新型グロムのツーリング性を検証!はじめに
かっこかわいいレジャーバイクの走り
ホンダのグロムは幅広い層のライダーに人気のあるレジャーバイクです。コンパクトな車体サイズは通勤や通学などの街乗りで扱いやすく、排気量なりのパワー感は初心者でも手ごわさを感じさせません。かっこかわいいデザインやカスタムパーツの豊富さも魅力です。
今回は走りの内容はもちろん、レビューも交えてグロムのツーリング性を検証します。なお、この記事は2021年6月25日現在の情報をもとに作成しますことをご了承ください。
新型グロムJC92
グロムは2013年の6月に販売が開始され、2014年に小変更、2016年にデザインを変更するマイナーチェンジが施されました(型式:JC61)。2021年の3月に行われたマイナーチェンジではエンジンとデザインを一新し、型式名も変更されています(型式:JC92)。
グロムのレースベース車も登場し、走りに期待するライダーも多いことでしょう。その反面、ツーリング性がスポイルされているかが心配になりますね。
グロムがツーリングに適した車種かも検証!
上質な走りに期待するならCB125R、ツーリング性に期待するならカブ系やスクーター、そう考えるのが正攻法なのは事実です。
しかし、小さくてかわいい車種を使い倒したくなるのがホンダファンの性。長距離ツーリングの絶景ワインディングロードで「バイクが好きだ!」と叫びたくなる、グロムはホンダファンにとって最高のバイクなのです。
では本題!まずは新型グロムの走りについて、スペックシートを確認しましょう。
新型グロムのツーリングでの走り
モデルチェンジでの変更点
新型グロム(JC92)の大きな変更点は①エンジンのロングストローク化②5速トランスミッションの採用③フラットシート、この3点です。
グロムはホンダらしい正統進化を遂げたといえます。ライダーは1台のバイクでいろんな楽しみ方をする、それがホンダの姿勢です。
レースを前提に最高の走りを求めたもいえますが、それが結果的にツーリング性を高めました。排気量が小さいバイクは扱いやすいほど速く走れるのです。
ココが最高!エンジン
新型グロム(JC92)にはロングストロークエンジンが搭載され、体感的なトルクが高められています。また、わずかに最高出力や最大トルクを発生させるエンジン回転数が高められました。
エンジンをロングストローク化して回転数を高めるのは逆行的な変更。ツーリングでの寛容度は増したと推し量れます。懐の深いエンジンになりましたので、道路の状況が刻々と変化するツーリングでも、きついと感じることは少ないですね。
ココが最高!5速トランスミッション
新型グロム(JC92)の大きな変更点は5速トランスミッションの採用です。排気量125ccの限られたパワーを、効率よく速度へ変換できるようになりました。速度域が低い狭路や舗装林道でも走りを楽しめる設定です。
旧型グロム(JC61)は4速でしたので、5000rpmから7000rpmのパワーバンドを意識しないとシフトアップで失速したり、シフトダウンでエンジンブレーキが効きすぎたりする可能性があったのです。
ココが最高!フラットシート
新型グロム(JC92)はフラットシートに変更されました。前期型JC61のシートに近い形状です。後期型JC61は段付きのシートでしたので、カスタムパーツのフラットシートに需要があったのでしょう。
体格が大きなライダーでも乗車姿勢を決めやすいですね。ツーリングでお尻が痛くなっても、シッティングポイントをずらしながら走行距離を稼げます。また、お尻でシートを押してリヤタイヤに荷重を加えやすいのもメリットです。
新型グロムのツーリングでのサイズ
コンパクトな車体の影響
グロムのコンパクトで軽量な車体はツーリングでも活躍します。コンパクトなサイズからは想像できないほどハンドリングに安定感があり、長距離ツーリングもOKです。
また、新型グロム(JC92)のWMTCモード値燃費は68.5km/Lと125ccクラス最強!コンパクトで軽量な車体サイズが燃費を押し上げ、満タンからの走行距離は411kmです。グロムが腹ペコになる前に、ライダーが力尽きてしまう燃費だといえます。
機動性の高さを活かしてグロムツーリング
グロムはコンパクトな車体サイズがツーリングの質を高めてくれるバイクです。好奇心に誘われるがまま散策するツーリングでも、躊躇なく狭路や舗装林道へ進めます。
少しのスペースがあればバイクを停められますので、バイクにまたがったまま景色を眺めたり、込み合うツーリングスポット巡りをしたりするのにもおすすめです。
市街地をメインにカフェ巡りをしたり、駅前駐車場に預けて商店街を散策したりするツーリングも楽しめます。
キャンプツーリングはきつい!
グロムはリヤシートが短いので、荷物をたくさん積載するツーリングには工夫を要します。車体サイズによる疲労よりも、積載性がきついですね。
グロムに荷物を積載してツーリングを楽しむライダーの多くは、リヤキャリアを追加しています。リヤボックス+ザックというスタイルもありです。しかし、普段使いのバイクで長距離ツーリングをしてこそホンダスピリッツ!荷物の積載に試行錯誤するのもツーリングの楽しみ方です。
荷物をたくさん積載するときの注意
グロムの灯火類はリヤシート後端の真下にありますので、荷物をたくさん積載するとテールランプが隠れる恐れがありますので注意が必要です。SUVやトラックなどの背が低い自動車から確認しにくくなります。
また、グロムはシートを外さないとヘルメットをホルダーにかけられません。荷物を積載するツーリングでは、別途ヘルメットホルダーを追加したいですね。
新型グロムのレビュー
新型グロム(JC92)のレビュー動画を参考に、サイズ感、トルク感、乗り心地を確認します。
辛口レビューを期待するならプロライダーよりもユーチューバーの動画がおすすめです。ここでは紹介できませんでしたが、「旧型グロム(JC61)で課題となっていたリヤサスの固さは改善されている」というレビュー動画も見かけました。
ツーリングライダーのレビュー動画
試乗レビュー動画:加速と軽さが最高!
新型グロム(JC92)をレンタルで試走したライダーのレビュー動画を紹介します。グロムはサイズがコンパクトであるにも関わらず、身長が178cmの長身ライダーが乗ってもきついとは感じないとのこと。
初期制動力の緩やかなリヤブレーキ、遠く感じるスピードメーター、若干重いクラッチを指摘されています。ちなみに、続編ではトンネル巡りツーリングの様子が収録されており、燃費は59.2km/Lでした。
試乗レビュー動画:走りを学べるバイク
新型グロム(JC92)をレンタルで試走したライダーがおもしろおかしくレビューする動画を紹介します。狭い峠道を何速で走行しているかをリアルに解説した中盤が見どころです。
中盤後半では、ブレーキングでのフロントサスの沈み込みを確認できます。旧型グロム(JC61)はフロントサスが柔らかく、レースでのシビアな走りではチューニングが必要でした。ちなみに、フロントサスのカスタムパーツは新旧で共通です。
オーナーレビュー動画:長距離でも問題なし!
新型グロム(JC92)が納車され、慣らし運転終了後に収録されたレビュー動画を紹介します。
旧型グロム(JC61)は長距離ツーリングでお尻が痛くなりやすいというレビューが多かったのですが、新型グロム(JC92)は一日400kmの走行距離でも大丈夫だったとのこと。
荷掛フックがないので荷物の積載はきついとのことですが、以前所有の大型バイクで使用していたサイドバッグを装着した静止画像が挿入されています。
新型グロムのツーリング性を検証!まとめ
走りとツーリングの両立
新型グロム(JC92)はホンダらしい正常進化を遂げました。走りの性能を高めた変更が、結果的にツーリング性も高めたといえます。
旧型グロム(JC61)はパワーバンドをキープした走りを楽しめますが、ツーリングでは扱いやすいほうが嬉しいですよね。
荷物の積載性は工夫次第でクリアできます。ツーリングに適した仕様に育てる楽しさがあるのもグロムの魅力です。
ツーリングが気になる人はこちらをチェック!
サイドバッグは荷物の重心を下げられるだけでなく、バイクのシルエットバランスを崩しにくくなります。サイドバッグを紹介する記事をチェックしてくださいね。
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出典:ライター作成