プランターでのズッキーニの育て方は超簡単!
育て方がとても簡単なズッキーニはカボチャの仲間ですが、つるが長く伸びないためプランターなどの狭いスペースで栽培できます。ウリ科の野菜に特有の整枝や摘芯などの作業は不要のため手間がかかりません。
若い果実は開花から10日ほどで収穫し、そのあとも一つの株に次々にたくさんの果実をつけます。家庭菜園初心者も安心の人気の野菜を栽培してみましょう。(この記事は2021年8月19日時点の情報です)
ズッキーニの栽培期間と収穫時期
地域 | 種まきの適期 | 収穫時期 |
寒冷地 | 5月下旬~6月下旬 | 7月中旬~9月中旬 |
中間地 | 5月上旬~6月上旬 | 6月下旬~8月上旬 |
暖地 | 4月下旬~5月下旬 | 6月下旬~8月上旬 |
ズッキーニの育て方に関する最大の特徴は、種まきをしてから収穫まで早ければ1ヶ月半と短いことにあります。発芽気温は25~30℃、生育適温は20~28℃の夏野菜です。
ズッキーニをたくさん収穫するコツは、1つのプランターで1つの株を育てることです。ただしカボチャのように長期保存できないため収穫遅れに注意してください。夏場は食卓の出番が多くなるズッキーニを毎日使って、料理のレパートリーを増やしましょう。
ズッキーニの品種
家庭菜園のプランターでも収穫でき、育て方も簡単なズッキーニの品種は豊富です。一般的なのは皮が緑色か黄色の長さ20~25センチメートルの品種ですが、最近は、色や形のユニークな品種も注目されています。
ツートンカラーが可愛い「F₁グリーンパンツ」、ひょうたん形の「つる首ズッキーニ」、UFO形の「ホワイティ」、丸形の「ゴールディ」などです。プランターでも栽培できるのでいろいろチェックしてみてください。
ズッキーニの病害虫と対策
ズッキーニの病害虫で注意が必要なのは、病気では「うどんこ病」、害虫では「アブラムシ」や「ウリハムシ」などです。さまざまな野菜に群生して栽培の害になるアブラムシは、ズッキーニの葉にも発生しやすいといわれています。
群生して葉をボロボロにしてしまうウリハムシも危険です。早めに見つけて被害を小さくしてください。被害が大きくなる前に薬剤を散布する方法も検討しましょう。害虫対策も上手な育て方のコツです。
ズッキーニのプランターでの育て方①下準備
プランターでの育て方:道具の用意
ズッキーニをプランター栽培するときに必要になるものは、「プランター」の他に「培養土」、「鉢底ネット」、「鉢底石」、「ジョウロ」などです。一番大切な道具のプランターは、直径30×深さ30センチメートル、容量15リットルのものがあるとよいでしょう。
プランターの素材は木製や素焼き、紙製よりも安価で持ち運びしやすいプラスチック製が便利です。上手な材料選びも、上手な家庭菜園での育て方のコツとなります。
ベランダでのプランター栽培の注意点
プランター栽培ではベランダで行う人もいるかもしれませんが、太陽の方角に加えて最大の注意点、エアコンの室外機があげられます。
必ず室外機の風が当たらない場所にプランターを置いてください。他の野菜の育て方でも紹介されていますが、不自然な風や熱風はプランターの表土を乾燥させてしまいます。
土は園芸用の培養土を用意
ズッキーニを地植えする場合は苦土石灰や堆肥などを用いて土壌づくりをする必要がありますが、プランター栽培の場合は市販の園芸用の培養土で構いません。
育て方をこだわる人は、苦土石灰の他に赤玉や腐葉土バーミキュライトを用いて土づくりをするのもよいでしょう。量が多くなるのでプランターをもう一個用意してズッキーニ以外の野菜を楽しむのもよいかもしれません。
プランターの代わりに袋栽培
ズッキーニを狭い場所で育てるときはプランターを利用しますが、培養土の袋があるときは、そのまま土も使って代用する方法もよいでしょう。培養土の袋の地面から10センチメートルの高さまで、5センチメートル置きに通気性をよくする穴を目打ちで開けてください。
袋栽培は根菜類のジャガイモなどの栽培にむいていますが、ズッキーニでも試して見る価値がある方法です。道具の工夫も家庭菜園での上手な育て方のコツといえます。
プランターでの育て方:プランターのセット
上手な育て方の第一ステップは、培養土などをズッキーニのプランターにセットすることです。プランターの底穴を鉢底ネットでふさぎ、袋状のネットに入れた鉢底石を一面に敷きます。鉢底石は袋状のネットに入れておくと、ズッキーニを栽培した後に培養土との区別がつきやすいので便利です。
プランターに培養土を入れたあとは、プランターを軽くゆすって土を落ち着かせます。手で表土をならして種まき準備は完了です。
ズッキーニのプランターでの育て方②種まき
一つの株にたくさんの果実を付けて次々に収穫できるズッキーニは、種から育てるよりも苗を植え付ける育て方のほうがおすすめです。
しかし種から育てたいという人は種まきの育て方もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。苗の植え付けによる育て方は種まきの方法の後にご紹介します。
プランターでの育て方:種まき
種からの育て方は特に難しくありません。ズッキーニの種まきはプランターのセットが完了次第行ってください。ズッキーニの発芽温度は25~30℃のため、地域ごとで気温を計測してタイミングのよいときに種まきをしましょう。
プランター中央に種まきする穴を深さ5センチメートルほどに掘り、そこにズッキーニの種を2~3粒を直まきします。土をかぶせ、ズッキーニの種が土とよく密着するように手で土を軽く押さえてください。
植え付ける前に浸水しておく
ズッキーニのプランターでの上手な育て方のコツとして、苗を植え付ける前にバケツなどに水を張り、苗に吸水させておきます。地植えとは異なりプランターでの栽培は土が乾燥する傾向にあります。
苗を植え付けてからも水やりは必要ですが、植え付ける前にも水をしっかりあげておきましょう。水やりを忘れないことも上手な育て方のコツです。
発芽と生育
種から育てたズッキーニの芽は、種まき後の10日ほどで子葉が展開してきます。順調に生育すると本葉が掌を広げたように大きく開くため、立派な株に見えることでしょう。
ここまで栽培できると、ズッキーニの収穫時期は目の前です。ズッキーニの育て方は大したコツも要らないため、本当に初心者でも簡単に育てられることが実感できるはずです。
プランターでの育て方:植え付け
収穫時期のズッキーニは一つの株に果実を次から次へと付けるため、苗が1株あれば充分といえます。ズッキーニの苗の選び方のコツは、本葉が4~5枚出てがっしりと丈夫なものを選んでください。小さくて古いものは順調に生育しない可能性が高いため注意しましょう。苗の選び方も上手な育て方のコツです。
植え付ける穴はプランターの中央に広めに掘り、深さは株の分の深さだけ掘ります。微調整しながら掘るとよいでしょう。
1つのプランターに1つの株
ズッキーニはつる性植物ですがカボチャのように長くなりません。しかし放射状につると葉を広げるため、プランターに1株だけで充分といえます。
育て方が上手で順調に生育すると、収穫時期に次々に果実を付けるため、毎日収穫して食べないと追いつかないほどです。ズッキーニは家庭菜園の醍醐味を感じられる野菜といえるでしょう。
風に折れやすいので注意
育て方で大切なポイントは、プランターの置き場所です。ベランダの室外機の風だけではなく、自然の風にも注意してください。ズッキーニの葉が大きいため、強い風が吹くと倒れやすいのです。日光が当たりながらも風が吹かない場所にプランターを置くようにしましょう。
またズッキーニの株が大きく育つと倒れやすくなることもあります。事前に支柱を立てて誘引するのも、プランターでのズッキーニの上手な育て方のコツです。
ズッキーニのプランターでの育て方③追肥
プランターでの育て方:追肥と水やり
適切な肥料を与えることも上手な育て方のコツです。肥料は化成肥料10グラムを、ズッキーニの苗を植え付けてから1ヶ月後に与えてください。成長して収穫時期を迎えるまで2週間おきに、化成肥料10グラムを追肥として施します。
水やりは、プランター栽培の野菜全般は表土が乾燥していたらたっぷり鉢穴から水が出るまで与えてください。蓮口のジョウロで、ズッキーニの株元だけでなく満遍なく表土に水やりをします。
プランターでの育て方:土寄せ
ズッキーニをプランターで育てる場合は、追肥後の土寄せは特に必要ありません。地植えの場合は肥料と土を混ぜ込んで土寄せをしますが、プランターでの育て方は土寄せをしなくてもよいのです。
しかし水やりなどでプランターの表土が偏っていた場合は、ズッキーニの株元がぐらつかないようにするため、手で丁寧に土寄せをしてください。
ズッキーニのプランターでの育て方④授粉
プランターでの育て方:人工授粉
ズッキーニの育て方で重要なポイントが受粉作業です。ズッキーニを栽培したときに昆虫が媒介して受粉する環境にない場合は、雌花が開くと人工授粉する必要があります。ちょとしたコツが必要ですが難しくないですし、他の野菜の育て方でも必要な知識のため覚えておくと便利です。
ズッキーニは雄花と雌花が分かれている"雌雄異花"となり、人工授粉の方法は次のようになります。
ズッキーニの人工授粉の手順
まず新鮮な雄花を摘み取り、花びらを取り除いてください。それから雌花(花の下にあるぷくっと膨らんだ子房)の中心にある雌しべに雄しべの花粉を軽くこすりつけます。
ズッキーニの花は早朝に開き、日が昇るにつれてしぼんでしまうため、この人工授粉の作業は花粉がよく出る朝9時までに済ませます。スイカなどの育て方でも必要な作業のため、家庭菜園でいろいろ楽しみたい人は育て方の大切な点として覚えておいてください。
ズッキーニのプランターでの育て方⑤収穫
プランターでの育て方:収穫の目安
適切な収穫も育て方の上で大切なポイントです。ズッキーニは苗の植え付けから約1ヶ月半後には収穫が可能です。収穫の目安は、ズッキーニの長さが20センチメートル前後・太さが4センチメートル前後になった頃となります。
それ以下の長さでも食べられないことはありませんが、長い品種のズッキーニは調理にも便利なため、ある程度の長さになるまで収穫は待ちましょう。収穫を見極めるのも重要な育て方なのです。
プランターでの育て方:収穫方法
ズッキーニの収穫方法は、果実をつるの根元を反対側に向けてぽきっと折るだけです。または小さいナイフや包丁などで切るのもよいでしょう。
ズッキーニは次から次に果実を付けますが長期保存ができないため、夏の間はズッキーニ料理の出番が多くなります。新鮮なうちにたくさん食べて収穫の喜びを味わってください。美味しく食べるのも、上手な育て方の総仕上げといえます。
プランターでの育て方:栄養と調理方法
ズッキーニには、各種ビタミンやカリウム、カロテンなどのミネラル分が多く含まれるといわれています。反対に炭水化物が少ないためあまり腹持ちはしませんが、低カロリーという点もダイエットをしたい人におすすめの野菜です。
おすすめの調理方法はさまざまですが、味に癖がないためいろいろな方法で美味しく食べられます。油との相性がよいので炒め物や天ぷらはもちろん、ぬか漬けや煮びたしなどの和食もおすすめです。
開花前の雌花を使った調理方法
結実する前、開花前のズッキーニは花ズッキーニと呼ばれていますが、花びらの中にひき肉やチーズ、ライスなどの詰め物をしてから火を通す料理も知られています。ズッキーニの花は、早朝に開花して日が昇るとしぼむという性質があります。夜明け前に収穫して雌しべと雄しべを取り除き、それから好みの具材を詰めてフライにしたり焼いたりします。
ただし雄花と雌花がないと受粉して実を付けないため、ある程度は残しておきましょう。
ズッキーニをプランターで育てて味わおう!
人工授粉の手間はありますがズッキーニの育て方はとても簡単で、プランターでも簡単に育てられます。大きな注意点は、乾燥に弱いため水やりを忘れないように注意することくらいです。
次々に実を付けるので家庭菜園の醍醐味を感じられることでしょう。長さ20センチメートル、太さ4センチメートル前後が食べごろです。長期保存はできませんが、炒めたり揚げたり、煮たりなどといろいろ調理を工夫してお楽しみください。
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出典:ライター撮影