繊細な花が美しい!ホワイトレースフラワー
ホワイトレースフラワーはカスミソウのように白い小さな花をたくさん咲かせます。茎の先端に線香花火のようにつく花は非常に可憐で繊細なイメージを庭に与え、「レース」と名がつけられたのも納得の美しさでしょう。
ホワイトレースフラワーの特徴①セリ科の植物
にんじんなどセリ科を育てた人は花の形が似ていると思うかもしれませんが、ホワイトレースフラワーはセリ科でそれは当然のことでしょう。セリ科に特徴的な小さな花を茎の先端に咲かせます。
また、ホワイトレースフラワーは一年草で枯れるのも特徴。花期が終われば枯れるので宿根草のように長年楽しめるという魅力はありませんが、鉢植えで毎年新しい花を楽しむのであれば、花期を終えて枯れるという点は使いやすさにつながります。
ホワイトレースフラワーの特徴②こぼれ種で増えやすい
一年草で花期の終わりとともに枯れる植物ですがこぼれ種で翌年新しい芽をつぎつぎと出します。ホワイトレースフラワーは花壇などに一度植えると、毎年花を咲かせ、知らない間にどんどん面積が広がっていくことも珍しくありません。
ホワイトレースフラワーの特徴③春・秋に種まき可能
ホワイトレースフラワーの種は地域の気温にもよりますが、年に2回まけます。種まきに適した季節は大きく春と秋です。ひとつひとつははかなげな花ですが、広い花壇にたくさんまくと白いじゅうたんが広がっているような見ごたえがあります。
ホワイトレースフラワーの特徴④花期が長い
花期は5~6月。新緑のさわやかな季節にホワイトレースフラワーの白い花で庭を彩ります。白く清潔感ある花はあらゆる花との相性もよく、鉢植えを使った寄せ植えでも使いやすい植物といえるでしょう。また切り花を飾った後、ドライフラワーにすれば長く観賞できます。
ホワイトレースフラワーの特徴⑤品種も選べる
ホワイトレースフラワーとして流通している品種は複数あります。もっとも定番の種類・品種が「クイーンオブアメリカ」、花期がやや遅めの「グレースランド」、グリーンと白のコントラストが鮮やかな「グリーンミスト」、花色にやや黒やダークレッドが混ざった「ブラックナイト」などが有名なところでしょう。
鉢植えや寄せ植え、花壇を彩る好みの種類や品種を選ぶ楽しみもあるホワイトレースフラワーは庭づくりを楽しむ人から人気です。
ブルーレースフラワーとは同じ品種?
ブルーレースフラワーはホワイトレースフラワーに非常によく似た形の花をつけます。「ブルー」とついていますがピンクや白の花をつける種類も流通しており、両者が混同されることもしばしば。しかし、ブルーレースフラワーはセリ科トラキメネ属なのに対しホワイトレースフラワーはセリ科ドクゼリモドキ属でまったく異なる種類です。
ホワイトレースフラワーは種まきから
庭の花壇で地植えしても、鉢植えでも育てられるホワイトレースフラワーは苗と種どちらからでも栽培可能です。簡単に育てられますが、苗よりも種から始めるのがおすすめ。種まきで育てるメリットについて解説します。
種まきのメリット①コストが抑えられる
どの種にもいえることですが、苗の状態で購入するよりも圧倒的にコストが抑えられるのが種まきのメリットです。最初にかかるコストが大きく抑えられます。広い花壇をお持ちの方や大きな鉢植えを作りたい方に種から育てる方法はおすすめです。
種まきのメリット②豊富な品種から選べる
種まきは幅広い品種から選べることもメリットです。苗で流通する品種は定番のものや人気のものが主。珍しい品種の苗は簡単には手に入りません。
しかし、保管しやすく販売スペースもとらない種であれば、さまざまな品種が一挙に販売されており、珍しい品種の栽培に挑戦する楽しみもあります。人と違う庭を作りたい人、珍しい品種に興味がある人にも種まきはおすすめです。
種まきのメリット③まき方を覚えれば毎年栽培可能
種のまき方、育て方を一度覚えれば毎年咲かせた花から種を採取し、翌年も同じ花を咲かせられます。一度購入した苗や種から毎年新しいものを咲かせれば非常に経済的といえるでしょう。
まき方は品種や種類によってポイントが違うものもありますが、基本の方法は共通しています。1つ種から花を咲かせられるとつぎつぎ新しい種類に挑戦したくなるかもしれませんね。
鉢植えでのホワイトレースフラワーの育て方
種まきのメリットを確認した後は、実際にホワイトレースフラワーを種から育てる方法をご紹介します。こぼれ種でもよく増えますが、狙った場所や鉢植えで育てたい場合は育てたい場所に種を直まきするのがベスト。ホワイトレースフラワーは植え替えや移植を嫌うためです。
ここでは花を咲かせたい鉢に直接まくか直まきの育て方について解説します。
直まきの特徴
- 育種トレーやポットを使わず直接種をまく
- 直根性の植物や植え替えを嫌う植物の栽培に有効
鉢植えの育て方①用土
ある程度の水はけのよさがあれば大体の土で栽培可能です。鉢植えで育てる場合は植物栽培用の培養土がおすすめ。あらかじめ肥料がブレンドされているものを選ぶと元肥の手間もはぶけます。鉢植えの場合、水はけをよくするために鉢底に軽石を敷いておくのを忘れないようにしましょう。
鉢植えの育て方②種のまき方
育てたい場所にそのまま種をまく「直まき」がおすすめのホワイトレースフラワーですが、まき方にもポイントがあります。ホワイトレースフラワーは日光を感じることで種の発芽が進む「光好性種子」です。ます。そのため、ぱらぱらとまいた種の上に土は厚くかぶせず、うっすらとかける程度にとどめておきましょう。
種まきの時期と場所
ホワイトレースフラワーの発芽温度は15℃前後です。種をまく季節は春か秋と前述しましたが、この温度を下回らなければ、季節を問わないとも言えるでしょう。
ただし、ホワイトレースフラワーは日光の当たる時間で花の付き方が大きく変わります。照明などが完備されたハウス栽培などで育てず家庭で栽培する場合は3月~4月、9月~11月が適期です。5~6月にまくと花の付きが悪くなるため避けましょう。
鉢植えの育て方③水やり
鉢に種をまいたら水やりをします。小さな種なので強い水には流されてしまったり、芽が溺れて枯れてしまったりすることも。そのため、霧吹きで水やりするのがおすすめです。種が乾燥しないように水切れに注意します。通常であれば、1週間ほどで発芽するはずです。
芽が出てある程度大きくなってきた苗は加湿だと枯れるおそれがあります。土の表面が乾いてきたら水をやる程度に調整しましょう。
込み入った芽は間引く
直まきしたホワイトレースフラワーの種から芽が一気に出てきたら、弱々しい芽は間引きます。隣になった芽と芽が重なり合ったり、一方が影になったりしているものは放っておいても枯れるため込み入ったものから優先して間引き、生育状態のいい芽を残して少しずつ大きな苗へ育てていきましょう。
植え替える時は早めに
直まきできない場合、発芽して本葉が3~4枚にまでなったら早めにポットへ植え替えをおこないましょう。前述したように、ホワイトレースフラワーは植え替えを嫌うため、ポットは大きめのものを用意します。根を傷つけないようにポットに植え替え、一度植え替えたポットはそのまま定植苗まで育てましょう。
鉢植えの育て方④肥料
鉢植えで栽培する場合、肥料切れをおこさないように定期的に液体肥料を与えます。あらかじめ用土に肥料がブレンドされているものは、当面の間与える必要はありません。ホワイトレースフラワーの苗の育成速度が落ち込んできたりしたときに、規定倍量に希釈した液体肥料を与えましょう。
鉢植えの育て方⑤支柱立て
ホワイトレースフラワーは草丈が1m近くに伸びることもあります。風などで倒れてしまうとせっかくの美しい見た目が損なわれるため、ある程度の草丈に成長したところで支柱を立てておくと安心です。ホワイトレースフラワーは花期をむかえると、茎の先端に大きな花が付くためより倒れやすくなります。
鉢植えの育て方⑥剪定
ホワイトレースフラワーは樹木のような剪定は不要です。しかし、花が終わった後に花の部分を剪定しておくと二番花をつけることがあり、庭の花期を長く伸ばせます。終わりかけた花の下のところで剪定しましょう。
また、草丈が高いので倒れたものや、密集して風通しが悪い場所は根本から剪定するのもよいでしょう。ただし、花は全部剪定してしまうと種が取れない恐れがあるため、すべて剪定せずある程度は残しておきます。
ホワイトレースフラワーの増やし方
増やし方:種を採取してまく
ホワイトレースフラワーの増やし方は種まきです。一年草のため、挿し木や取り木などの増やし方は不適といえます。花が終わり、全体が茶色く枯れるころ種を採取しましょう。
ホワイトレースフラワーの種は時間がたつにつれて発芽率がさがるので、次のシーズンに使い切るのがおすすめです。地植えでまいた場合はこぼれ種で勝手にどんどん増えます。
ホワイトレースフラワーで華やかな鉢植えに!
ホワイトレースフラワーはそのはかなげな見た目に反してたくましく育ちます。種からでも十分育てられるのでコストを抑えたい人には種まきがおすすめ。草丈もあるので鉢植えのアイキャッチにもなってくれますよ。種を採取するだけの簡単な増やし方で、来年も育てられるのが一年草の魅力かもしれません。
育て方・増やし方が簡単なホワイトレースフラワーをうまく取り入れて、ボリュームあるおしゃれな鉢植えを楽しんでみませんか。
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ホワイトレースフラワーによく似たブルーレースフラワーも人気があります。ホワイトレースフラワーと似た点もあり、育てやすく庭や花壇をにぎやかにしてくれる植物です。育て方・増やし方についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

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