検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

ユキノシタ(雪ノ下)の育て方!植え替え、剪定時期を紹介!愛らしい花の特徴も!

ユキノシタ(雪ノ下)とは名前通り、雪が降る冬でも青々とした葉を付けて越冬する常緑多年草です。真夏の日当たりの強い場所での栽培に注意すれば育て方は難しくありません。花弁の形と模様、虎のような特徴的な葉と、見てよし食べてよしのユキノシタの育て方をご紹介します。
2021年6月22日
ring-ring
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

目次

ユキノシタは育てやすい常緑多年草

出典:ライター撮影

ユキノシタ(雪ノ下)は、半日陰の湿った場所が好きで耐寒性があり、雪が降るような冷涼な地域でも育てられます。日本や中国などで自生し、山地や谷川べり、半日陰の岩場や石垣などの湿り気のある場所が好みです

日当たりのよすぎる場所を避ければ寒冷地の北海道でも栽培しやすく、ガーデニングでも人気があります。繫殖力が強いので増えすぎる点が心配ですが、浅根性のため簡単に除根ができる点も大きな特徴です。可愛い花を付けるユキノシタの栽培に挑戦してみましょう。(この記事は2021年6月17時点の情報です)

ユキノシタの基本情報

園芸分類 草花
原産地 日本・中国
科名 ユキノシタ科
属名 ユキノシタ属
開花時期 4月~6月頃
耐寒性 強い
耐暑性 弱い
耐陰性 強い

ユキノシタは湿り気のある山地や谷川べりに自生する植物のため、栽培するときは似たような環境を作ってあげれば育て方は簡単といえます。午後の日当たりが強くなる場所は避け、建物の陰になるような場所がよいでしょう。

半日陰の岩場などで自生するユキノシタは、ガーデニングの演出方法として大きめの岩を配置すると、自生地での自然の趣が出ますよ。

ユキノシタの外見的な特徴

ユキノシタの別名「虎耳草」は葉が由来

出典:ライター撮影

ユキノシタ(雪ノ下)には別名の「虎耳草」がありますが、虎耳草とは、葉脈に縞模様の斑が沿うように入っていることから名づけられたようです。さらに小さいトゲのようなうぶ毛も生えています。

葉は、根元にロゼット状に生える根生葉ですが、このように特徴的なために他の植物との見分け方は難しくありません。一見すると有毒そうに思えるかもしれない葉は、昔から薬用や食用としても活用されてきました。
 

民間薬や食用として利用されてきたユキノシタ

特徴的な葉は、乾燥させたり煎じたりして生薬として昔から"民間薬"として利用されてきたのです。葉の成分には、利尿作用があるとされる硝酸カリウムや塩化カリウム、健胃と下痢止めに期待できるベルゲニンなどが含まれているといわれています。

葉は薬用だけではなく、天ぷらやお浸し、ごま和えや辛し和えにするなど料理にも重宝する植物なのです。春をちょっと愛でたいときに、庭先に植えておくと楽しいですね。

ユキノシタの学名は“糸のような枝”が由来

出典:ライター撮影


ユキノシタ(雪ノ下)の学名は「stolonifera」ですが、「stolonifera」とは根際から葉が出る"根生目"という意味があります。地上を水平に這う赤いツルのような匍匐(ほふく)枝のことで、ランナーとも呼ばれています。

この糸のような匍匐(ほふく)枝先に円錐花序をつけて種を増やします。英名は「マザー・オブ・サウザンス(子宝草)」ですが、同様の由来でたくさんの種が増えることにあるようです。

特徴的なユキノシタの花

出典:ライター撮影

ユキノシタ(雪ノ下)は、20~50センチのひょろ長い茎の頭頂部から順番に特徴的な多くの花を付けます。5枚の花弁のうち、上の3枚は赤い斑模様が入り、下2枚は舌のように大きいのです。

ひょろ長い茎には、花茎を互生させます。「鴨脚草」との別名もあり、鴨脚草とは字のごとく折れ曲がった花茎を指しているようです。一見すると手首を垂れた人のようにも思え、可憐ながらもどことなくユーモラスなニュアンスが感じられます。

ユキノシタ属の仲間

日本に自生するユキノシタ(雪ノ下)属で、今回のユキノシタと花が似ているのは6種類です。ジンジソウ・ダイモンジソウ・ウチワダイモンジソウ・ナメラダイモンジソウなどで、いずれも花の形が「大」に似ているのが特徴

葉の形も特徴的で、多くは円形ですが、ウチワダイモンジソウは卵型、センダイソウは長楕円形となっています。園芸品種ではありませんが、山野で見かけることがあればいろいろな違いをチェックしてみましょう。

ユキノシタ科の仲間

ユキノシタ属はご紹介した6種類ですが、ユキノシタ科はさらに増えて多彩です。クモマグサ・ネコノメソウ・ズダヤクシュ・ヤグルマソウ・ヒューケラーなどが挙げられます。

一見すると同じ仲間には思えませんが、いずれも小花を付ける特徴があり、ユキノシタ科であることがうかがえます。植物の分類は難しいですが、細かい点を観察すると共通点が観えてくるかもしれません。いろいろなユキノシタについてもチェックしてみましょう。

ユキノシタの育て方の9ポイント

①ユキノシタは「土質」を選り好みしない

出典:ライター撮影

ユキノシタ(雪ノ下)は、適度な保水性と排水性があれば、どんな土質でもよく育つ植物です。市販されている園芸用土でも充分ですが、こだわる人は用土づくりも楽しんでください。

鉢植えのおすすめ用土は、赤玉土・軽石・鹿沼土の小粒で、等分にブレンドしてヤシ殻チップも少し加えるとよいといわれています。地植えは、腐葉土や川砂をブレンドして保水性と排水性を調整してください。

②ユキノシタの「種まき」は春か秋

ユキノシタ(雪ノ下)の種は一般的には市販されていないため、5月~7月の花が咲いた後に採取します。種まき時期は地域で異なり、3月~6月の春から初夏にかけてか、9月~11月の秋から初冬にかけてです。

種まきは、種が重ならないように育苗箱に丁寧に植えてください。乾燥させないように水やりにも注意しましょう。植え替えの時期は、本葉が2~3枚生えたときです。種まきをしてその年のうちに可愛い花にお目にかかれます。

③ユキノシタの「苗植え」は春から初夏


出典:ライター撮影

ユキノシタの苗を植えるコツは、庭への地植え・鉢植えともに気候条件の厳しい真夏と真冬を避ければOKです。しかしベストな時期は、3月~6月の春から初夏にかけてとなります。地植えする場合は、日当たりのよい場所は避け、半日陰から日陰の場所を選んでください。

鉢植えは、苗よりも一回りから二回りほど大きめの鉢に植え替えます。植えるときのコツは、深さ1~2センチメートルほどの穴を掘り、茎を横向きにして植えます。

④鉢のユキノシタは「植え替え」が必要

ユキノシタ(雪ノ下)は多年草花なので、数年間は同じ鉢で育てられますが、2~3年に一度は植え替えが必要です。植え替えの時期は春か秋で、ひと回り大きめの鉢に植え替えてあげましょう。

ユキノシタはどんどん根が伸びるため、植え替えないで放置しておくと鉢の中で根で絡まってしまい、次第に元気が失われてしまいます。庭に地植えする場合は植え替えの必要はありません。

⑤ユキノシタの「水やり」は適度でOK

出典:ライター撮影

ユキノシタ(雪ノ下)の水やりは、鉢植えの場合は表土が乾燥していたら、鉢底から水が流れ出るくらいにたくさん与えてください。表土が乾いていないのに水やりをすると根腐れの原因になるのでご注意ください。

庭に地植えした場合は、余ほどの日照不足でなければ水やりをしなくても構いません。基本的には、水やりに神経質にならなくてもよい植物です。

⑥ユキノシタの「肥料」は緩効性化成肥料

可憐な姿にも関わらず環境適応力が比較的高いユキノシタは、たくさんの肥料は要りません。肥料を与えすぎるとかえって徒長し、優雅な美しい姿が楽しめなくなります。

肥料を与えるタイミングは、植え付けや植え替えのときと開花時期の5月~7月までの1回です。方法は緩効性化成肥料を土に混ぜ込むだけでよく、充分に効き目があります。過保護にしなくてよい点もユキノシタの特徴です。

⑦ユキノシタの「剪定」は花後

ユキノシタ(雪ノ下)の剪定は、花が終わった後にします。根元から花茎を切り落とし、新しい株に植え付けて増やしましょう。ユキノシタは剪定をせずに放置しておくと、徒長して優雅さが失われるので剪定作業は忘れずに行ってください。

⑧ユキノシタの「増やし方」は株分け

出典:ライター撮影

ユキノシタ(雪ノ下)は株分けで簡単に増やすことが可能です。ユキノシタを株分けする時期は、春または秋となり、ユキノシタを植え替えするときに同時に行いましょう。

ユキノシタを株分けする方法は、植え替えの際に株を土から取り出し、手やナイフで半分ほどに分けてください。根の取り扱いも神経質になる必要がないため、安心して株分けを行えます。しかしあまり細かくし過ぎると発育が悪くなるので注意しましょう。

ユキノシタの増やし方は「根伏せ」もOK


ユキノシタ(雪ノ下)は、剪定した茎を3~4センチメートルほどに切って土に横にして置く「根伏せ」という方法でも増やせます。根伏せをしたあとは、土を軽くかぶせ、さらに乾燥しないように水やりをしてください。

これだけの作業ですが、少し経つとユキノシタの新芽が発芽します。毎日観察するのもユキノシタの根伏せによる増やし方の楽しみの一つなので、ぜひ挑戦してみましょう。

⑨ユキノシタの「整理」は根を手で抜く

ユキノシタ(雪ノ下)は根の張り方が浅いため、スコップや鍬などを使わなくても簡単に手で抜けるのもユキノシタのよい特徴です。

ユキノシタ(雪ノ下)は繁殖力が旺盛で、赤いツルのような匍匐(ほふく)枝を地面に這わせながら伸びていきます。匍匐枝をよく見ると新芽も出しており、とても元気な植物です。

ユキノシタが増えすぎた場合

ユキノシタが増えすぎた場合は、手で抜いてしまいましょう。他に植えたい場所があれば移植すれば簡単に根付きます。塀沿いや石油タンク下などの殺風景になりがちな場所に移植するのもおすすめです。

可憐な小花のユキノシタを愛でよう!

出典:ライター撮影

ユキノシタは半日陰などの湿った場所を好むため、住宅の陰などのデッドスペースでもよく育ちます。葉脈に沿って白い斑がある特徴的な葉は根元から生えるので、グランドカバーに最適。鉢植えは2~3年に一度植え替えますが、神経質になる必要はありません。

剪定は、花後に伸びすぎた花茎を切り落としましょう。植え替え時に合わせて株分けや根伏せをして増やせます。上手に育てて可憐な小花のユキノシタを愛でてくださいね。

ユキノシタの仲間が気になる人はチェック!

ユキノシタの仲間であるヒマラヤユキノシタやダイモンジソウが気になる人は、こちらも併せてチェックしてくださいね。詳しい育て方が紹介されてあるので、ぜひ栽培してみましょう!