柚子とは
みかんの仲間
柚子といえばレモンやライムとは違う独自の芳香がある柑橘類です。徳島の名産のすだちや大分名産のかぼすと比べると果実は大きく黄色い色をしている違いがあります。
また、酸味が強いため料理に用いられることが多いですが産地の高知県ではゆずドリンクにも加工され、はちみつレモンのような飲み物として親しまれている人気の果実です。特有の芳香を活かしたものは料理だけではなく入浴剤やフレグランスなどリラックスタイムで使われています。
原産は中国・消費量は日本
柚子の原産は中国と言われていて日本には戦国時代よりもはるか前の平安時代初期には日本に渡来し各地で栽培されていたと言われています。中国や韓国でも消費されますが、柚子は日本が一番多く消費していて日本料理や文化に密接な関係のある植物です。
俳句の季語では柚子は秋となりますが、柚子の収穫時期は早い場所では8月中旬~12月程度までの収穫時期が長い植物になります。また、花の場合は夏の季語となり柚子だけで季語が豊富です。
栽培に時間がかかる
みかんの仲間ですが、柚子は実るまで非常に時間のかかる植物です。地域によっては桃栗3年柿8年、柚子の大馬鹿18年と言われるぐらい実るまで時間がかかる果物になります。そのため自宅で栽培するには非常に時間のかかる樹種になり、農家の場合は接ぎ木を使って栽培することが多いです。
今回は柚子の育て方ではなく、栄養価や独自の香りにより期待できるさまざまな効果や働きを紹介しますね。
柚子の栄養価・成分
柚子の種類について
みかんの仲間ということで緑色の状態から熟すにつれて皮が黄色く変色していき、8~10月頃のまだ暖かい時期に収穫される柚子は青ゆずとして発売されます。種類が異なるというわけではなりません。
花柚(ハナユ)や獅子柚子もありますが、今回紹介する柚子と似ていますが、別の種類の植物になるため栄養などが少し異なるため注意しましょう。また、柚子は捨てるところがない果実になり果皮までも利用できます。
青ゆずは酸味が強い
果皮が黄色く熟した柚子と比べると実が熟していないため酸味が強めになっていて水分が少ないところが特徴です。人気の柚子胡椒は青ゆずが使われていて、通常の柚子とは質感も異なり水分が少ないことで栄養も違います。
今回紹介する柚子の栄養などは一般的に食す機会が多い、熟した皮が黄色になった普通の柚子の栄養となるため注意してください。
柚子の実(果汁)の栄養価
柚子の果実や果汁にはカリウム、ビタミンCやβ-カロテンが含まれています。カロリーなども含まれていますが、エネルギー源としてはあまり高くなく100g中21カロリー程度しかありません。そのためエネルギー源になったり、腹持ちのいい果実ではなく調味料や風味付けとして使われやすいです。
果汁の主な栄養はカリウムとビタミンCとなり抗酸化作用などが期待できる栄養になっています。
果皮の栄養価
柚子は果皮でも使える果実です。また果皮と柚子そのものでは少し栄養価が変わるため注意しましょう。果皮の栄養価はカリウム、ビタミンCやβカロテンなどが含まれていてほとんどの栄養は果皮のほうが高くなっています。
例えばビタミンCは果皮のほうが多く含まれていて、レモンの果汁よりも含有量が多いです。また、βカロテンも大幅に増えていて果汁の10倍以上含まれ100gにおけるエネルギー量も59カロリー高めになります。
その他成分・栄養価
柚子のその他の栄養としてはカルシウムやマグネシウムなどのミネラル、ビタミンEなども含まれています。ビタミンEは果汁よりも果皮のほうが多く含まれていて、全体的に柚子は果汁よりも果皮のほうが栄養が多いです。
また、水溶性食物繊維のペクチンも含んでいます。ペクチンはゲル化剤としてジャムなどにも使われている成分となり果皮に100gあたり3.3gも含まれていて、果汁より多いです。
香りの成分
栄養とは別にその他の成分としてはクエン酸、リモネンやヘスペリジン、シトラールなどの成分が含まれています。リモネンなどは栄養ではなく柚子などの柑橘類の香り成分となり、カリウムなどの栄養と少し働きが違う成分です。ヘスペリジンはポリフェノールの一種でみかんや柚子に多い成分になります。
果実と果皮で栄養が変わるように、リモネンやヘスペリジンなどの含有量も異なってきてヘスペリジンはワタとよばれる果皮の白い部分に多いです。
柚子の栄養価の効果・働き
ビタミンCの効果効能
ビタミンCは美容パックにも使われているように肌に働きかける効果が期待できます。コラーゲンに関与するため毛細血管を丈夫にしたり(傷つきにくい)、肌の修復を助けたり、シワの予防などの効果が期待できる栄養です。
また、柚子の果皮に多い栄養価のビタミンCには、鉄分の吸収を高める効果もあるため貧血の予防から免疫力を高める効果も期待できます。さらには、近年がんの予防も期待できると言われていてビタミンCは大切な栄養価です。
ストレス・抗酸化にも効能が期待できる
柚子に含まれるビタミンCにはストレスを軽減する効果も期待できます。また、ビタミンC自体に抗酸化作用があり体がさびないように守ってくれる効能が期待できる栄養価です。抗酸化作用とは呼吸の際に取り込んだ酸素により体が酸化しますが、余分な酸素を取り除いたりする高価になります。
そのためビタミンCは、肌の老化や風邪の予防に役立つ栄養価のため柚子が旬の時期に取り入れたい食材です。
カリウムの効果効能
カリウムは柚子の果汁の方に多く含まれている栄養価です。カリウムの働きは、浸透圧調節の機能があり体の中のナトリウムを外に排出する効果があり高血圧の原因となる塩分を排出してくれます。
また、神経の伝達や筋肉の収縮に関わっている成分でもありカリウムは不足すると筋力が低下したり、こむら返りのような筋肉の異常なけいれんを起こすためカリウムは重要な栄養価です。現代では不足することは少ないですが、摂取していきたい成分になります。
不整脈の予防にも
カリウムはむくみ軽減にも役立ち、高血圧予防にも役立ちます。また、カリウムは不足すると不整脈の原因になることから偏食をさけて1日3回の食事ていると不足することは現代社会では少ないため意識的にカリウムを摂取しなくても大丈夫です。
カリウムは塩分を排出してくれる効果と血圧を下げてくれる効果が期待できるため、高血圧の方には嬉しい効果がたくさんある栄養価になります。
ビタミンE効果効能
柚子の栄養価に含まれているビタミンEは、抗酸化作用をもつ栄養価です。ビタミンCのように多く含まれているわけではありませんが、体(細胞)の酸化を防いでくれます。動脈硬化や血栓の予防から血圧の低下まで防げる若返りビタミンと言われる栄養価です。
血管壁に付いたコレステロールが酸化することで血管が固くなることで動脈が固くなりますが、ビタミンEがコレステロールの酸化を防ぐことで動脈硬化を緩和してくれる働きが期待できます。
美容にも効果効能が期待できる
柚子に含まれているビタミンEには肌のターンオーバーを活性化させる効果が期待できる栄養価です。シミやそばかすに効果が期待できるため肌の老化にも役立ちます。紫外線などの刺激(ダメージ)から守ってくれる成分となるため夏には進んで摂取したい成分です。
柚子の栄養価には同じように肌の老化などにビタミンCが多く含まれていて柚子は肌に効果的な成分が揃っている果物になります。
香り成分リモネンの効果効能
リモネンは柚子などの柑橘類の香りの成分となり、洗剤や医薬品などでも使われている成分です。効果としてはビタミンCとよく似ていて免疫力がアップし風邪などの病気を予防する効果が期待できます。
また、柑橘類の香りの成分ということでリラックス効果もありアロマキャンドル、香水などでにリモネンは使われていてリラックスするため神経の興奮状態を正常に抑えることで寝付きやすくなるなどの効果も期待できる柚子の栄養価です。
代謝もあがる
リモネンは毛細血管に作用し血流がよくなると言われていてその結果、代謝が上がります。代謝が上がるとカロリーの消費量が増えるためダイエット、シェイプアップ効果も期待できる成分です。また、代謝があがり血流が多くなるため冷え性などにも効果が期待できます。
余談ですが洗剤にリモネンが使われる理由は、油に馴染みやすく油汚れを落としやすくなるためです。ウェットシートなどにオレンジオイル配合と書かれているものはリモネン入りです。
抜け毛予防に
リモネンは抜け毛予防にも効果があると言われています。抜け毛の原因になる悪玉酵素をよくせいすることで抜けにくくなると言われていて柑橘類の育毛剤なども発売されるほどです。リモネンは柚子特有の成分、栄養ではなく柑橘類に含まれている香りの成分のためオレンジやグレープフルーツなどの柑橘類にも含まれています。
ヘスペリジン効果効能
ヘスペリジンは柚子などの柑橘類にワタに含まれているポリフェノールの一種でビタミンPとも呼ばれている栄養価です。毛細血管を修復したり強化する効果が期待できる栄養価になり血流改善効果も期待できる成分になります。柚子の限定の成分ではありませんが柚子に多く含まれている成分です。
そのため紹介してきた柚子の栄養価との相性がよく、体内のビタミンCの消耗を抑制する作用があり酸化に強いです。
冷え性におすすめ
柚子の果皮に多く含まれているヘスペリジンは、血流改善効果が期待できるため手足の先から冷えてくる冷え性の改善が期待できる成分になります。漢方として用いられるみかんの皮(陳皮)が冷え性に効くのと同じでみかんにもヘスペリジンは含まれています。
そのため柚子の果皮も漢方のように利用可能です。また、前述してきたように柚子の栄養価、成分は毛細血管に関与するものも多くヘスペリジンとその他栄養で冷え性改善に期待できます。
ペクチンの効果効能
ペクチンは食物繊維のため他の食物繊維と同じように整腸効果が期待できます。善玉菌と呼ばれる有益な乳酸菌を増やしたり、下痢や便秘を予防する効果が期待できる成分です。また、ゲル状になるペクチンは腸の運動により有害物質を体外へ排出する効果も期待できます。そのため特に便秘気味な方に有益です。
また、血糖値の上昇も防いでくれる効果もあり、食事と一緒に摂取すると血糖値の上昇を穏やかにしてくれます。
動脈硬化・高血圧の予防に
ペクチンはコレステロールを下げる効果もあるため高コレステロールにより発症する動脈硬化などの予防にも効果があると言われていてただの食物繊維ですが、有益な効果がたくさんある栄養です。ペクチンがコレステロールの吸収を妨げ排出してくれます。
柚子のさまざまな使い方
料理に
柚子の使い方として最もベーシックな方法は料理です。注意点としては果汁だけではなく皮も使ったほうが柚子の栄養を余すこと無く取り入れられます。日本が世界で一番柚子を消費しているためさまざまな柚子の料理があります。果汁を使うものから皮を利用するものまで料理の種類は多いです。
お風呂に
柚子風呂にはリモネンなどの香り成分でリラックスさせる効果と体を温めてくれる効果があります。柚子風呂は冬至に入ることが多いですが、柚子が手に入れば時期問わずできる入浴方法です。温泉施設のようにそのまま湯船に柚子を入れてもいいですが、ガーゼに入れると掃除が楽になります。
消臭芳香剤として
柚子をそのままトイレや玄関に置いておくだけでも消臭芳香剤になります。また、果皮だけ乾かしたものをガーゼなどで包んで置いておくだけでも消臭芳香剤としても使え料理以外の使い道も多いです。
柚子の栄養価を生かした料理2選
1:柚子ジャム(マーマレード)
材料
ゆず 種とヘタを取って500g
砂糖 500g
種とヘタは取り除きますが、皮と果汁を使うため柚子の栄養をそのまま摂取できる料理になります。作り方は柚子と同量の砂糖を合わせて混ぜながら火にかけるだけです。ワタの部分が透明になれば清潔な瓶に入れて冷蔵庫で保管しましょう。柚子と砂糖は同量のいいで調整しやすいレシピとなっていて初心者でも作りやすいおすすめレシピになります。
柚子を絞るときは優しく絞りましょう。苦味が出てきやすいです。
2:柚子鍋
材料2人分
豚薄切り肉150~200g
ねぎ2本
豆腐1丁
ゆず 大1個(※写真は小さいもの2個)
酒大さじ1
ぽん酢適量
大根おろし適量
ゆず果汁 適量
A
水2~3カップ(※鍋の大きさに応じて)
A
昆布1枚(5cm
レモン鍋のように柚子を鍋に入れるだけで柚子の栄養をたくさん摂取できるおすすめ料理になります。作り方は、普通の鍋料理を作る容量で鍋に水や昆布を入れ食材を入れて炊いていき、食べる直前で柚子を入れていきましょう。追加した柚子を蒸らしたあと柚子の果汁いれて完成です。柚子を皮ごと入れているため皮由来の栄養もたっぷりはいっています。
柚子の栄養価のまとめ
柚子の栄養は健康的
柚子の栄養は抗酸化作用、免疫力、整腸作用などさまざまな働きが期待できる成分が豊富にあります。果皮のほうが果実より多いため皮ごと食べられる料理がおすすめです。また料理だけではなく、消臭芳香剤や入浴剤として利用でき、香りの成分によるリラックス効果なども期待できます。
栄養価はビタミンC、E、カリウム、香り成分としてリモネンなどが含まれていて爽やかな香りと風味がある果実です。
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