はじめに:種まきからのほうれん草の育て方
家庭菜園でのほうれん草作りのすすめ
家庭菜園で栽培するものをお探しですか?それならほうれん草はいかがでしょうか。野菜が少なくなりがちな冬にとれる作物で栽培もそれほど難しくないだけでなく、ご存知の方も多いようにビタミンをはじめとして非常に栄養が豊富なところもおすすめポイントです。
適した気候や土壌は?ほうれん草の育て方
野菜の育て方は感覚だけでできるものではありません。ほうれん草の育て方に適した気候や土壌を知った上で環境を整えてあげ、さらに水やりや肥料で生長させる必要があります。
今回は初心者の方でもできるだけ簡単に失敗しづらいほうれん草の育て方を種まきの方法から詳しく解説していきましょう。
育て方の前に知りたい!ほうれん草について
ほうれん草の育て方を解説を読む前に、まずはこの野菜について知っておくことは大変重要なこととなってきます。栽培にあたって好みの気候や土壌を感覚ではなくしっかり理解しておくことで、どうお世話したらほうれん草のためになるのか前もって知ることができるでしょう。
ほうれん草の基本情報
科・属 | アカザ科ホウレンソウ属 |
原産地 | 西アジア |
英語名/学名 | Spinach/Spinacia oleracea |
育て方難易度 | 簡単から普通 |
ほうれん草の好みの気候や温度
野菜を育てるには好みの気候を知ることも重要です。発芽にも生長にも気候(気温)がとても重要な要素となるからです。気温が高かったり低かったりすることで芽が出なかったりなかなか大きくならないということも珍しくありません。
ほうれん草は涼しい気候を好む
ほうれん草は冬に美味しくなる野菜。寒くなるとほうれん草が甘くなるとまで言われています。そのため育て方に向いているのは冬・気温は-10度くらいまで絶えられる野菜です。
一般的な栽培に適した温度は15-20となっていますが、逆に25度以上になると生長に大きな影響が出てきますので、春から夏ではなく秋から冬におこなう育て方に向いています。
ほうれん草の旬の時期
ほうれん草は真夏を除く春・秋・冬に収穫することができます。これは先程ご紹介した生長に適した気温内であれば、栽培可能といい換えることもできるでしょう。
しかしほうれん草の栄養価が高くなり味も濃く美味しい旬の時期はやはり冬。12-2月くらいの寒い時期が美味しくなるといわれています。
栄養豊富な旬のほうれん草
スーパーマーケットなどでも通年売られているほうれん草。旬の感覚もわからないという方も多いでしょう。ほうれん草は11-1月までが一番栄養が豊富な時期となっています。
家庭菜園で自分で育てればこの栄養豊富な時期の採れたてのほうれん草を味わうことができるでしょう。特に冬の間は野菜の数も少なくなりがちですので、ほうれん草の存在は非常にありがたいものです。
ほうれん草の主な栄養はβカロテン
緑黄色野菜に分類されているほうれん草。豊富に含まれている主な栄養素はβカロテンです。このβカロテンの健康の効果は髪の毛や皮膚の健康を維持するだけでなく、視力低下の防止・呼吸器系統の保護などの働きもあるといわれています。
ほうれん草の育て方で用意するもの
ほうれん草の分類や性質・栄養素などをご覧いただいたところで次は育て方に必要なものをご紹介します。事前に何を用意したらいいのかというチェックリストとしても、是非ご活用ください。
育て方に必要なもの1.
ほうれん草の種や苗
ほうれん草は苗も売られていることがありますが、種まきから育てられることが多い野菜です。種まき用の種を購入するときは種袋の裏面もチェックして、お住まいの地域での種まき時期・生長適温・草丈などを間違えのないようにしてください。
育て方に必要なもの2.
ほうれん草栽培用の土
地植えの場合は土壌改良として苦土石灰をご用意ください。プランター栽培なら土壌改良は不用ですので、土壌改良材の代わりに野菜用の培養土を用意すれば、すぐに種まきからほうれん草栽培がはじめられおすすめです。
育て方に必要なもの3.
防虫ネット
ほうれん草などの葉物野菜は虫による食害がすぐに収穫量に直結してしまいます。植え付けたらすぐに虫が付く前に防虫ネットをかけておくと安心です。
市販の防虫ネットとして売られているもののほかに、100均の洗濯ネットなども代用品として利用できます。プランターをすっぽり覆うだけのサイズのものをご用意ください。
育て方に必要なもの4.
園芸用ツールなど
このほかに植え付けのためのスコップや水やりに使用するジョウロなど一般的な園芸用ツールは一通りご用意ください。土いじりは皮膚の弱い人にはかぶれの原因となる場合があります。
皮膚の強さに自信がない方は特にガーデン用のグローブを用意するのをお忘れなく。このほか衣類の汚れ防止に土いじり用のエプロンを、料理用とは別に準備しておくことをおすすめします。
家庭菜園で簡単野菜!ほうれん草の育て方
ほうれん草の育て方に必要なものが揃ったら、早速野菜栽培をはじめていきましょう。まずは植え付ける場所(プランターの置き場所)を決めるところから。涼しいところが好きなほうれん草ですが、日かげがよいというわけではありません。
ほうれん草の育て方1.日あたり
ほうれん草の育て方:日あたりのコツ
ほうれん草は日光に多く当たった方が含まれる栄養も豊富になります。育て方ではまずよく日の当たる場所を植え付け場所として選んでください。日あたりだけでなく病気予防のためと生長ホルモンを促すために風通しのよい環境も必要です。
ほうれん草の育て方2.種まき
ほうれん草の種まきは筋蒔きという方法でおこないます。畑やプランターの土に棒などで深さ1cmほどの溝を一直線に作り、そこに種をできるだけ重ならないようにぱらぱらと蒔いていきます。
発芽したら双葉のころと本葉が2-3枚出てきたころの2回ほど間引きをして、最終的に株間を6cm程度になるくらいにしてください。
防虫ネットはすぐかける
冬になると虫の数は減りますが、生きている虫もいます。特に春まきの場合はあっという間に虫食い被害があらわれる場合もありますので、種まきをして発芽を確認できたらすぐにでも防虫ネットで害虫対策をしていきましょう。
畑ならばトンネルにして寒冷紗をかける・プランターならば野菜用であれば支柱を立てそこにネットを張るようにします。小さなプランターであれば、プランターごとネットで覆ってしまうのもよい方法です。
ほうれん草の育て方:種まきのコツ
ほうれん草は生長温度とは別に西洋種と日本種とありますが、西洋種は春まき・日本種は秋まきが生長しやすいという特長があります。気候さえあえば収穫できないわけではありませんが、用意した種に合わせてまき時期を変えるとより育てやすくておすすめです。
ほうれん草の育て方3.日常管理
葉物野菜には葉にも水をかけてあげることで虫を洗い流したりして虫食いを防ぐ効果もあります。もちろん根の部分(土)にもたっぷりと水を与えてください。
地植えの場合はある程度大きくなってきたら(発芽して本葉が見えてくるようになった頃を目安に)水やりは不用となります。プランターでの育て方の場合は乾燥させすぎないよう水やりをしましょう。
ほうれん草の育て方:水やりや肥料のコツ
ほうれん草は肥料は基本的に与えない方が虫や病気になりにくいと言われています。元肥として最初に土に養分がありますので、与えるならば種まきから1ヶ月後を目安に株元に固形肥料を1回与えるのを限度とするとよいでしょう。
ほうれん草の育て方4.収穫
ほうれん草の収穫はできるだけ株を大きく生長させてからの方が栄養分が高く美味しい作物となるといわれています。収穫は株元を手で分けて地面ぎりぎりのところにハサミを入れて収穫します。
株元に近い部分が株の中で甘みがあり美味しい部分といわれていますので、葉だけでなくしっかりと株元の茎の美味しさも味わいましょう。
ほうれん草の育て方:収穫のコツ
収穫のコツは草丈が大きくなってからといわれていますが、春蒔きのほうれん草の場合は草丈を大きくしようとするととう立ちといって花が咲いてしまうことがあります。
秋ではなく春から育て方をはじめた場合は、一般的にサイズ20cm(品種によるので種袋を確認)を目安として、それほど大きくならないうちに収穫してください。
ほうれん草の育て方5.植え付け
ほうれん草の育て方:移植
ほうれん草のような直根性の植物は移植に弱く種まきから間引きで栽培する育て方が失敗しづらくおすすめです。しかしまったく移植できないというわけではありません。
苗を作ってから植え付けする育て方の場合は種まき用のセルで苗をつくり、本葉が見えて来た小さな苗のうちに土ごと植え替えることで移植も可能となります。
ほうれん草の育て方6.病気と害虫
ほうれん草は主に秋から冬に栽培される野菜なので、ほかの春夏野菜などと比べると病気や害虫被害は少ないもののまったく可能性がないわけではありません。
病気はべと病に、害虫はアオムシ系に注意が必要です。病気は抗体の強い品種の種が市販されていますのでそれを使うのがおすすめとなっています。
ほうれん草の育て方:害虫注意
種まき後発芽したらすぐにネットをかけることをおすすめしましたが、水やりや雑草取りのほんの少しのタイミングでも虫が入り込むことがあります。
アオムシ以外でもハモグリバエやヨトウムシも葉物野菜には被害が多い害虫です。まずは捕殺で対処し、範囲が広い場合はオルトランなどを株元に散布して予防しましょう。
家庭菜園におすすめ!ほうれん草の種類
最後になりますがほうれん草の育て方がはじめての方でも失敗しづらく丈夫で美味しいほうれん草の品種を3つご紹介しましょう。これ以外にもたくさんのほうれん草の品種がありますので、慣れてきたらいろいろな変わったほうれん草を育ててみるのもおすすめです!
育て方が簡単なおすすめほうれん草1.
ほうれん草 トライ(R)
最初にご紹介するのはタキイ種苗のほうれん草の種トライです。極早生種で収穫までの期間がさらに短く簡単に収穫することが可能となっていますので、はじめてほうれん草を育てるという方も楽しく育てることができるでしょう。
育て方が簡単なおすすめほうれん草2.
ほうれん草 牛若丸
こちらもタキイ種苗の牛若丸という品種です。こちらのほうれん草の特長はべと病という病気に強い品種であるということ。育て方期間が短い野菜ですが病気は予防しておくに越したことはありません。土壌の再利用など病気に対して心配な方は、このような強い品種の種を選ぶことをおすすめします。
育て方が簡単なおすすめほうれん草3.
サラダほうれん草ディンプル
ほうれん草は栄養が豊富な野菜ですが、シュウ酸という人によってはえぐみを感じたり舌がピリピリとする成分も目立つ野菜です。生食だとそのシュウ酸の特長が気になるという方にも食べやすくよりやわらかいのがサラダほうれん草という品種です。
家庭菜園でも育て方が簡単で美味しいと人気が高く、いろいろな種苗メーカーから販売されていますので、手に入りやすいメーカーのものを選ぶとよいでしょう。
まとめ:ほうれん草の育て方は虫に注意
ほうれん草の育て方はコツをつかめば簡単
ほうれん草は寒い気候により栄養をたっぷり蓄え美味しくなる野菜です。春まき向けの西洋品種と秋まき向けの日本品種。栽培時期や品種を変えることで食べたときの感覚も変わってきていろいろと楽しめます。
涼しい気候でも害虫被害はほうれん草の育て方では気をつけるポイントです。虫が付かないように発芽したらすぐ防虫ネットをかけることで、虫食いを防ぐことが可能ですので、しっかりと前準備をして栽培していきましょう。
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暮らしーのではほうれん草の育て方以外にもいろいろな家庭菜園のヒントとなる記事をご用意しています。植え付けるだけで生長を助けてくれるコンパニオンプランツを使った育て方や、季節に合わせたプランターの家庭菜園おすすめ野菜など、是非あなたのガーデニング生活にお役立てください。

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出典:https://photo-ac.com/