はじめに:銀杏の食べ方と下処理を紹介
季節の銀杏の美味しい食べ方いろいろ
銀杏といえば季節を感じさせる食べ物として多くの人から好まれている木の実です。他のナッツ類とは少し違った独特の癖のある味が調理しても消えず、料理のアクセントとなってくれるでしょう。
銀杏を普段どのように召し上がっていますか?いつも同じ食べ方で何か別のレシピが知りたいという方も多いということで、今回は銀杏の簡単な下処理の方法と美味しい銀杏レシピをご紹介します。
困ったときの銀杏の食べ方と簡単レシピ!
銀杏がたくさんあって煎る・焼くだけでは飽きてしまったとき、これからご紹介する銀杏を使って作れる美味しい料理のレシピを試してみませんか。
電子レンジだけで簡単にできる下ごしらえの方法や、銀杏の味をアクセントに使った美味しい料理の調理方法を詳しくご紹介!作り方のポイントを解説していきましょう。
食べ方の前に知りたい銀杏のこと
早速銀杏の調理方法解説をはじめていきたいところですが、せっかく銀杏のレシピを作るのですからこの植物についてもう詳しく理解してみませんか。美味しく食べる旬の時期はご存知の方も多いでしょうが、確認の意味でももう一度チェックしてください。
銀杏の基本情報
科・属 | イチョウ科イチョウ属 |
原産地 | 不明(中国説が有力) |
英語名/学名 | Maidenhair Tree/Ginkgo biloba L. |
植物分類 | 落葉性裸子植物 |
銀杏の特徴
銀杏の木は現存する世界最古の原性植物ひとつであるといわれています。今から約2億9900年前のペルム紀の地層からも発見されているとても古くから生えている樹木です。
木には雄株と雌株があり葉の形で見分けることが可能となっているほか、ぎんなんの実がなるのは雌株だけ。排泄物のような異臭を放つ実の種部分が、食べられる銀杏の実となっています。
銀杏の美味しい旬の季節
銀杏が実るのは季節でいうと秋。月では温暖な地域であれば9-10月ころが結実のピークなる時期です。
そのため同じくこの時期に収穫できる果実・脂が乗って美味しい時期を迎える魚などと共に、食欲の秋を感じさせる食材のひとつとして名を挙げられることも多い、古くから日本人に好まれてきた木の実として有名です。
銀杏の基本的な食べ方【下処理と加熱編】
銀杏は好きだけど下ごしらえが大変という声をよく耳にします。電子レンジでおこなう方法が簡単といわれていますが、やり方を間違えるとちょっとした事故になることもあり方法手順をしっかり押さえておくことが必要です。まずは銀杏の殻むきや加熱方法といった基本の食べ方をご紹介しましょう。
銀杏の下処理で必要なもの
銀杏は実を拾って中の種部分をいただくという食べ方です。銀杏拾いをしたときだけでなく、市販品でも保存ややわらかな木の実の保護にもなる硬い殻付きのまま売られています。
この殻のまま加熱すると硬い殻が破裂して危険です。まずはこの殻を割るところから下処理をはじめましょう。手では割れない硬さのため市販の銀杏の殻割り器やペンチ・ハンマーなど、叩いて割る・挟んで割る道具をご用意ください。
下処理後の基本の銀杏加熱方法1.
電子レンジと封筒を使う食べ方
一部の食べ方では下処理と調理を同時に行う場合もありますが、銀杏の加熱の仕方は蒸す・焼く・レンジ加熱の3種類がポピュラーです。まずは簡単な電子レンジを使った方法からご紹介しましょう。
電子レンジ加熱のやり方と注意点
動画では殻を割らずに加熱したため中で爆発してしまっているものもありますね。殻を割らないとどうなるのか知ることができるでしょう。やり方は簡単で封筒(使用済みでOK)に食べたいだけの銀杏の実を入れて、600wで40秒加熱してください。
下処理後の基本の銀杏加熱方法2.
はじけるのが怖い人におすすめ
銀杏を殻のまま煎る食べ方、煎り銀杏などとも呼ばれますが香ばしくてお好きという方も多いようです。
しかし煎り銀杏の作り方は加減が難しくて、つい煎る火力調整を間違えてしまうと殻がはぜて怖い思いをするだけでなく、思わぬ怪我をしてしまうことも。そんな煎る作業が苦手という方は、水を使いつつも煎るこの方法がおすすめです。
フライパンのみで仕上げる食べ方
まずは銀杏の殻を割ったあと、水にひたして全体的に殻の色が変わるまで放置します。その銀杏をフライパン(テフロン加工は痛むため不向き)か鍋に入れ1mmほど水を張り塩少々を適当な量入れます。
あとは沸騰して水けがなくなったあとも、時折鍋を揺らしてぎんなんに香ばしい焦げ目が付くまで加熱すれば、しっかり中まで火が通り香ばしい香りづけもできるでしょう。
下処理後の基本の銀杏加熱方法3.
少し手間はかかるがふっくら仕上がる食べ方
銀杏の加熱方法は電子レンジと煎るだけでなく蒸すやり方もあります。この違いは木の実がふっくらときれいに仕上がること。
銀杏はその味だけでなく翡翠色の実の美しさを鑑賞して、目でも楽しむ食材ですのでその美しさにこだわる料理には、こちらの下処理がおすすめです。蒸し時間は沸騰してから5分にしてください。
銀杏の薄皮の簡単なむき方は
食べ方の邪魔になる薄皮処理
一度に大量に食べないように、薄皮を少しずつむきながら塩を付けつつ食べるというのも贅沢でおしゃれな時間の使い方で銀杏自体の味もじっくり味わえて美味しいもの。日本酒などがお好きな方はこの食べ方を好まれるようです。
しかし料理に使用する前の下ごしらえとして薄皮をむくのにはそれほど時間がかかるのは好ましくありません。簡単な薄皮のむき方は意外と簡単です。
必要なのはお湯とおたまだけ
茶碗蒸しなどの料理での食べ方でアクセントに少しだけ使う場合でも、銀杏は渋みがあり食感を悪くする薄皮は取り除いてから調理する必要がでてきます。
加熱してもよいのであれば取り方は簡単。硬い殻をあらかじめむいた銀杏を薄皮のまま小鍋でわかした熱湯へ。お玉の底でなでるようにころがしながら加熱していくことで次第に薄皮がむけていきます。翡翠色のきれいな実が出てきたものがおたまですくってあげていきましょう。
銀杏の簡単で美味しい食べ方【調理編】
銀杏の下処理には必ず殻を割るという工程が必要なこと。加熱するにはいくつかの方法があり、それぞれ簡単・香ばしい・ふっくらと好みで使い分けることができることがわかりましたね。それではここでは銀杏の実を使った料理・食べ方をご紹介します。
銀杏の食べ方1.
低温で調理するのがコツ!揚げ銀杏
銀杏 食べたいだけ
塩 適量
まずは今までなかった油であげるという方法で銀杏の実に火を通す方法で、食べる食べ方から。これは殻を割って中の薄皮が付いている状態で調理をはじめます。油であげることで薄皮むきも同時におこなうことができます。
予め加熱しておく必要はありませんが、いったん加熱した銀杏を使っても同様な揚げ銀杏を作ることも可能です。
油の温度は低めで
このレシピを作るときに注意して欲しいのが油の温度です。あまり高温で一気に調理してしまうと火が通り皮むきができる前に銀杏が焦げて味を損ないます。
低温で薄皮が取れるようにゆっくり転がしながら加熱していきましょう。蒸す・煎るとはまた違った銀杏の風味が楽しめる簡単な調理方法となっています。
銀杏の食べ方2.
ごはん好きな方におすすめの食べ方
もち米 3合
ぎんなん 200g(殻付き)
水 150ml
乾燥椎茸 7g
昆布 2g
人参 50g
塩 小さじ1
醤油 大さじ1
みりん 大さじ2
酒 大さじ2
くるみ 60g
簡単な銀杏の食べ方ばかりではなく、本格的な調理方法にチャレンジしてみたい方におすすめなのが銀杏おこわとしての食べ方です。動画では焙煎機で銀杏を炒っていますが、お持ちでない方はフライパンでの加熱方法がこれに近いものに仕上がるでしょう。
必ず焙煎機が必要なわけではありません。自分の持っている調理道具や下処理レシピを組み合わせて作ってみましょう。
銀杏おこわの作り方概要
もち米は洗って浸水させてから一旦せいろで単体で蒸します。その間に干し椎茸やにんじん・昆布などを煮汁で煮込んで用意しておきましょう。銀杏は炒って殻と皮をむくという下処理が必要になります。
あとはふかしあがったおこわをボールに取り出し先程の煮汁+具材と銀杏を合わせよく混ぜ合わせ、もう一度せいろで蒸してできあがりです。
銀杏の食べ方3.
銀杏の洋風な美味しい食べ方
ぎんなん…………………18個
オリーブオイル…………大さじ1
ニンニク…………………1/2カケ
タマネギ…………………1/2個
米…………………………1/2合
水…………………………2カップ
顆粒コンソメ……………小さじ2
アボカド…………………1/2個
カマンベールチーズ……50g
粉チーズ…………………大さじ1
塩…………………………少々
マスカルポーネチーズ…大さじ2
バジルソース……………小さじ1/2
バジル……………………適量
レストランで出てくるような本格的なリゾットの作り方で銀杏の食べ方をご紹介しましょう。ここぞというときの勝負レシピとして覚えておくとおもてなし料理として活躍してくれます。
銀杏は加えるタイミングと役割別に丸のままと切り方を変えた2種類の大きさのものの3種類の下ごしらえをしておいてください。
銀杏リゾットの作り方概要
オリーブオイルとみじんぎりのにんにくを入れてフライパンを火にかけます。米は洗わずに入れてお湯で溶かしたコンソメスープをおたま一杯分ずつ米の様子を見ながら計4回加えて仕上げます。
最後のスープを入れて液体が残っているうちに残りの具材をすべて投入、少し煮込んで水分がよい感じになくなってきたらできあがりです。飾り用のチーズやバジルの葉・銀杏の実を飾り付けて食卓へ。
銀杏の食べ方4.
ごはんに合う銀杏の簡単な食べ方
米 ・・・3合
ぎんなん ・・・30~40粒
塩 ・・・小さじ1
酒 ・・・大さじ2
昆布 ・・・5×5センチ
ごはんと銀杏の相性は抜群で、いろいろな食べ方レシピがありご紹介しましたがおこわもリゾットも本格的すぎて難しいという方にもおすすめできる簡単な銀杏ごはんの作り方をご紹介しましょう。
必要な材料もシンプルなので思いついた時や食べたい時にすぐ作れる食べ方となっています。秋を感じる献立の中の一品としてご活用ください。
銀杏ご飯の作り方概要
ごはんはもち米ではなく通常のうるち米を3合使います。炊飯器で調理できますが、水加減は普通のごはんよりも大さじ1杯程度少なくするのがポイントです。
銀杏の個数は3合で30-40粒程度を目安とし多くなりすぎない程度に入れてください。水加減した米にこんぶとお酒・塩を加えてひと混ぜして薄皮までむき下処理ずみの銀杏を入れて炊いたらできあがりです。
食べ過ぎ注意!銀杏の食べ方で気をつけること
秋の味覚として美味しい銀杏ですが、食べ過ぎると銀杏中毒をおこし死亡してしまうケースもありますので注意が必要です。ここでは銀杏の食べ方で、絶対に注意しなければいけないことを解説していきましょう。
特に子供には気をつけて!銀杏の食べ方
これは個人差もありますが、銀杏には中毒症状が起こることが研究の結果判明しています。銀杏中毒の症状は吐き気・下痢・頭痛・痙攣・不整脈や発熱など。特に子供に多く中毒症状が起こり成人は起こりにくいとはいえ、大量に摂取することにより大人でも危険です。
銀杏中毒の原因は銀杏に含まれるビタミンB6類縁体である4'-O-メチルピリドキシンで、このため体内でビタミンB6欠乏がおこりGABAの生成を阻害してしまうせいといわれています。
昔から伝わる銀杏の食べ方
銀杏は少し苦味やえぐみもあり大人のナッツといった風味ですが、子供でも比較的食べやすく特にやわらかく加熱し皮むきをしたものはついつまんでぱくぱくと何個も食べてしまうことがありますね。
昔から日本では、子供に食べさせる銀杏は年の数までと言われていたほどです。しかし銀杏中毒は5個程度でも現れる場合がありますので、子供に与える場合はせいぜい1度に1-2個を限度としておいたほうがよいでしょう。
まとめ:銀杏の美味しい食べ方は
銀杏の食べ方はそのまま塩でも調理しても
食べすぎに注意すれば食欲の秋に食べたい食材のひとつにもよくあげられる銀杏の実。今回はいろいろな食べ方をご紹介してきました。銀杏の食べ方は思ったよりもいろいろあったと感じた方も多かったのではないでしょうか。
好みの銀杏の食べ方で
ポピュラーな香ばしい焼き銀杏に塩をかけて食べる食べ方もシンプルで素材の味を活かした食べ方ですが、料理に使うことでよりバリエーションに富んだ新しい銀杏の味の発見もあるでしょう。気になる食べ方があったらチャレンジしていただければ幸いです。
銀杏や食べ方が気になる方はこちらもチェック
暮らしーのにはこのほかにも銀杏の栄養を解説しながら食べ方の注意点を紹介している記事や、むかごの旬の時期や食べ方解説なども掲載しています。これらの木の実の食べ方が気になる方は是非見てみてくださいね。

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