エケベリア・ラパン
うさ耳モニラリア
エケベリア ラウイ
コーカサスキリンソウ
グリーンネックレス
多肉植物桜吹雪
オロスタキス
ユーフォルビア
多肉植物は世界中で約2万種類もある!
多肉植物は、温帯から亜熱帯地域にかけて世界中に1万種類ほどの原種があるといわれています。さらにそれらの原種を掛け合わせた改良品種も入れると2万種類ほどになるそうです。
多肉植物は水分を含んでいるためぷっくりしたかわいい葉が特徴ですが、品種改良されたものはそのかわいいニュアンスがさらに際立たったものが多いようです。定番のかわいい多肉植物を始め、最近かわいいと話題の多肉植物もピックアップしました。
多肉植物は非常に戦略的な植物
水分を貯蔵する能力がある
乾燥地で自生する多肉植物は水を蓄えることで、乾燥気候にも耐える能力を持っています。多肉植物が保水機能がある理由は、葉の表面にクチクラ層という組織があるからです。
このクチクラ層によって、多肉植物の水が蒸発しないように保たれているとされています。多肉植物は戦略的に他の植物との競争を避けて乾燥地帯で生息できる能力を保持しているのです。
水分を蒸発させない能力がある
多肉植物の保水機能は二重になっているという点も、注目すべきポイントです。多肉植物にはCAM型光合成という仕組みがあり、これは葉に気孔を設けることで、その開閉によって水分の蒸発を避けているといわれています。
熱くなる日中は気孔を閉じて夜に開くそうです。多肉植物の生存競争を掛けた戦略に、ただただ驚きを禁じえません。
丸っこい形がかわいい多肉植物4選
①半透明の"窓"から光合成をする「ハオルチア」
ハオルチア
ハオルチアは南アフリカ周辺が原産の、ツルボラン科ハオルチア属のアロエに似た小型の多肉植物となり、かわいい軟葉系とシャープな硬葉系があります。ぷっくりしたかわいい葉っぱが放射状に伸び、幾何学的な美しさも特徴です。
かわいい葉っぱには半透明のさまざまな模様の窓があり、まるでエメラルドのような見た目といえます。種類も多く、緑色のオブツーサ、紫色の葉っぱも混じる琥珀糖のような紫玉露も人気です。
ハオルチアの育て方のコツ
ハオルチアは3月~6月頃の春と9月~11月の秋の時期に生育します。しかし直射日光は避けて一年を通して屋外か室内の明るい日陰で栽培してください。生育期の水やりは表土が乾燥していたら、鉢底から水が出るまでたっぷり与えます。
夏と冬の休眠期の水やりは控えますが、屋内の冷暖房が効いている環境では水やりが必要になります。このような環境では一年中成長させられる、珍しい性質の多肉植物です。
②生きた宝石ともいわれる「リトープス」
リトープス
リトープスは南アフリカ周辺原産のハマミズナ科リトープス属の多肉植物となり、日本ではメセン(女仙)の品種名で販売されています。男らしいサボテンに対してつるつるした滑らかさとかわいい見た目が由来です。
特徴は、石ころが多い自生地の環境に擬態して葉と茎が一体なっていることと脱皮すること。見た目はまさに石のようで、中央の筋が入っている部分からかわいい花が咲くことや光合成のための"窓"があるのも特徴です。
リトープスの育て方のコツ
リトープスの成長期は多くの植物とは反対に、11月~4月の冬の時期となります。充分な日当たりと風通しのよい場所で栽培し、水やりは秋以降少しずつ与えます。休眠期の暑い夏の時期は水やりは一切行わず、涼しい半日陰で栽培してください。育て方は多くの多肉植物と同じ感覚で行ってください。
③羊の爪のような豆のような「コノフィツム」
コノフィツム
リトープスの仲間であるコノフィツムも、南アフリカ周辺が原産のハマミズナ科コノフィツム属の多肉植物となります。羊の爪のようなそら豆のようなかわいい見た目をした、多種多様な品種が多いことも人気です。
かわいいピンクの花を咲かせる「ペアルソニー」、万歳しているようでかわいい「宇田朝臣(うだあそん)」など個性が光ります。
コノフィツムの育て方のコツ
コノフィツムの生育期は多くの植物とは反対に冬の時期になるため、夏の時期は水やりは控えて涼しきて風通しのよい場所で栽培してください。水やりはお盆過ぎの過ごしやすい時期になって表土が乾燥していたら、株を避けて与えるかバットに湛水するなどをして水やりを開始します。
成長期の冬期間は日光には充分に当ててください。リトープス同様に脱皮する性質のため、皮が乾燥したらピンセットなどで傷つかないように優しくむきます。
④赤ちゃんの指のような「虹の玉」
虹の玉
虹の玉はメキシコ原産のベンケイソウ科セダム属の多肉植物となり、水分でぷくっと膨らんだたくさんの葉っぱが赤ちゃんの指のようでかわいいといわれています。秋からの寒い時期に発色のよい赤に染まるのも特徴です。
単独でもかわいいですが、寄せ植えにするとさらにかわいい雰囲気になります。大株に育つと春に小さなかわいい黄色の花を咲かせることがあるので、見逃さないようにしてください。
虹の玉の育て方のコツ
虹の玉は、セダム属のなかでも非常に丈夫に育ちますが、生育速度は割とゆるやかなため、初心者でも安心して栽培できる多肉植物です。つややかなかわいい緑の葉っぱも素敵ですが、紅葉した葉っぱにするために、風通しと日当たりのよい場所で乾燥気味に栽培します。
動物をイメージさせるかわいい多肉植物3選
①うさぎの耳のような「モニラリア」
うさ耳モニラリア
最近注目のかわいい多肉植物は、ウサギの耳のように葉が伸びるハマミズナ科モニラリア属の一品種である、モニラリア・オブコニカまたはピシフォミスです。顔に見える小さい節から出ている二本の茎が、まるでウサギのようなので人気を集めています。
しかしウサギのようなかわいい見た目は生育初期で、成長してくると顔の部分は茶色になり、"耳"の部分が伸びると先端にこれまた小さな白またはピンク色の花を咲かせます。
モニラリアの育て方のコツ
モニラリアは苗としての流通は少なく、実生での栽培が多いようです。難しそうに感じる実生栽培ですが、基本を守れば決して難しくありません。種を見かけたら挑戦してみてはいかがでしょうか。
モニラリア特有の育て方コツは、ポットに種を置いた後は覆土する必要がない点、寒冷地以外であれば種まきの時期は夏以外であれば選ばない点、そして休眠期は夏という点があげられます。それ以外は大体は一般的な多肉植物の育て方と同じです。
②すべすべモコモコの「テディ・ベア」
テディベア
テディ・ベアは、マダガスカル原産のベンケイソウ科カランコエ属の多肉植物"月兎耳(つきとじ)"の比較的新しい改良品種です。アメリカで作出された変異個体となり、月兎耳よりも幅広い葉とずんぐりした姿がかわいいと人気を集めています。
名前の由来は、茶系の色合いがどことなくクマの耳のようにかわいい見た目からです。成長がとても遅くて生産量も少ないことから、もし見かけた場合はぜひ入手してください。
テディ・ベアの育て方のコツ
テディ・ベアは遅めの春から初秋にかけて生育する種類となり、寒冷時期の冬は成長が止まる休眠期となります。生育時期には屋外の日当たりと風通しのよい場所で栽培し、休眠期には水やりを控えてください。
日当たりと風通しが悪いと徒長しやすく、ずんぐりしたかわいい姿を維持できないため、栽培環境にはくれぐれも注意します。
③タコのような「ユーフォルビア」
ユーフォルビア
ユーフォルビア・イルミネスは南アフリカが原産のトウダイグサ科ユーフォルビア属の多肉植物です。一般的なかわいい感じはないかもしれませんが、放射状に伸びるタコのような枝の表面に松かさのような模様があるのも独特な見た目となっています。
和名が九頭竜(くずりゅう)というように竜の赤ちゃんのようにも見えますが、海外ではジェリーフィッシュ(クラゲタイプ)と呼ばれて親しまれています。
ユーフォルビアの育て方のコツ
一年を通して日当たりと風通しのよい場所で栽培してください。夏の時期の直射日光は避けることと、日光不足には注意することで元気に育ってくれます。耐寒性は比較的強いですが、5℃以下の環境には置かないようにしてください。それ以外は大体は他の多肉植物と同様です。
日本では春や秋に、枝先に白から黄色の小さい花を咲かせることがあります。一般的な多肉植物ではないため、見かけたらぜひ購入してみてはいかがでしょうか。
定番人気のかわいい多肉植物7選
①白バラのような「エケベリア・ラウイ」
エケベリア ラウイ
エケベリア・ラウイは、多肉植物ブームに火をつけたベンケイソウ科エケベリア属の仲間です。ラウイの魅力はエケベリア特有のバラのような葉の形だけではなく、白バラのような美しくてかわいい色にあります。この白い粉はブルームという、水分の蒸発を防ぐための果糖です。
エケベリア属には白色系の仲間がいくつかありますが、このラウイは断トツの白さで、ぷっくりとかわいい厚みのある葉と共に人気があります。
エケベリア・ラウイの育て方のコツ
エケベリア・ラウイは他のエケベリア属と同じように多湿はもちろんのこと、特に寒さには弱いとされています。-5℃までなら耐えてくれるとの口コミもありますが、あまり寒い場所での管理はおすすめできません。
生育も遅いほうですが、それだけぷっくりかわいい葉の形を楽しめるといえます。春にはぷっくりかわいい葉の間から花茎を伸ばし、やはりかわいい花を咲かせてくれるのでそのときを楽しみに待ちましょう。
②縁が桃色でかわいい「エケベリア・ラパン」
エケベリア・ラパン
エケベリア・ラパンはベンケイソウ科エケベリア属の仲間となり、ラウイと似た雰囲気を持ちますが、縁がうっすらと桃色に染まるのが特徴です。ぷっくりした葉はかわいいながらも、どことなく妖艶な雰囲気がするところが人気を集めています。
真上から見るとエケベリア特有のバラのような葉の形をしていますが、横から見るとマニキュアを塗った指のように見えるのではないでしょうか。多種多様なエケベリア属を栽培してみてください。
エケベリア・ラパンの育て方のコツ
エケベリア・ラパンは他の多肉植物やエケベリア属と同じように寒さにはあまり強くありませんが、霜に当たらない環境では-5℃くらいまで耐えてくれるようです。もちろん高温多湿には弱いため、夏も風通しのよい場所で栽培するようにしてください。
日当たりのよい場所で栽培する必要がありますが、葉焼けを起こす西日と直射日光は避けるようにしましょう。
③ぷっくりした葉がかわいい「アナカンプロセス」
多肉植物桜吹雪
アナカンプロセスは南アフリカ原産のスベリヒユ科アナカンプロセス属の多肉植物です。セダム系とはまた異なるとがり気味の葉先や、放射状に伸びる葉っぱがかわいいと人気があります。
アナカンプロセスはゆっくり生育し、あまり大きくならないのが特徴です。代用的な新種の桜吹雪は、寒くなる時期にはよく日に当てるとかわいいピンクに色づきます。
アナカンプロセスの育て方のコツ
アナカンプロセスの育て方は難しくなく、多くの多肉植物と同じように春と秋によく生育します。他の多肉植物同様に高温多湿と夏の直射日光は避けること、水のやりすぎには注意することです。耐寒性はありますが0℃以下の場所では栽培しないようにしましょう。
④レンゲの花のようでかわいい「オロスタキス」
オロスタキス
オロスタキスは日本や中国、ロシア原産のベンケイソウ科オロスタキス属の多肉植物です。和名は「子持ち蓮華」ともいうように、かわいい子株をたくさん持つことが由来とされています。
レンゲ(蓮華)の花のようなかわいい株が集まると非常に見映えがしますが、他の多肉植物を引き立てるように寄せ植えするとさらにかわいい雰囲気になるでしょう。
オロスタキスの育て方のコツ
春から秋に生育するオロスタキスはかわいい見た目とは反対に、寒さに強いことから非常に育てやすいといわれている多肉植物です。
冬の寒い時期は屋外に出しておくと枯れてしまいますが、翌春には土中の根が伸びて生えてきます。充分な日光が当たることでよく繁殖し、剪定をして調整しましょう。
⑤アロエにしてはぷっくり系の「不夜城」
アロエ不夜城
不夜城はアフリカやアラビア半島などが原産のススキノキ科アロエ属の多肉植物です。シャープな葉っぱが多いアロエの仲間では、アロエの特徴であるトゲがありながらも、三角形に近いぷっくりしたかわいい葉っぱとなります。
やはりアロエの特徴である放射状に伸びる葉も美しく感じられることでしょう。残念なのがキ食用や薬用ではない点ですが、通常のアロエとは少し趣の異なるそのかわいい姿を堪能してください。
アロエ不夜城の育て方のコツ
アロエ不夜城は夏に生育する種類のため、4月~10月には屋外の日当たりと風通しのよい場所で栽培してください。暑さには強いため夏の盛りでも元気よく育ってくれることでしょう。
しかし最低気温が10℃を下がる時期には必ず屋内の明るい場所に移動するか霜の当たらない軒下などで越冬させてください。暖かい地域で水はけのよい土地であれば、屋外で庭植えも可能です。水やりや肥料の与え方などは他の多肉植物と同様です。
⑥ピンク色が効いている「コーカサスキリンソウ」
コーカサスキリンソウ
コーカサスキリンソウはコーカサス地方原産のベンケイソウ科セダム属とされていますが、正式にはキリンソウ属となります。地面を這うように茎が伸びることから、グラウンドカバーに利用することも多いようです。
葉っぱが緑色や斑入り、黒っぽいものなどの種類があり、縁にピンクが入っている種類が特にかわいいと人気です。寒い時期に紅葉するもの、越冬する常緑性もあるのでいろいろな種類をチェックしてください。
コーカサスキリンソウの育て方のコツ
コーカサスキリンソウは寒さには非常に強く、北海道のような積雪地帯でも越冬させることが可能です。秋から冬にかけて日光に当てつつ寒くなると紅葉も楽しめるため、屋外での栽培がよいでしょう。
地植えでも栽培でき、ほとんど手間をかけないため、初心者でも安心して栽培できる多肉植物です。
垂れる茎がかわいいつる性の多肉植物2選
①玉のような「グリーンネックレス」
グリーンネックレス
グリーンネックレスは、南西アフリカ原産のキク科セネシオ属の多肉植物です。多肉植物としては珍しいつる性ですが、何かに巻き付く性質ではありません。
コロンとかわいい玉状のものは葉っぱとなり、葉茎を長く伸ばして下垂します。床に置くよりも、棚からかわいい葉を垂れ下げたり、プラントハンガーなどに吊るしたりして鑑賞するとよいでしょう。
グリーンネックレスの育て方のコツ
グリーンネックレスは春と秋に成長する種類となり、直射日光を避けて日当たりのよい場所で栽培します。水やりは表土が乾燥していたらたっぷり与えてください。休眠期の真夏と真冬の水やりは控え、0℃までの場所で栽培します。
②小さなハートの葉っぱがかわいい「ハートカズラ」
ハートカズラ
ハートカズラは南アフリカ原産のガガイモ科セぺロギア属の多肉植物です。肉厚のかわいいハート形の葉っぱがたくさんついており、かわいいニュアンスが倍増しています。つる性の多肉植物ですが支柱などは必要なく、垂れ下がるアンニュイな様子を観賞してください。
ハートカズラの育て方のコツ
ハートカズラは直射日光に強い植物のため、真夏の日差しにも耐えて生育します。しかし耐陰性もあるため、遮光カーテンのある半日陰の屋内でも栽培可能です。しかし急激な環境の変化には対応しないため、場所を変える場合は刺激が少ないように段階を経てください。
充分な日光に当てることで肉厚になり、日光不足になると葉っぱが落ちてしまうためご注意ください。
多肉植物全体に共通する育て方
高温多湿は避けること
一部の多肉植物をのぞいて多くの多肉植物に共通するのは、高温多湿と直射日光を避けることです。ほとんどの多肉植物は乾燥には強いですが、水やりをし過ぎると根腐れを起こしてしまいます。
生育期は表土が乾いてからたっぷり与え、休眠期には控えてください。冬はそ、れぞれの多肉植物の最低気温を守って管理しましょう。
肥料のやりすぎには注意すること
多肉植物は本来はそれほど肥料を必要としませんが、用土に緩効性肥料が含まれていないものは液肥を適宜与えてください。また、紅葉させたりツヤをよくしたりする場合も適切な時期に適量を与えるようにしましょう。ただし肥料過多にならないように注意します。
皆の多肉植物の飾り方を参考にしよう
コーカサスキリンソウがアクセントの寄せ植え
こちらの多肉植物の寄せ植えはエケベリア属がメインとなっていますが、かわいいピンク色に染まったコーカサスキリンソウが分量が少ないにもかかわらず、とてもよいアクセントになっています。セダム属が脇から顔をのぞかせているのも可愛いですね。
グリーンで統一したかわいい寄せ植え
多肉植物の寄せ植えはカラフルにすることでかわいいニュアンスを演出することが多いのですが、こちらはグリーン系で統一してあります。グリーン系といってもグラデーションになっており、躍動感が出ているのが特徴です。
エケベリア属が多いですが、かわいいグリーンネックレスを加えてあるのもポイントといえます。
かわいい多肉植物を庭や部屋で楽しもう!
多肉植物の魅力は、やはりぷっくりしたかわいい葉にあるといえます。かわいい多肉植物はいろいろあり、それぞれかわいいと思う特徴が異なるようです。育て方も、春から秋に生育するものと冬に生育するものなどの微妙な違いもありますが、基本的には水やりや肥料の与え方は同じです。
たくさんありすぎて選ぶのに迷ってしまいますが、少しずつかわいい多肉植物をそろえてみてはいかがでしょうか。
多肉植物の寄せ植えが気になる人はこちらをチェック!
かわいい多肉植物についてチェックしたあとは、寄せ植えの方法もぜひ、こちらの記事でチェックしてみませんか。ちょっとしたコツ次第で、多肉植物のかわいい寄せ植えができますよ。

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出典:photo-ac.com