トラディスカンチアはどんな植物?
トラディスカンチアは、ツユクサ科ムラサキツユクサ属の観葉植物。暑さにも寒さにも強く、多年草で常緑草、寄せ植えやリース、ハンギングバスケットに向いています。北米から中南米にかけて70種、世界で75種発見されている植物です。
和名はシマムラサキツユクサといい、種類によって葉の色が緑に白色、紫、ピンクの縞など、綺麗な色が特徴的なツユクサの仲間になります。初心者でも簡単なトラディスカンチアの栽培を楽しみましょう。
一年中鑑賞できるトラディスカンチア
トラディスカンチアは、暑さにも寒さにも強く一年を通して鑑賞することができます。上手に植え替えや剪定、株分けなどをすることで長く楽しめることでしょう。また、寄せ植えだけでなく、葉のリースを作って楽しむこともできます。
育てるのが簡単といっても、よりきれいな葉を増やすためには、水やりや日当たりなどを正しく知ることは大切です。トラディスカンチアを屋内でも屋外でも楽しむために、肥料や植え替えの仕方などについてご紹介しましょう。
トラディスカンチアの種類
トラディスカンチアはムラサキツユクサの学名で、属種に入るのは観賞用のシマムラサキツユクサの他に、オオムラサキツユクサ、トキワツユクサ、ビロードツユクサなどがあります。雑草のムラサキツユクサは同じ属種です。
トラディスカンチアには、トラディスカンチア・フルミネンシス(バリエガタ)、フルミネンシス(メイデンズ・ブラッシュ)、アルビフロラ(アルボビッタ)、シラモンタナタ(白雪姫)、ゼブリナなどがあり、葉の形や色、大きさが違います。
トラディスカンティア ラベンダー
トラディスカンティア ラベンダーは、トラディスカンチアの中でも人気の種類。緑の葉の間にラベンダー色の縞が入っています。薄い紫色なのでラベンダー色よりピンク色に見えることが多いようです。
葉はしっかりとした幅のあるきれいな形をしているため、ガーデニングや室内の観葉植物に適しています。同じ株の葉全てにラベンダー色の縞が入っているわけではなく、一部に縞が入ったり一枚の葉全体がラベンダー色をしているものもあります。
トラディスカンチアの上手な育て方
トラディスカンチアは暑さにも寒さにも強く、日向でも日陰でも育ちます。しかし日当たりのよしあしで、葉の付き方や大きさ、形や色が違います。水やりの回数や量、鉢の大きさによって株の大きさに違いが出るので注意をしましょう。
また剪定や切り戻し、上手な植え替えで株分けをし、暑い夏や寒い冬も超して増やしていきくことができます。それでは水やりや日当たり、肥料、株の増やし方など、トラディスカンチアの上手な育て方のポイントのご紹介です。
季節で違う育て方のポイント
トラディスカンチアは、耐陰性のため日陰でも育つことができます。しかしあまり日当たりが悪い場所で育てると、間延びしてしまいます。屋外の日陰で育てると、そのまま地面を這うように伸びてしまいます。おすすめは屋外の半日蔭です。
特に冬の寒い時期は日当たりのよい場所で、夏は半日陰で育てるとよいでしょう。株が間延びしたら水やりで調整し、半日蔭のような場所で育ててください。半日蔭で育てると株のしまりがよくなり、凛とした姿になります。
夏と冬の育て方の違いと注意点
夏場はあまり日当たりの強いところで育てると、葉焼けしてしまいます。また湿気が多くても株が弱り枯れることもあります。屋外でもハンギングバスケットなどを利用し、風通しの良い半日蔭で育てるのがおすすめです。
またトラディスカンチアは寒さに強い植物ですが、霜が苦手で枯れることもあります。そこで冬場の霜が降りる季節は、寒い時間帯は屋外に放置しないようにしましょう。暖かい屋内で育てると、冬場でも成長を楽しむことができます。
季節で変える水やり
トラディスカンチアを上手に育てるために、季節によって水やりを変えましょう。湿気を好む植物ではありませんが、水がなくなれば枯れることもあります。春から秋にかけて、鉢土が乾いたら水をあげるを目安にしてください。
冬は土の水分が多いと霜の原因になります。そこで少し土を乾かし気味に管理しましょう。日当たりのよい室内に置いて葉水だけを毎日行います。土の部分の水は、葉が萎れないギリギリを目安にするのがポイントです。
肥料の量とタイミング
トラディスカンチアはたくさんの肥料を与える必要はありません。あげすぎると、逆に葉の色が悪くなったり枯れることがあります。特に生育期ではない冬場は肥料は不要です。冬はお休みさせてあげましょう。
肥料は生育期の5月~10月にかけて、2か月に1回の頻度で暖効性の化成肥料を置き肥しましょう。置き肥以外の肥料では、速効性の液体肥料を7~10日に1回施す方法もあります。いずれもあげすぎは注意してください。
植え替えと剪定
トラディスカンチアの増やし方はとても簡単です。しかしそのまま放置すると全体のバランスが悪くなるので注意してください。葉を剪定したり挿し木をするなど、様々な手法で形を整え上手に株を増やしましょう。
春から秋にかけて根の発育が旺盛なため、成長によって鉢の大きさを変えることも大切です。植え替えや挿し木、株分けによって増え、屋内外で楽しむことができます。しかし増えてすぎて、他の植物まで浸食することもありますので注意しましょう。
剪定を利用した増やし方
トラディスカンチアそのものは簡単に育ちますが、日当たりが悪くなると葉や茎が間延びし、バランスが悪くなります。その時は短く剪定をし新しい芽を出して整えましょう。切り落とした分は挿し木にし新しい株にしてください。
このように間延びした分を切っても、捨てて無駄にすることがありません。新しく鉢や地面に植え替えて、増やして楽しむことができます。そこで枝葉の形が少し悪くなったら、剪定をし挿し木にして楽しみましょう。
株分けをするための植え替えのコツ
植え替えは株を増やすための最適なタイミングです。生育旺盛な春から秋にかけて、根の成長に合わない鉢で育てると、根が混雑してしまい生育不良になってしまいます。下部分の葉が枯れることもあるので注意しましょう。
そこで根が最も生育旺盛な春から秋にかけて、鉢を大きなものに変えたり、株を分けて植え替えをします。植え替えは年に1回を目安にやるのがポイントですが、春から秋にかけての時期ならいつでも可能です。
植え替えや株分けに適した土づくり
トラディスカンチアの植え替えをする時は土も新しいものに変えます。トラディスカンチアは水はけのよい土を好みますので、赤玉土と腐葉土を6対4の割合で混ぜてください。吊り鉢にする時は、少し軽量化するとよいでしょう。
吊り鉢にする時の配合は、赤玉土、腐葉土、パーライトを6対2対2の割合で混ぜます。またハンギングバスケット用の土も市販されています。株分けの時も同じ用土を使うのが、上手な増やし方のコツです。
挿し芽でトラディスカンチアを増やす
トラディスカンチアの増やし方には、株分けと挿し芽があります。春から秋にかけて、生育が盛んな根の成長に合わせるために植え替えをします。増やし方の中でもおすすめのタイミングは、この植え替えの時です。
もう一つの増やし方は、挿し芽という方法です。こちらは剪定のタイミングに行いましょう。剪定の時に切り落とした新葉を、異なる土の中に挿して増やすことができます。育て方が簡単なトラディスカンチアならではの楽しみ方です。
トラディスカンチアを挿し芽で増やす
生育の良い春から秋にかけて、トラディスカンチアを放置しておくと間延びしてしまいます。大きくなり過ぎて形が悪くなります。そんな時は剪定をしてください。剪定で切り落とした新葉は捨てずに挿し芽で増やしてあげましょう。
挿し芽は暖かい春から秋に行います。挿し芽は赤玉土を入れたポットに植えて、水切れがないように管理してください。根が出てきたら鉢などに改めて植え替えます。植え替えや株分けと同じように半日陰で育てましょう。
トラディスカンチアを育ててみよう
トラディスカンチアは、育て方も増やし方も簡単にできる観葉植物です。形を整え半日陰を選び、土が乾かない程度の水やりをする、と初心者でも育てやすい植物になります。病気や害虫にも強く安心して緑を楽しむこともできます。
部屋の一部に緑が欲しい、日当たりや水やりなど頻繫な手入れが面倒、管理が苦手という人でも育てやすい多年草です。庭がなくても育てられる植物なので、ミニガーデニング作りに利用してみましょう。
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