洋蘭の花とは?
さまざまな種類がある
洋蘭とはよく聞く花の種類ですが、実際にどんな花を指すのかご存知ですか?日本で洋蘭と呼ばれる花は、明治以降外国から渡ってきた品種です。外国から渡ってきたラン科の花の総称を洋蘭と呼ぶため、特定の固有種を表しているわけではありません。
そのため一口に洋蘭といってもさまざまな種類があり、開花時期や花の見た目にも違います。現在では、華やかで大きな蘭の花を洋蘭と表すケースが多く、主に胡蝶蘭がその代表的存在です。
日本に生息する蘭の花もある
洋蘭とは外国から渡ってきた蘭の花の総称であることがお分かり頂けたかと思いますが、日本が原産国である蘭の花もあります。これらは洋蘭と区別して東洋蘭と呼ばれており、日本や中国などが原産国です。
洋蘭が大ぶりで鮮やかな色をしているのに比べ、東洋蘭は小ぶりで繊細な見た目をしています。同じ蘭の花と言っても見た目や開花する時期が異なるので、一概に育て方や株分けの仕方が同じわけではありません。
贈り物としてプレゼントされる機会が多い
洋蘭は、贈答用として贈られる機会の多い花です。大ぶりでゴージャスな洋蘭は、お祝いの気持ちを表すのにぴったりだと考えられています。そのためお店の開店祝いや、誕生日プレゼントで贈られた方もいるでしょう。
一般的に贈答用として贈られる洋蘭は、胡蝶蘭になります。ゴージャスな見た目と甘い香りが特徴的で、多くの人に人気です。洋蘭の一種である胡蝶蘭は鉢のまま販売されるのが一般的で、あまり花束などにはされません。そのため胡蝶蘭を贈り物にする場合は、鉢植えでプレゼントしましょう。
胡蝶蘭以外にもさまざまな洋蘭がある
洋蘭と言っても、実は世界中におよそ2万種類あると言われています。日本では主に胡蝶蘭を扱うのが一般的で、お花屋さんや園芸店で見かける機会も多いでしょう。また、胡蝶蘭以外にはカトレア・デンドロビウム・シンビジウムなども日本で扱われています。
主に日本で洋蘭と言われたら、この4種類を挙げるのが一般的です。どれも贈り物に最適な花なので、是非大切な人へのプレゼントにチョイスしてみましょう。
洋蘭の育て方|基本編
日当たりがよく風通しのいい場所を選ぼう
洋蘭の育て方で重要なのが、置き場所です。洋蘭は原産国が熱帯地域や亜熱帯地域なので、基本的には寒さに弱い花となります。そのため、日陰に置いてしまうと枯れてしまうので注意が必要です。洋蘭は室内に置くことが多いため、なるべく窓際などに設置しましょう。
また、洋蘭は風通しのいい場所に置くのがおすすめです。湿気と寒さに弱い花なので、温度管理や空調管理が育て方の重要なポイントとなります。そこさえ注意すれば、季節を問わず楽しめて育てやすいです。
直射日光に注意
洋蘭は日当たりのいい場所に置くのが大切ですが、直射日光には注意しましょう。原産国が暑い地域である洋蘭ですが、主にジャングルの木に着生します。そのため直射日光に弱く、葉っぱが焼けて枯れやすいです。
暑い地域が原産国と聞くと思わず日光に当てたくなりますが、洋蘭の場合は注意しましょう。また、洋蘭は気候に注意するのが育て方のポイントとなるので、屋外での飼育はおすすめしません。なるべく温度調節がしやすい室内で育てましょう。
気温に注意する
洋蘭を育て方で大きなポイントとなるのが気温です。暑い地域が原産国である洋蘭は、20度前後に気温を保つことが必要となります。日中は25度、夜間は18度に保っておくといい環境で洋蘭を育てられるでしょう。
また、暑すぎても寒すぎても洋蘭は枯れてしまいます。そのため、なるべく人が生活するエリアに置くのがおすすめです。リビングなどであれば、季節を問わず洋蘭の飼育にベストな温度が保たれています。
冷房を直接当てないようにしよう
洋蘭の育て方では気温が重要ですが、冷房が直接当たるような環境に置くのはNGです。洋蘭の原産国は高温多湿な地域なので、基本的に洋蘭は乾燥に弱い花となります。そのため、冷房が直接当たってしまうと花が乾燥して、枯れる原因となりやすいです。
同じような原因で暖房にも注意しましょう。洋蘭を育てるベストポジションは、日当たりのよい室内の窓際で、近くに加湿器があるような場所がおすすめです。育て方で温度設定は非常に大切ですから、しっかりチェックしておきましょう。
ラッピングは外そう
洋蘭は贈り物としてプレゼントされる機会が多い花ですが、育てる場合はラッピングを外しましょう。ラッピングをそのままにしておくと、洋蘭が蒸れて根が腐ってしまいます。贈り物として貰ったら、なるべく早めにラッピングを外してあげるのがおすすめです。
と言っても、ラッピングされた美しい洋蘭は魅力的に見えます。どうしてもラッピングを外したくない場合は、底の部分のラッピングに切れ込みを入れましょう。水が出るようになるので、根腐れを防ぎます。
種まきするのは難しい
贈り物などでよく見かける洋蘭ですが、種まきをして育てるのは一般的ではありません。まず、種まきをするための種を入手するのが困難です。一般的に流通している洋蘭は、専門の業者がフラスコ内で育ててから鉢に植えて大きく生育させるのがメジャーです。
そのため洋蘭には手間がかかっており、高級と言われる理由もそこにあります。そのため、種まきから洋蘭を育てたいとお考えの方は、なかなか難しいことだという認識を持ちましょう。
洋蘭の育て方|水やり・肥料編
水やりは頻繁にあげなくていい
花の育て方で気になるのが水やりですが、基本的に洋蘭はどの季節も頻繁に水やりをしなくて大丈夫です。どの時期も、洋蘭が鉢に植わっている根元を触って完全に乾いていたら水やりをしましょう。少しでも湿っていたら、まだ水やりをする期間ではありません。
季節や時期にもよりますが、だいたい1週間〜10日程度、コップ一杯分を与えれば水やりは十分です。その際は、なるべく常温に近い水を与えましょう。水やり後に受け皿に水が溜まっていたら、そのまま捨ててあげてください。
株元に水を与える
洋蘭の水やりでポイントとなるのが、株元にしっかり水を与えるということです。洋蘭の花の部分や茎の部分ではなく、しっかりと株の根元に水を与えましょう。そうすることでしっかり水が行き渡り、生き生きと成長します。
また、洋蘭の水やりで大切なのが株の個数です。洋蘭の株が2株なのであれば、コップ2杯分の水を与えましょう。特に株分けをしていない洋蘭の場合は、しっかり株の個数を確認して水やりをしてください。
洋蘭は水の与え過ぎに注意
洋蘭はどんな時期や季節でも水やりを頻繁にする必要がありません。そのため、水やりのし過ぎに注意しましょう。ついつい植物は水を与えたくなってしまいますが、あまり必要のない花も多いです。洋蘭は水を与えると根腐れが起こり、枯れやすくなってしまいます。
また、水やりはなるべく朝がおすすめです。夜に与えると乾燥するまでに時間がかかってしまい、根腐れしてしまいます。受け皿にお水が残っているのもNGなので、注意してください。
季節や時期によって水やりの頻度を変える
洋蘭の水やりは、季節や時期によって水やりの頻度を変えるのがおすすめです。基本的に5月〜9月の成長する時期は、なるべくしっかりと水やりをしましょう。室内で洋蘭を育てている場合、冬の暖房が効いた季節は水やりにプラスして花の部分に霧吹きをかけるのがよいです。乾燥を予防して、冬の季節を乗り越えましょう。
逆に冬の季節の洋蘭は、成長する時期ではありません。そのため水やりの頻度を少なくして、根腐れしないように注意しましょう。
肥料は洋蘭専門の肥料がおすすめ
洋蘭を育てるに当たって気になるのが、肥料です。肥料を必要としない花もありますが、洋蘭を長持ちさせたいのであれば肥料は与えましょう。基本的には、洋蘭専用の肥料がおすすめです。ホームセンターやインターネットであれば、洋蘭専用の肥料がゲットできます。
肥料を与える時期としては、春から秋がおすすめです。しっかり根を生やしていたら、肥料を与えてもいいでしょう。逆に根が伸びていない場合や、冬の季節には肥料を与えなくて問題ありません。
洋蘭の育て方|株分け編
洋蘭は挿し木ができない
挿し木とは植物の茎や根を植えて同じ花を開花させる育て方ですが、洋蘭は挿し木ができません。挿し木ができる植物はカットされた状態でも増やせますが、洋蘭のように挿し木できない植物の場合、株分けが必要となります。
株分けとは育った洋蘭の隣にできた、小さな子株を植え替える行為です。挿し木ができず、種まきも難しい洋蘭を増やすためには、この株分けだけが唯一の方法となります。洋蘭は挿し木ができないので増やしにくく、その結果高級な花のイメージがつきました。
株分けの目安
洋蘭を育てていくと、株分けが必要となる時期を迎えます。株分けをすることによって、肥料の栄養分や水がしっかりと行き渡るからです。基本的に洋蘭の株分けをする時期としては、2〜3年に1回が目安となります。頻繁に株分けをすると成長の妨げになるので、気をつけましょう。
また、買ってきたばかりや貰ったばかりの洋蘭は、農園でしっかり開花させられています。そのため、すぐに株分けをする必要はないです。2〜3年経過してから、株分けするかどうかを決めましょう。
全体の状況を見て株分けするかどうかを決める
洋蘭の株分けをする場合、時期だけでなく全体的な状況も考慮しましょう。株分けは、洋蘭が綺麗に開花するために必要な手段です。洋蘭が開花するためには、根っこや苔の状態が重要となります。頻繁に根や苔をチェックして、傷んだりカビが生えたりしていないか確認しましょう。
もしも状態が悪いのであれば、株分けだけではなく植え替えが必要となります。苔や根の状態を改善させることで、洋蘭が綺麗に開花するので頻繁にチェックしましょう。
春に植え替えするのがおすすめ
種まきができない洋蘭を増やすには、株分けが必要です。そんな洋蘭を株分けや植え替えする場合、春の季節に行いましょう。洋蘭は寒さに弱いので、冬の季節に株分けや植え替えを行うと体力を消耗してしまいます。そのため、春の季節を迎える頃に株分けや植え替えを行うのがおすすめです。
冬の季節は洋蘭が開花するための栄養をチャージする期間なので、必要最低限以上の行為は控えましょう。余分な体力を使うと、開花の時期がずれたり開花しなくなったりします。
資材によって鉢を買えよう
洋蘭の花の株分けは、資材によって変えるのが一般的です。基本的に洋蘭は水苔とバーク材、2種類の資材が使われています。それぞれの資材に合わせた株分けの方法で、洋蘭がしっかり開花するように気をつけましょう。
水苔の株分け
水苔を使用している洋蘭の場合、素焼きの鉢に株分けしましょう。水苔は保湿性が高いため、通気性のいい素焼きの鉢と組み合わせるのがおすすめです。プラスチックなど通気性の悪い鉢と水苔を組み合わせると、根腐れして開花前に枯れてしまうケースもあります。
また、水苔には水やりの頻度が少なくて済むというメリットがあるので、季節を問わず手間を掛けたくない方におすすめです。ただし根腐れには十分注意して育てましょう。
バークの株分け
バーク材に洋蘭を株分けする場合、プラスチックの鉢を使うのがおすすめです。バーク材は乾燥しやすいタイプなので、通気性の悪いプラスチックの鉢と組み合わせましょう。こうすることによって、洋蘭の開花に必要な湿度を保てます。
バーク材を用いると、株分けや植え替えが楽になるのでおすすめです。また、洋蘭本来の姿に近い環境で育てられるというのもメリットになります。ただし夏の季節は乾燥しやすいので、頻繁に水やりすべきかチェックしましょう。
洋蘭の育て方|剪定編
二度咲きのために剪定する
洋蘭をもう一度開花させるためには、剪定が必要です。洋蘭は挿し木や種まきができず、増やすのが難しい花でもあります。しかし一度成長した洋蘭の生命力は強く、二度咲きさせることもできるのです。挿し木できない洋蘭を剪定すれば、再度美しい姿を楽しめますよ。
花茎をカットする
洋蘭の剪定をする場合、まず茎をカットしましょう。洋蘭全体の花が枯れ初め、3分の1程度になった時期が剪定の最適です。せっかく咲き残っている花茎をカットするのはもったいないですが、全て枯れてしまうと二度咲きしなくなってしまいます。
そのため、花が3分の1になったら全て花茎をカットしましょう。カットするカッターやハサミは、アルコールや火炙りで消毒するのがおすすめです。また、カットした洋蘭は切り花として花瓶に入れて飾るのがよいでしょう。
節を残して剪定する
洋蘭を剪定する場合、節をなるべく残してカットしましょう。洋蘭の茎には節が多数ついており、そこから芽が出て開花します。そのため剪定をする場合は、その節をなるべく残しておくのがポイントです。
節は目視でも確認できるので、やみくもに剪定をするのではなく確認してから行いましょう。剪定をした洋蘭はなんだか殺風景ですが、もう一度美しい花を開花させるのに必要な作業です。挿し木できない洋蘭は、剪定や株分けを行って楽しみましょう。
剪定後は普通に育てる
剪定後の洋蘭ですが、なるべく普通の育て方をしましょう。剪定をしたからといって水やりを増やしたり、肥料を与える必要はありません。20度前後の気温を保ち、直射日光には当てずに水やりも行いすぎないようにしましょう。
剪定は難しい作業に思われがちですが、案外簡単に行なえます。一度開花させた洋蘭は生命力が強いので、剪定を正しく行えば再び美しい花を見せてくれるでしょう。
洋蘭を育ててみよう!
洋蘭は、その美しい見た目で人々から愛される花です。贈答用として贈られる事も多く、せっかく貰った洋蘭をできるだけ長く楽しみたいとお考えの方もいるでしょう。洋蘭は気温に注意をすれば、比較的長持ちしてくれる花です。水やりのタイミングを見極めて、根腐れしないようにしましょう。
また、挿し木ができない洋蘭ですが、剪定を行えば再度美しい花を開花させてくれます。剪定は正しい手順を踏めば難しくないので、是非チャレンジしてみてください。
洋蘭の花言葉が知りたい方はこちらの記事をチェック
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