中国産めかぶ
めかぶの栄養や効果についてご紹介!
めかぶは、わかめの葉部の下の方の茎に生じるひだの多い肉厚の部分です。非常にカロリーが低い海藻類の一種ですが、多くの栄養素が含まれています。このため、めかぶは、さまざまな効果や効能が期待できる食材であるということが可能です。
今回は、めかぶの栄養成分や効果・効能、栄養吸収のいい食べ方をご紹介します。レシピや食べ方もご提案しますので、ぜひ参考にしてみてください。
国産めかぶといえば三陸めかぶ
栄養価の高いめかぶは、日本全国で生産されている食材の一種です。なかでも岩手県と宮城県の三陸で生産されているめかぶが、日本全国の生産量の70%近くを占めています。この三陸で生産されるめかぶのことを三陸めかぶと呼び、めかぶブランドとして知られているのです。
三陸めかぶは、肉厚で香りがよく、栄養価が高いことで知られています。国産めかぶを購入する際は、産地を確認するようにしましょう。
輸入めかぶは中国産が圧倒的に多い
中国産めかぶ
輸入品のめかぶは、その大半が中国産です。韓国産のめかぶも流通していますが、輸入のめかぶは、日本産のめかぶに比べると、厚みや食感に違いがあります。
中国産のめかぶはやわらかくてなめらかな食感です。韓国産のめかぶのほうが歯ごたえがありますが、日本で生産されているめかぶの方が歯ごたえがあります。
栄養満点のめかぶの旬とは
生めかぶは2月ごろから
生のめかぶは、例年、2月ごろからスーパーなどに出回ります。この生のめかぶの旬は3月~4月ごろです。生のめかぶは、よく見かけるめかぶよりも色が茶色っぽく、細くカットされた形状とも異なります。
生のめかぶを湯通しし、細くカットしたのが、よくスーパーなどで見かけるめかぶで、加工されためかぶです。生のめかぶは栄養価が高く、風味も異なります。もしも生のめかぶを見つけたら、ぜひ旬の味をいただきましょう。
生のめかぶは下処理して冷凍保存を
生のめかぶを購入したら、下処理をして冷凍保存すれば、2~3ヶ月ほど保存することが可能です。まずはめかぶをよく洗って、茎からミミと呼ばれるひだの部分を切り分けます。その後、20秒ほど湯通し、冷水に入れて冷やしたら、保存袋に入れるだけです。
冷凍保存しためかぶは、自然解凍すれば使えます。細かく刻めばヌルヌルした食感も楽しむことができます。下処理の仕方を参考にしましょう。
めかぶ2本分
加工されためかぶは種類もいろいろ
めかぶ
一方、加工製品として出回っているめかぶは、さまざまな種類があります。乾燥めかぶ、湯通しされ味つけされたたたきめかぶ、塩漬けされた塩蔵めかぶなど、店頭にならぶ製品はいろいろです。
本稿では、そんなめかぶの栄養成分について言及しますが、その際に参考とする文部科学省が発表している日本食品標準成分表には「生のめかぶわかめ」の項目を参考にします。加工されためかぶの栄養成分については、それぞれの製品の表示を参考にしてください。
めかぶに含まれる特筆するべき7つの栄養成分
①食物繊維【炭水化物に含まれる糖質は0g】
めかぶに含まれている三大栄養素を調べてみると、最も多く含まれているのが炭水化物です。その炭水化物をさらに調べてみると、そのすべてが食物繊維となっています。つまり、糖質ゼロの食品です。これは、糖質を制限されていらっしゃる方にはうれしい情報といえます。
なお、食物繊維には、便秘の予防などの重要な働きが知られています。血糖値の上昇を抑え、血液中のコレステロールを低下させるなど、多くの効果が期待できる成分です。
②ビタミンK【血液や骨の健康に働く重要な栄養素】
ビタミンKは止血に働き、血管の健康にも役立つ重要な成分です。さらに、骨の健康にも必要な栄養素で、骨のたんぱく質を活性化し、骨を作るのを助ける働きもあります。ビタミンKが骨粗しょう症の治療薬として使われるのもこのためです。
ビタミンKを摂る際、気を付けたいのは血液抗凝固剤を常用されていらっしゃる方です。薬の効果を悪くしてしまうため、担当医に確認するようにしましょう。
③葉酸【細胞の生成や再生を助ける造血のビタミン】
めかぶに含まれる栄養素で比較的多いのが葉酸です。葉酸はビタミンBの仲間で、ビタミンB12といっしょに赤血球を作ることから、造血のビタミンと呼ばれています。
また、葉酸は遺伝子情報に関するDNAの合成に必要な栄養素で、細胞の生産や再生に働きます。妊娠している女性は、胎児の発育のためにしっかりと摂るようにしましょう。
④マグネシウム【健康な骨や歯を作るのに必要な栄養素】
めかぶに含まれる栄養素の中でもマグネシウムが、ほかの海藻類と同じように多く含まれています。マグネシウムは骨や歯を作る栄養素で、一般的に不足しやすい栄養素のひとつです。
不足すると、骨粗しょう症をはじめ、糖尿病や心疾患といった生活習慣病などのリスクが高まる可能性があります。積極的に摂取したい栄養素ですので、めかぶをさまざまな料理に使うのはとても有効です。
⑤ヨウ素【海藻類に典型的な栄養素】
ヨウ素とはヨードとも呼ばれる栄養素で、生体内では甲状腺に存在し、甲状腺ホルモンを構成する成分です。食材では海藻類に多く含まれ、古くから海藻類を多く摂取する日本人にとって不足する栄養成分ではありません。
めかぶには100gあたり390μgほど含まれています。日常の食生活で過剰摂取となることはあまりありませんが、ヨウ素が含まれるサプリメントなどを常用していらっしゃる方は気を付けるようにしましょう。甲状腺にかかわる症状が出ることがあります。
⑥フコイダン【海藻のネバネバしたぬめり成分】
めかぶに限らず、海藻が有するぬめり成分がフコイダンです。これは、海藻が自らを守るために有しているネバネバしたぬめり成分で、免疫力を高め、抗アレルギー作用をはじめ、抗ウイルス作用や抗菌作用などがあることがわかっています。
このぬめり成分は、めかぶに多く含まれる成分で、めかぶを特徴づけている成分です。このぬめり成分は、めかぶのほか、もずくやひじきなどにも多く含まれています。
⑦アルギン酸【ぬめりのある食物繊維】
めかぶに含まれる特筆するべき栄養成分が食物繊維ですが、この食物繊維にはアルギン酸という成分も含まれています。アルギン酸は、フコイダンと同じくネバネバしたぬめり成分です。血圧の上昇を抑え、コレステロール値を下げるほか、動脈硬化を予防する効果など、さまざまな効果・効能が期待できます。
また、アルギン酸が胃の中に入ると、アルコールの吸収も妨げてくれるため、悪酔いや二日酔いなどの症状を予防することが可能です。
めかぶの栄養成分から期待できる5つの効果
①食物繊維で便秘解消効果
めかぶに豊富に含まれる栄養成分として特筆するべき食物繊維には、ネバネバしたぬめり成分で知られるフコイダンやアルギン酸が含まれています。これらの成分には、整腸作用があることから、便秘を解消し、腸内環境を良くする効果が期待できます。
便秘気味の方、おなかが張ってつらい方などは、めかぶを材料に料理して摂り入れてみましょう。同時に水分も多く摂ることで、腸の動きがスムーズになるはずです。ただし、摂りすぎると下痢気味になりますので注意しましょう。
②健康な血液を作り血管を丈夫にする効果
めかぶに含まれる栄養成分には、血液の流れをよくし、健康な状態へと促す働きのあるものがたくさん含まれています。たとえば、めかぶのぬめり成分であるフコイダンやアルギン酸をはじめ、血液の健康に働くビタミンK、造血のビタミンで知られる葉酸です。
こうした成分の働きによって、血中コレステロールや血糖値の上昇を抑え、高血圧や動脈硬化といった生活習慣病などを予防する効果なども期待できます。
③カルシウムといっしょに骨の健康に働く効果
めかぶに含まれる栄養には、ビタミンKやマグネシウムなど、骨の健康に働く栄養成分が豊富に含まれています。このため、骨や歯の主要成分であるカルシウムといっしょにめかぶを摂取することで、骨の健康に働く効果を高く期待することが可能です。
たとえば、カルシウムを多くふくむ魚類には、カルシウムの吸収を促すビタミンDなども含まれているため、いっしょに摂るとさらに効果が上がります。サケやイワシはカルシウム量が多いため、いっしょに摂取するようにしましょう。
④免疫力を高め抗酸化作用に働く効果
めかぶに含まれるフコイダンは、体内の活性酸素を除去する働きのある栄養成分です。この働きは抗酸化作用によるもので、免疫力を高めて病気を予防するほか、抗ウイルス作用や抗菌作用などがあるといわれています。
この働きは、体のあらゆる機能に働きます。健康を維持することにつながっていきますので、めかぶを日常的に摂り入れていくことはとても大切です。
⑤髪の健康を促す効果
めかぶのぬめり成分であるフコイダンには、神の健康を促す働きが期待できるとされています。これは、フコイダンが髪の毛の栄養となることが確認されているからです。髪の毛を作る細胞は毛母細胞で、この細胞をコントロールしている毛乳頭細胞がフコイダンによって活性化されることで、髪の健康を促す効果が期待できます。
海藻は髪の毛にいいといわれるには理由があります。髪が気になる方はめかぶを意識して摂り入れていきましょう。
栄養たっぷりのめかぶ5レシピ
①めかぶと納豆で骨の健康に働くレシピ
材料
めかぶ1パック
納豆1パック
ネバネバした栄養たっぷりのぬめり成分のめかぶに、同じくネバネバした納豆を合わせると、便秘解消に効果が期待できるレシピになります。作り方は簡単で、納豆をパックから出して、しっかりと混ぜてからタレをかけ、めかぶを入れてさらにかき混ぜるだけです。
納豆に豊富に含まれるカルシウムが、めかぶに含まれるビタミンKやマグネシウムなどといっしょに骨の健康に働くため、骨への効能も期待できます。ごはんと合わせていただきましょう。
②めかぶとオクラで便秘解消レシピ
材料 (4人分)
オクラ12本
味付けめかぶ40g×4
鰹節5g
白だし小匙1
ぬめり成分たっぷりのめかぶに、整腸作用のあるペクチンなどの食物繊維が豊富なオクラを加えて、便秘を解消し、体の不要物を排出する効果が期待できるレシピがこちらです。
オクラは料理する前に塩を振って板ずりをして、熱湯で1~2分ほど茹でて冷やしてから、好みのサイズにカットします。先にカットして茹でると、栄養分が流れてしまいますので注意しましょう。味つけをしてから、めかぶを加えてできあがりです。もう一品、何か料理を準備したいときなどに加えましょう。
③めかぶと梅きゅうりでお酒のおつまみレシピ
材料
梅干し1個
メカブ市販の1カップ
胡瓜1本
めかぶのぬめり成分であるフコイダンは、胃の粘膜と同じ栄養成分が含まれています。このため、めかぶは、胃を守り、保護することが可能です。また、梅のクエン酸は、アルコールのダメージから胃腸を守り、きゅうりには、アルコールが代謝される際に生じるセトアルデヒドという成分を分解する力があります。
この3つの材料を合わせると、二日酔い予防におすすめです。料理方法はとてもシンプルで、めかぶと梅を混ぜ合わせ、適当なサイズにカットしたきゅうりに載せるだけとなっています。
④めかぶと卵やしらすで健康な体を作るレシピ
材料
ごはん1膳
めかぶ2分の1パック~
しらす好きな量
卵黄1個分
味付け
めんつゆ小さじ1~お好みの量
ごま油小さじ1~お好みの量
めかぶには骨の健康に働くビタミンKやマグネシウムなどの栄養成分が含まれています。このため、骨の基礎となるたんぱく質が豊富な卵やしらすといっしょに摂ることで、骨が強くなり、体の健康を作る効果を期待することが可能です。
時間がないときなど、たまごかけご飯をサッと食べる方は、しらすとめかぶを加えると、さらに健康的になります。料理をする時間がないときなどにもおすすめです。
⑤めかぶと豆腐の味噌汁で細胞の生まれ変わりレシピ
材料 (5人分)
水4カップ
だしパック2個
絹ごし豆腐200g
めかぶ2パック(80g)
油揚げ1枚
味噌大さじ2
ねぎ30g
めかぶに多く含まれるヨウ素は、エネルギーの代謝に働く栄養素です。子どもの発育に必要不可欠な栄養素で、細胞が生まれ変わるのを助ける働きがあります。このため、体のあらゆる要素となるタンパク質といっしょに摂ると、髪や爪、皮膚などの細胞が生まれ変わるのを助けることが可能です。
具となる材料を適当なサイズにカットし、湯を沸騰させ、めかぶなどの材料を加えて味噌を入れるだけという簡単な料理方法で作ることができます。ぜひ試してみましょう。
栄養満点のめかぶを上手に食べよう
めかぶは非常に栄養価の高い海藻類です。食物繊維が多く、ビタミンやミネラル類も多く含まれ、そのぬめりの栄養成分にも多くの効果が期待できます。
さらに、栄養価が高まる材料と組み合わせることで、さらに栄養の吸収率が高くなり、体の健康に働くことが可能です。ぜひ日常的にめかぶを食べて、上手にめかぶの栄養を摂り入れていきましょう。
海藻類が気になる方はこちらもチェック!
今回はめかぶの栄養についてご紹介しましたが、ほかの海藻類の栄養やレシピなどが気になるという方はこちらの記事も確認してみてください。きっと日々の食生活の改善のお役に立てるはずです。
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