンプン成分がほとんど含まれていません。もち米はアミロースが含まれてないため、粘りが非常に強いのです。
お米の種類を知って美味しいご飯を食べよう!
日本で食べられているお米の種類はジャポニカ米ですが、さらにお米は地域の気候風土を生かした細かい種類に分けられます。多くのお米は粘りや甘み、香り、つやがありますが、微妙な違いもあるので食べ比べてみましょう。
有名な銘柄もよいですが、意外に知られていないお米が口に合うかもしれません。デパートやお米販売店では小売りしている商品もあるので、いろいろチェックして自分好みのお米を見つけてくださいね。
お米の美味しい炊き方が気になる人はこちらをチェック!
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出典:photo-ac.com