ヒマラヤユキノシタってどんな植物?
ヒマラヤユキノシタは、ヒマラヤ山脈を原産とする多年草です。ヒマラヤユキノシタの草丈は、だいたい20~40センチくらいです。ヒマラヤユキノシタは、一度植え付けたらほとんど放任栽培でもすくすくと成長するので、ガーデニング初心者にもおすすめの植物です。庭に植えるほか鉢植えにしても素敵です。ヒマラヤユキノシタは地面を這うように育ちながら増えていくのでグランドカバーに最適です。ヒマラヤユキノシタの植え方やお手入れについて詳しく見ていきましょう。
ヒマラヤユキノシタの花の特徴
ヒマラヤユキノシタの花期は、3~4月頃です。花期になると、ピンク色のほか赤色や白色など品種によりさまざまな色の小さく可愛らしい花を咲かせます。ヒマラヤユキノシタの花期は、ほかの植物がまだ咲かない早春で、春を告げる花として有名です。
ヒマラヤユキノシタの葉の特徴
ヒマラヤユキノシタの葉っぱの色は、少し濃いグリーン色です。ヒマラヤユキノシタの葉っぱの形は楕円形で、肉厚です。重みのある大きめの葉っぱは、地面にはりつくような雰囲気で広がります。
ヒマラヤユキノシタの基本データ
科名属名
ユキノシタ科ヒマラヤユキノシタ属
学名
Bergenia stracheyi
和名
ヒマラヤユキノシタ
別名
大岩団扇(おおいわうちわ)、エレファンツイヤー
英名
Himalayan creeping saxifrage
原産国
ヒマラヤ山脈
ヒマラヤユキノシタの花名の由来
和名「ヒマラヤユキノシタ」の由来
ヒマラヤユキノシタという名前は、ヒマラヤを原産とするユキノシタ属ということから名付けられました。ちなみにユキノシタという名前は、早春に雪の下から花をのぞかせる花姿に由来します。
属名「Bergenia stracheyi 」の由来
ヒマラヤユキノシタの属名は、「Bergenia stracheyi」。「Bergenia」は、1700年代に活躍したドイツの植物学者カール・ベルゲンに由来するものです
別名「大岩団扇(おおいわうちわ)」「エレファンツイヤー」の由来
ヒマラヤユキノシタの葉っぱは、大きく楕円形をしていて存在感があります。その形はまるで大きなうちわのようであることから「大岩団扇(おおいわうちわ)」という別名がつけられました。またゾウの耳をイメージして「エレファンツイヤー」という面白い別名もつけられています。
ヒマラヤユキノシタの花言葉
ヒマラヤユキノシタには、5つの花言葉が存在します。いずれの花言葉もヒマラヤユキノシタの花姿や特徴からイメージされたもので、ポジティブな愛の言葉になっています。
花言葉1・深い愛情
ヒマラヤユキノシタは、花期になるとたくさんの小さな花が寄り添うように咲きます。そんな花姿から、「深い愛情」という花言葉が生まれました。
花言葉2・秘めた感情
ヒマラヤユキノシタは、花期以外は葉っぱだけが地面を這うように存在し、早春の花期になるとパっと明るく可愛らしい花を咲かせます。その姿から、「秘めた感情」という花言葉がイメージされました。
花言葉3・順応する
ヒマラヤユキノシタは、強い植物で多少日の当たらないような環境でも根っこを張り巡らせ、徐々に成長します。「順応する」という花言葉は、そんなヒマラヤユキノシタの特徴をあらわすものです。
花言葉4・忍耐
ヒマラヤユキノシタは、グランドカバーに最適で多少足で踏まれても、強く育ちます。また冬の寒いあいだはぐっと耐えて、春に可愛らしいピンクや赤の花を咲かせ、見るものを楽しませてくれます。そんなヒマラヤユキノシタの特徴から、「忍耐」という花言葉がつけられました。
花言葉5・情愛
ヒマラヤユキノシタは、花期になるとピンクの花をたくさん咲かせます。ひとつの花茎に小さな花をたくさんつける上、群生して育つため一面がお花畑のよう。ピンクの花々が咲き乱れる様子から、「情愛」という花言葉が生まれました。
ヒマラヤユキノシタの育て方1・土づくり
ヒマラヤユキノシタは、水はけのよい土壌を好む植物です。ヒマラヤユキノシタは強い植物ですが、唯一、じめじめとした多湿の環境を苦手とします。小粒の赤玉土に腐葉土を混ぜたものを準備しましょう。また、市販の草花用培養土や山野草用培養土を利用するのも便利でおすすめです。
ヒマラヤユキノシタの育て方2・肥料
ヒマラヤユキノシタは、ほとんど肥料を必要としません。とくに庭など地植えにしている場合は、放任栽培でよいでしょう。ヒマラヤユキノシタを鉢植えにしている場合は、成長の様子を見ながら必要であれば、春と秋に緩効性肥料を少し施すとよいでしょう。
ヒマラヤユキノシタの育て方3・水やり
ヒマラヤユキノシタには、あまり水やりの必要はありません。庭などに地植えしている場合は、自然の雨だけで充分です。ヒマラヤユキノシタを鉢植えにしている場合は、植えている土の表面が乾いて数日たってから少し水やりする程度でよいでしょう。逆にあまり水やりをしすぎて、多湿の環境になるのはよくありません。
ヒマラヤユキノシタの育て方4・場所
ヒマラヤユキノシタは、強い植物です。日当たりのよいところはもちろんのこと半日陰の場所でもすくすく育ちます。乾燥にも強いので、ほかの植物を栽培できないような石垣の隙間に植え付けるといった植え方もおすすめ。また寂しくなりがちな軒下などでも栽培することができます。ヒマラヤユキノシタは植え方も簡単でじきに根付きます。ただし、ヒマラヤユキノシタはじめじめとした多湿の環境が苦手なので注意しましょう。
ヒマラヤユキノシタの育て方5・植え付け
ヒマラヤユキノシタの植え付けに適した時期は、4~6月もしくは9~10月ごろです。育苗ポットや鉢植えからヒマラヤユキノシタの苗をぽこんと抜き取ります。根茎が地表に出るよう寝かせながら植え付けるのが植え方のポイントです。植え付けの際には、ヒマラヤユキノシタの芽をよく確認しながら、浅く鉢植えするのが植え方のもうひとつのポイントです。ヒマラヤユキノシタの苗を植え付けたら、しっかり根付いて安定するまで、風通しのよいところで管理しながら水やりを続けましょう。
ヒマラヤユキノシタの育て方6・植え替え
ヒマラヤユキノシタを地植えにしている場合は、ほとんど植え替えの必要はありません。ヒマラヤユキノシタを鉢植えにしている場合は、根詰まりを防ぐため定期的な植え替えが必要です。ヒマラヤユキノシタの植え替えに適した時期は、4~6月もしくは9~10月ごろです。
鉢植えの植え替えの方法
これまでよりひとまわり大きな鉢を準備します。植え替えたいヒマラヤユキノシタの株を鉢から抜き取ったら、手で軽く根っこをほぐします。土を入れた新しい鉢に植え替えたい株を植え付けます。植え付けた株がしっかり根付いて安定するまで、風通しのよいところで管理しながら、水やりなどの手入れを続けましょう。植え替えの際に一緒に株分けするのもおすすめです。
ヒマラヤユキノシタの育て方7・剪定
ヒマラヤユキノシタは、強い植物ですが多湿の環境が苦手なので、こまめにお手入れをして蒸れを防ぎましょう。
花がら摘み
ヒマラヤユキノシタは、花期になると次々と花を咲かせます。咲き終わった花がらをこまめに摘み取りお手入れします。花がら摘みは、見た目を美しく保つだけでなく、ヒマラヤユキノシタの蒸れを防ぎ害虫を予防する効果があります。
枯れ葉取り
ヒマラヤユキノシタは、冬の寒さにあたると葉っぱが枯れることがあります。葉っぱが枯れたからといって株全体が枯れているわけではなく、春になるとまた可愛らしい花を咲かせます。花が咲く少し前に、枯れた葉っぱを取り除いてお手入れしましょう。
ヒマラヤユキノシタの育て方8・病気
ヒマラヤユキノシタは、ほとんど病気の心配はありません。ただし、ヒマラヤユキノシタは多湿の環境が苦手です。水はけの悪いところで栽培すると、根腐れを起こして枯れることがありますので植え方に注意しましょう。
ヒマラヤユキノシタの育て方9・害虫
カイガラムシ
ヒマラヤユキノシタには、カイガラムシが発生することがあります。カイガラムシは春から夏にかけての暖かい時期に発生しやすい害虫です。カイガラムシは群生してヒマラヤユキノシタの葉っぱや茎に寄生して、ヒマラヤユキノシタの栄養分を吸い取ってしまいます。ヒマラヤユキノシタの花がら摘みなどのお手入れの際に、よく観察しましょう。もしもカイガラムシを見つけたら、すみやかに駆除しましょう。ただし、カイガラムシはとても硬い殻で覆われた害虫で、市販の殺虫スプレーを吹きかけてもあまり効果がありません。カイガラムシの駆除には、ブラシを使って直接こそご落とすのが一番効果的です。
ナメクジ
ヒマラヤユキノシタには、ナメクジが発生することがあります。ナメクジは梅雨時期などのじめじめとした時期に発生しやすい害虫です。ナメクジは大食漢なので、あっという間にヒマラヤユキノシタを食べつくしてしまうこともあります。栽培しているヒマラヤユキノシタをこまめにお手入れしながら、ナメクジを見つけたらすみやかに駆除しましょう。
ヒマラヤユキノシタの増やし方1・種まき
ヒマラヤユキノシタのひとつめの増やし方は種まきです。ただし、ヒマラヤユキノシタは種まきしてから開花までおよそ3年かかります。また、園芸品種のヒマラヤユキノシタには種が実りにくく採取しにくいことも多いので、種まきによる増やし方はかなり難易度が高いでしょう。
ヒマラヤユキノシタの増やし方2・株分け
ヒマラヤユキノシタのふたつめの増やし方は、株分けです。ヒマラヤユキノシタは一株植えておくとどんどん根茎を伸ばし増えていきますので、株分けによる増やし方が一般的です。ヒマラヤユキノシタの株分けに適した時期は、4~6月もしくは9~10月ごろです。栽培しているヒマラヤユキノシタを掘り起こします。掘り起こしたヒマラヤユキノシタの根茎を、手や清潔なハサミなどで切り分けます。その際、芽が均等に分かれるようにしましょう。切り分けたヒマラヤユキノシタをそれぞれ、鉢や庭に植え付けましょう。植え付けた株がしっかり根付いて安定するまで、風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。
ヒマラヤユキノシタの増やし方3・根伏せ
ヒマラヤユキノシタの増やし方としては、根伏せという方法があります。根伏せとは、短く切った根茎を土に埋めて増やす方法です。ヒマラヤユキノシタの根伏せによる増やし方に適した時期は、3~4月ごろです。栽培しているヒマラヤユキノシタを掘り起こし、太い根茎を5センチくらいに切り分けます。切り分けた根茎を土を入れた育苗ポットや鉢に埋めます。新芽が出て根っこが安定するまで、風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。
ヒマラヤユキノシタは植え方や育て方が簡単
早春に、鮮やかなピンク色や赤、白色の花を咲かせ、春を知らせてくれるヒマラヤユキノシタ。日のあまり当たらないところでもすくすく育つのでガーデニングに重宝します。植え方や育て方も簡単で、肥料もほとんど必要ありません。ヒマラヤユキノシタは、一度根付くとどんどん根茎を伸ばし増えていくので、春にお花畑のような光景を見られますよ。
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