カニ風味かまぼこ 大容量 一正蒲鉾
旬のサンマを食べたい
毎年秋になると魚屋の店頭に安いサンマが並び、時期には毎日サンマ、などという事もありました。しかし近年サンマの不漁が続き、サンマは高い魚のイメージが定着してきました。そもそも旬というのは「旨い時期」の他に「安い(沢山獲れる)時期」の意味もあります。なかなか美味しくて安いサンマに当たらなくなってしまいましたが、秋口には多少高いのは我慢しても美味しいサンマが食べたいですね。
旬サンマの基本情報
サンマの旬とは
もともと冷たい水を好むサンマは、夏の間ロシアや日本の沖合を回遊しながら成長します。そして日本近海の海水温が下がって来ると、北海道沖から東北の沿岸に向けて回遊を始めます。この時動物プランクトンを大量摂取し体脂肪を付けながらの回遊になります。距離にして約1000㎞の大移動になります。当然日本近海に到達する頃には脂をパンパンに蓄えてやってきます。これが秋サンマが旬であると言われる所以です。
近年の不漁について
2000年代初頭には、世界で漁獲されるサンマの約80%が日本で水揚げされていました。しかし現在では約20%とその漁獲量は減少しています。それでも「総量」が増えていれば「漁獲高」には影響はないのですが、総量はたいして変わっていません。これは近隣の諸国がサンマの美味さに気が付いてしまい船団を組んでサンマを根こそぎ獲っているからだと言われています。他国船は日本に近付く前に「公海」でサンマ漁をしています。悔しいですね。
サンマ(今回買った)を見極める
頭を落とし掃除をする
珍しく生サンマがスーパーに並んでいたので購入。表示には「北海道産」の文字が。肝心のモノはといえば体色の発色もよく、口ばしも黄色く、「もしやお刺身でいけるのでは」「悪くとも酢締めなら」の期待を抱かせてくれる見た目でした。値段もお手頃で、これで美味しければ大量買いして冷凍しておいても良いかなと思えるレベルでした。
旬とはいえ鮮度に難あり
頭を落とし(画像はここまでにしておきます)、内臓を搔きだしてみると固形部分がほぼ溶けて無くなっていました。これでは生食は無理です。やはり北海道の物を生で食べるには筆者の住む南国は少し距離があり過ぎるのでしょうね。お寿司を握るつもりでしたが、火を入れていただくことにしました。
旬のサンマで手ごね寿司
三重県の郷土料理「手ごね寿司」
三重県の郷土料理に「手ごね」や「手こね」と呼ばれるチラシ寿司があります。基本はゴマや大葉を混ぜ込んだ酢飯にヅケにしたカツオの切り身をのせて小口ネギなどをちらしたものですが、これが簡単で実に旨い。今回は焼きサンマを使ってこいつを作って行こうと思います。
サンマの強い味に負けない酢飯
こってりさっぱりとしたカツオのヅケなら普通の酢飯で良いのですが、さすがに味と香りのきつい焼きサンマでは酢飯が負けてしまいます。何とかひと工夫してバランスの良い飯ができないものかと台所の物入れを探しますと、ありましたありました。「大人のふりかけ・からすみ」。よしよし、こいつを混ぜ込んでやれ、と混ぜ込みましたが、いまいちピンときません。結局これに赤紫蘇ふりかけ「ゆかり」を援軍に送り、バランスの良い酢飯を作りました。
サンマを処理して行く
強めの遠火で焼いて行く
魚の塩焼きなど全般に言えることなのですが、焼きの基本は「遠火の強火」です。家庭用の魚焼きグリルなどではなかなか火加減が難しいのですが、「表6:裏4」の割合で中強火で焼いて行くとおおむね理想の焼け方になります。グリルには必ずコップ一杯の水を敷いて、ふっくらと焼き上げましょう。
骨を抜いてほぐし身にしていく
サンマが焼けたら腹から二つ割りにして背骨を外します。大人だけが食べるのならばこれだけで充分なのですが、万人向けには腹の小骨も外します。後は大きめのブロックにカットして冷ましておきます。ブロックの目安はサンマ1枚あたり10ブロックほどでいいでしょう。
トッピングを考える①錦糸卵
錦糸卵レシピ(コツ)
錦糸卵があるとバラ寿司やチラシ寿司など華やかになりますよね。錦糸卵はちょっとしたコツで上手に焼けます。卵1個につき、塩を一つまみパラリとしたら、片栗粉小さじ半分、水小さじ1を入れてよくかき混ぜます。よく熱したフライパンに薄くサラダ油を敷き、一気に卵を入れてフライパンを回して均等な薄さの卵焼きを作ります。フライパンの熱伝導効率にもよりますが、20~30秒中火にかけて火を止めます。後は予熱で剥がれるまで放っておきます。
錦糸卵を作る
はい、先ほどの「よくかき混ぜます」をきちんとやらないとこのように白身が残ってしまい、水っぽい錦糸卵ができてしまいます。ひっくり返して表面も軽く温めたら大皿などに移して粗熱を取っておきましょう。粗熱が取れたら折りたたんで細切りにします。指先で「ファサ」っと空気を入れるように他の器に移しておき、酢飯の粗熱が取れたら盛り付けます。
こんな感じ
粗熱の取れた酢飯を器に平らに盛り、平均にならすように錦糸卵を盛り付けていきます。1個めがちょっと失敗でしたから、錦糸卵は結局卵2個分作りました。多すぎくらいが丁度良いかも知れません。酢飯が見えなくなるほどの錦糸卵はステキですね。
トッピングを考える②カニカマ
カニカマで彩りをプラス
カニ風味かまぼこ 大容量 一正蒲鉾
最近ハマっている食材ナンバーワンが「カニカマ」。特に美味しくて安いのが「一正」のカニカマ。これ本当に美味しいんです。つるんと密閉袋から押し出して直接口に入れるのがおすすめの食べ方ですが、今回は縦半分に割って手ごね寿司の彩りにします。味自体もまさにカニの風味で、旨いことこの上なし。お高いカニなど必要無し。と、ここまで言うと何だか悲しくなってきますので外では言わないように。
こんな感じ
錦糸卵を乗せた酢飯にカニカマをトッピングしていきますが、これには2つの理由がありまして、まず1つは当然旨味をアップするためです。もう一つはカニカマで仕切りを作ってお皿に取り分ける時の目安にするため。この仕切りがあるのとないのとでは食べやすさが全く違います。もちろん一人でいただくのならどうでもいいのですが、複数人での食事の時にはぜひやってみてください。ブロックごとに取り分けられるので喧嘩になりません。
タレを作ります
今回薄く塩は振ったもののほとんど白焼きの状態のサンマですので何かをかけていただかねばなりません。お刺身ならばわさび醤油で良いのでしょうが、さすがに焼きサンマには似合いません。ここはオリジナルのタレを作りましょう。醤油にきざみネギ、ショウガ、練ユズを混ぜて爽やか系のタレにしてみました。香り高いタレが出来上がりました。
完成したのがこちら
さあいただきましょう。小皿にカニカマで作った仕切りを目安にブロックで移し、ユズダレをかけていただきます。思ったより脂のノリが悪くちょっとタレがしょっぱく感じましたが、風味は抜群。脂が少ないとはいえさすがに旬のサンマです。味の良い手ごね寿司ができました。取り分けたお皿の上でタレと混ぜながら(こねながら)食べることから手ごね寿司と呼ばれるようになったと聞きました。今度は旬のカツオやマグロでこねこねしたいと思います。
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火曜日の連載担当をしておりますkuma10ともうします。関東地方で漁師の息子として生まれ、現在は南国の離島で魚釣りを趣味として記事を書かせていただいております。釣りと料理をメインにしておりますが、釣りと料理の周辺記事を書くこともあります。記事が気になられましたら他の記事もぜひチェックしてみてください。よろしくお願いいたします。
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