山ごはんって?
山ごはんは登山者のロマン
雄大な自然の景色の山頂で食べる山ごはんは、格別な味で登山者のロマンです。持参したおにぎりやサンドイッチでも素晴らしいですが、熱々のコーヒーや山ごはんを山頂で作れたらどんなに素敵でしょう。
料理が苦手な人や初心者にはハードルが高いように感じますが、意外に山ごはんは道具と材料さえ揃っていれば簡単です。簡単な調理レシピや道具の選び方、山ごはんに適した材料などを紹介します。
山ごはんは重要な栄養補給
山ごはんは登山者のロマンだけでなく重要な栄養補給食です。山行は重たい荷物を背負い長時間歩くので体力を消耗します。また急な天候の変化やさまざまな外的要因で想像以上にエネルギーを使うので栄養補給は必須です。
ランチを簡単な山ごはんで済ます人が多いのですが、ランチは大切な栄養補給の時間になります。しかも自然に囲まれて食事する山ごはんは、ほっと一息つき疲れを癒しストレスを解消する時間です。
おにぎりやパンだけでは栄養バランスが取れない
おにぎりやパンは糖質が主成分なので最低限のエネルギー補給にはなりますが、脂質やタンパク質が足りません。お湯を注ぐだけでバランスがとれる山ごはん食材はたくさん販売されています。
しかし毎回インスタント食材だけでは飽きてきて元気が出ません。栄養バランスを考えながら美味しい山ごはんが作れれば最高です。美味しくて簡単な山ごはんの作り方や必要な道具を紹介します。
山ごはんに必要な道具と材料
雄大な景色を眺めながらの山ごはんは、最高に気分がよく楽しい食事のひとときです。美味しい山ごはんを作るためには何を準備したらよいのでしょう。登山の山ごはんで必要な道具と材料は「軽量で負担がかからない」「時間をかけずに調理できる」の2つが大切なポイントです。
最低限必要な道具
山ごはんを作るために最低限必要な道具は、ガスバーナーとコッヘル(クッカー)の2つです。ガスバーナーは火をつけて調理する道具でコッヘルをのせる五徳(ゴトク)がついた本体と燃料となるガスカートリッジに分かれています。
コッヘルは蓋がついた鍋のようなもので、登山用コッヘルは軽量でコンパクトで蓋の部分は皿として利用できるように工夫されていて便利です。
ガスバーナーとコッヘルの選び方
ガスバーナーはさまざまな種類が発売されていて「一体型」と「分離型」があります。初心者の場合は本体とガスカートリッジをくっつけて使う「一体型」で、ゴトクの数はコッヘルが安定する4本タイプがおすすめです。
コッヘルは軽量なアルミ製で、深さのあるタイプを選べば料理をこぼすことが少なくなるので安心して使えます。ただし、一体型は高さがあるので平らで安定する置き場所を工夫しましょう。
アウトドア用で代用できる?
山ごはんでキャンプやアウトドア用の道具は基本的にNGです。山行は全てのものをザックに入れて自力で歩いて運ぶので軽量性を重視します。アウトドアやキャンプ用は車で移動することが多いので、重量よりも利便性を優先しているのでNGです。
自分は体力に自信があるから大丈夫とたかをくくると、事故につながる危険があります。山行では長時間ザックを背負って移動するので少しの重量負担でも次第に体力を奪うのです。
山ごはんを便利で楽しくする小物類
山ごはん調理に最低限必要な基本道具が揃っても、それだけでは山ごはんは食べれません。次に必要になるのは食材を調理りしたり食べるための小物類です。食材をカットするナイフやまな板、食べるのに必要な箸やスプーン、さらに便利で楽しくするアイテムを紹介します。
①ナイフとスプーン
ナイフにはさまざまな用途に使える十徳ナイフがありますが、使用頻度を考えるとシンプルな折りたたみナイフが軽量でおすすめです。ただ持ち手部分が小さいと使いにくいので10cm程度あるナイフが使い勝手がよいです。
スプーンはシリコンスプーンが丈夫で熱にも強いので、食べるだけでなく炒めたり煮るときの調理にも使えます。また食事後の汚れも落としやすいので便利です。
②まな板とテーブル
あるとないとでは便利さが全然違うのがまな板です。100均で売っている薄いシート状のまな板を、持ち運びしやすい小さなサイズにカットして使用します。
山では平らな場所を探すのはひと苦労です。そんなとき便利なのがテーブルで、ガスバーナーが安定して置け、まな板調理もしやすく食べるのも楽になります。登山用のテーブルは軽量で持ち運びしやすく工夫されているのでおすすめです。
③風防
山の上は平地と違い無風の日はほとんどありません。登山用ガスバーナーは火力が強いのですが、横風があたれば熱効率が落ち強風の場合は炎の一部が消えてしまいます。そんなときに活躍するのが風を遮断する風防です。念のために持っていくことをおすすめします。
④いろいろな料理に挑戦できるフライパン
コッヘルでも炒め物はできますが、フライパンがあれば目玉焼きや焼きそば、野菜炒めやステーキなどいろいろな料理に挑戦でき、1人分だけでなく2人以上の調理も可能です。
家庭用でも代用できますが重くなるので、登山用の軽量でコンパクトなフライパンをおすすめします。また山では洗い物が自由にできないので、焦げ付きにくく拭くだけで汚れが落とせるテフロン加工がベストです。
⑤おしゃれなメスティン
登山女子に大人気なのがメスティンです。メスティンは長方形をしたフライパンで餃子やシウマイなど蒸し料理に適しています。しっかり蓋が閉まるので下処理をした料理を詰めて持っていくのにも便利です。メスティン料理のレシピ本が発行されているくらい人気が高くかわいいフライパンなので、おしゃれ女子にぴったりの調理道具です。
⑥山ごはんをレベルアップするコーヒーミル&ドリッパー
山のコーヒーはインスタントが定番ですが、本格的な美味しいコーヒーが飲めたら最高です。登山用品店には軽量でコンパクトな携帯用コーヒーミルやドリッパーがたくさん並んでいます。
山ごはんの食後に香り高い美味しいコーヒーが飲めたら山ごはんのレベルアップ間違いありません。1人でも楽しいのですが2人で飲むコーヒーは格別で、相手が喜ぶ姿が目に浮かびます。
山ごはんに適した食材
山ごはんは家庭のご飯と違い「軽い」「かさばらない」「傷みにくい」「調理が簡単」の4つを満たすのが適した食材です。カップラーメンなどのインスタント食品が定番ですが、ひと手間工夫するだけで山ごはんはさらに美味しくグレードアップします。それでは山ごはんに適した食材を紹介しますので工夫の参考にしてください。
フリーズドライ食品
フリーズドライ食品は、軽くて傷みにくく調理に時間がかからない三拍子そろった山ごはんに最適な食材です。アルファ米やカレーライス、パスタやリゾット、煮込み料理など種類も豊富でお湯を沸かして注ぐだけですぐ食べることができます。
また家庭の災害用備蓄食品にもなるので便利です。ただ、口に合わない味や量が多すぎることがあるので、山ごはんに持っていく前に試食してお気に入りを見つけておくことをおすすめします。
乾燥野菜と腐らない工夫
乾燥野菜も軽くて腐らない山ごはんに適した食材です。野菜不足になりがちな山ごはんで栄養バランスをとるのに貴重な材料になります。フレッシュな野菜が食べたい場合は、丸ごとでも軽いオクラやナス、ネギやキノコ類がおすすめです。
夏場で食材が痛みやすい時期には凍らせたペットボトル水を携帯用保冷バックに一緒に入れていくとよいでしょう。肉類にも応用でき、溶けたペットボトルの水も再利用できるので一石二鳥です。
調理しやすい食材
山ごはんでは調理に時間をかけないことが大切です。具材を事前に細かく刻んで持っていけば、火の通りが早く時間とバーナーのガスの節約にもなります。肉類などは香辛料などで下味をつけておけば、痛みにくくなり調理時間の節約になるのでおすすめです。山ごはんは時短調理がポイントなので、いろいろと工夫してみましょう。
山ごはんの簡単調理レシピ7選
いま人気沸騰中の山ごはんには、定番料理からひと工夫した料理までたくさんのレシピがあります。山ごはんで大切なのは材料が持ち運びしやすい軽量で、調理が簡単なことです。ランチ向きやディナー向き、1人でも2人以上の大勢でも楽しめるレシピを7選して紹介します。
①コンビーフのカレー味ごはん
材料 (2人分)
アルファ米150g
コーンビーフ80g
カレー粉 小さじ2
S&B シーズニング ガーリックライス1/2袋
水450ml
定番のカップラーメンで済ましてしまいがちな山ごはんですが、やはりご飯が食べたいという人におすすめのレシピです。作り方は簡単で、アルファ米と水を火にかけ5〜10分、そこにカレー粉とシーズニング、コンビーフを入れて混ぜ、火を止めて10分ほど蒸らせば完成です。
詳しい作り方はクックパッドで
コンビーフの旨味がほどよくごはんに絡み、カレー粉が風味を引き立て思わずハマってしまう山ごはんです。カレーライスほど重くなく、意外にサッパリしていながらコンビーフの旨味が食欲をそそります。調理も簡単でラーメンに飽きた人に最適の山ごはんです。
②簡単deやみつきな明太うどん
材料 (2人分)
ゆで麺2玉
キューピーマヨネーズ大さじ2
めんつゆ(5倍希釈) 大さじ1.5
水大さじ4
明太子0.5腹
たった5分でできる和風メニューで、調味料も2種類、具材も2種類だけの超簡単山ごはんレシピです。お湯の中に明太子以外の材料を入れ、麺がほぐれたら明太子をほぐし入れ水分がとんだら完成します。山で時間がないときにぴったりのレシピです。
詳しい作り方はクックパッドで
このままでも充分美味しいのですが、温泉卵や目玉焼き、海苔や刻みネギなどの薬味をトッピングすればさらにグレードアップします。明太子の旨味と辛味がうどんとほどよく調和して、和風好きにはたまらない、やみつきになる山ごはんです。
③トマトチーズ辛ラーメン
材料
辛ラーメン1袋
水300ml
トマトジュース(紙パック)200ml
パルメザンチーズお好みで
バジル お好みで
ウインナーお好みで
生卵1個
ニンニク お好みで
山ごはんの定番のインスタントラーメン一をひと工夫して、マイルドで食べやすく満足度をアップさせるレシピです。作り方は水とトマトジュースを沸騰させた中に、ラーメンと付属のスープ・かやくを投入し、ウインナー・生卵・粉チーズを入れ蓋をして1分で完成します。いつものインスタントラーメンが豪華に変身です。
詳しい作り方はクックパッドで
辛ラーメンの辛味が、トマトジュースとチーズや生卵でマイルドになり、香草のバジルとニンニクで味がしまり、ウインナーが入りことでラーメンをグレードアップさせるレシピです。ウインナーのかわりにカニ缶やホタテ缶を使えば海鮮ラーメンにも変身します。いろいろアレンジの可能性が広がるレシピなので、ぜひトライしてみてください。
④山ごはんナスと挽肉の山でも簡単絶品カレー
材料 (2人分)
EVオリーブオイル 約大さじ1
ニンニクのみじん切り(オリーブオイルにつけておく)約大さじ1
挽肉約250g
塩約小さじ1/2弱
胡椒適量
ナス中1本
カットトマト380g1パック
炒め玉ねぎペースト40g1パック
ZEPPINカレー辛口2皿分
バター8g
ミルクチョコレート約15g
山ごはんで定番のカレーを一味違う凝った絶品カレーにするおすすめのレシピです。事前にニンニクのみじん切りをオリーブオイルにつけ、ナスは一口サイズにカットしておきます。
調理はオリーブオイルでニンニクを炒め、そこにひき肉を入れ火が通ったらナスとトマトを入れカレールーを混ぜて溶かせばできあがりです。最後にミルクチョコレートを入れるのがポイントになります。
詳しい作り方はクックパッドで
山でもこんなに美味しい本格的なカレーができるんだ!と驚くほどの絶品です。ご飯にかけてもパンにつけても美味しく召し上がれます。登山のロマンとリッチな雰囲気を感じながら、至福のひとときを過ごせる簡単絶品カレーです。
⑤アサリのペペロンチーノ
材料 (1人分)
サラスパ(4分茹で)90g
アサリアヒージョ(缶詰)1缶
キャベツの葉1/2枚分
玉ねぎ1/6個
塩少々
鷹の爪 適宜
お湯110cc
山ごはんでイタリアンで人気のペペロンチーノを味わいたい人に、茹で時間が短いサラスパを使ったレシピを紹介します。野菜以外の材料はコンビニで揃うので非常に手軽で美味しいスパゲティーです。
自宅で野菜を刻み鷹の爪を適量入れて持って行きます。現場でお湯を沸かし沸騰したらサラスパを入れほぐした上に野菜類とアサリの缶詰を乗せ蓋をして4分待って塩で味を整えれば完成です。
詳しい作り方はクックパッドで
ここではメスティンを使いましたが、コッヘルやフライパンでももちろんOKです。ペペロンチーノにアサリのコクがよく合います。イタリアンやスパゲティーが好きな人にはたまらないレシピです。またパンやご飯、ラーメンに飽きた人にもおすすめできます。
⑥卵スープで簡単、カルビクッパ
材料 (4人分)
牛肉薄切り300g
焼肉のたれ50g
にんにく(チューブ) 2cm
ごま油(炒め用) 大さじ3
豆もやし30g
にんじん30g
にら5本
しめじ二掴み
お湯500〜700ml
卵スープのもと3〜4袋
砂糖、塩、コショウ少々
コチュジャン(お好みで) 大さじ1
肉と野菜をたっぷり食べたい人におすすめの山ごはんレシピです。生肉は傷みやすので家庭で焼肉のたれで下味をつけ冷凍して持って行くのがポイントになります。野菜類も事前にカットしておけば時短になり便利です。山の現場では、ごま油とにんにくで牛肉を炒め火が通ったら野菜類を入れ、お湯と卵スープで煮ればできあがります。
詳しい作り方はクックパッドで
韓国料理と肉好きにはたまらない一品で、さらに山で不足がちな野菜もたっぷり取れるので栄養満点のレシピです。焼肉のタレと牛肉の濃厚な旨みと野菜のコラボに、ビールが止まらなくなる山ごはんになります。ご飯にかけても、うどんを入れて煮込んでも最高です。
⑦簡単チーズフォンデュ
材料 (3人分)
オリーブオイル 大さじ1
にんにく 少々
白ワイン 100g
ピザ用溶けるチーズ250g
片栗粉 適量
塩、コショウ少々
■ 〆に
お湯100ml
コンソメ 1個
ショートパスタ100g
トマト1個
山でフォンデュが食べられるなんて信じられない!と思う方も多いのですが、意外に簡単にワインにぴったりのフォンデュが作れるレシピがこれです。
山では時間をかけられないので、フォンデュに入れる具材(好みの食材)は家でチン、パスタは茹でておくのがポイントです。山の現場ではチーズをコッヘルで溶かし持ってきた具材をからめて食べるだけで簡単になります。
詳しい作り方はクックパッドで
フォンデュは高級レストランでなければ味わえないと思っていた人も目からウロコです。山の上で超豪華な気分が味わえる「簡単チーズフォンデュ」に舌づつみを打ちながら飲むワインは格別の味がします。
登山のロマンあふれる山ごはんの中でも最も贅沢で豪華な逸品のひとつです。お昼のランチや夜のディナーで、1人でも大勢でも特別な時間を過ごせる山ごはんレシピになります。
山ごはんで注意したいこと
気圧と沸騰点
沸騰点とは水が沸騰する温度のことで、気圧により上下します。標高が1000m高くなれば気圧は約100hp下がり富士山の山頂3776m約638hpでは沸騰点は約88℃に下がるのです。
つまり地上で100℃で沸騰していたものが山頂では90℃以下でで沸騰してしまい、山ごはんが生煮えになる可能性があります。標高が高い場合は少し長めに煮るようにしましょう。
低気温に注意
気温と高さの関係も同じで、標高が100m高くなると気温は0.6℃下がります。1000mの山頂では地上より約6℃も低いのです。特に秋から冬などの寒くなる季節の山頂の気温はかなり下がり零下になることもざらにあります。
低気温ではガスバーナーの点火装置がうまく作動せず、楽しみにしていた山ごはんが作れません。寒くなりそうな時期や高い山に登る場合は、ライターやマッチを持っていくことをおすすめします。
山のルールを守ろう
山では自分のゴミは持ち帰るのが基本ルールです。山では平地とは違い、山ごはんの食べ残しのゴミが分解されにくいので生態系に悪影響をおよぼします。どうしても食べきれず残した食材は密封容器に入れて持ち帰るようにしましょう。
たった1人のルーズな行為が多くの人に迷惑をかけてしまいます。山と自然への感謝を忘れずにルールを守ることを心がけてください。
山ごはんで登山のロマンを満喫しよう!
山頂で雄大な景色を見ながら飲むコーヒーや山ごはんは、至福のひとときで登山のロマンといっても過言ではありません。山ごはんの簡単レシピや必要な道具や材料、山ごはんの注意点などを紹介してきました。これらを参考にルールを守って、山ごはんで登山のロマンを満喫しましょう!
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