はじめに:現代人におすすめ!ニラの栄養
葉酸やビタミンなどのニラの栄養
野菜には含まれることが多いビタミンや葉酸などの栄養素。特に新鮮な加熱していない野菜にはその成分が多いです。でもどんな野菜にどのような栄養素が多いのかは、それぞれ特徴があり食材として口に入れたときの効果も変わってきます。ニラにはどのような栄養成分が含まれているのでしょうか。
ニラと似た栄養のニンニクとの比較も
ニラは食べた人の免疫力をあげたり疲れを取ってくれる野菜といわれています。これとよく似た野菜にニンニクがあげられることも多いでしょう。
今回はニラの栄養とその効果だけでなくニンニクとの似ているところや違いなど疲れを取ってくれる野菜について少し掘り下げて紹介していきますので、免疫力アップや疲労回復を期待している方はお楽しみにしてください!
栄養効果の前に知りたいニラの特長
免疫力アップや疲れを取る効果が大きいといわれるニラという野菜。その栄養成分などを詳しく見ていく前にまずはニラという野菜についてご紹介していきます。その特徴や美味しく食べられる旬の時期はニラの栄養効果を効果的に摂取するのに役立ちます。
ニラの基本情報
科・属 | ヒガンバナ科ネギ属 |
原産地 | 中国 |
英語名/学名 | Oriental garlicやChinese chives/Allium tuberosum Rottler ex Spreng |
植物分類 | 多年草 |
ニラの特徴
特徴1.
ニラの特徴はその葉の部分の形です。長くすっと上に伸びる葉は膨らみがあまりなく全体的に均等に平たい姿をしています。地上部は日光を浴びて色濃い緑色をしている緑黄色野菜に分類される野菜です。
特徴2.
ニラの特徴に緑色が濃い・独特のにおいがするというものがありますが、これは新鮮なニラの見分け方に役立ちます。ニラは収穫したての新鮮なものはにおいも強く、葉はまだみずみずしくはりと艶があるのが特徴です。
栄養たっぷり!ニラの美味しい旬は
ニラの美味しい季節は初夏から初秋
ニラは多年草ですので株が長生きして次々出てくる葉を年に数回・株は継続して4年ほどの栽培に耐えてくれる植物です。家庭菜園でも一度植えれは1年に何度も欲しいときに収穫できるので、コスパのよさで人気がある作物。
初夏6月ころから涼しくなってきた9月くらいまでが美味しくニラの葉を収穫できる時期となっています。
ビタミンや葉酸などニラの栄養素を紹介!
緑黄色野菜といえばビタミンが豊富というイメージがありますね。ニラもその葉の緑色の濃さから主にビタミン類の摂取に期待がもてる野菜です。
ビタミンだけでなくこのほかにもニラにはいろいろな栄養素が含まれています。ニラの中に多くの割合で含まれる栄養素を、ここではそれぞれ解説していきます。
ニラに多く含まれる栄養1.
緑黄色野菜の豊富なビタミン
ニラには緑黄色野菜の特徴ともいえる豊富なビタミンAのほかビタミンCなど水溶性ビタミンも多く含まれています。これらのビタミンは調理や加熱によって壊れやすくなっていますので、食べるときは加熱したらすぐ食べること。
漬物などにするときは具だけでなくビタミンが染み出ている汁まで、できるだけ一緒に口にするなどすることで、より効率よく摂取することが可能です。
女性には重要な葉酸
野菜には葉酸を含むものも少なくありません。葉酸とはビタミンB群に分類される栄養で、人の体内で赤血球を作るのに役立つほか妊婦のお腹の中の胎児の成長異常率を下げる(DNAの構成に使われるため)大切な栄養です。
そのため特に妊娠中の女性は、葉酸を積極的に毎日摂取されることをおすすめします。
ニラに多く含まれる栄養2.
お通じに役立つ食物繊維
ニラは食物繊維も多い野菜です。食物繊維にも野菜によっては水溶性と不溶性の2通りあり片方含むもの・両方含まれているものがありますが、ニラに多いのはこの中の不溶性食物繊維となっています。
食物繊維は自然な便通に役立つ
これは腸の中で溶けずに水を吸って大きくなり、便のかさましをして自然な便通を促すのが水溶性食物繊維との違いです。
ダイエットであまり固形の食品を口にしないため便秘がちの方・食が細くてお通じが毎日ないのが悩みという方は腸内に便をためすぎてしまわないように、積極的に不溶性食物繊維を摂取するのがおすすめです。
ニラに多く含まれる栄養3.
ニラはミネラルバランスが良い食品
ニラの特徴としてミネラル成分が平均して多く含まれることがあげられます。一番多く注目したいのがカリウムで栄養全体の11%も含まれます。カリウムは体内の塩分調整に役立つミネラル。むくみが気になる方に必要になる成分です。
このほか鉄分や亜鉛などのミネラル類が平均して3-5%ずつ含まれていることから、特にミネラルを野菜から摂取したいと思われている方には、バランスよくミネラルが摂れる食品となっています。
ニラに多く含まれる栄養4.
匂い成分硫化アリル類にも注目
ニラは独特のにおいがする野菜ですね。これが気になるという方もいますが、逆に疲れが取れそうなにおい・食欲が増す気がするにおいとして、好まれる方も少なからずいらっしゃいます。
ニラの硫化アリルはアリシンと呼ばれ、非常に多くの有用な効果のある栄養素として考えられています。後半に同様な硫化アリルを含む食品、ニンニクとも絡めてお話しますのでそちらも是非ご参照ください。
エネルギー代謝や吸収力アップ!ニラの栄養効果
ニラにはどのような栄養が含まれているかご紹介してきました。ニラには栄養がたくさん含まれていますがそれがどのような効果があるのかも気になりますね。ここではニラの栄養効果とどんな方におすすめかを解説していきましょう。
ニラの栄養効果1.
活性酸素をから守ってくれる抗酸化作用
緑黄色野菜に多く含まれるβカロテンやビタミンCといった栄養素。これらは体内の活性酸素を減らす効果があります。
βカロテン(体内でビタミンAに変わる)やビタミンCを多く含むニラなどの野菜を摂取することにより、体のサビである活性酸素を取り除き老化を緩やかにしてくれるでしょう。
ニラの栄養効果2.
赤血球を増やし貧血を改善する
ニラの栄養としてご紹介した葉酸は細胞分裂を助け胎児の成長に役立つだけではありません。特に妊娠中には不足しがちになりひどくなる女性も多い貧血。妊婦だけでなく女性には貧血ぎみな人も多いという統計も出ています。
貧血が心配な方は赤血球を増やす役割がある葉酸を含む野菜を摂取することで、薬に頼らずとも食生活で貧血がちな方の健康を維持する手伝いをしてくれます。
ニラの栄養効果3.
生活習慣病予防にもニラは効果的
ニラの栄養の中に含まれているビタミンの中にはビタミンEがあります。このビタミンは動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に役立つといわれている栄養素。ニラを定期的に食べることでビタミンE摂取ができ、現代人にとって深刻な病気である生活習慣病を防ぐことができるでしょう。
ニラの栄養効果4.
消化吸収をアップする
ニラなどの独特のにおいには胃液の分泌を活発にする効果もあります。胃液は分泌しすぎても逆流炎などのデメリットもありますが、食欲不振や胃液の分泌が悪いため胃腸に負担がかかるという方には大きな食欲増進効果として役立ちます。
ニラとニンニクの栄養や効果比較
ここまで強いて触れてこなかったニラの嬉しい栄養効果に免疫力アップと疲労回復があります。これは硫化アリルという成分によるもので、ニラだけでなくニンニクでも代表とされる嬉しい効果です。
ここではニラとニンニクに含まれる硫化アリルという栄養素の免疫力アップと疲労回復効果に触れつつニラとニンニクの違いについて解説していきます。
ニンニクとニラは似ている
パワーが出る・食欲が増進されるとされる野菜としてニンニクがありますが、ニラも同様に食べると元気が出る野菜としてタンパク質(レバーなど)と一緒に炒めものとして食べられることがある食材です。
ニンニクが食べられないという方でもニラは食べられるということもありますね。そんな方にはニンニクに似ている食品ということでニラを選んで食べることで同様な効果が期待できるでしょう。
ニンニクとニラが似ていると感じるのは
ニンニクとニラに共通しているのが硫化アリルというニオイ成分です。これは食欲増進の効果のところでも触れましたが、食欲をわかせたり胃液を分泌させ食べた食品の栄養を吸収しやすくしてくれる働きがあります。
栄養というのは目で見ただけでは判断しづらく事前の栄養に対する知識がないと摂取できないものもありますが、ニラやニンニクのこの硫化アリルはにおい=効果なのでとてもわかりすやく摂りやすいものです。
ニンニクは強すぎる効果(におい)に注意
植物分類で見るとニラは前述のとおりネギ属の植物です。ニンニクも同様にネギ科ネギ属の近しい仲間となっています。
このほか同じ成分を持つ野菜として玉ねぎも含まれます。成分の強さでいうとニンニク>ニラ>玉ねぎとなっていますので、一度にたくさん摂取するという場合は成分の強さにも注意するため食材を選ぶ必要もでてきます。
アリシンという成分に注目!
ニラとニンニクの体によい栄養効果に共通するものとしてにおい成分(硫化アリル)とさきほどご紹介しましたが、その中でもアリシンと呼ばれています。これはビタミンB1と結びつき吸収しやすくするという働きです。
栄養補給などの薬として有名なアリナミンはこのアリシンの成分を利用した薬です。薬剤よりも自然な食品で元気になりたいという方はニラやニンニクのアリシンでということになります。
ニンニクはニラよりビタミンB1が多い
ビタミンB1は豚肉などに多く含まれているので一緒に食べることで吸収がよくなり免疫力があがります。しかしここでチェックしたいのはニラやニンニクそのものがビタミンB1を持っているというところ。よりこのビタミンB1量が多いのがニンニクでニラの約3倍ほどあります。
女性にも摂取しやすいニラはおすすめ!
ニンニクは含まれる硫化リアル(アリシン)の量が多いためにおいも強めに感じる食品です。特に女性の方や人前で話をする機会が多かったりと、口臭を気にされる方にとっては摂取しづらかったり、摂るタイミングを考えなければいけない野菜であったりするでしょう。
そんな女性や口臭を気にされる人にとってはニンニクよりもやや硫化リアルの量が控えめでマイルドなにおいのニラで栄養を摂るのはおすすめのやり方です。
ニラには摂取制限がある
もちろんにおいが強くてもニンニクを食べられる・ニンニクが好きという方は食べてもよいのですが、ちなみにニンニクは1日あたりの摂取量制限も決められており生で1かけ、加熱したものでも2-3かけを限度として食べるようにしなければいけません。
ニンニクは食べるのに気をつけたい食品
ニンニクの硫化リアルはニラと比べて多い量を摂取しすぎると成分が強すぎて胃壁に影響を与えるため、胃痛・貧血の原因となってしまうといわれています。またネギを切ると目が痛くなるのもこの硫化リアルなため目が弱い方はニンニクでも注意が必要です。
ニラにはこのような厳しい制限などはないので、定期的に多めに摂取したいという方はニンニクよりもニラ料理を食べた方が簡単な場合があります。
まとめ:ニラの栄養をもっと活用しよう
ニラは代謝やエネルギー吸収が上がる栄養食品
ニラには疲れをとってくれたり免疫力をあげる栄養も含まれている、おすすめの野菜です。独特なにおいがしますが、それがニラやニンニクなどに代表される体によい効果の目安となっています。
より効果的に摂取するには新鮮なうちに食べるのがおすすめ!見分け方もご紹介していますので、そちらも参考にされてニラの栄養を上手に健康増進に活用していきましょう。
ニラと栄養が気になる方はこちらもチェック
今回はニラの栄養とその効果について解説してきましたが、暮らしーのではこのほかにもニラを毎日でも食べたい方におすすめな家庭菜園での育て方や安いときに買いだめしたニラの上手な保存方法などの記事もご用意しています。ニラの栄養が気になる方はこちらも要チェックです!

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