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クランプとハタガネとは
クランプとは
クランプとは、「留める」「締める」という意味の英単語のひとつです。名前の通り、DIYでは木材同士を接着する時に締め付けて固定する役割を担っています。
同じような役割を持つ道具は他にもありますが、クランプは持ち運びがしやすい形状のものを言い、用途によって形が変化します。DIY初心者にも使いやすい工具です。
仕組みはシンプルなので改造しやすい
クランプの仕組みはとてもシンプルなので改造しやすいです。L字もしくはC型の「腕」と呼ばれる部分に、平行に付いているボルトを回すことで、間に挟んだものを固定する仕組みです。
挟む部分は「アゴ」と呼ばれ、跡が付かないようにゴムや樹脂素材の緩衝材が付いているものもあります。腕の長さで挟む対象のもののサイズが決まるので、自分の作業に適したものを選びましょう。
ハタガネとは
ハタガネは、クランプの1種で漢字に直すと「旗金」と表します。役割はクランプ同様、主に木工で接着剤を固定するために使われる道具です。
クランプのひとつとして定義されることが多いですが、日本古来から使われてきた道具なので「旗具」や「締ハタ」と表記されることもあります。サイズは小から大まで揃いますが、450mmのものが一般的です。
クランプとハタガネの違い
ハタガネはF型クランプに形が似ており、一見間違えそうですが「ふところ」の深さを見ると見分けができます。ふところとは、アゴが付いている抑えになる部分のことで、F型クランプの方が「ふところ」が深いです。
そしてハタガネの上部には締め付け用のネジが付いています。ハタガネは元来、ふすまや障子戸、タンスなどの締め具として使われてきたもので、締め付ける力はクランプよりも強いです。
クランプとハタガネの使い分け
ハタガネのサイズは450mmサイズの使用が一般的で、クランプよりもサイズ感は大き目です。大型のクランプもありますが、長くなると強度が弱くなるため、幅の広いものの固定にはハタガネをおすすめします。
またハタガネは2本で1セットで使うことが多いです。1つの木工接着では、左右両脇をハタガネで固定し作業を行います。クランプは小物、ハタガネはやや大物と使い分けましょう。
100均のクランプは種類が豊富
100均はクランプの種類も豊富です。とはいえ100均なので選ぶほどの種類はありません。しかし100均のクランプは、DIYの初心者が初めて揃えるにはぴったりの道具ばかりです。
F型クランプ
100均のダイソーに売られているF型クランプは、200円という価格の割にしっかりとした作りで人気があります。今回改造に使うのはこのクランプです。
サイズは50×200mmで、ちょっとした小物作りに役立ちます。100均のアイテムとはいえ、しっかりした作りです。
C型クランプ
100均のC型クランプも人気商品です。C型クランプはボルトを締めることで、モノを固定します。
ネジの締め具合によって固定する力も強くなるので、初心者も扱いやすいです。100均ダイソーのC型クランプは、75mmと50mmのサイズのものがそれぞれ1個入り、25mmのものは2個入りで100円という価格で、そのコスパの良さも魅力的です。
クイックバークランプ
100均のクイックバークランプは、他のクランプとは使い方が少し異なります。ハンドル部分に付いているボタンを押してスライドさせたらレバーを握って幅の調節を行うので、力の弱い方でも簡単操作が可能です。
ボルトで締め付ける他のクランプよりも抑える力が弱いですが、ちょっとした小物の固定には使えます。サイズは100mmで改造して他の用途に使う方も多いです。
100均F型クランプを改造しよう
100均のクランプでは物足りない!
DIYの作業の中で、幅のあるものを固定したいけど、100均のクランプでは長さが足りなくて困る、ということがありませんか。100均のクランプはDIY初心者向きなので、ワンサイズだったり、サイズが小さかったりしたりします。
サイズの大きなハタガネは価格も上がる
ホームセンターで大型のクランプやハタガネを探すと、そこそこのお値段です。大型サイズのものだと、数千円するものもあります。
購入するにはもったいない、と二の足を踏んでしまう方も多いでしょう。そこでおすすめなのが、100均のクランプを改造してハタガネを自作する方法です。
自作クランプなら調整、改造が更に便利に!
始めから作り上げるのは大変なので、既存のアイテムを改造して使いましょう。100均のクランプ改造がおすすめです。100均ダイソーのF型クランプは、そのままだと腕部分が短いため長尺に改造します。
長尺への改造は、腕部分のスチールバーを長いものに交換して行います。スチールバー以外でも、ある程度の長さがあり加工できるものなら改造は可能です。
100均クランプ改造に必要な材料と道具
100均のクランプを改造してハタガネを自作するなら、必要なサイズを決めましょう。あまり長尺に改造すると、逆に使いにくいこともあるので、45cmから1m前後の間がおすすめです。
また改造に使う道具は、特別なものはありません。使い慣れているものが一番ですが、工具をこれから揃えるという方は、まず100均で探してみましょう。意外な掘り出し物が見つかりますよ。
スチールフラットバー
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100均のクランプを改造して、ハタガネを自作するのに必要な材料は、腕部分になるスチール製のフラットバーです。改造に使うのは、100均ダイソーのF型クランプなので、同じ厚みや幅のスチールバーを選びましょう。改造作業の効率がアップします。
100均ダイソーのF型クランプは幅がおおよそ15mm、厚さが3mm程度です。スライドして動かしますので、通し穴よりも少し余裕のある厚みのものがおすすめです。
アルミフレームなどの腕部分に代用できる素材
スチールバーの他にも、ハタガネの腕部分に改造できるものはさまざまあります。改造作業には、長さがあって、加工できるものが条件です。ここでは後ほどアルミフレームや長ネジを使ったものを紹介しますが、どちらも安価で加工しやすい素材と言えます。
ネジ、ブラケット、金具など
パーツの改造には、ネジやブラケット、金具などの材料が必要です。それぞれ素材によって専用のものを使用しないと上手く固定できません。腕部分に使う素材に合わせて、必要なものを揃えましょう。
中には100均で手に入るものも多くあります。ホームセンターに行く前に探してみてください。
電動ドライバー
DIYの代表的なアイテム、電動ドライバーは100均クランプの改造にも大活躍します。改造の過程では、ネジ締めや留め具の取り外し、穴の拡張にはドリル加工が効果的です。
なかなか穴開けが進まない時は、ドリルが摩耗しているかもしれません。100均にもドリル刃が売られていますので新しいものを用意しましょう。またネジ穴を開ける際は、小さな穴を開けてから、大きな穴を開けるようにする方が上手くいきますよ。
ハンマー
ハンマーは100均のクランプ改造に必要な道具です。既存のスチールバーを取り出す時と、新しいものを差し込む際に使います。100均のクランプは、抑え部分にスチールバーがはめ込まれているだけなので、何度か叩くと簡単に取り出すことが可能です。
100均のハンマーは、強度がさほどないのでクランプ改造に向きません。手元にない場合はホームセンターなどで購入しておきましょう。
鉄やすり
鉄製のやすりは、スチールバーのサイズ調整や表面の改造に使います。100均には鉄も削れるダイヤモンドやすりや五徳やすり、棒やすりなどがあり、特に棒やすりは細かな隙間を広げる時に便利です。
100均クランプを使った改造法2つ
①スチールフラットバーを使った改造方法
具体的に100均のクランプを改造する方法をご紹介します。こちらの動画では、100均のF型クランプを改造し、市販のスチールバーと組み合わせてハタガネを自作しています。
①留め具を外す
まず100均ダイソーのF型クランプのパーツのひとつ、スチールバーを外します。100均クランプのスチールバーには留め具が付いていて、スライドさせて外すのは不可能です。そのため上部の抑えの部分から外します。
根気よくハンマーで叩き、押し出すようにして外しましょう。
②クランプのアゴの穴を削る
市販のスチールバーを100均のクランプに固定します。そのままでは入らないので、クランプ部分のスチールバーを差し込んでいた穴を少し広げて改造しましょう。
電動ドライバーや鉄やすりを使って、穴を広げます。鉄やすりは穴に入るスリムサイズのものや棒やすりがおすすめです。100均のもので十分使えます。
③スチールバーの先端をやすりで削る
スチールバーが穴を通ったら、上部の抑え部分に固定していきます。こちらも穴に入るようスチールバーの先端を少し細く改造しましょう。糸鋸で両脇を斜めにカットしたら、鉄やすりで仕上げをして、表面をきれいに整えます。
④スチールバーを装着しビス止めする
改造したスチールバーを100均のクランプに固定していきます。ハンマーを使ってしっかりと固定しましょう。これで自作のハタガネの完成です。
そのままでもいいですが、スライドした時に腕部分が抜けてしまうのが心配な方は、100均のクランプ同様に留め具を作りましょう。作り方は、スチールバーに電動ドリルで穴を開けて、同じ径のネジを入れるだけです。
②アルミフレームを使った改造方法
100均クランプの改造方法2つ目は、アルミフレームを使った方法をご紹介します。アルミフレームは軽くて丈夫なので、持ち運びや扱いも気軽にできて便利な素材です。作業方法を動画の順を追って、ご説明します。
①ハンドル部分を取り出す
100均のクランプをアルミフレームを使って長尺に改造しましょう。アルミフレームを使った自作のハタガネには、100均クランプのハンドル部分と付随する抑え部分のみを使用します。
まずは100均クランプのスチールバーにある留め具の改造です。突起部分を鉄やすりで削り、ハンドルと抑え部分を取り外していきます。
②材料を用意する
ハタガネの腕部分になる場所には450mm、上部の抑えの部分に110mm、ハンドル部分を固定する場所に50mmのアルミフレームを用意します。他に固定するためのアルミフレーム専用のネジ、ボルト、ナット、T字とL字の金具、ブラケットが必要です。
ハンドルとアルミフレームは2本のネジで固定するので、スチールバーが入っていた穴の両側2か所を電動ドリルで広げて改造しておきましょう。
③アルミフレーム同士を金具で固定する
アルミフレーム同士の固定にはT字とL字の金具が必要です。それぞれの金具のネジ穴を電動ドリルで広げてネジが入るように改造し、450mmと110mmのアルミフレームをL字金具で固定します。フレームの間にブラケットを設置して強度を上げましょう。
50mmのアルミフレームは、事前に改造して穴を開いておいたハンドル部分の場所にネジで固定します。その後、T字金具を使ってハンドル部分ごとしっかりと固定しましょう。
スライドしやすくするポイント
スライドしやすいようにT字金具の裏にテープを貼り付けると、フレーム同士の接触による摩擦も防いでくれます。また、固定するネジの他に、白い詰めと呼ばれる留め具のボルトも忘れずに設置すれば、100均のクランプを改造した、自作ハタガネの完成です。
自作ハタガネの簡単な作り方もご紹介!
ここでは100均クランプの改造ではなく、簡単なハタガネの自作方法をご紹介します。DIYが好きな方なら誰でも簡単に作れるので、ハタガネの購入を迷っている方はぜひ挑戦してみてください。
①木材とネジを使う
木材と長ネジを使うハタガネの自作方法をご紹介します。木材には長ネジ2本を通します。1本よりも2本にすることでハタガネの強度が増すのでおすすめです。
材料
材料は同じ長さの長ネジを2本を用意します。ホームセンターに売られているので、自分の使いたい長さのものを選びましょう。
木材は、ネジの径が細ければ1×4材、太ければ2×4材がおすすめです。適当に同じサイズにカットしたものを4個用意します。長ネジと同じサイズの蝶ネジ2個、ワッシャー4個、六角ボルト2個も必要です。
作り方
まず木材に長ネジが入るサイズの穴を電動ドリルで開けます。穴が開いたら長ネジを差し込み、1本の長ネジに付き木材を上下に2個通します。上部の木材の上には蝶ネジとワッシャーをセット、下部に六角ボルトとワッシャーをセットして完成です。
木材の間に押さえたいものを挟んで、上下のネジを締めて使います。ワッシャーはなくても構いませんが、あった方が木材の劣化を防いでくれますよ。
100均クランプの改造でDIYを楽しもう
100均クランプを改造して、ハタガネを自作する方法をご紹介しました。金額も1000円以下で、自分仕様の便利なハタガネが作れますよ。改造方法もさほど難しくありませんので、DIY好きな方はぜひ挑戦してみてくださいね。
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