バーゼリアは緑から白に変わる花が魅力
バーゼリアの最大の魅力である実のような白い花は、秋につぼみを付けて越冬し、翌春の4月~5月が開花時期となります。花も密集していますが針のように細い葉も密集しており、全体的に繊細なイメージです。緑色のつぼみは花が開くにつれて白くなり、やがてクリーム色に変わっていくのも観賞のし甲斐があります。
バーゼリアは挿し木や種つけで増やせるので、ぜひ栽培してみましょう。剪定の仕方などについてもまとめたのでご参考にしてくださいね。(この記事は2021年5月25日時点の情報です)
バーゼリアは南国の湿地で自生する常緑低木
バーゼリアの基本データ
原産地 | 南アフリカ |
自生環境 | 山地の川沿いなど・湿地 |
分類名 | ブルニア科ベルゼリア属 |
英名 | Button Bush |
学名 | Berzelia lanuginosa |
別名 | ベルゼリア, Berzelia, Button Bush |
分類 | 半耐寒性常緑低木 |
樹高 | 90~180㎝ |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 強い |
バーゼリアは熱帯の南アフリカ原産ですが、乾燥地ではなく湿地で自生しています。しかし栽培環境は水はけのよい土壌を好むため、バーゼリアの育て方としてこの点に注意しなければいけません。
バーゼリアは日当たりと風通しのよさにも注意が必要ですが、湿気の多い本州や冷涼な北海道でも、それほど手間をかけずに育てられます。これらの点に気を付けて、バーゼリアを鉢植えやロックガーデン、花壇、切り花などにして楽しみましょう!
バーゼリアの仲間
バーゼリアはブルニア科ベルゼリア属に分類されますが、ベルゼリア属には10種類以上の仲間があります。全体的にコンパクトで花の付け根に赤い実を付ける「ピッコロ」、花の粒が大きくて色が黄緑色から茶色に変化する「ガルピニ」、柔らかい葉に小さい粒の花を付ける「エレガントライム」、軽やかなライトグリーンが美しい「ウッジ―アイ」など。
ブルニア属に分類されるシルバーブルニアもバーゼリアくらいの人気です。他のブルニア科の植物もチェックしておきましょう。
バーゼリアの育て方のポイント
①日当たりと水はけのよい場所が好き!
バーゼリアは南アフリカ原産の植物のため、日当たりのよい場所を好みます。しかしカンカンに照り付ける直射日光ではなく、半日陰の場所でも問題ありません。
乾燥に強い性質ですが、元々は川沿いの湿地帯などで自生していたため、ある程度の水分は必要です。枯れることのない育て方のポイントとして、季節によって適切な水やりと適度な風に当てるようにしてください。育て方の肝は、適度な水やりにあるのです。
夏越しの注意点
バーゼリアは耐暑性が強い植物ですが、さすがに真夏の直射日光は株が枯れる原因を作ってしまいます。無事に夏越しさせるポイントは、鉢植えの場合は半日陰や室内に移動することです。レースカーテン越しに日当たりと風通しのよい窓辺に置いておくとよいでしょう。
地植えの場合で夏越しさせる方法は、植える前に直射日光が当たらない植え場所を考えることです。適当な場所がないときは、寒冷紗や遮光ネットを張るとよいでしょう。
冬越しの注意点
バーゼリアは耐寒性が強いため、本州の温暖な地域であれば屋外でも越冬をさせられます。しかし北海道のような寒冷地では霜が降りるため、屋外での越冬は難しいです。地域に限らず冷たい風もよくありません。
霜に当たるとバーゼリアは枯れるので、寒冷地で鉢植えした場合は屋内に移動するのがポイント。地植えの越冬方法は、適期にバーゼリアを鉢に植え替えることです。屋内の日当たりのよい場所で、暖房の風が当たらない場所におきましょう。時々葉水も忘れないでください。
②用土は排水性のよいものを!
バーゼリアの自生地は川沿いの湿地ですが、排水性のよい土壌が上手に育てるポイントです。排水性のよい土は赤玉土・鹿沼土・川砂など。他に腐葉土も水はけがよく、通気性と保水性もすぐれています。
市販されている観葉植物専用の土でもよいですが、自分で手作りするのもおすすめ。赤玉土7割と腐葉土3割をブレンドした土は万能なので試し見てましょう。植え付けや、株が大きくなったときなどの植え替えの際に使いましょう。
③水やりは表土が乾いたらたっぷり!
バーゼリアの水やりは、春から秋までは表土が乾いてからたっぷり与えてください。南アフリカ原産ですが自生地が川沿いの湿った場所なので、ある程度の水分は必要です。水やりせずに放置すると枯れることがあるので注意しましょう。
冬は休眠期のため水やりは控えめにし、1か月に一度くらいで問題ありません。バーセリアの休眠期に水やりを多くしてしまうと花が咲いてしまうこともあるといわれています。冬の花は元気がない状態なので、春まで我慢するのがポイントです。
地植えの水やり
地植えの場合の水やりは、よほどの日照不足でない限り必要ありません。何日も雨が降らないようであれば水やりをします。しかし地植えの場合は保水性が鉢植えとは格段に違うため、鉢植えほどの頻度で水やりをする必要はありません。鉢植え同様に水やりをし過ぎは根腐れや病気の原因になるので注意しましょう。
他の多くの植物と同じように、地植えした植物の水やりは自然に降る雨に任せておけば安心なのです。
④肥料は液体肥料がおすすめ!
バーゼリアの肥料は固形肥料よりも液体肥料のほうがよいといわれています。緩効性肥料の場合は用土に混ぜ込んでから与えます。生育期の5月~8月頃に液体化学肥料を与えてください。
ただし多くの植物と同じように、肥料を与えすぎると根から栄養を吸収できずに肥料焼けを起こすので控えめにしましょう。
⑤剪定は花後にして風通しをよくする!
バーゼリアの葉は細くて密集しているため、湿気がこもりがちです。乾燥気味の南アフリカの気候に近づけるように、なるべく風通しを良くして湿気がこもらないようにするのがポイントです。そうすることで病気が害虫の発生を防げます。
病気が害虫の予防だけではなく、姿かたちを剪定で美しく整えることで観葉植物としての価値も高まるので、徒長した部分などを剪定して丁寧に仕上げましょう。剪定する時期は4月~5月の花の時期が終了してからとなります。
⑥増やし方は挿し木か種つけで!
バーセリアの増やし方は挿し木と種付けの2つがあり、簡単なのは挿し木となります。植え替える時期は夏と冬以外、花が終わってすぐの6月頃がベストです。
挿し木による方法は、数枚の葉を残した新しい枝を用います。植木鉢に水はけのよい新しい土を入れて挿し木をしてください。バーゼリアの新芽が出る前は、直射日光が当たらない場所に置いておきましょう。育ち始めてきたら日光に慣れさせるために日当たりに移動します。
挿し木による増やし方の注意点
バーゼリアは乾燥すると根が出ずに枯れることもあるので、水やりはこまめにしてください。芽と根が伸び始めてきたら液体肥料を少量ずつ与えていきます。バーゼリアがある程度の大きさになったところで鉢に植え替えてください。
種つけによる増やし方
バーゼリアは種でも増やせますが、種つけを行う時期は開花時期の4月から5月となります。虫媒花といって蜂に受粉させることも期待できますが、確実に種つけを行うには人の手で受粉をさせましょう。
意図的に花と花を合わせて受粉させることで、花の後に種を付けられるのです。思ったよりも難しくないので、花後の挿し木の前に挑戦してみるとよいでしょう。
⑦害虫はアブラムシ対策を!
乾燥した南アフリカでもたくましく育つバーゼリアは、病気や害虫には比較的強い植物といわれています。しかし湿度の高くなる夏場の本州は、茎の汁を吸って花を弱らせるアブラムシの発生が一番心配です。
そのためにも剪定が必要なのですが、アブラムシを見つけた場合は茎に水を掛けて洗い流すか、園芸用の殺虫剤を散布して対処してください。化学薬品が苦手な人は石鹸を薄めたものや米酢・唐辛子・ニンニクなどで作るオリジナルの駆除剤も効き目があるといわれています。
⑧枯れるのは直射日光が原因
バーゼリアが枯れる原因として直射日光が挙げられます。強い日差しは葉を枯らしたり日焼けさせたりして、花が咲かないという状況を作り出します。
防止策は、直射日光が当たらない半日陰などの場所に置くこと、葉水を小まめにすることなどです。もし葉が枯れるなどのダメージを受けた場合は、すぐに葉を取り除いてください。
バーゼリアの花言葉と楽しみ方
バーゼリアの花言葉
バーゼリアの花言葉は「情熱」「熱心」「小さな勇気」などです。灼熱のアフリカでも、小さいながらも支えあうように小さな花が咲くのが由来かもしれません。バーゼリアを誕生花とする日は1月19日。日本では休眠期ですが、原産地の南アフリカでは夏に当たり、丁度バーゼリアの花が咲いている頃。
冬は開花期ではありませんが、青々とした触り心地のよい葉も美しいので、大切な人に花言葉と共にプレゼントしてはいかがでしょうか。アレンジメントにするのもおすすめですよ。
バーゼリアの楽しみ方
バーゼリアは、ドライフラワーにしても枯れるのが遅いネイティブフラワーなので、アレンジメントでも大人気です。そのためバーゼリアの魅力は鉢植えや切り花だけではなく、リースや壁飾りにするスワッグでも楽しめることにあります。
バーゼリアは存在感はありながらも自己主張が激しくない花なので、他の花を上手に引き立ててくれるのです。プロテア・セルリア・バンクシア・ピンクッション・フランネルフラワーなどのネイティブフラワーと組み合わせて楽しみましょう。
バーゼリアを植えてスワッグを楽しもう!
バーゼリアの育て方の肝は、水やり・土作り・種つけにあります。水やりは、春から秋の成長期に表土が乾いていたらたっぷり与えてください。地植えの場合は必要ありません。土作りは、赤玉土などで水はけのよい土壌を用意しましょいう。種つけは、花が咲いている時期に人の手で花と花を合わせて受粉させてください。
この3つをすることで、翌春の4月~5月には可愛い花を咲かせてくれることでしょう。他のネイティブフラワーと合わせてスワッグも楽しんでくださいね。
ネイティブフラワーが気になる人はチェック!
バーゼリアを始め、セルリアやフランネルフラワーなどの時間が経っても枯れるのが遅いネイティブフラワーが人気です。いろいろな種類のネイティブフラワーをチェックして、アレンジメントやスワッグを楽しみましょう!

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出典:photo-ac.com