すてきな花言葉と花の図鑑
事前に花言葉を調べて秋の花を贈ろう!
秋の花の花言葉は、他の季節の花と同じようにポジティブな意味の花も多くありますが、中にはネガティブな意味の花言葉を持つ花もあります。贈ってから「花は美しいけれども花言葉がよくなかった……」と後悔しないために事前に調べておくと役立つことでしょう。
誕生花として贈るのも素敵ですが、花言葉がネガティブな花もあります。その場合は誕生花よりもポジティブな花言葉のある花をプレゼントしてくださいね。(この記事は2021年8月3日時点の情報です)
秋の花の花言葉:9月に咲く花5選
1.ノコンギク
秋の花というイメージが強い日本原産のノコンギク(キク科シオン属)の花言葉は「忘れられない想い」「長寿と幸福」です。秋の花ではありますが、開花時期は夏の7月から10月頃までとなります。
園芸種のキクとは異なりひっそりと咲く控えめなイメージがあるノコンギクは、野菊の代表的な種類です。しかし標高の低い場所から高い場所までのあらゆる草原で観られるため、花言葉が示しているようにたくましい花ともいえるでしょう。
ノコンギクの名前の由来
秋の花であるノコンギクは漢字で野紺菊と書きますが、名前の通り「野に咲く紺菊」が由来です。他の野菊との見分け方は茎や葉の付き方にあります。ノコンギクは、茎がまっすぐか他の植物に寄りかかるように斜めに伸びます。葉は狭卵型をし、基部はくさび型で短い葉柄があります。
似た名前の秋の花「コンギク」は、花色が濃い紫色で葉が細長いのが特徴です。野菊はセンボンギクやタニガワコンギク、ハマコンギクなどもあります。
2.オミナエシ
日本や朝鮮半島周辺が原産の秋の花であるオミナエシ(オミナエシ科オミナエシ属)の花言葉は、「美人」「親切」「はかない恋」です。山上憶良が『万葉集』で詠んだ秋の七草のひとつに数えられ、花言葉どおりの優し気に秋風に揺れる雰囲気が人気があります。
『源氏物語』にも何度も取り上げられたり能の演目のテーマになったりなど、花言葉が示すように秋の花としてのはかない姿が好まれ、代表する秋の花として愛されてきました。
オミナエシの開花時期と名前の由来
暖かい季節の8月から10月が開花時期の秋の花オミナエシは、漢字で「女郎花」と書きます。同じ種類でやはり秋の花である白花のオトコエシ(男郎花)に対する花として名前が付けられました。
しかし日本ではオミナエシの漢字名は花言葉にふさわしくない、醤油が腐敗したような生け花の匂いから「敗醤」を当てていたそうです。何ともロマンのない漢字なので、「女郎花」のほうが秋の花としても断然ふさわしいのではないでしょうか。
3.ヒガンバナ
秋の花を代表する日本や中国が原産のヒガンバナ(ヒガンバナ科ヒガンバナ属)の花言葉は、色の種類によって異なります。人気のある赤の花言葉は「情熱」「独立」「再開」「あきらめ」「悲しい思い出」「また逢う日を楽しみに」などです。白や黄色の花言葉もありますが、意味合いは変わりません。
情熱や独立などの花言葉は、燃え盛る炎のように見えたことが由来と考えられそうです。夏とは別次元の秋の花の激しさが示されています。
ヒガンバナの開花時期と名前の由来
秋の花のヒガンバナの開花時期は、9月下旬頃が最盛期となります。漢字で「彼岸花」と書くように、秋のお彼岸の頃が開花時期となることから名前が付けられました。
別の名前は「曼殊沙華」といい、サンスクリット語で「葉よりも先に咲く赤い花」が語源とされています。花言葉が示しているように、お釈迦様への祝福として天から降ってきた花という説や「彼岸=死」との関連もあるのです。仏教的なイメージが強い秋を代表する花です。
4.キキョウ
秋の花を代表する日本や朝鮮半島周辺が原産のキキョウ(キキョウ科キキョウ属)の花言葉は、「変わらぬ愛」「誠実」「従順」などです。薄紫の色合いやシンプルな形がどことなくさみし気な雰囲気がし、キキョウによく合っている花言葉ではないでしょうか。
花言葉の由来は、戦地に赴いた夫の帰りを待ち続けた妻がようやく帰ってきた夫から誤解されて自害し、後悔した夫も妻の後を追った……という悲しい物語からです。
実際の開花時期と種類
キキョウは、秋の花を代表するイメージが強いですが、実際には暖かい季節の6月中旬から9月頃までが開花時期となっています。色の種類はメインの薄紫以外に白もあり、花言葉が表現しているように清楚な雰囲気が人気です。
キキョウの根にはサポニンを多く含有することから、生薬として利用される有用植物でもあります。現在自生地が減少し、環境省の絶滅危惧種Ⅱ類に指定されている秋の花です。
キキョウの名前の由来
秋の花であるキキョウは漢字で桔梗と書きますが、名前の由来は薬効のあるサポニンが含まれているキキョウの根にあります。元々はキキョウの根のことを「桔梗(きちこう)」といい、転訛してキキョウになったようです。秋の七草の朝貌(アサガオ)は本来はキキョウのことを指していたと考えられています。
つぼみは風船のように膨らんでおり、英語名の「balloon flowe(バルーンフラワー)」は分かりやすい名前ですね。
5.ナデシコ
アジアやヨーロッパ、北米などが原産のナデシコ(ナデシコ科ナデシコ属)の花言葉は「無邪気」「純愛」となり、色の種類別ではピンクは「純粋な愛」、赤は「純粋で燃えるような愛」、白は「器用」「才能」です。開花時期は9月以前の4月からと長く咲いています。
花言葉のように可愛い秋の花であるナデシコですが、よく見ると5枚の花弁は複雑に深く切れ込んでいます。秋の七草にもなっており、肌寒い季節に愛でたい秋の花です。
ナデシコの名前の由来
秋の花であるナデシコの名前の由来は、あまりにも可愛らしい花姿のため、「子供に対するように手で優しく撫でたくなる」と万葉集で詠まれたことにあるようです。花言葉の「無邪気」や「純愛」とも通じる名前の由来といえます。
秋の花を代表するナデシコの種類は、「カワラナデシコ(河原撫子)」や「ヤマトナデシコ(大和撫子)」の他に、夏の暑い季節から咲き始める「トコナツ(常夏)」などがあります。
秋の花の花言葉:10月に咲く花3選
1.サザンカ
日本(山口県・四国・九州・沖縄)原産のサザンカ(ツバキ科ツバキ属)の開花時期は10月~12月となり、まさに秋の花といえます。花言葉は「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」などで、花の様子にぴったりです。しかしツバキと似ているため間違える人も多いのではないでしょうか。
大きな違いは、ツバキは春の花で山茶花は秋の花ということです。新梢や葉柄、葉の裏表などに短い毛がある点や耐寒性に弱いことも違います。
サザンカの名前の由来
秋の花であるサザンカは漢字で「山茶花」と書きますが、サザンカの名前の由来は少しややこしくなっています。
由来は、ツバキの近縁種に使用されていた「山茶」の漢字が秋の花のサザンカに当てられたことにあります。一方のツバキには春に咲くことから「椿」とされたそうです。「山茶花」よりも「茶山花」のほうが読みやすいはずですが、誤記が重なったためと考えられています。花言葉のようにひたむきさが感じられる秋の花です。
2.ミセバヤ
日本が原産のミセバヤ(ベンケイソウ科ムラサキベンケイソウ属)の花言葉は、「つつましさ」「大切なあなた」です。万葉植物として親しまれてきた秋の花で、各地で野生化した多年草となります。現在の自生地は小豆島の山地などのごく一部になりました。
秋の花を代表するように開花時期は10月から11月頃となり、花言葉のようにつつましく桃紅色の花を咲かせます。紅葉も素晴らしく観葉植物としても人気な秋の花です。
ミセバヤの名前の由来
秋の花であるミセバヤの名前の由来は古語となり、深山でこの花を見つけた高野山の法師が歌の師に「君に見せばや(君に見せたいものだ)」と文を贈ったこととされています。まさに花言葉どおりの名前の由来です。
また花の様子から「玉の緒」という別な名前もあり、いずれも秋の花のミセバヤにふさわしい風流な名前といえるのではないでしょうか。
3.サフラン
地中海原産のサフラン(アヤメ科サフラン属)の花言葉は、「歓喜」「過度をつつしめ」「濫用するな」などです。古代のヨーロッパでは酒の酔いを覚ます効果がサフランにあると考えられた一方で、多用すると脳神経に支障をきたすともいわれていました。
花弁は秋の花らしい紫色ですが、赤色の雄しべを用いてパエリアやサフランライスなどを黄色に着色するハーブとして知られています。開花時期は10月中旬~12月上旬となります。
サフランの名前の由来
サフランの名前の由来は、アラビア語で「黄色」の意味がある「zafran(ザファラン)」とされています。また、サフランの学名「Crocus sativus」は語源「krokos(糸)」に関係があります。着色料となる雄しべも無毒ですが、花言葉どおりその美しい黄色も過ぎたるは及ばざるがごとし、かもしれません。
同じく秋の花であるイヌサフランはよく似ていますが、毒物を含む植物のため注意しなければいけません。
秋の花の花言葉:11月に咲く花4選
1.コウテイダリア
メキシコから中米周辺が原産の秋の花であるコウテイダリア(キク科テンジクボタン属・ダリア属)の花言葉は、「乙女の純潔」「乙女の真心」です。晴れた秋の空に映える清楚なピンク色からイメージされています。
コウテイダリアは木質化し、大きなものでは5~6メートルにも達することもあります。花言葉のように秋の花らしく乙女的な花の様子ながらも、全体的なニュアンスは堂々として見えるのではないでしょうか。
コウテイダリアの名前の由来
秋の花であるダリアの由来は、植物学者リンネの弟子であったアンデル・ダールからとされています。コウテイダリアのコウテイは漢字で「皇帝」と書き、草丈5~6メートルほどになる姿がフランス革命後に軍事独裁政権を確立した皇帝ナポレオンのように威厳や貫禄があることが由来です。
花言葉が示している可憐さと同時に、その背丈から華やかさも持ち合わせている秋の花となります。
2.ポインセチア
メキシコの山地が原生地となる秋の花のポインセチア(トウダイグサ科トウダイグサ属)の花言葉は、「私の心は燃えている」「幸運を祈る」「祝福」「清純」などです。花言葉の由来は見た目どおり、紅葉する苞(ほう)が気分を高揚させることにあるようです。
ポインセチアは秋の花というよりも冬のイメージが強く、開花時期は11月~3月頃となります。花言葉のように12月に向けてクリスマスムードを盛り上げる花として人気です。
ポインセチアの名前の由来
ポインセチアの名前の由来は、アメリカの初代駐メキシコ大使だったポインセット氏にあります。メキシコで自生していたこの花を見つけてアメリカに持ち帰ったポインセット氏の名前にあやかったようです。
赤い顔をした架空の動物を意味する和名の「猩々木(ショウジョウボク)」もありますが、英語名のポインセチアのほうが花言葉どおりでロマンが感じられるかもしれません。
3.カランコエ
アフリカ東部から東南アジアなどが原産地の、秋の花のカランコエ(ベンケイソウ科リュウキュウベンケイソウ属)の花言葉は、「たくさんの小さな思い出」「幸福を告げる」「おおらかな心」「あなたを守る」などです。
釣鐘状の多くの小さな花をびっしりと咲かせる様子は、花言葉のとおりにまさに幸せの鐘が鳴っているように見えます。開花時期は11月から5月までと長期間美しい姿を見せてくれる多年草の秋の花です。
カランコエの名前の由来
秋の花のカランコエは学名もカランコエといいますが、中国名で「加籃菜」という同じ種類の植物が由来となっています。
カランコエの和名は「ベニベンケイ」ですが、花言葉が表現しているように、多肉植物の乾燥に強くて葉が落ちても芽を簡単に生やすというたくましい性質から来ているようです。
3.シクラメン
北アフリカから中近東や地中海原産のシクラメン(サクラソウ科シクラメン属)の花言葉は、「内気」「遠慮」です。花粉を守るためにうつむき加減で咲く様子が表現されています。
開花時期は11月から3月頃となり、白やピンク、紫や黄色などの花言葉のように慎ましくて可憐な花が目を楽しませてくれる、秋の花だけではなく冬の花ともいえる多年草植物です。
シクラメンの名前の由来
シクラメンの名前の由来は英名の「Cyclamen」にあります。中世ラテン語で球根の形を意味する言葉や、受粉後に花の茎が螺旋状に変化する性質から、"kuklos"(円い)が語源とされています。
和名では美しい「篝火花(かがりびばな)」の他に、ブタノマンジュウ(豚の饅頭)もあります。後者の和名は、パンのように大きな球根がまんじゅうのような形をしており、豚が好んで食べることが由来です。
秋の花の花言葉を調べる「花図鑑」
秋の花の花言葉について詳しく知りたい場合は、花言葉や誕生花も掲載されている「花図鑑」がおすすめです。花図鑑にはいろいろな種類がありますが、花言葉が掲載されていないものもあります。
秋の花だけではなく四季折々の花を調べながら花言葉もチェックできると便利なので、ぜひ一冊は手元に用意してみてはいかがでしょうか。
西東社「すてきな花言葉と花の図鑑」
すてきな花言葉と花の図鑑
花の多さ | 多め |
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種類 | 約250 |
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人気のある250種の花言葉の由来を始め、花と映画・花と文化・花と歴史などのいろいろな視点から花を掘り下げて紹介してあります。
例えば、源氏物語と黄金色のヤマブキ、英国女王とスノードロップなどインスピレーションも刺激されそうな内容です。この図鑑自体も贈り物にするのもおすすめします。
秋の花言葉から秋の風情を感じよう
秋の花にはどことなく愁いを帯びたニュアンスが感じられます。そのため花言葉も控えめな意味合いのものが多いようです。またオミナエシの花言葉「美人」「親切」「はかない恋」のようにポジティブな意味と少しネガティブなものを含んでいる場合もあるのでご注意ください。
素敵な秋の花が大切な人の誕生花であれば、誕生花を贈ったほうがよいでしょう。しかしそうではない場合は、花も花言葉も素敵なものを贈ってください。
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秋の花と花言葉をチェックした後は、冬の花についても調べてみてはいかがでしょうか。植え方や耐寒性のある種類も紹介してあるので、ぜひご覧になってみてください。
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