はじめに:環境別!葉ネギ(九条ネギ)の育て方
葉ネギ(九条ネギ)の育て方を知りたい
野菜栽培は自分でものを育てる醍醐味と収穫の喜び・作物を食べることができるという3つのメリットが趣味と実益を兼ねたおすすめのガーデニングです。
家庭菜園で育てる作物の選択肢もいろいろありますが、今回は薬味などで大活躍する葉ネギの育て方についてご紹介しましょう。葉ネギの育て方は長ネギとは少し違うのでねぎを育てた事があるという方でも少しだけ注意が必要です。
植え付け環境による葉ネギ(九条ネギ)育て方講座
野菜の栽培方法にもいろいろあって、庭や畑を持っている(レンタルしている)方なら地植えで。戸建てではなく集合住宅にお住まいの方や庭には野菜は作りたくないという方ならベランダでもできるプランターでの栽培方法が選べます。
葉ネギの栽培方法のメリットはこのどちらの育て方も可能なところにあります。今回はどちらかに特化したものでなく、地植えとプランター両方の育て方とその管理方法の注意点について解説していきましょう。
育て方の前に知りたい!葉ネギ(九条ネギ)のこと
葉ネギという野菜の栽培方法の前に、まずはこの葉ネギという植物についての基本的なことについてお話いたします。
どんな植物のなかまなのか、その性質や特長・旬の時期や使い方を知ることは育て方のヒントとなりますし、葉ネギを育てることについてより楽しみを見出すことができるでしょう。
葉ネギの基本情報
科・属 | ヒガンバナ科(ユリ科)ネギ属 |
原産地 | 中央アジア |
英語名/学名 | Leekまたはwelsh onion/Allium fistulosum |
育て方難易度 | 簡単から普通 |
葉ネギの特長と性質
葉ネギは利用方法によって小ねぎサイズ・中ネギサイズの2通りに分けることができるでしょう。このサイズは品種によっても変わってきます。わざと小さなうちに収穫する薬味用の芽ネギ品種や有名なぬたなどによく利用される太めの九条ネギなどがあります。
ネギは酸性の土をとても嫌います。そのため畑や庭に地植えにする場合には土壌改良をまずしっかりとおこなうところから、育て方をはじめる必要があるでしょう。
葉ネギの旬の時期と使い方例
1年中収穫できる芽ネギという葉ネギ
葉ネギもいろいろな種類があり、その食べ方や収穫時期が変わってきます。例えば珍しい品種では芽ネギという葉ネギの種類があり、これは発芽して短いうちに収穫して食べる専用の葉ネギです。種まきから収穫までとても2ヶ月足らずと非常に育て方期間が短いため1年中いつでも栽培が可能です。
とても香りがよくやわらかく生食向けな葉ネギなので、ネギ寿司や魚介類と合わせてカルパッチョなどにする使い方に向いています。
九条ネギは夏から翌年春までが旬
一般的なスーパーマーケットで売られているような葉ネギ(九条ネギを含む)を普通の育て方で栽培するのであれば、その旬の時期は春まきで7-翌年3月・秋まきで10-翌年3月となるでしょう。
葉ネギの使い方はごくごく細かい小口切りにして麺類や丼ものの薬味にするほか、炒めものやナムルなどにも用いられています。
葉ネギの栄養と効果
葉ネギに限らず長ネギも含め特徴的な栄養素として硫化アリルがあげられるでしょう。これはネギのあの独特のねばねばした部分のことで、胃腸のはたらきを助け消化を促したり便秘の改善にもなるといわれています。
葉ネギのビタミンCは風邪にも効果的
また昔からネギには喉の炎症を抑える効果があるとされ、昔の民間療法としてネギを焼いてのどに巻くというのを聞いたことがある方も多いでしょう。これは実はネギのビタミンC効果によるものとされていて、巻くよりも食べることによりより効果的といわれます。
葉ネギ(九条ネギ)の育て方で必要なもの
それではまずは地植えやプランター共通の育て方に必要なものからチェックしていきましょう。プランター栽培をされる方は、もちろんプランターも必要となりますので別途ご用意ください。
葉ネギの育て方で必要なもの1.
種や苗
今回は種まきからの育て方をご紹介しますが、種まき時期を逃してしまったという方は苗を購入して植え付けることで遅れた時期を取り戻すことが可能です。どちらも栽培の旬の時期には園芸店や農協・通販などで手軽に手に入れることが可能となっています。
葉ネギの育て方で必要なもの2.
葉ネギ栽培用の土
こちらは地植えをする場合とプランター栽培でおすすめの土が変わってきます。もともと土を持っている方は土壌改良を主な作業とするのに対して、土を持っておらず購入される場合が多いプランターでは野菜用培養土を買って育てた方が簡単で手軽・無駄なならないコスパの良さもあるからです。
地植えやプランターでも古い土を使われる方は、pH調整のための苦土石灰とすき込む堆肥を準備し、土を新しく購入される方は前述の野菜用培養土をご用意ください。
葉ネギの育て方で必要なもの3.
追肥用の固形肥料
葉ネギは特に生食でいただくことを考慮すると、あまり追肥はあげないほうが好ましいです。九条ネギなどある程度の太さが必要な葉ネギの場合など追肥を与える必要があるのであれば、ゆっくりと長く効果が続く固形肥料がよいでしょう。
葉ネギの育て方で必要なもの4.
一般的な園芸用ツール
水やりのためのジョウロや植え付けのために穴を掘ったりするスコップ・土いじりをするなら園芸用グローブがあった方がよいですし、衣類の汚れ防止のためにガーデンエプロンも専用で用意しておくことをおすすめします。
また育て方も期間が長くなるため雑草を取り除いたりするために、栽培規模に合わせたサイズの使いやすいすきや鍬もあると便利ですよ。
葉ネギ(九条ネギ)の育て方【地植え編】
葉ネギの育て方準備が整ったところで、早速最初は地植えでの育て方を解説していきましょう。地植えでは土壌改良が必要となってきますが、まずは日あたりを考慮した植え付け場所から選ぶところからです。
葉ネギの育て方1.日当たり
午前中日が当たる風通しのよい場所
育て方の第一歩は葉ネギづくりに適した日当たりから。葉ネギは日当たりのよい場所に植え付けるようにしましょう。病気予防や成長促進の観点からも風通しがよいところが育て方には重要です。
西日が当たるところはあまり好ましくありませんので、半日陰になるような場所では午前中に日なたの場所を選んでください。
葉ネギの育て方2.土づくり
2週間前に土壌改良をはじめる
地植えでの育て方では土壌改良をしておく必要があります。時期は植え付けの2週間前を目安としてください。まずは苦土石灰を使って酸性に傾いた土のpHを中和しておきます。
ただ土を中和するだけでなく土の中の通気性や水はけをよくするために、1週間後(種まき・植え付けの1週間前)に中和した土に堆肥をすき込み耕しておいてください。
葉ネギの育て方3.種まきと植え付け
春か秋どちらかに種まき可能
葉ネギの種まき時期は春か秋で、真夏と真冬を除いた時期にできるのが一般的な種です。苗を作って植え付ける場合は秋10月ころに苗用の種まきをしますが、直まきで育てる場合は春の種まきでもその年に収穫を迎えることができるでしょう。
小さな種に注意
種まき方法は事前に土に水やりをして湿らせておくのがポイント。葉ネギの種はとても小さいので植え付けてすぐに水やりをすると流れてしまう心配があるからです。筋蒔きで種が重ならないようまきごく薄く覆土して手で抑えて種まきは終了です。
秋まき種で苗をつくり春に植え付け
植え付け用の苗を作っておくには前年の10月くらいに育苗箱などに種まきします。種まきの方法は直まきと一緒です。好光性の種ですので覆土は1mm程度とごくごく薄くしてください。
苗はいったんバラバラにして複数本をまとめて均等になるようにしておきます。株間10-15cmに植え付けてたっぷりと水やりをして植え付け完了です。
葉ネギの育て方4.日常管理
地植えの水やり
葉ネギの育て方で水やりは乾燥させない程度に乾き気味に育てることがポイントです。地植えではほとんど水やりはしないお世話と考えておくとよいでしょう。
自然に降る雨のみでの育成が可能です。種まき・植え付け時だけは水やりをすると覚えておくとよいでしょう。
追肥
葉ネギの育て方で迷う方が多いのが肥料(追肥)の時期とやり方です。これは育てる品種や使い方によって変える必要があります。薬味として生食にする場合は肥料を与えすぎてしまうと、葉の部分が固く繊維が気になってあまり美味しく育ちません。
極力追肥は与えないよう育てるのがよいやり方。逆に鍋など加熱して使う場合はある程度の太さも欲しいので適度に追肥をするという育て方になります。
時期と間隔
追肥を与える場合元肥が切れた1ヶ月後くらいから、効果が期待できる1ヶ月おきを目安に施肥していきます。株元から少し離れた土に固形肥料を埋めるか、地表にパラパラとまいて与えてください。
葉ネギの育て方5.収穫
地植えでもプランターでの育て方でも同じなのは収穫です。これは利用するサイズまで生長したらいつ収穫してもかまいません。加熱用なら大きなサイズにまで生長させ根ごと掘り上げて収穫とします。
薬味用の葉ネギであればあまりサイズを大きくせず柔らかく食べやすい若い時期に地上部分だけを刈り取って収穫とします。その後また葉が伸びて何度か収穫を繰り返せるため、コスパのよい育て方といえるでしょう。
葉ネギ(九条ネギ)の育て方【プランター編】
地植えと少し違うプランターでの葉ネギの育て方解説となります。主に水やりや株と株の間隔などが地植えの育て方とは変わってくるでしょう。またプランター栽培はベランダなどを利用されることも多いので、置き場所にも注意が必要です。
葉ネギの育て方1.置き場所
プランターでの育て方でも基本的な日あたりと風通しがよいという点では地植えの育て方と同じです。ベランダなどに置く場合はエアコンの室外機からの風が当たらないように注意してください。このような不自然な風は植物栽培には害となってしまうからです。
葉ネギの育て方2.土
プランターでの育て方ならば土は市販の野菜栽培用の培養土を使うのがおすすめです。
地植えの土壌改良のように2週間前から作業をはじめる必要はなく、買ってきてプランターに入れたらすぐに育て方をはじめることができるので、普段お仕事で忙しい週末ガーデナーの方々には手間のかからない使い勝手のよい土としておすすめです。
葉ネギの育て方3.種まきと植え付け
プランターの場合も種まきからか苗を作る(または買う)植え付けから始める育て方のどちらか選べます。
種まきの場合はプランターの中央に10cm程度の間隔を開け指や棒ですじを作ってそこに種が重ならないようぱらぱらと種まきして軽く覆土、水はこの場合もあらかじめ先にたっぷりと土を湿らせてあげることが大切です。
葉ネギの育て方4.日常管理
プランターでの育て方の場合は水やりは土の乾燥具合に注意して、やや乾燥させぎみに栽培します。あまり水を与えすぎないようにしてください。肥料についても追肥は利用方法を考慮して。薬味用葉ネギの場合は追肥はなくてもかまいません。
葉ネギの育て方5.収穫
プランターでの葉ネギの育て方でも、キッチンガーデニングなどで室内のみで管理することも可能です。この場合収穫サイズは薬味用の小ねぎ程度までと考え使うときに使う分だけ収穫して何度か収穫する方法がおすすめとなります。
屋外で大きな野菜用プランターで栽培すれば中サイズの九条ネギも十分育てることができますので、この時は根ごと引き抜き収穫する方法でおこなってください。
まとめ:葉ネギ(九条ネギ)の栽培方法は簡単
葉ネギを家庭菜園で収穫!活用しよう
今回は野菜の育て方としていろいろと毎日の献立に活躍してくれる葉ネギの生育・栽培方法を解説してきました。葉ネギと一口に言っても種類によって育てるサイズや追肥のやり方など育て方が変わってきます。
種や苗を選ぶときにその種類がどのくらい太く大きなサイズになる品種かまず確認し、追肥のありなしなど最初から計画して育て始めるとうまくいくでしょう。
野菜の育て方が気になる方はこちらもチェック
今回は葉ネギの育て方を解説してきましたが、暮らしーのでは野菜ごとの育て方のほか地植えやプランターなど植え方環境別にも育て方記事をご用意しています。家庭菜園で知りたいことがあればこちらの記事も是非見てくださいね。

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出典:https://photo-ac.com/