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【数十年かけて咲く花】リュウゼツラン(アガベ)とは?種類別の花色をご紹介!

リュウゼツランという植物をご存知でしょうか。シャープで肉厚な葉をもち、大地に根差す逞しさが魅力の多肉植物です。開花までに数十年かかるという珍しい特徴があり、花が咲く姿は注目の的。今回はリュウゼツランについて、その特徴や種類、育て方を詳しくご紹介します!
2021年8月4日
komomo39
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目次

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リュウゼツラン(アガベ)とは?

Photo bytommileew

リュウゼツランは、約200種ほどあるキジカクシ科(リュウゼツラン科)アガベ属(Agave)の植物の総称です。近年人気が高まっている多肉植物のひとつで、アロエなどと同じく水を蓄えるための分厚い葉や茎をもっています。

品種ごとに個性がありますが、葉にトゲがあり、放射状またはロゼット状に広がって育つものが多いです。原産地はメキシコなどアメリカ南部~中米。暑く乾燥した大地に生きる、逞しい性質をもった植物です。

リュウゼツラン(竜舌蘭)の名前

Photo bySkitterphoto

リュウゼツランは漢字で書くと「竜舌蘭」。しかし、蘭の仲間とは異なります。

基本種は「アオノリュウゼツラン(青の竜舌)」です。日本に渡って来た最初の品種が斑入りのもので、「リュウゼツラン」と先に名付けられてしまったので、これとは区別して「アオノ」をつけて呼ばれています。一品種としての「リュウゼツラン」は明るい黄色の斑があるAgave Americana cv.‘Marginata’を指します。

リュウゼツラン(アガベ)の花

リュウゼツランの花は数十年に一度しか咲かない!

毎年決まった季節ごとに花を咲かせる植物が多い中、リュウゼツランの花はめったに咲きません。生長して数十年に一度しか咲かないのです。その期間は原産地の熱帯地域で10年~20年、日本では30年~50年はかかると言われています。

しかも、リュウゼツランは花を咲かせた後、その株が枯れてしまうという少し悲しい特徴があることで有名です。

不思議な花の姿

リュウゼツランは開花の姿自体も他の植物と違って面白い特徴があります。開花時期になると、葉と葉の真ん中から太く真っすぐな茎を高く高く伸ばし、その先端に花を咲かせるのです。

一本松のようなその姿は一見して花とは分かりにくいですが、大きいものでは数千もの花が咲きます。花色は黄緑色や黄白色で、筒のような形をしています。先端の花自体は比較的地味ですが、全体の姿は迫力満点。何とも不思議な開花姿です。

リュウゼツランの開花は珍しく話題性があるため、しばしば地域のニュースなどでも取り上げられます。こちらは兵庫県神戸市にある舞子公園で咲いたリュウゼツランの花。高くまっすぐに空に向かって伸びた花は支えを必要とするほどで、スケールの大きさが分かります。

英語の別名century plantsのように、100年に一度しか咲かない、とは言い過ぎですが、数十年に一度の開花を目にするのはとても貴重な出来事と言えますね。

リュウゼツランの花言葉

めったに見られないリュウゼツランの花ですが、「繊細」という花言葉をもちます。花を咲かせると同時に下の方の葉から枯れてゆき、ついには死んでしまうという、という悲劇のヒロインのようなストーリーからつけられたのかもしれませんね。

テキーラとリュウゼツラン

Photo byN3otr3x

リュウゼツランは、原産地メキシコでは古くから食用にされてきました。食べられる多肉植物として有名なのはアロエですが、リュウゼツランは葉をアロエのように食することはありません。若い花茎をそのままサトウキビのように使ったり、樹液を発酵させたプルケというお酒が造られてきた歴史があります。

食用以外にも、葉から繊維を取るなど、リュウゼツランは生活の中で活用されてきました。

 

テキーラの原料としてのリュウゼツラン

Photo byphotobella

さまざまに活用されてきたリュウゼツランは世界的に有名なお酒、テキーラの原料になることが知られています。正確には、リュウゼツランのなかでもメキシコの限られた地域で生産された「アガベ・アスール・テキラーナ・ウェーバー」という種類のものが原料とされます。英語でBlue Agave(ブルー・アガベ)、現地メキシコではMaguey(マゲイ)もしくは単にアガベと呼ばれるものです。

テキーラ酒のでき方

Photo byCamiloCote

テキーラの原料になるのはリュウゼツランの葉ではなく、パイナップルのような地下茎の部分です。「ピニャ」と呼ばれ、糖分がたくさん含まれています。テキーラの原料にされるピニャは約40㎏にまで太く成長したもの。土から掘り起こしたら、まずはオーブンや圧力釜で蒸し上げて加熱されます。

加熱後細かく粉砕、水を加えた後にタンクで発酵させ、蒸留・熟成させたらテキーラ酒の完成です。

アガベ・シロップ

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お酒以外にも、リュウゼツランを原料とした食品があります。アガベ・シロップはその代表で、リュウゼツランの中でもブルー・アガベとアガベ・サルミアナの2種類を原料として作られます。

アガベ・シロップは非常に糖度が高く、水にも溶けやすいので、砂糖やはちみつの代わりに使うことができ、人気があります。血糖値の急激な上昇リスクを抑える健康食品としても注目されるシロップです。

リュウゼツラン(アガベ)の種類

リュウゼツラン(アガベ)には、観賞用の多肉植物として近年人気が高まっている品種がたくさんあります。多くが鉢植えの小型~中型サイズで楽しまれていますが、中には地植えにして大きく育てる人も。代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

リュウゼツラン(アガベ)の種類(1)チタノタ

チタノタ(Agave titanota)は、葉の縁にあるトゲが特徴的な中型のリュウゼツラン(アガベ)です。高い気温と強い日光を好みます。育てやすい夏型の品種で、人気があります。

チタノタの花

開花までに数十年かかり、花が咲いた後には枯れてしまいます。花の色は黄色で、高さ3m~6mの花茎を伸ばします。

リュウゼツラン(アガベ)の種類(2)アテナータ

アテナータ(Agave attenuata)はリュウゼツラン(アガベ)には珍しく、縁にトゲがありません。アテナータの葉は、固くとがった葉が多いリュウゼツラン(アガベ)のなかでは比較的柔らかく、葉色も淡い緑色~灰緑色でソフトな印象です。生長するにつれ茎を伸ばし、高さ1mほどになります。

アテナータの花

開花にはやはり10年以上を要し、開花後は枯れます。花色は淡い緑色、開花時に伸びる花茎は約4mもの長さです。

リュウゼツラン(アガベ)の種類(3)笹の雪

笹の雪(Agave victoriae-reginae)は古くから育てられている、丈夫で美しいリュウゼツラン(アガベ)です。肉厚な葉は深緑色で、表裏に鮮やかな白い模様が入っています。葉先にある黒くて短いトゲが危ないので、植える場所には注意しましょう。

笹の雪の花

開花時期になると、ロゼット状に広がる葉の中心から花茎を4~5mも伸ばし、花を咲かせます。花の色は淡い緑色~薄茶色。

リュウゼツラン(アガベ)の種類(4)雷神

雷神(Agave potatorum)には、斑の入り方や色味の異なるたくさんの園芸品種があります。小型種で、大きくなっても90㎝ほど。葉を美しいロゼット状に広げ、縁が波打ち葉先が尖った勇ましい姿が特徴です。

雷神の花


開花には20年~30年かかります。ごくまれにしか目にできない黄緑色の花は「神様の花」と呼ばれることもあるそうです。

リュウゼツラン(アガベ)の種類(5)姫乱れ雪

姫乱れ雪(Agave parviflora)は小型種で、放射状に細く伸びた剣状の葉に白い模様と黄色の斑が入ります。葉の縁にユニークな白い糸状の繊維をつけるのが特徴です。

姫乱れ雪の花

他のリュウゼツラン(アガベ)と比較すると花が咲くまでに要する時間が短く、開花すると枯れるので短命です。開花時期になると約1.5mの花茎を伸ばし、赤紫色のユニークな花を咲かせます。

リュウゼツラン(アガベ)の種類(6)吹上(ふきあげ)

吹上(ふきあげ、Agave stricts)はたくさんの細長い葉が放射状に直立してつくリュウゼツラン(アガベ)です。葉色は白みがかった灰緑色で、葉先のトゲは赤褐色から灰色になります。

吹上の花

吹上は大きく育つと株高50㎝にまで成長し、開花時期になると長い花茎を伸ばして花を咲かせます。花の色は白黄色で、花径3~4㎝の筒状花です。

リュウゼツラン(アガベ)の種類(7)アオノリュウゼツラン

アオノリュウゼツランは別名アメリカーナ(Agave americana)、リュウゼツラン(アガベ)の基本の品種です。自生地では3mを超えるほど大きく育つ大型種で、日本でも暖かい地域であれば戸外で地植えにすることが可能。テーマパークや公園などに植えられているのを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。斑入りの仲間があります。

アオノリュウゼツランの花

開花時期になると、長い花茎を伸ばし、先端に淡い黄白色の花を咲かせます。

リュウゼツラン(アガベ)の育て方

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ここからはリュウゼツラン(アガベ)の育て方について紹介しましょう。リュウゼツラン(アガベ)は総じて耐寒性・耐暑性に優れ、生長がゆっくりめの育てやすい植物です。日当たりのよい場所で乾燥気味に育てます。

リュウゼツラン(アガベ)は多くが春~夏に生育期を迎える夏型です。季節ごとに管理のポイントがありますので、春・夏・秋・冬に分けて育て方をご紹介します。

リュウゼツラン(アガベ)の育て方(1)春

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春(3月~5月)、気温が10度~25度の季節によく成長します。日当たりと風通しのよい屋外で栽培しましょう。水やりは1週間に1回のペースで行います。鉢土が乾き過ぎないように注意します。

春は植え替えや株分けに適した季節です。株元に子株ができているものは、ある程度大きくなったら切り離して植え直せば、簡単に増やすことができます。アロエと同じく太根タイプなので、根を乾燥させないよう気を付けましょう。

小苗への肥料

生長を促すため、春のこの時期に小苗に肥料を与えてもいいでしょう。1カ月に1~2回ほど薄い液肥を水やりの際に与えるか、有機質肥料を置き肥してやります。

リュウゼツラン(アガベ)育て方(2)夏


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6月~7月の梅雨時期は、雨のあたらない、風通しのよい場所で育てましょう。水やりは鉢土が乾いてから行いましょう。

梅雨が明けた7月~8月は、春と同じく戸外の日当たりと風通しのよい場所で育てます。小苗や斑入りの品種は直射日光に当てすぎると弱る場合があるので、必要に応じて遮光します。水やりは鉢土が乾いてから、1週間に1~2回を目安に。肥料は与えないでよいでしょう。

リュウゼツラン(アガベ)の育て方(3)秋

Photo by TANAKA Juuyoh (田中十洋)

9月~10月は、春と同じく生長が盛んな時期になります。日当たりと風通しのよい戸外で栽培し、水やりは1週間に1回を目安に行いましょう。春と同様、小苗を育てるための肥料を与えてもいいです。

リュウゼツラン(アガベ)の育て方(4)冬

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11月~3月、寒さに強い品種は戸外でも冬越ししますが、寒さに弱い品種は室内で管理します。水やりは鉢土が乾いてから暖かい日の午前中に与えます。与えた水が凍らないよう、寒冷地では水やり後や夜は室内に取り込むなどの対策をします。

寒さに弱い品種とは?

アテニア―タ、ベネズエラ、ホリダ、吉祥冠、雷神系の品種は冬は室内で栽培した方がよいでしょう。

寒さに強い品種とは?

吹上、リュウゼツランやアオノリュウゼツランなどアメリカーナ系、プミラ、吉祥天、笹の雪系は比較的寒さに強いので、関東以南であれば屋外で越冬できます。

リュウゼツラン(アガベ)まとめ

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以上、リュウゼツラン(アガベ)の特徴や種類、育て方についてご紹介してきました。テキーラの原料になったり、珍しい花の咲かせ方をしたりと、何かと話題になることの多い多肉植物ですね。

大型の品種は最終的なサイズがかなり大きくなるので、庭に植える際はスペースを必要としますが、鉢植えならば丈夫で美しいリュウゼツラン(アガベ)の魅力を気軽に楽しむことができます。ぜひ生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。

その他の多肉植物に興味がある方はこちらをチェック!

リュウゼツラン以外にも沢山の魅力的な多肉植物があります。他の多肉植物について気になる方は以下の記事を参照してみてください!詳しい育て方やお手入れの仕方が載っていて参考になりますよ!