電動工具サンダーで木の表面を滑らかに!
電動工具サンダーは、木材をはじめ樹脂や様々なものを磨いたり、表面に塗った塗料を落とす便利な道具です。サンドペーパーを手に持って磨いては、対象物の表面を素早く均一な平面に磨くことは難しいです。理にかなった上手な使い方をすることで、美しく手触りのよい滑らかな平面に仕上げられるでしょう。
大工さんや木工職人さんも好んで使う電動工具サンダーをDIYでも上手に操って、初心者でも木材を滑らかな平面に磨く、工具の使い方のコツと注意点について解説します。
電動工具「サンダー」の種類
仕上げに使う「オービタルサンダー」
オービルサンダーは、電動サンダーの中でもオーソドックスなタイプで、使い方が簡単な初心者向けの工具です。オービルサンダーの切削面は長方形で両サイドに集塵穴が開いており、削ったカスやサンドペーパーの砥粒(削るための粒子)などを吸い込みます。
オービルサンダーの使い方は、全体を軽く押さえて前後に動かすだけの簡単作業で、内部には軸をずらしたプーリー(滑車)がはめ込まれており、プーリーの振動によりサンドペーパーを動かして対象物を削る工具です。
研磨力の強い「ランダムサンダー」
ランダムサンダーは、切削面が丸いのが特長で、オービルサンダーと同じ偏心運動に回転運動が加わり、オービルサンダーよりも振動とサンドペーパーの動きが大きくなるため、研磨力が強化されるのが特徴です。
使い方は、工具で楕円を描くように動かしながら、前後左右に移動させて全体を削ります。工具を自由にすると円を描くように動くため、逆らわないように移動させて削る使い方が重要です。ランダムサンダーは、粗削りから表面を滑らかにする仕上げまで幅広く使えます。
マルチで使える「コーナーサンダー(デルタサンダー)」
アイロンのような形をした、コーナーサンダーは、用途が豊富なことから「マルチサンダー」とか、小さな三角の形から「マウスサンダー」「デルタサンダー」とも呼ばれる種類です。
先がとがっていて軽量なため使い方が簡単で、箱の隅などの狭い場所も簡単に削れます。
消耗品のサンディングペーパーは先端と後方の2つに分れたものが多く、使い方が多い部分だけを交換できるので、便利かつ経済的な工具です。
高速で削る「ベルトサンダー」
ベルトサンダーは他の電動サンダーとは違い、サンディングペーパーのかわりに専用のサンディングベルトをローラーに巻き付けて、回転している研磨ベルトに対象物を密着させて削る工具です。
工具本体を移動させ研磨ベルトを木材にあてて削るタイプと、工具を固定して削る「卓上型」の2種類があり使い方も違います。
ベルトサンダーは回転力で削るため強い研削力を持ち、電動サンダーの中では広い部分を最も素早く削れる工具です。ただし研磨が強力である分、サンディングベルトの定期的な手入れが必要です。
「卓上型ベルトサンダー(据え置きタイプ)」はガンガン削れて1台多役
卓上タイプのベルトサンダーは、他のサンダーと全く使い方が違います。一般的な電動サンダーは、対象物を固定して工具本体を動かして削る使い方ですが、据え置き型ベルトサンダーは、機械本体を固定して削る対象物である木材などを、回転する研磨ベルトに木材を押しつけて削る工具です。
固定されたサンダーに木材側を当てる使い方なので、DIY初心者でも上手く操作できます。ベルトの番手を変えれば削り方も変えられて、サイドに小型のディスクサンダーがついている商品が多く、多様な使い方ができる用途の広い工具です。
電動工具「サンダー」の選び方
選び方①集塵能力で選ぶ(集塵能力は研磨性能に比例)
電動サンダーには集塵(吸塵)機能がついているものが殆どですが、集塵機能とは単に木材などの削りカスを取るだけの機能ではありません。
サンダーで削ったカスは周辺に舞うよりも、サンドペーパーの目に詰まったり、木と工具の間に入り込む方が多く、研削機能が衰えてしまうため、継続して使用するのに必要な機能です。
サンドペーパーから剥がれ落ちた研磨粒子などは、木材と工具の間に入り込むと双方を傷めることもあるため、工具の選び方では集塵性能を重視することをおすすめします。
選び方②コスパで選ぶ
工具本体価格と消耗品のサンディングペーパーの金額を単純に比較すれば、紙やすりも使えるオービタルサンダーが圧倒的にお得です。他の工具では、マジックテープ式や特殊形状のものが多く、身近にあるサンドペーパー(紙やすり)を使える工具はコスパがよいので、DIYでは最もおすすめといえます。
ただし、市販の紙やすりは消耗が早く破れやすいという弱点もあり、使い方は付属のクランプなどで固定しますが、マジックテープに比べて密着度が低く、騒音が大きくなったり仕上がりに影響が出るため、使い方に注意しましょう。
選び方⓷用途で選ぶ
電動サンダーは種類によって得意な用途があり、仕上げに適したオービタルサンダー、強い回転吸塵力で何でも削れるランダムサンダー、狭い場所も難なく削るコーナーサンダー、長尺ものなどもスピーディーに削るベルトサンダー、平面だけでなく曲面などの木工芸術品作りにも最適な据え置き型ベルトサンダーなどと、工具によって得意な用途も違います。
全ての電動工具サンダーは、装着するサンディングペーパーの番手により削り方を変えられますが、使い方や得意分野などの特徴を知って工具を選ぶことで、最高の仕上がりが期待できます。
電動工具サンダーで滑らかに削るコツ8選!
使い方のコツ①集塵穴を有効に使う
電動工具サンダーには集塵穴がついていて、穴から削ったカスやサンディングペーパーから剥がれた砥粒を吸い込んでいます。カスが残るとサンディングペーパーが目詰まりして、研磨力が急激に落ちるため、非常に重要な穴なのです。
パッドにサンディングペーパーを装着するときには、必ず穴の位置をキチンとあわせた使い方をしてください。カス取り用の穴だと簡単に考えた使い方をする人も多いようですが、穴を塞いだ使い方では重要な機能を台無しにしてしまいます。
オービタルサンダーは斜めに削るとよい?
オービタルサンダーは切削面の両端に複数個の集塵穴があり、穴から削ったカスなどを吸い込むため、研磨カスをきれいに取り除く使い方で作業を続けないと、サンドペーパーの隙間をカスが埋めてしまい、サンダーの研磨機能は極端に衰えます。
オービルサンダーは本体を何度も前後に動かすだけでは、集塵穴が同じ位置を重なって通るため、穴の通らない場所はよく削れなくなるのが削りムラの原因です。
工具本体を斜めに持って前後に動かす使い方をすれば、集塵穴から効率よく研磨カスが取り除かれ、削りムラを解決できます。
使い方のコツ②小さい番手から大きい番手へ使っていく
サンディングペーパーには目の粗さを番手であらわしており、40番(#40)から2000番(#2000)まで用意されています。
番手の小さい「粗目」は削り幅が大いため、木材などの対象物全体が凸凹を取ってください。粗目では、かなりざらついた表面となっているため、中目でざらつきを削っていき、最後に細目で美しい平面に仕上げます。極細目は削るというよりも磨くという使い方をすることが多いため、必要に応じてつかってください。
サンディングペーパーは、番手の小さいものから大きいものへと変えていくのが正しい使い方です。
サンディングペーパーの番手と目の粗さ
サンディングペーパーの番手
- 粗目→#40~#100
- 中目→#120~#240
- 細目→#280~#800
- 極細目→#1000~
使い方のコツ⓷木目に沿って順目に削る
電動工具サンダーは、工具を木材全体にあてて、木目に沿って前後に削る使い方が基本です。木目に逆らう使い方は、木を逆なでするため切削面が滑らかにならず、ざらついた仕上がりになります。
対象物である材木の木目を見て、木目にあわせて工具を移動させるように、きれいに滑らかに仕上げてください。
使い方のコツ④前後の折り返しは横に動かさない
電動工具サンダーは、木目に沿って前後に削るのが正しい使い方ですが、折り返しの部分で直角に曲がると、方向転換した部分だけがムラになります。同じ方向で削るために、やや斜め前方に削り、折り返したあとも斜めに戻るように工具を使いましょう。
削りの残しがないようにと、隙間なく角々も攻めて直角運動させてしまうことがありますが、木目に逆らうことになり、全体がきれいな平面になりません。削り残しは前後の往復を増やして解消し、横への使い方がないように注意しましょう。
使い方のコツ⑤サンダーのスピードを調整する
電動工具サンダーにはスピード調節機能がついた便利な商品があります。
Maxのスピードでは多く早く削れますが、削り過ぎることもあるので使い方には注意が必要です。逆にスピードが遅すぎると、集塵スピードも遅くなり研磨能力が落ちて思うように削れなくなります。
スピードを速めたま工具を押さえつけてスピードを落とす人が稀にいますが、工具と材料をともに傷めてしまい、なおかつ工具が暴れて扱いにくくなるので、場面によって工具のスピードを調整する使い方をしましょう。
使い方のコツ⑥サンダーを強く押し付けない
電動工具サンダー全体を削る対象物に接触させることは大切ですが、あまり強く押しつけてはいけません。工具を強く押しつけ過ぎると、サンディングペーパーの目を詰まらせることになり、かえって研磨を邪魔します。他にもパッドを傷めたり、対象物にキズや凹みをつけることまであるので、使い方に注意しましょう。
適度な力で持ち、サンダーが自由になる状態で、前後にスムーズに動かしながら、ゆっくりと少しずつ削ってください。
使い方のコツ⑦サンディングポイント全体を使う
電動工具サンダーでは、どうしても中央付近部分を集中して使用しがちです。とくに据え置き型のベルトサンダーは、固定した工具に木材などをあてて削るため、細い面などは中央部分にあてる使い方が多くなります。
一部分のみに集中した使い方は、サンディングベルトやサンディングペーパーの消耗を早めることとなり、中のパットにも集中した圧力がかかるので、切削部分全体を使うよう心掛けましょう。
使い方のコツ⑧削る木材はしっかりと固定する
とても簡単なことですが、滑らかに削れない理由に「素材の固定不足」があります。長い木材などを固定するのは大変な作業ですが、動いている木材を滑らかに削るのは、もっと難しい作業になるため要注意です。
しっかりした準備ができていないと、よい仕事はできないので、木台をきっちりと動かないように固定して、削りやすい体制を整えてから、工具で研磨作業をしてください。
電動工具サンダーを取り扱うときの注意点!
質のよいサンディングペーパーを選ぶことも重要!
ベルトタイプ以外のサンダーは、切削面にサンディングペーパーをつけて作業します。サンディングペーパーは重要な部品であり消耗品です。工具の使い方も重要ですが、サンディングペーパーの性能によって仕上がりが決まるといっても過言ではありません。
機種専用に販売されている純正品は、使い方が簡単で仕上がりもきれいですが、価格が高いのがネックです。代替品でも純正品とまではいかないものの、高品質の商品があるので、使用頻度や自分の目指す仕上がりに合わせてサンディングペーパーを選ぶとよいでしょう。
オービタルサンダーはサンディングペーパー選びが重要
オービタルサンダーは、市販のサンドペーパー(紙やすり)も使えるので、非常に便利ですが、紙素材は耐久性が弱く破れて使えなくなることが多くあります。(破れたまま使うとパッドを傷めるのでやめましょう)
紙素材の他には、厚紙タイプの「空研ぎやすり」、布タイプの「布やすり」に、合成繊維を網目状にして研磨剤を固着させた「ポリネットシート」などがあり、全てがオービルサンダーで使える商品です。
紙素材よりも他の素材の方が目詰まりしにくく、強度も高いのでオービルサンダーを使用する際におすすめです。
パッドは定期的にチェック!
電動工具サンダーの心臓部でもあるサンディングペーパーを押さえている「パッド」が、傷んだり変形すると装着したサンディングペーパーが上手く働かなくなります。
パッドを傷めないような使い方を心がけ、保管の際にコンセントコードを巻き付けたりするのも避けてください。パッドはゴムなどの柔らかい素材でつくられていることが多く、一定時間だけコンセントを巻き付けるだけでも変形します。
パッドのみの販売もされており交換が可能ですので、パッドが変形したり破損したときには、速やかに取り替えましょう。
コンセントラインは肩にかけて作業しよう!
電動工具サンダーは、バッテリーかコンセントから電源をとって稼働させますが、コンセントから電源を取る場合に、長いコード(コンセントライン)にひっかかって、木材や工具本体を落とすことがあるので、怪我をしないように気をつけたい注意点です。
長尺の木材を工具で削るときには、長いコードが必要になりますが、その際にはコードを巻いて肩にかけて移動する使い方を行なえば、引っかかることもなく、いつでも必要な長さを出せて安全に作業ができます。
電動工具サンダーをDIYで自在に使おう
電動工具サンダーは、種類と特徴を知ることで上手な使い方ができます。「使い方10のコツ」と注意点を踏まえて作業をすれば、初心者でも選んだ工具が不得手の領域を補い、木材を滑らかな平面に磨きあげてくれるでしょう。
木工以外にも多くの用途がある便利なサンダーを正しい使い方で利用し、DIYに役立ててください。
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出典:rakuten.co.jp