はじめに:バケツ稲育て方のコツを紹介
子供の自由研究にも!バケツ稲の育て方は簡単
日本人の主食として毎日のように食卓にあがるごはん。その米がどのように成長するのか小学校や幼稚園のイベントとして実物をご覧になられたことがある方も多いのではないでしょうか。
でも田植えだけ収穫だけは体験しても、実際に自分で種まきから精米まですべてやったことがある人となるとその数は限られます。田んぼがなくてもバケツでできる稲作の方法で自宅で米を収穫して美味しくいただいてみませんか。
バケツ稲に必要なものから育て方手順
バケツ稲の育て方は市販の種籾を使えば、あとは自宅にあるようなものですべてまかなえるので意外と手軽にはじめられます。今回は準備する材料や道具から育て方手順・脱穀や精米のやり方や気をつけたい注意点・コツとまとめて解説していきましょう。
バケツ稲の育て方で準備するもの
それではまずはバケツ稲を栽培する前に準備してほしい必要な種や道具類をチェックしましょう。種籾は近年のバケツ稲需要から園芸店でも買うことができるようになりましたが、もしお近くの店で取り扱っていない場合はネット通販でも簡単に手に入る商品です。
バケツ稲の育て方で必要なもの1.
まず育て方の前に用意してほしいのは植える田んぼの代用となるバケツです。だいたい15リットル程度はいるプラスチックのバケツが、JAが推奨するバケツ稲の栽培用容器となっています。
リットル表記されていないバケツの場合は、直径が30センチを目安にして同程度の大きさのものをご用意ください。
バケツ稲の育て方で必要なもの2.
稲の育て方には必要不可欠な種籾ですがバケツ稲用の種袋が市販されているので手に入れるのは簡単です。だいたい10-15粒入っていますので発芽率がよければ1袋でバケツ2-3個分の苗が作れます。
このほか植え付け用の土は市販の培養土ではなく赤玉土に鹿沼土と黒土を混ぜて作ります。分量配合については育て方の章で詳しくご紹介しますのでそちらをご参照ください。
バケツ稲の育て方で必要なもの3.
バケツ稲🌾
— スモモ母さん (@SumoPonLeo) August 16, 2020
お花が咲いた✨
鳥除けでネットぐるぐる〜🌀 pic.twitter.com/8AHwa8k4fA
稲はそのまま栽培していると玄米が実ってくるにしたがってスズメがやってきて食べてしまいます。スズメよけのために園芸用ネットは必ず用意し、受粉して実が入ってきたころには必ず掛けて収穫まで取らずに栽培するようにしましょう。
バケツ稲の収穫までの詳しい育て方手順
稲の育て方は手順が多いようですがやることはとても簡単です。子供さんでもできる稲の育て方手順をくわしくわかりやすくご紹介します。
バケツ稲育て方1.芽だし
4/28
— zumi(22,13,13,22,19,175)🐟👑💯🦂 (@zumi_rai) April 27, 2021
芽だし開始#バケツ稲 pic.twitter.com/GzgU84MSSf
まずは種籾として用意したものを水に浸して白いかわいい芽をださせる作業からはじめます。稲の発芽温度は30度と時期に対して高い気温が必要なため芽だしは温かい室内または温室管理下でおこなうのが一般的な育て方です。
種まきできる芽の長さ
稲の種を水につけて毎日新鮮な水と交換しつつ観察していると3-7日程度で白い芽が種籾から出てきます。この長さが1ミリ程度に確認できるようになった植え付けできる準備が完了。次の育て方に進みまましょう。
バケツ稲育て方2.稲用の土
バケツ稲の育て方に向いている土は山土・畑の土・庭の土でもOKです。集合住宅など土のない方は次にあげる配合を元に、園芸店やホームセンターで袋入で売られている土を混ぜ合わせ作る育て方も可能となっています。
自宅で作るバケツ稲の土の配合
稲の土の作り方は一般的な植物の培養土とは少し変わっていて黒土も使います。必要なのは黒土と赤玉土・鹿沼土の3種類。配合割合は黒土6に対して赤玉土3鹿沼土1くらいが適した配合となります。これをよく混ぜ合わせてバケツに入れて稲を育てましょう。
バケツ稲育て方3.肥料
育て方で大切な土づくり。肥料分が不足している土の場合は緩効性肥料を元肥としてすき込んでから使うとよいでしょう。肥料の分量目安はバケツ1杯に対して小さじ1程度。
田んぼからとってきた栄養分の豊富な土での育て方の場合は、この元肥は不要です。また稲の育て方には追肥も与える必要はありませんので、肥料やりはこの1回またはよく肥えた土であればまったくあげなくても収穫まで育ってくれます。
バケツ稲育て方4.種まき
芽だしをした種籾の芽が1ミリまで確認できたら早速次の育て方は種まきです。用意した土を十分湿らせて籾の高さの2倍程度の穴に1粒ずつ種をまきます。このとき気をつけたい育て方のコツは芽を必ず上に向けて置くこと。発芽しやすくなりますよ。
バケツ稲育て方5.水はり
葉の枚数が2枚くらい出てきたら、いよいよバケツに水を張って水田のようにしていきます。水の深さは5センチ程度とし、葉が5枚以上で茎が太くなるまでこの状態を維持することで植え付けに適した稲の苗を作ることができるでしょう。
バケツ稲育て方6.田植え
田植え。
— ぶんや (@okm_noka357) May 24, 2021
一家に一つバケツ稲。 pic.twitter.com/YQ3AdwTuUO
葉が5枚以上で茎がしっかりとしてきたら苗を本格的に育てるバケツに植え替えていきます。4本程度をひとまとめとしてバケツの中央に田植えしていくのですが、このときの土や水の量はこれまでと同じで特に気をつけることはないです。
ただし苗を作っていたバケツから抜くときには、根を切らないように周りの土ごと掘り起こすようにしましょう。
バケツ稲育て方7.中干し
稲の高さが4-50センチくらいまで成長したところで中干しという根を太く丈夫にする育て方をします。やり方は簡単で今まで5センチほど張っていた水をこぼしてしまうだけです。
中干しの期間は2日ほど。この間に今まで空気が不足していた根が空気をより多く取り入れることによって太く成長します。このときからからに乾燥させるのは逆効果。その時の気温や陽気によっては土の乾き具合を見て土が湿る程度に水やりをしつつ、期間が終了したらまた水を5センチほど張った水田に戻してください。
バケツ稲育て方8.収穫までのお世話
中干しが終わってしばらくすると稲の花が咲き穂ができてくる時期となります。ここでご用意していただいたネット張りを忘れずにおこないましょう。スズメがせっかくのお米を食べてしまうのを防ぐためです。
またこの時期には気温が19度以上であることが重要です。冷夏であったりそろそろ涼しくなってくる地域の方は、人工的に水温をあげてあげることで籾への実の入り方をよくする育て方があります。該当する場合は注意点の項目の冷夏対策法をご参照ください。
バケツ稲の育て方・収穫と精米のやり方
収穫した稲穂はそのままでは食べることはできません。収穫のやり方は乾燥させ方・籾だけを取り出す脱穀と白い米にするための精米という3つのステップを解説していきます。
これには最初に準備した以外の道具も使いますが、ご家庭にあることも多いものばかりです。
バケツ稲の育て方:収穫時期とやり方
バケツ稲の育て方のクライマックスは稲刈り収穫してご飯として食べるところです。収穫時期は籾の中の米粒の充実具合で判断しますが、ひとつの目安として稲の穂が確認できてから1ヶ月から45日以内。
45日以上遅れてしまうと中の米が割れたり色がわるくなったりしますので注意しましょう。
収穫日から逆算して水を抜く
それまで水を張った水田で育てていた稲。収穫の10日前を目安にしてバケツから水を抜く作業をします。これは収穫後の米粒の水分量を調整する意味もあります。
根元からハサミで刈り取った稲も10日さかさまに吊るしてドライフラワーの要領で水分をさらに抜きます。農家の方も田んぼでこの作業をおこなっているのを見かけるでしょう。それと同じである程度乾燥させないと米の色がわるくなるからです。
バケツ稲の育て方:脱穀のやり方とコツ
収穫した稲穂から籾を外すことを脱穀といいます。家庭にあるもので簡単に脱穀ツールを作れるのでお試しください。
用意するのは割り箸1膳と輪ゴムです。割り箸は使用済みのものでもOK。輪ゴムでしっかりと太い方を固定してその間に稲穂を通します。箸の先を手で押さえながら稲穂を引き抜くと面白いように籾が穂から外れていくでしょう。
籾殻を取るにはすり鉢とボールが使える
籾が付いたままでは食べることはできません。最低でも玄米の状態になるよう籾殻を取り除く必要がありますが、こちらも家庭にあるすり鉢と野球ボールのような硬い丸いものでごりごりとすることで外れます。
外れた籾は吹くことで殻だけが飛ぶので、シートなどを広めに敷いた上で楽しく玄米を取り出す作業をやってみましょう。
バケツ稲の育て方:自分でおこなう精米
脱穀をしただけでは米は茶色っぽく普段食べている白米とは違うことが見てとれるでしょう。このまま玄米として召し上がってもよいのですが、精米をすることで白米がどうやって作られているのか、玄米と白米が同じ米から出来ているということも知ることができます。
ペットボトルと棒でやる簡単精米
精米のやり方は古い時代劇に出てくる農家の人がやっているような方法がそのままできます。やり方は簡単でペットボトルや瓶などに収穫した玄米を入れて丸い棒で根気よく突いていくだけです。
あまり力を入れてがしがしとやってしまうと大切な米が割れてしまうので、力を入れすぎないよう回数で少しずつ玄米から白米に精米するイメージでおこなってください。
バケツ稲栽培で失敗しないための注意点
最後になりますが育て方で注意すること・イレギュラーな(主に冷夏)ケースに対応する方法を解説します。栽培していて困ったことがあったらこちらをヒントとしてみてくださいね。
バケツ稲育て方注意点1.水
この水は種籾から発芽させるときに浸す水の量のことです。種籾の発芽に必要なのは水と空気です(気温も大切)。
種は水に浸してしまいますが、この水位が高いと水に含まれる酸素が不足してもみが呼吸できずに腐ってしまうことがあるため、水の高さはもみを縦にしたときの高さ程度が目安とします。またこの水は毎日取り替えることも重要です。
種籾を病気から防ぐ水温
稲づくりは病気によって収穫量が大きく減少してしまいます。できれば病気にせずに大きくしたいですね。そのためにまずは種籾を芽だしする前に60度のお湯につけることをおすすめします。
漬ける時間は10分間。これ以上漬けないようきっちりと時間を計って忘れずに引き上げてください。あげた後は水に漬けて温度を下げることもお忘れなく。
バケツ稲育て方注意点2.土の殺菌
市販の土はよいですが庭や山から掘ってきた土を使用する場合は、そのまま使うのおすすめできません。ブルーシートなどを敷いた上であらかじめ用意した土をできるだけ薄くたいらに広げて日光に当てて殺菌・害虫の駆除をしてから使ってください。
バケツ稲育て方注意点3.冷夏対策法
ニュースなどでも冷夏によって稲が実らず米不足となるなどというケースをよく耳にしますね。米が成熟するには気温は大切です。バケツ稲を栽培している年の夏が冷夏であった場合でも、ちょっとした手間で収穫量を増やすことができます。
自宅のバケツ稲作なら冷夏対策も簡単
冷夏の被害は日照不足といわれていますが実際は温度不足であることがほとんどです。これはバケツ稲に与える水をあらかじめ日光の下で十分あたためてから与えることで、簡単に解消することが可能となっています。
やり方は水道水などをバケツやたらいに汲み置き、暖かな屋外に置いておくだけ。この温かい水を交換用に使うことで冷夏でも籾の中の実がふくらみ食べられない籾の数が減るでしょう。
まとめ:バケツ稲の育て方は簡単
子供でも楽しめるバケツ稲の育て方
いかがでしたでしょうか。バケツでおこなう稲の育て方は思っていたよりずっと簡単で驚かれた人も多いのではありませんか。水田も広い範囲なら水をたくさん必要としますがバケツでの育て方なら毎日交換したり、必要な水位まで継ぎ足すとしてもそれほど水道代に頭を悩ませる必要はありません。
子供の自由研究テーマとしても人気のバケツ稲の育て方。種籾から芽出しをして苗をつくり、バケツの田んぼで育てた米を秋に収穫していただくという貴重な体験をする目的でもおすすめです!
バケツ稲の育て方が気になる方はこちらもチェック
バケツではなく空いている田んぼを借りてもっとたくさんの稲の育て方を体験してみたいという方や、自宅のベランダでできる家庭菜園にご興味のある方にはこちらの育て方のコツを掲載した記事もおすすめです!

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