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頑丈で初心者でも育てやすい!ネギの栽培方法を種類別にご紹介!日当たりが成功の鍵!

ネギは和食に欠かせない食材で、育て方が難しくないこともあり、日本全土でつくられています。家庭菜園の初心者でも、手入れや管理が簡単で丈夫に育ちやすいので、入門編には最適の種類といえるでしょう。栄養価の高い美味しいネギの上手な育て方を種類別に詳しく解説いたします。
2021年6月18日
yadianjianyuan
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目次

ネギの育て方を覚えよう

Photo by Shinichi Haramizu

ネギは暑さ寒さに強く日照時間も気にならないため、日本中で作られている野菜です。水や肥料はやり過ぎる方が成長に悪い影響を与え、放っておいてもよく育つので、手間がかからず初心者でも簡単に栽培でき、家庭菜園を始めるには最適な野菜といえます。

ネギは鍋に欠かせない食材であり、薬味とも使われることも多く、一年を通して人気があり需要期間が長い、日本人に馴染みの深い野菜です。ネギの育て方を覚えて、家庭菜園で収穫した栄養満点の美味しいネギを、家族みんなで味わってください。

ネギの種類

Photo bysiguna

ネギの種類は大別すると、白い葉鞘部分を食用とする「白ネギ(単に長ネギとも)」または「根深ネギ」といわれる種類と、青い葉身部分を食用にする「葉ネギ」または「万能ネギ」と称される2種類に分けられ、根深ネギは更に冬に休眠する寒さに強い北日本でも栽培される「加賀郡」と、冬も休眠せずに成長を続け関東地方で多く作られる「千住郡」に分けられます。

葉ネギは「九条郡」ともいわれ、「加賀郡」「千住郡」とともに、ネギの3大品種とされるネギの種類です。

白ネギ(根深ネギ)

Photo byArmbrustAnna

白ネギは、緑の下にある白い葉鞘(ようしょう)部分が長いネギで、長ネギや根深ネギとも呼ばれ、日本の東側で多く栽培されています。葉鞘部分はネギの茎とよく間違えられますが、葉の一部(基部)であり、茎を覆うように筒状になって成長したものです。

白ネギの葉鞘部分には、ネギ独特の風味と辛さがあって美味とされるため、葉鞘部分が長くなるように育てます。群馬県生まれの「下仁田ネギ」や、埼玉県深谷市の「深谷ネギ」が有名で、約1年間という長い期間をかけてつくる美味しいネギです。

葉ねぎ(青ネギ・万能ネギ)

Photo bySquirrel_photos

葉ネギまたは青ネギと呼ばれる緑の部分が多いネギは育て方が白ネギとは異なり、白い葉鞘よりも青い葉身部分が好まれるため、葉身が長くなるように栽培します。葉鞘も食べられないことはありませんが、葉身を細かく刻んで薬味として使うことが多く、和食に重用されるネギです。

西日本での栽培が多く、京都で生まれた九条ネギなどが有名で、「万能ネギ」という名前でも販売されています。

ネギの食用部は葉で茎は見えないほど短い?

出典:ライター作成

わたしたちが食べているネギは全て葉っぱの部分で、実はネギの茎は根と白い葉鞘を繋ぐ5ミリ程度の「盤茎」と呼ばれる硬い部分だけです。盤茎はネギの心臓部ともいわれ、ここから葉と根が育つので、盤茎部分(ネギの茎)に上手く栄養が行き渡らなかったり、盤茎に病原菌が入るとネギは枯れてしまいます。

茎の上には「成長点」と呼ばれる数センチ程度の小さな部位があり、ネギの葉を切り落としても成長点が残っていれば、葉っぱが再生されるので覚えておきましょう。

白ネギ(根深ネギ)の育て方

Photo by sayo-ts

白ネギの育て方には、種から育てる方法と苗を買って栽培する育て方があります。白ネギは種から収穫まで約1年かけて長期で育てる野菜です。種から苗まで育てるにも3ヶ月以上の期間が必要ですので、家庭菜園が初めてで心配な方や時間に余裕がない方は、丈夫な苗を購入して栽培してもよいでしょう。

苗からの育て方は、「白ネギの育て方⑥畑づくり」以降を参考にしてください。

白ネギの育て方①種から苗になるまでの育て方

出典:rakuten.co.jp

種から苗に育てることを「育苗(いくびょう)」といいますが、ポットやプランターなどの容器を使う育て方と、畑の一部に育苗スペース「地床(じどこ)」をつくる2つの育て方があります。

土地に余裕がある方や育てる量が多いときには、地床をつくる育て方がよいでしょう。ポットでの育苗は室内に持ち込むことも可能なので、温度管理や手入れがしやすく便利ですが、多くの苗をつくるには不向きな育て方です。

ポットをつかった育て方

Photo bymarkusspiske

ポットは「育苗箱」や「種まきトレー」という名前で、家庭菜園用としてホームセンターや通信販売などで扱われています。多くの種類が販売されていて、蓋のついたものや、水受けトレーがついた便利なポットもあるので、育てたい苗の数に合わせたり、使いや大きさのものを選びましょう。(自作でも可)


地床を使った育て方

出典:ライター作成

苗床を使う育て方では、畑の一画をネギが好む状態に土を調整し、異物などを取り払うとともに耕して平らにならす作業が必要になります。平らな状態になったら、撒き溝をつくり(深さ1センチ程度)、2センチ間隔で種をまきましょう。

長ネギの育て方②土づくり

出典:rakuten.co.jp

種をまく2週間くらい前までに、ネギ苗が育ちやすい土をつくっておきます。とくに畑の一角に地床(苗床)をつくるには、ネギは酸性の土を嫌うため、畑の土にアルカリ性を強くする「苦土石灰」を混ぜて、phを「6.0~6.5」の弱酸性から中性に調整してください。

苦土石灰にはアルカリ性の炭酸カルシウムと、植物内の酵素を活性させるマグネシウム(苦土)が入っています。マグネシウムの入っていない「消石灰」を紹介されることも多くありますが、栄養価の高い苦土石灰を使いましょう。

育苗箱を使う育て方では培養土を購入してもよい

出典:amazon.co.jp

初心者の方は土と石灰などの補助肥料の配合も難しく、不安もあると思うので、市販の種まき培養土を購入するのもよいでしょう。野菜別に販売されているので、ネギに適した培養土を選んでください。本来は植え替えで畑の土に馴染みやすいように、畑の土を混ぜた方がよいとされますが、培養土を使う育て方でも問題なく植え替えができます。

苦土石灰と肥料は同時に与えない!

フリー写真素材ぱくたそ

肥料には植物の成長により土中から減少する窒素が含まれており、窒素と石灰が混ざると化学反応をおこしてアンモニアガスを発生し、悪臭を発生させるとともに、栄養分である窒素を消失します。苦土石灰を土に混ぜるタイミングと、肥料を与えるタイミングの間に、1~2週間の間隔をあけるようにしましょう。

白ネギの育て方⓷種まき

ポットを使った育て方では、種を撒く前にポットに土を入れて軽くおさえ、種を撒く場所を、指先などで1つずつを軽く押して窪みをつくります。地床の場合には、畑に15センチ間隔の撒き溝をつくり、2センチ間隔で種を撒いていきましょう。

種はポットでも地床でも、発芽不良などを考慮して一カ所に2~3粒を撒きます。種を撒いたら覆土をし、上から軽く押して全体が平らになるまで土をかぶせてください。

種まきの時期は1年に2回

Photo byDemiahl

長ネギの種まき時期は「3月から4月」の春と、「9月~10月」の秋の2回です。葉ネギの春まきは長ネギと同じ「3月から4月」で、秋まきが「7月~10月」までといわれますが、地域や土壌によっては1月以上の期間のズレがあるため、参考までとしてください。

春に撒いた長ネギの種は3ヶ月ほどの期間で立派な苗に成長するので、7月頃に畑に植え付けをします。秋まきの種は、半年ほどかけてゆっくりと成長させ、4月頃に植え付けする育て方が一般的です。

白ネギの育て方④水やり

出典:rakuten.co.jp

長ネギの種を撒いたあとには、たっぷりの水をかけましょう。とくに撒きやすいように大きく加工した「ペレット種子」は、普通の種よりも多くの水が必要です。とくに、ペレット種子は一度水を含んで乾燥すると、固くなって発芽しにくくなるので、芽が出るまでの期間は水を絶やさないように注意しましょう。

水やりが終わったら、上に「もみ殻か藁」を軽く敷いて、乾燥と直射日光から種を守ってあげます。

種の育て方は日光をさえぎる工夫が必要!

Photo bypixel2013

ネギの種は「嫌光性種子」といって、日の光を浴びると発芽しにくくなる性格を持ち「暗発芽性種子」とも呼ばれ、もみ殻や藁で日の光をさえぎるか、無ければ新聞紙や薄い布などをかぶせて暗くして発芽をうながしてあげましょう。芽が出たら、今度は逆に日光を必要とするため、新聞紙や布は取り払ってくだい。

長ネギの育て方⓹間引きと手入れ

芽が出て背丈が6センチ程度になったら、丈夫な芽だけを残して間引きします。間隔が2センチ弱になるように揃え、追肥をしてください。追肥は種まきから1カ月おきぐらいに、1㎡あたり50グラム(1握り程度)を与えてください。

間引きは1回のみで終える方法もありますが、丈夫な苗を育てるなら、草丈が10センチくらのときに2回目の間引きをして、間隔を3センチ程度に広げます。間引きの際には雑草も取り除き、発芽した種に十分な栄養がいきわたるように管理しましょう。


長ネギの育て方⑥畑づくり

Photo bymatthiasboeckel

ネギ種は日光を嫌いますが、ネギ苗の生育では太陽の光を必用とするので、畑は日当たりのよい場所を選びましょう。また、ネギは水が多すぎても生育が悪くなるため、水はけのよい場所を選んでください。植え替えをしたあとは土の水分だけでよく、とくに水やりは必用ありません。

畑の土は、苗床をつくったときと同様に苦土石灰を加えてphを調整し、2週間後に堆肥をして耕します。ネギは土が柔らかすぎるのを嫌うため、耕し過ぎないようにして、固めの土を用意しましょう。

畝たて

出典:ライター作成

畑の土を耕したら、高さ10センチ幅1メートル弱の畝を立て、畝の中央に苗を植える溝をつくります。植え溝は深さ20センチ、幅が15センチ程度が丁度よく、3角ホーなどで2回往復するだけで、作業は簡単です。

植え付けの前に溝の下に元肥を施しておきましょう。元肥には肥料の3大要素といわれる窒素とリン酸とカリウムを同量で配合した、「8対8対8」または「8-8-8」の名称の肥料が最適です。元肥だけでなく追肥にも「8対8対8」の肥料を使用するとよいでしょう。

白ネギの育て方⑦植えつけ

出典:ライター作成

苗が30センチほどの草丈になれば、植え替えの時期で、畑につくった溝に植え付け(定植)します。苗が育ったら丁寧に掘り上げて、根を傷つけないように土を取り、1本ずつ切りはなしておきましょう。

植え溝に苗を2本ずつ5センチ間隔で立て、苗の根元が隠れるほどの土をかけたら、上に藁をしきつめて、保温と保湿効果を高めるとともに、通気性よくして苗を病害虫から守ります。ネギは密集すると競って丈夫に生育するため、1ヵ所に2本ずつ植えて間隔も狭めるのが育て方のコツです。

苗は真っすぐに立てなくてもよい?

苗は立てかけたまま土をかけて大丈夫ですが、向きがあるので注意してください。ネギは太陽の方向に向かって伸びるため、北に苗先を向け根っこの方を南に向けて立てかけましょう。太陽から遠い反対側に苗先を向けて日当たりを悪くしてストレスを与えた育て方をすると、ネギは強い生命力を発揮して太陽を目指すように真っすぐ立ち上がり、丈夫なネギに成長します。

白ネギの育て方⑧追肥と土寄せ

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植え付けから1カ月が過ぎ苗の根がはったら、1回目の土寄せと追肥をします。畝肩に元肥と同じ肥料を撒き、土と混ぜて苗の根もと土寄せしてください。土をかけるのは、ネギの分けつ部よりも5センチを残した場所までとします。土寄せの量が多いとネギが酸欠になって生育が悪くなるので注意しましょう。

長ネギは収穫までに、ネギの成長を見ながら(3週間に1回が目安)4回の土寄せを行ないます。2回目と3回目の土寄せは1回目と同様の方法で行い、最後の4回目に追肥は必用ありません。

白ネギの育て方⑨収穫

Photo bydbreen

収穫時期の目安は、4回目の土寄せ後の1カ月後ですが、成長の具合を見て太いものから収穫します。長ネギは寒さに当たると負けないように糖分をつくって甘味を増すので、冬を迎え1~2回霜に当ててから収穫するのがおすすめです。

収穫の仕方は、土寄せした片側をスコップなどで深く掘って崩し、株の根元の方をつかんで引き抜きます。あまり強く力を入れると大事な葉鞘部分が折れてしまうので、ゆっくりと注意して食べる分だけを収穫しましょう。

葱坊主は摘み取ってトウ立ち前に収穫しよう

Photo byn-k

ネギが成長して花を咲かせる時期と判断すると、花弁のついている茎(トウ)が伸びて、ネギの花が咲きます。ネギの花は坊主頭に形が似ていることから「葱坊主」と呼ばれ、花が咲くことを「トウ立ち」とも呼び、葱坊主ができたら花に栄養をとられるので、早く葱坊主を摘み取ることが収穫前の大切な管理方法です。

暑い日が長く続いたり、日当たりのよい場所で日照時間が長くなると、ネギは花を咲かせる時期だと勘違いして収穫前なのに花をつけ、美味しいネギが収穫できなくなります。

ネギの収穫時期

春に種まきをした白ネギの収穫時期は12月~翌年の2月、秋に種まきをした白ネギは翌年の9月から12月に収穫します。同様に春まき葉ネギの収穫時期は翌年の6~7月、夏まき葉ネギは9月から翌年の2月に収穫するのが、関東など中間地点の目安です。

収穫時期も種まきと同じで、地域によって1ヶ月以上のズレがあるので、一般的なこととして参考までにしてください。

葉ネギの育て方

出典:rakuten.co.jp


葉ネギの育て方は、基本的に白ネギと同じですが、時期がズレたり葉ネギ特有の育て方もあります。種から苗までの育て方は、品種などによって生育期間などが若干異なりますが、基本的な内容は同じです。重なる作業内容は省略して、葉ネギ特有の育て方と管理方法について解説します。

葉ネギの育て方①葉ネギの植えつけは間隔が狭くてすむ

Photo by takanori00

白ネギの育て方では1ヵ所に2本ずつ植えつけましたが、葉ネギでは1ヵ所に3本ずつ3センチ間隔で植えていきます。白ネギよりも畝幅を小さくするか、1つの畝に2条の植え溝をつくって植えてください。葉ネギは土寄せが少なくてすむため、畝幅や溝の間隔が狭くても大丈夫です。ただし、背の高い植物の陰になるなど、日当たりの悪い場所は避けてください。

葉ネギの育て方②土寄せは最低限に!

葉ネギは青い部分を食べるため、土寄せを繰り返して葉鞘をあまり太くする必要がありません。土寄せは2回程度にとどめ、長ネギと同じように土寄せごとに追肥をおこないましょう。

葉ネギでも長ネギと同様に太くしたいのであれば、土寄せの回数を増やす育て方をすることです。全く土寄せせずに、細いまま収穫する方法もありますので、品種や好みにより育て方や管理方法を変えるようにしましょう。

葉ネギの育て方⓷水やりはいらない?

Photo byannawaldl

葉ネギは高温でも低温でも丈夫に育ち、病害虫にもつ強いネギですが、多湿に弱いという特徴があります。日当たりがよく水はけのよい土壌部分を選び、植え替え後は余分な水やりをせず、自然の雨水だけを使う育て方を心がけましょう。

葉ネギの育て方④葉ネギの収穫は3回?

葉ネギは根元から4センチ程度を残して、食用部分を収穫すると、また葉っぱが再生してくれる野菜です。再生は3回くらいまで有効で、以降は養分が足りなくなって美味しく育ちません。収穫が3回もできる葉ネギですが、刈り取る都度に追肥を忘れないようにしましょう。

葉ネギの刈り取った葉は全て食べられる

葉ネギは青い葉っぱの部分を主に食しますが、育てる最中に刈り取った青い葉っぱは全て食べられます。苗が伸びて剪定した際の歯先や葉鞘部分も全部食べられるので、捨てないで大事に食べてください。

摘み取った葱坊主も、蕾(つぼみ)のうちなら軟らかく、天ぷらや炒め物で美味しく食べられます。独特の苦みがあるのが特徴ですが、収穫前にしか食べられないものなので、固くなる前に摘んで食べてみましょう。

ネギの育て方を覚えて長寿健康生活

出典:rakuten.co.jp

ネギは強い植物で、植え付けたあとは水やりが不要で、ストレスを与えた方が丈夫に育つ野菜です。育て方や管理が簡単で種類によっては収穫時期も早いため、家庭菜園の入門編には最適の野菜といえます。ネギは、まるごと全部を食べられる栄養価の高い美味しい野菜ですので、ネギの育て方と特徴を覚えて、健康長寿の生活を目指しましょう。

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