広い北海道だからツーリングルートも豊富!
北海道の面積は日本国土の22パーセントを占めており、83,450キロ平方メートルと最大です。人口は全国8位の約520万人ですが、人口密度は日本で最も低い約68人。少しさみしく感じられますが、それゆえ原生的な自然が多く残され、ツーリングにおすすめな数多くのスポットがあるといえます。
北海道エリアは大まかに道央・道南・道東・道北に分けられ、それぞれに特徴的です。エリアごとの魅力的なツーリングスポットについてまとめたのでご参考にしてくださいね。(この記事は2021年6月5日時点の情報です)
北海道のツーリングルート:道南2選
①函館と小樽をつなぐ追分ソーランライン
北海道の道南を走る追分ソーランラインは、日本海沿に函館から小樽までをつなぐ国道228号・229号・5号の総称で、約466キロメートルの絶景ルート。トラピスト修道院や北海道最南端の白神岬や松前町を観光し、渡島大島・小島、奥尻島を眺めながらニシン漁でにぎわった村々を北上します。
せたな町の峠まではほぼ海沿いで、見どころは三本杉岩・親子熊岩・弁慶の刀掛け岩などの奇岩怪石。特にせたな町の親子熊岩は、海に沈む夕日を背に撮影すると抜群の雰囲気です。
北海道ツーリングスポットのモデルコース
■1日目~函館(約90㎞)→観光:白神岬(約10㎞)→観光:松前(約65㎞)→観光:江差(約80㎞)→昼食:せたなで名産のあわび料理など(約120㎞)→宿泊:岩内リゾートパークオートキャンプ場
■2日目~岩内(約60㎞)→観光:積丹・神威岬(約15㎞)→観光と昼食:積丹岬・島武意海岸(約40㎞)→観光:余市ニッカウィスキー工場など(約30㎞)→小樽
②恵山・鹿部の噴火湾裏ツーリングルート
函館から大沼エリアへの一般的ルートは、北海道の主要国道である5号です。しかし北海道ならではのツーリングを楽しむならば、交通量の少ない裏ルートの国道278号・635号・231号がおすすめ。晴天時は汐首岬から17キロメートルほど先に青森県大間、鹿部からは羊蹄山や室蘭が観えます。
ツツジで有名な恵山のミニ登山や人気の野天風呂の水無海浜温泉、南茅部の縄文遺跡や鹿部の間欠泉などの見どころも。宿泊は駒ケ岳山麓の大沼湖畔のキャンプ場がおすすめです。
北海道ツーリングスポットのモデルコース
■函館(約30㎞)→汐首岬(約25㎞)→観光:恵山(約20㎞)→水無海浜温泉(約25㎞)→南茅部(約20㎞)→鹿部(16㎞)→大沼公園
北海道のツーリングルート:道央3選
①牧歌的な支笏・洞爺ツーリングルート
北海道の中央部で人気の湖は、原生的自然が残る支笏湖やにぎやかな温泉街がある洞爺湖です。札幌から支笏湖への最短ルートもおすすめですが、牧歌的な雰囲気の国道274号・337号・道道16号線のルートも人気。
長沼の田園や千歳の牧場地帯を抜け、清流の美々川を眺めながら森林道路に入ります。所によって色が異なる支笏湖を観光した後は国道453号で洞爺湖へ南下。白絹の床と呼ばれる長流川や渓谷沿いの露天風呂、果樹園の景色を楽しみながら洞爺湖に到着です。
札幌からのツーリングルートは約7㎞の湖岸道路
札幌の南区から支笏湖へのツーリングルートは、湖に下りてから約7キロメートル続く湖岸沿いの道路。晴天時には恵庭岳・風不死岳・樽前山がきれいに眺められるので、初めて支笏湖に行く人におすすめです。北海道の夏らしい爽快感を味わえることでしょう。
北海道ツーリングスポットのモデルコース
■札幌(約40㎞)→長沼・道の駅マオイ(約20㎞)→観光:世界遺産候補のキウス周堤墓群(約45㎞)→観光:支笏湖(約90㎞)→洞爺湖
②ワインディングのニセコパノラマライン
ニセコパノラマラインは積丹半島西側の岩内町と洞爺湖をつなぐ道道66号の一区間で、岩内からニセコまでの約40キロメートルのワインディングロードを指しています。標高差は600~800メートルもありますが、距離が長いので北海道らしい豪快さが感じられるゆるやかさです。
晴天時には羊蹄山やニセコ火山群、日本海などの絶景が眺められる、広葉樹林の濃淡が美しいルート。周辺には五色温泉や雪秩父などの名湯もあるので、北海道でのツーリングの疲れを癒しましょう。
北海道ツーリングルートのモデルコース
■岩内(約20㎞)~観光:神仙沼(約9㎞)→温泉:雪秩父(約15㎞)→ニセコ ※雪秩父を戻り道道66号から、ニセコ火山群のイワオヌプリとニセコアンヌプリの間の道道58号も、北海道らしい山間の爽快なルートです。
③富良野・十勝岳スカイラインツーリングルート
北海道の観光地として大人気の富良野・美瑛は北海道のツーリングルートでも鉄板ですが、北海道が誇る山岳の絶景地、十勝岳スカイラインも外せません。
札幌から三笠市の道道917号・山中の国道452号・道道135号を抜けて富良野市へ。国道237号を上富良野まで進み、道道291号で十勝岳温泉にツーリング。国民宿舎で温泉に浸かり、十勝岳スカイラインで十勝岳登山の拠点である望岳台へ。富良野市街からも眺望できる十勝岳連峰が眼前に迫る、北海道らしい絶景です。
白金温泉から美瑛の丘めぐりツーリングルート
十勝岳スカイラインを通って美瑛町の白金温泉に下りたあとは、有名な青い池がある白樺街道を美瑛の街中にツーリングします。一旦上富良野に戻り、畑の中にある4.5キロメートルのアップダウンの激しい直線道路"ジェットコースターの道"へ行きましょう。
北海道のツーリングならではの心地よい風を感じられるまっすぐな道は、間違いなく北海道の醍醐味を感じられるはず。美瑛町から旭川へ抜けるルートは、交通量の少ない道道580号もおすすめのツーリングルートです。
北海道ツーリングルートのモデルコース
■札幌(約90㎞)→三笠市・桂沢湖(約80㎞)→観光:富良野(約32㎞)→宿泊:十勝岳温泉(約9㎞)→十勝岳望岳台(約5㎞)→美瑛・白金温泉(約23㎞)
北海道のツーリングルート:道東4選
①サロマ湖・オホーツク海ツーリングルート
北海道で一番大きいサロマ湖を楽しみながら、国道238号のルートからスタートして知床半島を目指すツーリングルート。網走市街で国道244号、斜里町で国道334号に合流しながら知床にアプローチ。途中に小清水原生花園や斜里町の"天に続く道"、オシンコシンの滝などの見どころもあります。
斜里町の街に少し入りますが、満天の星空が美しい"宇宙展望台"への寄り道観光もおすすめです。オホーツク海の風は、北海道の夏ならでは最高の爽快感を味わえることでしょう。
北海道ツーリングルートのモデルコース
■サロマ湖(約60㎞)→網走・能取岬(約20㎞)→小清水原生花園(約30㎞)→斜里・天に続く道(約25㎞)→知床・オシンコシンの滝(約30㎞)→知床ウトロ地区
②オホーツク海・知床横断道路ツーリングルート
オホーツク海の風を楽しみながら、ツーリングスポットの聖地でもある知床半島へ。北海道の秘境スポットでもあるカムイワッカ湯の滝や知床五湖もツーリングしましょう。ウトロのあとは羅臼町までの27.3キロメートルの知床横断道路へ。
絶景スポットの知床峠からは眼前の羅臼岳やウトロ、天候が良ければ北方領土の国後島も観えます。ツーリングの醍醐味である野天風呂の熊の湯も楽しみましょう。羅臼市街から道道87号を北上した行き止まりにあるセセキ温泉も必入浴です。
北海道ツーリングルートのモデルコース
■ウトロ→カムイワッカ湯の滝(約25㎞)→知床五湖(約11㎞)→知床峠(約16㎞)→羅臼(約22㎞)→セセキ温泉
③地平線の展望と釧路湿原ツーリングルート
北海道の広さを感じられるのが、牧草地帯にある地平線の展望が素晴らしい開陽台や多和平、そして釧路湿原です。北海道有数の酪農地帯の標津町には直線的なミルクロードがあり、ほぼ全周の地平線を見渡せる標高270メートルの開陽台へ続いています。
多和平は1,500ヘクタールの牧場にあり、ぐるりと地平線が眺められます。釧路湿原には3か所の展望台がありますが、ツーリングにおすすめなのは未舗装の穴場、コッタロ湿原展望台です。北海道の雄大さを感じましょう。
北海道ツーリングルートのモデルコース
■標津町(約30㎞)→開陽台(約40㎞)→多和平(約60㎞)→釧路湿原 ※タンチョウヅルは釧路湿原だけではなく、ツーリングルートの畑などでもエサをついばんでいる様子が観られます。
④大分水嶺がある三国峠ツーリングルート
国道273号にある標高1,139メートルの三国峠は北海道最高地点の峠で、石狩・北見・十勝の三つの"国"の境界でもあります。さらに、日本海・太平洋・オホーツク海に流れ出る3つの河(石狩川・十勝川・常呂川)の大分水嶺でもあり、特別なスポットなのです。
三国峠からは、ウペペサンケ山やに二ペソツ山などの裏大雪、樹海から生え出たような高い橋脚の上にある松見大橋が望めます。下ると、糠平湖に架かるダムの水位によって見え隠れするタウシュベツ川橋梁です。
北海道ツーリングルートのモデルコース
■層雲峡温泉(約20㎞)→三国峠(約30㎞)→タウシュベツ橋梁(約12㎞)→糠平湖温泉街(約30㎞)→然別湖
北海道のツーリングルート:道北2選
①石狩市から稚内までの日本海オロロンライン
日本海オロロンラインは、札幌に隣接している石狩市の石狩川河口付近から稚内までを南北につなぐ道路の総称です。国道231号・239号・232号・40号から成り、約290キロメートルあります。多くの道路が日本海の景色を楽しみながら最高の気分でツーリングできることから、夏に人気のルートなのです。
険しい断崖の絶景、風力発電の施設群、広大なサロベツ原野、遠望できる天売島・焼尻島、利尻島・礼文島など、次から次に魅力的な美しい景色が広がります。
道道106号の宗谷サンセットロード
日本海オロロンラインの国道232号は、天塩町から内陸に入って幌延町で国道40号と合流します。しかし海岸線をツーリングするならば、地図でもわかるように海岸線を直進する宗谷サンセットロードの道道106号に進みましょう。交通量が少ないので雄大な風景の写真撮影も楽しめます。
サロベツ原野のエリアに入ると、やがて利尻島が観えてきます。左右に広がる広大な草原ではセリ科植物のエゾニュウだけがニョキッと背を伸ばし、何とも言えない独特な景色が魅力的です。
北海道ツーリングルートのモデルコース
■1日目~石狩市(約80㎞)→観光:増毛町雄冬岬展望台(約30㎞)→昼食:増毛町で甘エビなどの海産物料理で昼食(約70㎞)→宿泊:羽幌サンセットビーチキャンプ場(無料・近くに道の駅併設の日帰り入浴できる温泉ホテルあり)
■2日目~羽幌→(約95㎞・天塩から道道106号)→観光:サロベツ湿原センター(約50㎞)→観光:ノシャップ岬(約5㎞)→稚内市
②宗谷岬と丘陵のオホーツク海ツーリングルート
稚内からの国道238号は、天気がよければサハリンも望める絶景スポット。まずは、見どころとして外せない観光地の宗谷岬と絶景の宗谷丘陵のある宗谷周氷河ロードへ。
再び海岸線の国道238号に戻り、撮影ポイントでもある、電柱や看板のない海岸近くの「猿払村林道エサヌカ線」からサロマ湖に南下するルートを進みましょう。ホタテの水揚げ日本一の猿払村でホタテご飯の昼食、浜頓別の原生花園や鍾乳洞などの魅力的な見どころもあります。
北海道ツーリングルートのモデルコース
■稚内市(約30㎞)→観光:宗谷岬(約7.3㎞)→観光:宗谷丘陵→(約35㎞・エサヌカ線)→昼食:猿払村(約35㎞)→観光:浜頓別(約80㎞)→観光:雄武町日の出岬(約100㎞)→サロマ湖
北海道ツーリングの注意点は速度とエゾシカ
速度には充分に注意を!
北海道の道路は国道も道道も広くてまっすぐなため、とても走りやすいといえます。その反面、快適なあまり速度を出し過ぎて事故も起きやすいのです。
不思議なことですが、見通しのよい交差点での事故も散見されます。自分側に一時停止の標識がある場合でも、念には念を入れて速度を緩めましょう。
山間部ではエゾシカとの衝突に注意!
北海道の山間部にある道路は、早朝や夕暮れ時にはエゾシカが道路に飛び出してきます。シカに衝突すると、乗用車はもとより大型バスでも大破することがあるのです。万が一のことを考えて、道路脇にも充分に目配りをしてください。
未舗装の林道などの悪路もあり、このようなツーリングルートにおすすめバイクのジャンルは、アドベンチャ・ビッグスクーター・オフロードなど。バイクを未購入の人は、北海道の悪路でも走行できるおすすめバイクを確認しておきましょう。
爽快な気分になれる北海道でツーリングしよう!
夏の平均気温が21.7℃の北海道のツーリングは、晴天時には最高の気分を味わえます。特に人気のツーリングルートは、絶景続きの日本海やオホーツク海のエリア。それぞれ魅力的な見どころも点在し、甲乙つけがたいのです。
おすすめバイクは、未舗装の林道をツーリングすることも考えてアドベンチャーやビッグスクーター、オフロードなど。広い北海道は迷いやすい道もあるので、事前に地図でしっかり確認してくださいね。もちろん地図も忘れずに持って出かけましょう!
北海道の野天風呂が気になる人はこちらをチェック!
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