ムッキーちゃん
食べるとハマる!美味しい果物「ブンタン」
文旦(ブンタン)という果物をご存じですか。男性の手のひらほどのサイズがありグレープフルーツのような分厚い皮の中には宝石のような果実が詰まっています。香り高く、酸味と甘みのバランスが追熟度合いによって変わるためさまざまな食べ方が楽しめる果物です。
文旦(ブンタン)とは
文旦は東南アジアで誕生した果物です。日本に渡り、文旦と呼ばれるようになりました。柑橘類なのでグレープフルーツの遠縁にあたります。ブンタン以外に「ボンタン」「サボン」などといった呼び名も有名でしょう。
誰もが一度は目にしたことがあるであろう「ボンタンアメ」のボンタンはまさにこのブンタンのこと。パッケージにもブンタンが記載されていますね。
ブンタンの生産地は高知県
東南アジアで生まれた柑橘類の一種、文旦(ブンタン)は温暖な気候を好みます。そのため、日本でもブンタンが生産されるのは九州や高知県といった温暖な地域です。生産量トップは高知県。高知県に鹿児島、愛媛県と続きます。
ブランドブンタン「水晶文旦」
文旦(ブンタン)にはいくつか種類があります。そのなかでもブランドブンタンとして人気なのが「水晶文旦」。水晶文旦の透き通った果肉は今にもはじけ飛びそうなほど果汁が詰まっており、香りは高貴さを感じるほどです。
ブンタンのなかでも水晶文旦は糖度が高く、香りや酸味とともに甘さも楽しめるのが人気の理由でしょう。まずはそのままむいて口に入れる食べ方を試したいところですね。
ブランドブンタン「土佐文旦」
水晶文旦よりも価格が手ごろでなじみのある種類が高知県の「土佐文旦」です。昭和に入り、高知県土佐市で栽培方が確立された文旦の1種を「土佐文旦」と呼んでいます。
高知県では非常にポピュラーな果物のため、さまざまな食べ方で親しまれているのも特徴。味のバランスがよく1房食べるとつぎつぎに手が伸びる美味しい果物です。
ブンタンの特徴
文旦(ブンタン)を食べたことがない人はどんな味なのか気になりますね。見た目はグレープフルーツのようですがどんな味わいなのでしょうか。
また、ブンタンは皮のむき方や食べ方が難しいといった声も聞いたことがあるかもしれません。柑橘類好きに人気のブンタンの特徴についてご紹介します。
特徴①皮が分厚い
ブンタンは皮が分厚い果物です。これもグレープフルーツにたとえられる理由の1つでしょう。そのため、食べなれたミカンのように簡単に皮をむくことはできません。少しだけむき方にコツがいりいますが、むき方や食べ方を知ってしまえば簡単にできますよ。
特徴②グレープフルーツほどの大きさ
ブンタンは驚くほど大きな果物です。グレープフルーツにたとえられますが、もう1周り、2周りは大きく直径は約10cm。1玉でボリュームたっぷりの美味しい果物です。
贈答用などに人気の大玉になるほどさっぱりとした味わいに、手ごろな価格で手に入る小玉は味が濃い傾向にあり、どちらにもそれぞれの美味しい食べ方があります。
特徴③食べる時期で味が違う
ブンタンは未熟なうちは緑色の皮です。緑だった皮はたっぷりの日差しを浴びて黄色く色づいていき、収穫期を迎えます。収穫したあと、多くのブンタンは農家で追熟させてから出荷。収穫直後は酸味がかなり強くいため追熟させることで減酸させる食べ方が一般的です。
購入して自宅に持って帰ったブンタンはさらに追熟させて甘みを増す食べ方も可能。すぐに食べてさわやかな酸味を楽しむこともできます。
特徴④旬は3月~4月
ブンタンの収穫期は12月~1月ごろです。そこから2か月ほど農家で追熟させたものが流通します。そのため旬は3月~4月ごろです。冬の終わりを感じながらビタミンたっぷりの果実が楽しめる果物といえるでしょう。
ブンタンの食べ頃ポイント
ブンタンは追熟のタイミングによって味わいが変わるとなると一番美味しい状態で食べたいと思うでしょう。大きな果実は分厚い皮に包まれているのでタイミングの見極めが難しく感じますね。ブンタンの食べ頃のポイントをチェックしましょう。
食べ頃ポイント①酸味と歯ごたえなら早めに
収穫してさほど追熟していないブンタンを「はしり」と呼びます。はしりのブンタンは2月ごろ店頭に並んでいるもの。酸味が強く感じる食べ方が好きな人はこの時期のブンタンがおすすめです。
また、酸味が強いので長期保存しながら追熟させることもできます。皮にも張りがあり、実はシャキシャキとした食感です。3月ごろに出回るブンタンは「さかり」と呼ばれ、はしりよりも酸味が穏やかになります。
食べ頃ポイント②酸味が抜けた甘さなら追熟
3月下旬から出回るブンタンを「なごり」と呼びます。なごりのブンタンは酸味がほとんど抜け追熟も完了しまさに完熟状態。皮はしなるくらいになり、香りが部屋中に漂うでしょう。果実もしっとりとし、甘みを強く感じます。
いつ買っても甘いブンタンを食べるには?
前述したように追熟によって甘くなります。はしりのブンタンを購入して家で追熟して甘く食べ方も可能です。追熟させたいときは新聞紙でくるみ、室内の冷暗所で保管しましょう。皮がしわしわになってきたら追熟完了。好みの甘さになるタイミングを自分なりに探ってみましょう。
ブンタンの食べ方
ブンタンの食べ方はグレープフルーツの食べ方をイメージするとわかりやすいでしょう。グレープフルーツを半分にカットしてスプーンですくって口にする食べ方はブンタンでもできます。この食べ方は皮をむく手間もなく、カットして出すだけなので簡単な食べ方ですね。
しかしこの食べ方ではどうしても果実の食べ残しが多くなってしまうことも。ここからは丁寧に皮をむいてぷりぷりの果肉を味わう食べ方・むき方を簡単にご紹介します。
簡単な食べ方・むき方の手順①
土佐文旦と皮むきムッキーちゃん。デパートは過剰包装ですが、文旦は皮のワタが厚い自力包装完備、キズだらけでも大丈夫です。 pic.twitter.com/L4z0DlgcGL
— 麻雀たぬ 親方(山崎一夫) (@mahjongTanu) February 27, 2017
まず最初に包丁を用意し、ブンタンの頭とお尻を切り落とします。頭とはヘタがついている部分で、その反対側がお尻です。ブンタンは皮が分厚いので厚さ1cmほど切り落としましょう。
そのあと、カットした断面に十字に切れ込みを入れます。ミカンの皮をむくようなイメージで縦に切れ目を入れていきましょう。
簡単な食べ方・むき方の手順②
文旦の皮むき。ハサミが必須ですね。#文旦の皮のむきかた pic.twitter.com/xyP2Pu4Hzk
— マツジョン@家族で楽しむ (@matz_jon) March 17, 2020
続いて包丁でいれた十字の切れ込みに指を入れながら分厚い皮をミカンのようなむき方で剥いていきます。キッチンバサミなどを使っても簡単です。あとは房ごとに分解し、白い薄皮を剝いていきましょう。ブンタンは種が多い果物なのでこの作業の時に一緒に種も取り除きます。
簡単な食べ方・むき方にオススメのグッズ
ムッキーちゃん
ブンタンやグレープフルーツ、ハッサクなど皮が厚く、薄皮のむき方にコツがいる果実におすすめなのが「ムッキーちゃん」。ホッチキスのように握って柑橘類の分厚い皮に切れ目を入れ、下刃を使って薄皮を開けましょう。
驚くほど柑橘類の皮がきれいに剥けると人気です。食べ方が面倒くさく感じる柑橘類がいっそう身近になるでしょう。水晶文旦や土佐文旦のようなブランドブンタンの贈答用には一緒にセットされていることもあります。
文旦の簡単&美味しいレシピと食べ方6選
食べ頃と思って口にしてみたらまだ追熟が足りず、好みでなかったときは料理に使うのがおすすめ。たくさん手に入って甘さたっぷりのブンタンがあるときはスイーツに変身させるのも人気です。
グレープフルーツを使うような感覚で料理に使えるブンタンはじつはさまざまな食材と相性抜群。気品あふれる香りと酸味が素材のおいしさを引き立てるでしょう。また、ブンタンの皮も食べ方次第で美味しく食べられます。
簡単&美味しいレシピと食べ方①ブンタンのサラダ
材料
文旦:小1個
えび:8尾
クレソン:1束
白ワインビネガー:大さじ2
マヨネーズ:大さじ1
オリーブオイル:大さじ2
塩:小さじ1/3
一味唐辛子:少々
酸味が強く食べ頃ではなかったブンタンの食べ方でおすすめなのがサラダです。ブンタンの酸味そのものが酢のように働き、オリーブオイルなどと絡み合ってまろやかな味わいに。ブンタンのむき方を工夫すれば見た目も豪華です。
詳しい食べ方・材料はクックパッドをチェック
ブンタンはさわやかな香りで魚介類との相性も抜群です。臭みなどを消し、高級感あるサラダが仕上がります。山椒やクミンなどのスパイスを組み合わせて楽しむのもおすすめ。ワインとの相性もよくおもてなし料理にもおすすめのレシピですよ。
簡単&美味しいレシピと食べ方②ブンタンとシラスのパスタ
材料
スパゲッティ:100g
文旦(内袋から出しほぐしておく):1/4個
シラス:大さじ1
玉ねぎ(縦に薄切り):1/4個
キャベツ(一口大にざく切り):1枚
オリーブオイル:大さじ2
鷹の爪:1/2個
ニンクスライス:1/2個
塩・胡椒:適宜
ブンタンはパスタとの相性も抜群。酸味あるブンタンがあればシラスなどの魚介と合わせてパンチのあるペペロンチーノに仕上げてみましょう。辛味の強いペペロンチーノにやさしくブンタンの酸味と甘みがマッチします。
詳しい食べ方・材料はクックパッドをチェック
ペペロンチーノは素材の味が引き立つ食べ方。シラスやブンタンの美味しさが十分に感じられるレシピでしょう。ブンタンの実はパスタと混ぜることで崩れるので、きれいに剥けなかったブンタンなどを使ってもよいですね。
簡単&美味しいレシピと食べ方③ニラとブンタンの甘酢和え
材料
ニラ:200g(2束)
文旦:(むいたもの):100g
市販の甘酢:適量
土佐文旦で有名な高知県南国市発信のレシピが「ニラと文旦の甘酢漬け」です。ブンタンの産地である高知県だからこそ思いついたような材料の組み合わせで、意外なマッチングが後を引くと人気があります。
作り方も簡単なレシピで、グレープフルーツなどに返ればエスニックな雰囲気も漂うでしょう。
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人気ブンタン「土佐文旦」発祥の地、高知県はニラの生産量日本一でもあります。ニラと文旦の甘酢和えはまさに高知県の美味しい恵みを存分に味わえるレシピといえますね。スタミナ十分な1皿はおかずにもおつまみにもぴったりです。
簡単&美味しいレシピと食べ方④ブンタンの砂糖漬け
材料
文旦:2個
水:適量
砂糖:文旦の皮の半分くらいの量
ブンタンのむき方は皮を大きく取るむき方です。そのため、1玉むけば大量の皮がでますね。この皮も食べ方次第でとても美味しく調理可能です。材料はブンタンの皮と砂糖、そして水といたってシンプル。一度にまとめて作っておけばドライフルーツのように長期保存もできます。
また、デザートのトッピングにしたり、後でご紹介するオランジェットなどのスイーツに変身させることも簡単ですよ。
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ブンタンの皮を砂糖漬けにすることで皮の水分が濃縮され、酸味はまろやかに。香りや甘さは一層引き立ちます。皮が分厚いブンタンだからこそ生まれる食感もとても魅力的です。刻んでヨーグルトと混ぜたりパフェなどのトッピングにも人気がありますよ。
簡単&美味しいレシピと食べ方⑤ブンタンオレンジェット
材料
文旦の砂糖漬:適量
チョコ:適量
トッピング:お好み
オレンジのほろ苦い皮にチョコレートをマッチングさせたのがオランジェット。砂糖漬けしたブンタンの皮を使っても同じように美味しいオランジェットが作れます。
レシピを覚えればブンタン、オレンジ、グレープフルーツなどさまざまな柑橘類で応用可能。分厚く香りがよい柑橘類がおすすめ。また、皮には農薬や防腐剤が含まれる場合があるので確認しておきましょう。
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ブンタンの皮の香りのよさがふんだんに味わえるオランジェット。ほろ苦い味わいとチョコレートのマッチングは大人の味です。甘いものが苦手な人へのバレンタインにもいいかもしれませんね。チョコレートの種類を変えて楽しむのもおすすめです。
簡単&美味しいレシピと食べ方⑥丸ごと文旦ゼリー
材料
文旦:1個
水:200cc
ゼラチン:5g
砂糖:30g
大きなブンタンがあればやってみたい食べ方が丸ごと文旦ゼリー。大きなブンタンを大胆に半分にカットし、そこへゼラチンを溶かした文旦ジュースを流し込みます。
せっかくのブンタンの大きさを楽しむのも大切なポイント。食べ頃より少し早く酸味が強いブンタンでも砂糖を入れることで美味しくなる食べ方です。
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豪快な作り方・食べ方の文旦丸ごとゼリーは遊び心たっぷりのお子さんにもおすすめ。一度にそんなにたくさん食べられないという人は通常の容器に流し込んで小さなゼリーを作れば食べ方も簡単ですね。せっかく一から手作りするので文旦の果肉はたっぷり入ったゼリーにしましょう。
食べ方のコツを押さえてブンタンを味わおう
ブンタンは一度コツをつかめば食べ方もむき方も簡単な果物です。追熟、長期保存ができるため果物が不足しがちな冬の時期にもありがたい存在でしょう。食べ頃より早かったブンタンは砕いてジュースやお酒に合わせて飲むのも美味しいですよ。
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