キンギョソウを贈るときは花言葉に注意!
地中海沿岸地方原産のキンギョソウはオオバコ科キンギョソウ属の一年草で、主な種類は1メートルほどの草丈になります。主に春の4月から初夏の6月に開花し、ピンク・黄色・赤・オレンジ・白などの花色がガーデニングをカラフルに演出してくれる人気の植物です。
優雅で上品な雰囲気が人気のキンギョソウですが、花言葉には2通りの意味があるため、贈るときは注意してください。(本記事は2021年6月29日時点の情報です)
キンギョソウの基本情報
科・属 | オオバコ科・キンギョソウ属 |
原産地 | 地中海沿岸(南ヨーロッパ~北アフリカ) |
学名 | Antirrhinum majus(アンテリナム・マユス) |
英名 | Common snapdragon(コモン・スナップドラゴン) |
和名 | 金魚草(キンギョソウ) |
開花時期 | 4月~6月頃 |
耐暑性 | 弱い |
耐湿性 | 弱い |
耐寒性 | やや強い |
キンギョソウの学名であるギリシア語の「Antirrhinum(アンテリナム)」は、″鼻に似ている″という意味があります。これはキンギョソウの独特な花の形が由来です。
「majus」は5月の意味があり、開花期を指しています。つまりアカデミックな名前では「5月頃に咲く″鼻″に似た花」となるのですが、シンプルで分かりやすい名前といえるかもしれませんね。
キンギョソウの名前の由来:英語圏と日本
キンギョソウの英語圏での名前は″かみつきドラゴン″の意味がある「Snapdragon(スナップドラゴン)」となります。名前の由来はやはり、キンギョソウの独特な花の形からきているようです。
和名「キンギョソウ(金魚草)」の由来は、金魚のようにパクパクと花びらを上下に動かせることが由来です。いずれにしても、ユニーク過ぎる花の形を的確に表現した名前といえるでしょう。
キンギョソウの種類
キンギョソウは種類が多く、1メートル以上になる高生種やこんもり茂る小型種、それらの中間の種類となります。花弁も、一重咲きや八重咲の他に、さかずきのように大きく開花するペンステモン咲きの種類もあり、キンギョソウによって異なるイメージがあるのです。
キンギョソウはいろいろな品種といろいろな花色があるので、全部揃えてガーデニングを楽しむのも素敵ですね。
銅色の葉が美しい「ブロンズドラゴン」
一般的なキンギョソウの葉色は明るい緑色ですが、ブロンズドラゴンは銅のように渋い色合いをしており、明るいガーデニングを引き締めてくれると人気です。草丈は20センチほどから1メートルほどになるものまで多種類で、多くの品種が流通しています。
情熱的な「ダンシングクイーン」
キンギョソウには黒みがかった赤い花を咲かせ、斑入りの葉がユニークな「ダンシングクイーン」という種類もあります。
赤い花の美しさは当然なのですが、赤みがかった斑入りの葉と深緑色の葉が混ざり、何とも言えない美しさです。まるで花が咲いているかのような華やかな雰囲気で、最近人気のあるキンギョソウとなっています。
華やかさが増す「八重咲のキンギョソウ」
キンギョソウの多くは一重咲きですが、フリルが何重にもなった八重咲も人気があります。花の色は明るい赤で、より一層ガーデニングを華やかにしてくれるようです。葉の色は基本的に緑色ですが、銅色の葉の種類も人気があります。
キンギョソウを繊細にした「リナリア」
キンギョソウにはよく似た植物で「リナリア」という種類があります。キンギョソウと同じくオオバコ科となり、日本では「ヒメキンギョソウ」の名前で流通している人気品種です。キンギョソウよりも繊細な姿をしており、また違ったニュアンスを楽しめます。
キンギョソウの花言葉:よい意味
①白い色の花言葉「清純な心」
キンギョソウの花言葉でよい意味は「清純な心」となります。キンギョソウの花色の白を始め、やわらかい色合いのピンクや黄色の花色は上品で優雅なイメージです。このような印象から「清純な心」と付けられたのかな?と想像できますよね。
特に白色の花を付けた茎が空に向かってまっすぐ伸びる姿からは、一途に突き進む純粋さが感じられます。「清純な心」は充分に納得できる白のキンギョソウの花言葉ではないでしょうか。
他の意味の花言葉
白いキンギョソウの花言葉は他にもあります。「予知」「予言」「未来を知る」などの神秘性を感じさせる内容です。この花言葉はキンギョソウ全体に当てはまるものですが、白は多くの国において祭礼で使われる色のため、やはりふさわしい花言葉といえそうです。
②ピンク色の花言葉「優雅」「上品」
キンギョソウの花言葉でよい意味の2つめは、「優雅」と「上品」があります。キンギョソウの花はとても独特な形をしており、まるでお姫様が着る華やかなピンク色のドレスのフリルのようです。茎にたくさん付けるふっくらした花は優雅で可愛らしく、上品さも漂っています。
花の大きさは2センチメートルほどと小ぶりなので、アレンジメントフラワーにすると、他のメインの花を優雅で上品なたたずまいで引き立ててくれるのです。
③黄色やオレンジ色の花言葉「健やか」「快活」
キンギョソウの花言葉で意味のよい3つめは「健やか」「快活」です。「健やか」と「快活」は、夏に向けて気温が高くなる季節に咲く黄色やオレンジ色のキンギョソウにふさわしい花言葉といえます。
黄色やオレンジ色は、フルーツや野菜でいえば柑橘系果物やカボチャなどのビタミンカラーです。これらにはビタミンやカロテンがたっぷり含まれており、黄色やオレンジ色を観ているだけで元気をくれそうな気がします。
④赤い色の花言葉「負けない」
キンギョソウの花言葉「負けない」は、意志の強そうな赤色のキンギョソウにふさわしい花言葉です。赤い色はピンクや白、黄色やオレンジとは異なる情熱的な雰囲気を漂わせています。その姿から、天に向かって伸びていくドラゴンのようにも見えるのではないでしょうか。
花言葉「負けない」以外にも赤のキンギョソウには、「勇気」「活気」などの肯定的なイメージもあるので、励ましたい人へのプレゼントにいかがでしょうか。
⑤紫色の花言葉「推理」「仮定」「予知」
紫色のキンギョソウの花言葉には、「推理」「仮定」「予知」などのミステリアスさを感じさせるものがあります。白いキンギョソウも同じ花言葉を持ちますが、紫も占い師などが使っていることから神秘的なイメージの色です。
ヨーロッパでは、キンギョソウの花の形が「仮面」にも似ているとされてきました。仮面は正体を隠したり祭礼の儀式で役になりきるときに用いられるものです。紫色のキンギョソウに当てはまりそうな花言葉です。
キンギョソウの花言葉:悪い意味
①花言葉「おしゃべり」「騒々しい」
キンギョソウの悪い花言葉には「おしゃべり」「騒々しい」があります。花言葉の由来はやはり上下に動かせる花びらの形状にあるといえるでしょう。ピンクや黄色、オレンジに白、そして赤……とカラフルなキンギョソウが花壇でパクパクとおしゃべりを楽しんでいるように見えてきます。
キンギョソウの花弁の中心部分が黄色になっており、何となく″歯″のようにも見えます。花色によってはちょっぴり怖く感じてしまうかもしれません。
②花言葉「でしゃばり」「図々しい」
キンギョソウの悪い意味の花言葉には「でしゃばり」「図々しい」というのもあります。由来はやはりキンギョソウの花弁がパクパクと動くことにあるようです。「でしゃばり」「図々しい」といわれてうれしい人はいませんので、あまり親しい間柄でない人への贈り物にするときは注意したほうがよいでしょう。
華やかで上品にも見えるキンギョソウですが、視点を変えると真逆の意味の花言葉があることを覚えておいてくださいね。
③花言葉「おせっかい」
キンギョソウには、「おせっかい」というあまりよく無い意味の花言葉もあります。由来はやはり花弁が口にようにパクパクと動かせることにあるといえます。おせっかいは、本人は他人に親切心からお世話をしているつもりでも、されたほうはありがた迷惑に感じることもあるからです。
キンギョソウのプレゼントは家族や仲のよい友人ならば誤解されることもないでしょうが、あまり親しくない人に贈るのは止めておいたほうが無難です。
④花言葉「ごまかし」
キンギョソウの悪い意味の花言葉には「ごまかし」というのもあります。キンギョソウには「清純」「上品」「優雅」などの花言葉があるように、華やかでエレガントなイメージがあります。
ところが花弁をパクパク動かせることから、本当は「おしゃべり」「図々しい」花と思われたのが花言葉の由来と考えられそうです。上品そうにごまかしておいて実は違う、という意味になります。何ともキンギョソウが気の毒になる花言葉です。
⑤花言葉「推測ではやはりNOです」
キンギョソウの長い花言葉「推測ではやはりNOです」は、仮面に似ていることが由来の「推測」などの花言葉と関連がありそうです。意味は「考えてみたものの、やはりお断りします」といった内容に捉えられます。
つまり、″期待していたけれど結果は受け入れてもらえなかった″という風に受け止められるでしょう。この花言葉だと相手を拒否しているように捉えられるので、人によっては止めたほうが無難そうです。
キンギョソウのおすすめの飾り方
キンギョソウはこんもり茂る種類は鉢植えがおすすめです。とてもボリュームがあり、一鉢置いておくだけでも周りを明るくしてくれます。一般的な種類もよいですが、最近人気の「ブロンズドラゴン」や「ダンシングクイーン」は新鮮な印象を与えてくれます。
切り花は一本だけでも華やかな雰囲気を演出してくれますが、他の花と組み合わせたアレンジメントを楽しむのもおすすめです。皆さんの素敵な飾り方をピックアップしました。
①「清純」さが感じられる飾り方
白い鉢に白いキンギョソウだけを植えて、まさに白いキンギョソウの花言葉「清純」にふさわしい飾り方です。清純な雰囲気ではありますが、これだけのボリューム感があると何となくささやき声が中心の黄色い部分から聞こえてきそうですね。
キンギョソウの別な花言葉「おしゃべり」にも納得します。
②「快活」さが感じられる飾り方
こちらは黄色のキンギョソウも使った生け花です。黄色一色のキンギョソウはとても存在感があるので花言葉の「快活」さだけではなく、「情熱」も感じられそうな飾り方に見えます。黄色以外のキンギョソウにして別な花と組み合わせて生けるのも素敵ですね。
③「情熱」が感じられる飾り方
こちらの飾り方は、情熱的な赤いキンギョソウを茶ブドウと紅葉したブドウの葉っぱでアレンジし、成熟した雰囲気を漂わせています。赤のグラデーションが効いており、大人のアレンジメントといったところでしょうか。
ブドウもアレンジメントにするとは、とても素敵なセンスですね。明るい緑色の葉っぱがアクセントになっています。
④キンギョソウのドライフラワー
キンギョソウはドライフラワーにもできるので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。写真のキンギョソウは赤い色のものを使用したようですが、時間の経過とともにブロンズ色の渋い色合いになっています。カスミソウやシルバーリーフと合わせても素敵ですね。
「ごまかし」にふさわしい種さや
ドキッとするような見た目ですが、こちらはキンギョソウの″種さや″です。花柄を摘まないで放置しておくとこのような状態になります。可愛いお花を咲かせるキンギョソウですが、花が枯れると別な表情が出てくるのです。
まさにキンギョソウの花言葉「ごまかし」にふさわしいといえるかもしれませんね。
キンギョソウの花言葉は2通りの意味がある!
キンギョソウの花言葉は、白には「清純」や「予言」などがありますが、それ以外の花色の花言葉はありません。しかし花色のイメージからピンクは「優雅」、黄色は「快活」、赤は「負けない」、紫は「予知」などの花言葉がふさわしいのではないでしょうか。
反対に「推測ではやはりNO」や「ごまかし」「騒々しい」などの悪い意味もあるのでご注意くださいね。大切な人にキンギョソウをプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
キンギョソウの育て方が気になる人はこちらもチェック!
キンギョソウは春から初夏までを彩ってくれる可愛い花です。ぜひガーデニングや鉢植でも楽しんでみませんか。詳しい育て方が紹介されてあるので、ぜひご参考にしてくださいね。元気に育てられたら、よい意味の花言葉も添えて贈るのも素敵です。

キンギョソウとは?花言葉や育て方を解説!増やし方や手入れのコツは?
キンギョソウをご存知でしょうか?キンギョソウは見た目が非常に可愛らしく、丈夫な植物ですので初心者でもチャレンジしやすいお花ですが、育てるには...