ブルーベリー収穫の喜びを体験しよう
ブルーベリーはジャムやシロップに人気の果実です。加工されたり冷凍されたりしたものは多く出回っていますが、生で食べる味も格別!
家庭でも比較的簡単に栽培できるため、収穫の喜びを気軽に楽しめる果実でもあります。そんなブルーベリーの育て方についてチェックしていきましょう。
しっかり選ぼう!ブルーベリーの系統
ブルーベリーの栽培種は日本だけでもゆうに100を超えます。しかし、その100種も大きく2つの系統に分類か可能です。
系統によって耐寒性の違いが大きくあります。そのため、寒冷地でのブルーベリー栽培を検討している人は苗の系統選びが重要です。
系統①ハイブッシュ
ハイブッシュ系の特徴
- 寒さに強いので寒冷地での栽培に適する
- ノーザンハイブッシュ系統はとくに耐寒性が強く-20℃まで耐える
- サザンハイブッシュ系も-10℃までは耐える
- 夏の暑さは蒸れには苦手なので関東以西の栽培は厳しい
果実は大きなものをつける傾向にあり、味は酸味が強いといわれています。樹形も暴れにくく、コンパクトに仕立てられ、管理しやすいでしょう。葉も小さめで、ツルツルとした見た目をしています。
系統②ラビットアイ
ラビットアイ系の特徴
- 熟す直前の果実は「うさぎの目」のように赤くなる
- ハイブッシュ系のように耐寒性は高くない
- アメリカ南部の野生種から品種改良されたため暑さに強く、関東以西の栽培に適する
ラビットアイ系の実は甘く、酸味が少ないのが特徴。ただし、ハイブッシュ系よりも口触りはややごわつくといわれています。樹形に勢いがあり、やや暴れやすい性質です。つぎつぎと新しい葉が吹き出してよく茂ります。
ブルーベリーの育て方
100種を超えるブルーベリーですが、基本の育て方は共通したものです。ほかの園芸植物や果樹と違う点は土壌pHがあげられるでしょう。ブルーベリーは初夏~夏にかけて収穫期を迎えます。収獲するまでの育て方、翌年も収穫するための苗の管理方法について解説します。
育て方①用土
ブルーベリーを栽培するには酸性の土壌が必須です。日本のほとんどの土壌は中性~弱アルカリ性といわれています。そのため、植え付けの際には土壌pHを下げ、酸性にする工程が必要です。
ブルーベリー栽培用に酸性土壌に調整された専用の土を使うのも簡単でおすすめ。地植えで栽培する場合はたっぷりとpH未調整のピートモスをブレンドします。
【生育のコツ】苗は2つ以上植える
ブルーベリーを大量穫したいときは、同じ系統で違う品種のものを複数植えましょう。ただし、近くに植えたほうが受粉率もよくなるとはいえ、苗の成長を考え、株間は1m以上空けましょう。
育て方②植える場所・日当たり
ブルーベリーは日当たりのよい場所に植えます。ベストといわれている植え付けの時期は葉を落とし、苗が休眠する秋~初春です。ただし、霜が降りるような寒冷地では植えたばかりの苗が寒さで弱ってしまうので、厳寒期は避けましょう。植え替えの時期も同様です。
育て方③水やり
土の表面が乾いたらたっぷりと水やりします。プランターの場合は底から水が染み出てくるまで、地植えの場合は根の先端までしっかりと水を届けるイメージで十分に与えましょう。
ブルーベリーは日当たりのよい場所に植えるため、西日などにさらされると土の表面が頻繁に乾くことがあります。そんなときは株の根本にワラやウッドチップ、堆肥を敷きましょう。
育て方④肥料
植え付ける際に、土に堆肥や有機肥料、緩効性化学肥料などを元肥として与えておきます。それ以外に追肥として、ブルーベリーの花が咲く初夏と、果実を収穫した後が施肥のタイミングです。追肥は液肥などの即効性の高いものを選びます。
育て方⑤剪定
ブルーベリーの実を多く収穫するためにも、健康な苗を育てるためにも剪定は重要な手入れです。剪定時期は大きく年2回。5~6月にする枝ぶりを増やすための摘心と、株を大きく切り戻して来年に備えるための剪定です。
摘心の方法
摘心とは成長している枝の先端を切ることで、脇芽を増やし、枝を茂らせる剪定方法です。摘心することでブルーベリーの枝が増え、収量がアップします。その年の春によく伸びた枝を選び、枝先を切り戻します。
摘心する時期は5~6月。それ以降におこなうと来年の芽を摘んでしまう恐れがあるため、7月以降に摘心は行いません。
【生育のコツ】ひこばえは残す
あらゆる樹木から徒長枝の一種であるひこばえは出ます。剪定ではひこばえは切るのが基本です。
しかし、ブルーベリーは、枝を「更新」して生育する植物です。すでにある枝の成育が落ち込んだときにそちらを根元から切り落とし、ひこばえを主流の枝として育てていくことを「更新」と呼びます。
新しい枝に更新することで、ふたたび生育スピードがのり、健康な株に育ちます。
育て方⑥収穫
ブルーベリーの収穫時期は品種にもよりますが6月~8月頃。白い花のあと、ライトグリーンの実が膨らみ、日に当たりながら青色に熟していきます。熟した果実を指でつまんでまっすぐひっぱると簡単に収穫可能です。
実についている白い粉のようなものは「ブルーム」と呼ばれ、乾燥や雨から守るものです。新鮮な実だからこそついているもので、食べても問題ありません。
ブルーベリー栽培に必要な道具
剪定ばさみやスコップ、ジョウロといった基本的な園芸道具とは別に、ブルーベリー栽培ならではの道具をご紹介します。とくに、ブルーベリーのような果実の栽培は鳥との戦いでもあるため、家庭での栽培でも防鳥ネットはおすすめです。
必要な道具①pH試験紙
酸性土壌を好むブルーベリーの栽培において、pH調整は非常に重要な工程です。日本の多くの土壌は中性~弱酸性といわれていますが、あらかじめどのくらいのpHであるか確かめておくのにpH試験紙は有効。計測したい土を水に溶き、その水にpH試験紙を浸すだけで大体のpHがわかります。
近年のガーデニングブームを受け、100円均一などで手に入ることもあるようです。
必要な道具②授粉用筆
ブルーベリーを2株以上植えているのに実の付きが悪い場合、人工授粉を検討します。方法は簡単で、片方の株の花から花粉を取り、隣の株の花へちょんちょんと花粉をつけるだけです。100円均一などで売られている絵筆などがあると簡単に作業できます。
必要な道具③防鳥ネット
防鳥ネットは実が色付きだしたころに設置します。網があることで鳥が近寄れません。たかが鳥と思いますが、小鳥が10匹ほどの群れでくるとあっという間に食べられてしまいます。
鳥が実をついばむさまを見て楽しみたいのであれば必要ありませんが、せっかく育てたブルーベリーを取られるのが嫌な人は設置するといいでしょう。
コツを押さえてブルーベリーを大量収獲!
ブルーベリーは土壌環境と日当たりさえあえば家庭でも簡単に育てられます。毎年の様子を見ながらいろいろと試行錯誤するのも楽しいですよ。
また、ブルーベリーは加工度も高いため、大量収獲できればさまざまな食べ方・保存方法が楽しめます。生育のコツをおさえて収穫を楽しみましょう。
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