バナナは保管方法で良い状態をキープ
バナナはいつでも安く手に入り、栄養満点で日本の食卓にもなじみある果物です。しかし、バナナを買ってきてそのままにしていたらどろどろになってしまった、腐ると思って冷蔵庫に入れていたらしわしわになったり黒くなったりしてしまった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
また、店頭に並ぶバナナは植物検疫法の関係で青い状態(グリーンバナナ)のみです。そのため、食べ頃がいつなのかの見極めも気になりますね。
そもそもバナナはどんな果物?
今や世界中で見られるバナナですが、バナナの原産地は東南アジアの熱帯地方です。日本人が米を主食とするように、野生種に近い甘さの少ないバナナを主食にする国もあります。
エクアドルやフィリピン産が日本では多く見られるでしょう。原産地が東南アジアであることからも推測できるようにバナナは温暖な気候を好みます。そのため、バナナにとって良い温度を設定するのが重要です。
知っておきたいバナナのカラーチャート
バナナにカラーチャートあるらしいからみんなチェックしてね😉🍌 pic.twitter.com/vwygdcWAtz
— 壱丸⇔捺緒🦀🐓 (@nunend09) August 1, 2017
バナナは緑色の状態で輸入されます。そこからバナナが出すエチレンガスによって追熟し、黄色くなるのは多くの人が知るところでしょう。全体が黄色になった状態を「フルイエロー」と呼び、食べ頃と呼ばれる段階です。
フルイエローからさらに追熟し、黒い斑点が出た状態は「シュガースポット」。このころのバナナは最も甘さがあります。また、追熟し甘さが増すと果肉も柔らかくなるため好きなバナナカラーを知っているといいですね。
斑点がでた状態がベストとは言い切れない!
甘いバナナを食べたければ斑点が出たシュガースポットの状態のバナナがおすすめです。しかし、ここまで熟したバナナは果肉がやわらかく、その食感が苦手な人もいるかもしれませんね。
バナナは自分の好きな状態を楽しめる果物でもあります。甘さ控えめで歯ごたえを楽しみたければグリーンが強い段階で食べるのもおいしいですよ。
状況別おすすめバナナの保存方法
自身が出すチレンガスによってどんどん追熟が進んでいくバナナ。食べ頃で美味しい状態をなるべく長くキープしたいですね。お店で買ってきたバナナはバナナの状態(カラーチャート)や気温によって保管方法を変えると長く美味しく食べられます。
以下のような保存はやりがちなNG方法です。なぜNGなのか、どんな方法が最適かそれぞれ見ていきましょう。
こんな方法はNG!
- 熟していないバナナをすぐに冷蔵庫に入れる
- 食べごろのバナナをずっと常温で保管する
- 肩の部分で切り離さず房のまま冷蔵庫に入れる
保存方法①買ってきたばかりのバナナは常温保管
バナナの追熟が進む温度は14℃~20℃。お店で並んでいる緑色のバナナを追熟させて甘さを引き出すには常温での保存がおすすめです。最適な温度で保管すると、バナナ自身が出すエチレンガスによって追熟していきます。早い追熟を求める時はりんごなどのそばにおくとよいでしょう。
買ってきた緑色のバナナをすぐに冷蔵庫に入れるとエチレンガスがあまり出ず追熟が進みません。
常温保管のコツ
バナナを常温保管するときには置き方にもコツがあります。房がつながっている部分を利用して地面から浮かせる「バナナスタンド」がおすすめ。そのまま置くとバナナの重さで地面に当たる部分から果肉が傷み、部分的にぐずぐずになってしまいます。
風通しもよくなり、エチレンが行きわたりやすく均一に追熟するメリットも。また、重さで傷んだ果肉部分は腐るのも早いため、それを防ぐにも一役買っています。
保存方法②夏場の食べ頃バナナは冷蔵庫へ
常温保存し、ところどころにシュガースポットが出て甘さがのった食べ頃バナナは保管場所を冷蔵庫に移すのがおすすめです。とくに室温が上がりやすい夏場は冷蔵庫に移動させましょう。理由は、そのまま常温保管を続けるとバナナが出すエチレンによってさらに追熟が進んでしまい、腐るのも早いからです。
冷蔵庫に移すとバナナは苦手な低温にさらされるため出すエチレンの量が減り、追熟がストップします。
保存方法③冬場の食べ頃バナナは常温保管
夏に食べごろを迎えたバナナは冷蔵庫保管がおすすめと前述しました。では冬はどうでしょう。こちらも気温によって判断すればOKです。室内でも気温が14℃以下になる場所があるなら、冷蔵庫にいれずそこへ移せばOK。ポイントはバナナがエチレンガスを出す気温よりも低い気温にすることです。エチレンガス量が減るので腐るのも遅らせる効果があります。
あまりに寒い場所に置くと低温障害による酸化が起こるので注意しましょう。
バナナが冷蔵庫で黒くなるのはなぜ?
バナナを冷蔵庫に入れると真っ黒になってしまったという声は多いです。これはバナナの「低温障害」と呼ばれる現象です。低温にさらされて皮のポリフェノールの酸化が進み黒くなります。
冷蔵庫で黒くなったバナナは食べられる?腐る?
低温障害になったバナナの皮が酸化して真っ黒になっていても腐るとはいえず、果肉に変化がなければ可食できます。冷蔵庫で乾燥が進んで皮がしわしわになったバナナも同様です。
冷蔵庫に入れていたら皮がしわしわに。なぜ?
冷蔵庫内は湿度が低めなので食材の乾燥が進みやすいです。バナナは厚い皮で覆われているものの長期間何にも包まず冷蔵庫に入れていれば水分がどんどん抜けて皮がしわしわになってしまいます。果肉の食感も当然損なわれるでしょう。
バナナを冷蔵庫で保管するコツ
基本は常温(14℃~20℃)で保管し、食べ頃になったものはエチレンガスが出にくい環境で保管するのがおすすめと紹介しました。しかし、前述したようにバナナを冷蔵庫にそのまま入れておくと皮があっという間に真っ黒になってしまいますね。
果肉部分が良い状態であれば食べられるといってもやはり見た目的にも気になるかもしれません。冷蔵庫や低温で保存するにはいくつかのコツがあります。
冷蔵庫で保管するコツ①房の部分は切り離す
バナナの追熟をストップさせ、冷蔵庫で保管する場合はまず房から1本ずつバナナを切り離します。バナナがつながっている肩の部分をキッチンバサミなどでカットし、皮を傷つけないようにしてバラバラにしましょう。
バナナは冷蔵庫の中であってもわずかながらにエチレンガスを出しています。房を丸ごと冷蔵庫に入れるとお互いが出すエチレンが影響しあって、冷蔵庫の中でも追熟が進んでしまい腐るのも斑点が出るのも早いからです。
冷蔵庫で保管するコツ②新聞紙などで1本ずつ包む
肩の部分で切り離したバナナはそれぞれを新聞紙や通気性がある程度あるラップで包みましょう。これによってお互いが出すエチレンによって追熟することが防げるうえ、冷蔵庫のなかでおこる乾燥から皮を守り、しわしわになりにくくなります。
さらに、冷蔵庫から出る冷気にさらされて強い低温障害を引き起こした結果、起こる酸化も防げるので真っ黒な皮になりません。冷蔵庫のなかのほかの果物が出すエチレンの影響なども防げます。
冷蔵庫で保管するコツ③ほかの果物とは離す
肩の分からバナナを1本ずつバラバラにし、新聞紙で包んでエチレンや低温障害による皮の酸化を防いだら、さらに注意したいのが冷蔵庫の置き場所です。
バナナの追熟を進めるエチレンを出す果物はバナナのほかにも数多くあります。エチレンを出す果物で有名なのはりんご、桃、メロンなど。これらが冷蔵庫ある場合は念のため離して保管するのがおすすめです。お互いが出すエチレンによって追熟が加速し早く腐るのを防げるでしょう。
冷蔵庫で保管するコツ④できれば野菜室へ
繰り返しになりますが、食べ頃バナナをキープするコツは「エチレンを減らすこと」かつ「低温障害による酸化を防ぐこと」です。冷蔵庫内の温度は0℃~6℃。冷気が強く当たる場所に置くとバナナが低温障害や酸化を起こす可能性があります。
一方、野菜室の温度は3℃~9℃です。冷蔵庫よりやや気温が高いためバナナの低温障害や酸化が起こりづらいでしょう。庫内スペースに余裕があるなら野菜室での保管がおすすめです。
バナナは冷凍保存もOK
黒い斑点がしっかりと出て甘さがのった美味しいバナナは低温障害を起こさない程度の涼しい場所におくのがおすすめ。これまで紹介した方法で保管すれば長期保存できますがさらに長期保存したければ冷凍保存も良いでしょう。
冷蔵庫や野菜室ではバナナは凍らないためゆるやかに追熟が進みますが、冷凍庫で凍らせてしまえば追熟は完全にストップします。夏場の暑い時期でもバナナが美味しく食べられるでしょう。
冷凍庫で保管するコツ①カットして冷凍
甘さの目印である斑点がしっかりでたバナナは皮をむいて一口サイズにカットして冷凍庫で保管しましょう。追熟がこれ以上進まず甘さのある最高の状態を長くキープできます。あらかじめカットしてあるのでヨーグルトやケーキにトッピングしたりと使いやすく重宝する保管方法でしょう。
冷凍庫で保管するコツ②ペーストにして冷凍
斑点がたくさん出て甘い食べ頃のバナナは果肉も柔らかく、簡単につぶせます。バナナをパウンドケーキに練りこんだりスムージーに使う目的で購入している人はあらかじめペースト状にして冷凍保存する方法もおすすめです。
コツを知っていつもおいしいバナナを!
バナナの熟する工程や仕組みを理解すれば食べ頃がいつか、食べ頃をキープするにはどんな環境で保存すれば良いのかが自然と見えてきますね。たっぷりと斑点(シュガーシュポット)がでて甘さが乗ったバナナのおいしさは格別でしょう。
うまく保存方法を選択しながら酸化しらず、しわしわ知らずの美味しいバナナライフを楽しんでみませんか。
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