クロモリハーケンVL03319
ブラックダイヤモンド バガブー
ロストアロー#4ウエッジBD15034
クロモリハーケンBS03319
クリフハンガーBD15070
軟鉄KS型ウェーブハーケン
軟鉄KS型ウェーブハーケン横型
軟鉄KS型ウェーブハーケン兼用型
ハーケンとは
ハーケンとは登山道具の一つにあたるもので、クライミングや沢登りを行う際に安全を確保するために使われます。ハーケンの中でも氷壁に使用するものは「アイスハーケン」と呼ばれますが、本記事では主に岩場の方に使用する「ロックハーケン」について解説をいたしますね。
ハーケンは基本的には岸壁の割れ目にハンマーを使用して打ち込んでロープを通すことにより足場となったり命綱の役割を兼ねて登山者の命を預かる大事な登山アイテムとなります。
ハーケンの種類
一口にハーケンと言っても、販売サイトを覗くと、さまざまな形状・種類のハーケンがラインナップされています。なぜ、ハーケンには形状・種類が豊富に用意されているのかというと岩場の形状に理由がありますね。
岩場は自然のさまざまな現象が積み重なって生まれた産物のためサイズ・形状の種類は無限と言っても過言ではありません。そのため、多種多様な岩場に対応するために、ハーマンには、さまざまな素材や形状種類のものが用意されています。
ハーケンの素材別種類
ハーケンは素材により以下の2種類に大きく分けることができます。
素材① | クロモリハーケン |
素材② | 軟鉄ハーケン |
素材①のクロモリ鋼ですが、こちらは剛性が高く、強く打ちこんでも形状が変化しにくいので、使用後は回収して再利用でき経済性が良好ですね。ただし岩の割れ目が奥まで直線状である必要があります。
素材②の軟鉄ですが柔軟な素材のため比較的入り組んだ割れ目でも割れ目形状に沿って入り込んでくれます。ただし再利用はできません。
ハーケンの形状別種類
ハーケンは素材とは別に穴の形状によっても、いくらかの種類に分けられます。具体的に下記3タイプの形状がありますね。
穴形状① | 縦型 |
穴形状② | 横型 |
穴形状③ | 兼用型 |
ハーケンは上記の3種類の穴形状のものがありますが岩の割れ目が比較的縦に進んでいるのか横にすすんでいるのかを見極めた上で使い分けるのが重要です。また、どちらの割れ目タイプにも対応できる兼用型の穴形状のハーケンを持っていれば、作業がスムーズに進みます。
ハーケンの使い方とは
ハーケンは命を預ける大切な登山道具ですが、きちんとした使い方を押さえておかないと現場で、思わぬトラブルに見舞われる恐れがあります。また、誤った使い方をしてしまうと、墜落等の事故を招き、命とりになってしまうでしょう。
ここからは使い方について手順に分けて解説いたしますので、使用前のご参考にしてください。不安であれば、本記事を踏まえて、ガイドの方などに詳しく指導してもらうとよいでしょう。
ハーケン使い方手順①岩場の割れ目を選定
ハーケンの使い方手順として最初に挙げられるのは「岩場の割れ目の選定」になります。岩場の形状は千差万別です。そのため、登山家が持参しているハーケンに最適な相性の割れ目を選定するスキルを持つことも重要なポイントになります。
具体的には、まず岩場が登山家の身体を保持するに申し分ないか、視覚と触角をフルに生かして見極めましょう。それから割れ目を覗きこみ、均一に伸びているか深さが十分であるかを判断・選定していきます。
ハーケン使い方手順②ハーケンの選定
続いてのハーケン使い方手順は、「ハーケンの選定」です。上述の通り、ハーケンは日本の多種多様な岩場に対応するため、さまざまなサイズ・種類が用意されています。しかしながら、ロッククライミング経験の豊富な方でも適切なハーケンの選定は目で見るだけでは難しいと言えますね。
そのため、一般には、初めに適当なハーケンを実際に打ちこんでみた上で、徐々にサイズ・素材種類の違うハーケンを試していく方法がおすすめです。
ハーケン使い方手順③ハンマーで打ち込む
次のハーケン使い方手順は「ハンマーでハーケンを打ち込む」です。岩の割れ目とハーケンの選定が完了したら、いよいよハンマーでハーケンを打ちこんでいきます。初めは、ハーケンの先端部を片手で割れ目に沿え、トントンと軽く打ち込んでいきましょう。
十分にハーケンが割れ目に食い込んだのを確認したら、力を込めてハンマーで叩いていきます。ハーケンのアゴ(頭部)がしっかりと岩場に接触するまで叩いていくのがマストです。
ハーケン使い方手順④ロープを通す
続いての手順として、ハーケン頭部の穴に「カラビナ」を引っ掛けます。さらに、その「カラビナ」にロープを通せば安全性の確保が決まりますね。一般にハーケンは数メートル間隔で岩壁に打ち込んでロープによる足場を作っていき、クライミング中に万一足を踏み外してもロープが墜落を防止するようにセットしていきます。
一応、ロープを通した後にもスリングなどで荷重をかけて、ハーケンが揺れないこと、安全性が確保されていることを確認するようにしましょう。
ハーケン使い方手順⑤ハーケンを回収する
日本の登山において岩場に打ち込んだハーケンは使用後に回収するのが一般的なマナーとなっています。基本的には後に続いてロッククライミングを行う方が抜いていくのがルールです。
抜き方としては少しずつ角度や位置を変えてハンマーで叩いて抜いていくのがセオリーとなっています。またハーケンが抜けた際に飛び出て下にいる方に接触すると大事故につながるため予めハーケンと自身をスリングなどで結びつけておくように注意しましょう。
ハーケンとセットで必要な道具
ハーケンはロッククライミング時の安全性を確保するための道具ではありますが、当然ハーケン単体では役をなしませんね。具体的には以下の道具がセットで必要となります。
① | ハンマー |
② | カラビナ |
③ | ロープ |
①のハンマーはハーケンを岩に打ち込むのに必要な道具。②のカラビナとは開閉できる機構の付いたリングのことでハーケンと確実に接続可能ですね。③のロープはカラビナと身体に結び付けることにより墜落を防ぐ役割を果たします
ハーケンの選び方とは
ハーケンの準備を行う際「どんなハーケンをどのくらい用意すべきか」と気になることでしょう。日本の岩場も場所により多種多様となるため、サイズや素材に幅を持たせてハーケンを準備するのがセオリー。
現場ではサイズの比較的短いものや素材の硬いクロモリハーケンを使用するケースが多いですね。一般には15枚ほど用意し、比率としてはクロモリ:軟鉄=7:3の割合でサイズはやや短いのを多めにしていくのが無難でしょう。
おすすめハーケンブランド
ハーケンは命綱となるものであるため、品質に対する信頼性が大事。そのため、品質への信頼性が確保されているブランドから探す選び方をとるのも重要です。日本にて信頼性の高いブランドは以下になります。
おすすめブランド① | モチヅキ |
おすすめブランド② | ブラックダイアモンド |
クロモリハーケンのおすすめ5選
ここまでハーケンの特徴や選び方、使い方、おすすめブランドを解説してきましたね。上述のポイントを踏まえて選定したおすすめのハーケンを素材別にご紹介いたします。まずは「クロモリハーケン」から見ていきましょう。
クロモリハーケンは剛性が高く、再利用性も高いことから日本でも使用頻度の高い素材のハーケンです。そのため、後述のおすすめクロモリハーケン5選を参考にして持参するハーケンの選び方を決めていきましょう。
おすすめクロモリハーケン①
クロモリハーケンVL03319
最初に紹介するおすすめのクロモリハーケンはMOCHIZUKI(モチヅキ)から発売の「クロモリハーケンVL03319」です。モチヅキは上述した通り、日本登山史にて伝統的な器具を数多く残してきたことから名をはせてきた日本国産ブランドになります。
そのモチヅキから発売の「クロモリハーケンVL03319」は全長約120mm、厚さが約2.5mm、重量は約60gといった仕様となっており、とりあえず1本用意しておきたいところですね。
おすすめクロモリハーケン②
ブラックダイヤモンド バガブー
続いてのおすすめクロモリハーケンは「BlackDiamond(ブラックダイヤモンド)」から発売の「バガブー#6ロングミディアム」です。ブラックダイヤモンドも上述したようにアメリカ発祥で登山家から世界的に支持を受ける登山ブランドですね。
全長約125mm、厚さが約5.0mm、重量が約85gとややサイズが大きめの仕様となり、頼もしいハーケンとなるため、ひとつ手にとってはいかがでしょうか。
おすすめクロモリハーケン③
ロストアロー#4ウエッジBD15034
続いてのおすすめクロモリハーケンは同じく「BlackDiamond(ブラックダイヤモンド)」から発売の「ロストアロー#4ウエッジBD15034」です。
頑丈な雰囲気を放つ分厚い形状が特徴のくさび形ハーケンで、やや割れ目のサイズが大きい岩場に効果を発揮します。全長約75mm、厚さ約10mm、重量約100gといった重厚感のある仕様となっていますが、その分、頑丈性は群を抜いており是非リストに加えたいところですね。
おすすめクロモリハーケン④
クロモリハーケンBS03319
続いて、「MOCHIZUKI(モチヅキ)」から発売の「クロモリハーケンBS03319」がおすすめに挙げられます。安心の日本ブランドとなり国産性に強いこだわりをお持ちの方は、大抵保持しているハーケンです。
シンプルな外観が特徴の「クロモリハーケンBS03312」ですが、全長約115mm、厚み約2.3mm、重量約59gと標準的な仕様となっておるため、比較的使い勝手がよく登山家に好まれるハーケンですね。
おすすめクロモリハーケン⑤
クリフハンガーBD15070
最後にクロモリハーケンのおすすめとして挙げられるのが「BlackDiamond(ブラックダイヤモンド)」から発売の「クリフハンガーBD15070」です。ハンバーのようなフック形状が特徴で、見るからに頼もしいと評判になっております。
フック長が30mm、全長約65mm,重量約43gといったコンパクトな仕様にまとまっておりますが、どんな岩場にも引っ掛かりやすいフック形状のためロープとともに使用すれば安心して命を預けられますね。
軟鉄ハーケンのおすすめ3選
クロモリハーケンに続いて軟鉄ハーケンの中から上述の選び方を踏まえた上でおすすめを紹介いたします。日本の岩場では基本的にクロモリ―ハーケンから使用していくのが一般的ですが、岩の割れ目や場所によっては剛性の高いクロモリハーケンでは挿入が難しいケースもありますね。
そのため、登山の際にはクロモリハーケンとは別に軟鉄ハーケンも持参する必要があります。これから紹介する軟鉄ハーケンを参考に選び方を決め購入してみましょう。
おすすめ軟鉄ハーケン①
軟鉄KS型ウェーブハーケン
初めに紹介するおすすめ軟鉄ハーケンは「MOCHIZUKI(モチヅキ)」から発売の「軟鉄KS型ウェーブハーケン縦型」です。日本の老舗メーカモチヅキが開発した軟鉄ハーケンのため、岩の割れ目に叩き込むと場所の形状に沿って柔軟に入り込んで行ってくれます。
また、当商品はウエーブハーケンタイプで従来の軟鉄ハーケンよりもより、柔軟性が改善されているため、現場ではストレスフリーで使えたと好評です。
おすすめ軟鉄ハーケン②
軟鉄KS型ウェーブハーケン横型
続いて紹介する軟鉄ハーケンも同じく日本の「MOCHIZUKI(モチヅキ)」から発売の「軟鉄KS型ウェーブハーケン横型」です。先に紹介した軟鉄ハーケンと同じシリーズの横型タイプになりますね。
現場では場所によっては、岩の割れ目は縦に走っているとは限らず、縦型を購入したら横型もセットで揃えるのが無難です。全長は約12cm、重量約80gの仕様となっており、素材はスチール製で光沢の良い外観が人気ですね。
おすすめ軟鉄ハーケン③
軟鉄KS型ウェーブハーケン兼用型
最後に紹介する軟鉄ハーケンもまた「MOCHIZUKI(モチヅキ)」の商品となります。先に紹介したシリーズの兼用タイプとなる「軟鉄KS型ウェーブハーケン兼用型」です。
全長約12cm、重量約65gの仕様となっておりますね。当商品は同シリーズの中でも兼用型のため、岩場の割れ目が場所により縦であっても横であっても使用可能となり、登山家から重宝されています。
ハンマー選びも重要
スムーズにハーケンを打ち込んだり抜いたりするためには、使用するハンマーも重要ポイントになります。ロッククライミング用のハンマーにも多様なサイズ・重量のものが豊富です。
そのため、適切なサイズや重さ、振りやすさを選び方の基準にして一つ手に取ってみましょう。クライミング終盤にもなると体力低下も懸念されるため、できるだけコンパクトなサイズ・軽量なものから選定する選び方を取るのがおすすめです。
おすすめハンマー
本記事が上述の選び方を踏まえ、推奨するハンマーは「MIZO(ミゾ)」から発売の「ロカ」。長さ約28.0cm、重量約470gといった仕様になっており、ヘッド部分の適度な重さと持ち手長さのサイズバランスが絶妙な振り心地を生み出していると評判です。
値段はやや張るもののパフォーマンスを考慮すれば妥当な価格と言えますね。命を守る道具としてロープに並び必要なものであるため出し惜しみせずに入手すべきアイテムと言えます。
ハーケン使用時の注意点とは
ハーケンを使用する際、以下の点に注意する必要があります。
① | ハーケンが上向きになる用に打ち込む |
② | アゴ(頭部)を岩に接触させる |
③ | 出来る限り細い割れ目にチャレンジ |
①について、ハーケンを下向きに打ち込むと荷重がかかった際にすり抜ける恐れがありますので上向きに打つ必要があります。②は、アゴが接触していないと効果が最大限には発揮されません。③は、割れ目の間に遊びがある場所ですと危険なので、無理かなと思うぐらい細い場所を選びましょう。
ハーケンを打ち込む際の音にも注意
ハーケンをハンマーで打ち込む際、「正しい打ち方ができているのか」「しっかりハーケンが効いているのか」と不安になるケースもあるでしょう。ハーケンが効いているかの目安としてはハンマーで叩く際の衝撃音の高さが挙げられます。
具体的には「キイーン」とだんだん衝撃音が高くなっていくのが理想。衝撃音が徐々に高くなるのを確認できれば効いていると判断してよいと言えるため、ハンマーで叩く際は衝撃音を頭に置いておきましょう。
まとめ
ハーケンの選び方から使い方・おすすめ品を紹介してきましたね。ハーケンは登山の中でも険しい岩場のあるルートを登頂する際に、ロープなどとともに必要になるアイテムです。
このハーケンをきちんと使いこなすことができれば、より登山というアウトドアを楽しむための幅が拡がることでしょう。本記事を参考に適切なハーケンを揃えて登山というライフワークをより充実したものにしていただけたら幸いであります。
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