ドラゴンフルーツとは
ドラゴンフルーツは、熱帯雨林原産の果物です。サボテン科ヒモサボテン属であり、現地ではピタヤとも呼ばれています。一見するとサボテンには見えませんが、実の表面にある緑の突起物はサボテン科特有のものといえるでしょう。
栽培のコツをつかんで上手に生長させることで、甘い果実を収穫することができます。家庭で食べるだけでなく味が良ければ贈答品としても活用できるので、ぜひ栽培に挑戦してみてください。
ドラゴンフルーツの特徴を知っておこう
ドラゴンフルーツには、どのような特徴があるのかご存じでしょうか。実はドラゴンフルーツは、栽培されている割にはその生態がよく知られていない植物です。森林性であり半着床の特殊な植物であるという特徴以外は、ほとんど知られていません。日本では、寒さには弱くても暑さには強いので沖縄県での栽培が急速に拡大しつつある、独特の果物です。
果実以外も食べられる
一口にドラゴンフルーツといっても、その種類は多様です。種類ごとの特徴を知ることで、より栽培も楽しめるのではないでしょうか。日本では栽培していても流通しているのは主に果実だけですが、実は原産地では葉肉や花も食用として広く親しまれています。
どんな花が咲くのか
ドラゴンフルーツの花が咲くのは、6月から10月の間と非常に長いです。その期間に1か月間隔で花を咲かせ、多ければ5回ほど開花します。強い香りを放つのが特徴で、美しい魅力的な花が見られます。
また、開花する時間は夜の8時から9時くらいで、翌朝にはしぼんでしまいます。ドラゴンフルーツの開花時期や収穫時期は種類によっても変わってくるので、植えた種類の開花する時期を知っておくと美しい花を見ることができるでしょう。
1株では実がならないことも
そもそも発芽率の高い植物なので、購入した果実の中にある黒い種を水洗いしてまくことで簡単に発芽できます。しかし、種類によっては株が大きくなってたくさんの花が咲いたとしても、1株しか植えていなければ果実が結実しない場合もあるので栽培時には注意しましょう。
ドラゴンフルーツの栽培方法を知ろう
栽培自体は、家庭菜園の初心者でもそこまで難しくはありません。もともとドラゴンフルーツは強壮で寒さには弱いですが、暑さには強い植物です。
とはいえ、越冬に気を付けることで沖縄や九州以外の中間地でも栽培できます。寒冷地であれば、地植えではなく鉢植えにしておくと栽培可能でしょう。育て方のコツをつかんで、ぜひおいしい果実を育ててみてください。
ドラゴンフルーツの栽培方法①種から苗を作ろう
ドラゴンフルーツは、園芸店などに売っている苗を購入する方法もありますが比較的発芽率が高い植物なので種まきがおすすめです。家庭菜園で栽培するのであれば、果実を食べた時に種を取り出しておくだけでいいでしょう。
多めに取り出した種を、ポットに植え付けてください。種用の土を園芸店などで購入し、風通しなどの環境をきちんと整備することで容易に芽を出してくれます。ある程度苗が大きくなったら畑に植え付けましょう。
支柱が必要
ドラゴンフルーツは大きくなってくると自力ではたてない植物のため、栽培時には必ず支柱を立てておきましょう。原産地では10mにもなる大型の植物のため地植えの場合には広い土地が必要になりますが、コンパクトに育てることもできます。また、分岐した枝が伸びてきたらひもなどを使って誘引してください。
ドラゴンフルーツの栽培方法②用土と植え付け方法
ドラゴンフルーツは、原産地では大きいものは10メートルにもなる大型のサボテンです。うまく管理することで、地植えでも鉢植えでも問題なく育ちます。鉢植えであれば市販のサボテン培養土を、地植えの場合は元肥を入れて2週間程度してから苗を植え付けるようにしてください。
ブレンドするなら
市販のサボテン培養土では水はけがよすぎる、という場合には自分でブレンドすることもできます。その場合は赤玉土やバーミキュライトをベースに、腐葉土を2割程度混ぜるといいでしょう。水はけのよさを第一に考えて配合し、4月上旬から5月下旬にかけて植え付けをします。気候が良く晴れた日に植え付けるのがおすすめです。
植え替えが必要
植え付けのコツはとくにありませんが、鉢植えで栽培するのであれば1年から2年に1度植え替えをする必要があります。植え替えの時期も4月から6月ごろの、気候がいい時期がおすすめです。また、地植えの場合は日当たりがよく風通しもよい場所に植え付けるようにしてください。
ドラゴンフルーツの栽培方法③肥料と水やり
植物の育て方で重要なのは、肥料と水やりです。栽培が難しくはないドラゴンフルーツも同じで、肥料を与える時期を知っておくことが育て方のコツになります。窒素とリン酸、カリウムが同程度含まれている肥料を与えましょう。
均等に配分されている肥料がなければ、リン酸は多少多めでもいいです。鉢植えでも地植えでも、4月の終わりから秋口まで決められた量を与えます。生長期に肥料を与えることで、たくさんの実がつくでしょう。
過湿に注意
肥料だけでなく水やりにも注意が必要です。基本的に水はけのよい用土を好むドラゴンフルーツは、過湿状態になると根腐れを起こす可能性が高くなってしまうでしょう。そのほかにも、土の中に菌が繁殖して病気になることもあります。そのため、水やりは土が乾いた状態になってからしてください。
ドラゴンフルーツ栽培に適した環境を知ろう
ドラゴンフルーツは、育て方のコツは適した環境に置くことです。栽培するに当たって重要なのは、日当たりと風通しでしょう。強すぎる日差しは、葉焼けする危険があるので注意が必要です。
寒さには弱いので、冬はできるだけ水やりを行わないようにしてください。ほぼ断水することで、室内であれば0度近くまでは耐えることができます。地植えの場合には凍結に注意して藁や新聞、段ボールなどで寒さを防ぐようにしてください。
ドラゴンフルーツの栽培方法④収穫
ドラゴンフルーツは、木の上で完熟することで甘くおいしくなる果物であるためきちんと熟しているかどうかを見分けるようにしてください。
収穫の目安は、花が開花してから約40日から60日程度とされていますが、種類によっても収穫期が違ってきます。確実に収穫したいのであれば、開花するときを狙って筆などを使って人工授粉をしてみてください。
ドラゴンフルーツの注意するべき病気
病気や害虫は、ドラゴンフルーツを育てるときにも注意したいものです。どのような植物も、病気に対する対策をしていなければ収穫量が落ちるたり枯れてしまったりします。栽培方法を調べるときに必ず、病気や害虫についても調べておいてください。
危険なのは立ち枯れ病で、栽培時に過湿になると発生しやすい病気です。土の中にあるカビ菌の増殖が原因なので、水の管理には気を付けてください。越冬を終えた4月ごろに、要注意です。
害虫にも注意
病気だけでなく、アブラムシなどの害虫にも注意しましょう。栽培するときに風通しが悪くなる、日照不足になるなどの悪条件がそろってしまうと発生しやすくなります。ウィルスを媒介することもある危険な害虫なので、見かけたらすぐに駆除するようにしてください。何より、害虫を寄せ付けないように予防することが大切です。
ドラゴンフルーツの栽培方法⑤管理のコツを知ろう
管理のコツはいくつかありますが、もっとも大切なのは愛情をもって細やかなケアをすることです。たとえ長く時間が取れなくても丁寧な手入れを少しずつすることで、時期が来ればおいしいドラゴンフルーツを食べることができます。ここではわかりやすく管理のコツをまとめてみたので、ぜひ栽培するときの参考にしてみてください。
ドラゴンフルーツの管理のポイント
- 水はけのよい用土を作る
- 日当たりと風通しを良くする
- 結実させるには人工授精をしよう
- 越冬は凍結注意
- 鉢植えの場合は4月ごろ植え替えが必要
栽培されているドラゴンフルーツの種類
ドラゴンフルーツは育て方は、種類によって違うことはありません。また、栽培に適した環境にも変わりなく、基本的には水はけのよい用土と日当たり、風通しを良くすることで育ちます。
実は流通していない種類まで合わせると20種類くらいあるので、選ぶときには味だけでなくどの程度まで気が大きくなるのかなども考慮してください。どの種類を育てたいのかは、自分のライフスタイルに合わせて選ぶようにするといいでしょう。
ホワイトドラゴン
アメリカや台湾などで品種改良がおこなわれている、白肉種のドラゴンフルーツです。一般にドラゴンフルーツといえばほとんどが、このホワイトドラゴンになります。栽培も容易で家庭菜園で育てるにもおすすめの種類なので、ぜひチャレンジしてみてください。
レッドドラゴン
レッドドラゴンは、皮だけではなく果肉も赤いのが大きな特徴です。ホワイトドラゴンに比べれば、少々小ぶりの実がなります。レッドドラゴンもいくつかの系統に細かく分かれていて、1種類では結実しないものもあるため栽培時には気を付けましょう。
ピンクドラゴン
ホワイトドラゴンとレッドドラゴンを掛け合わせて作られた品種で、日本で交配されたものもあります。ただし流通量は多くはなく、スーパーなどの一般販売はほぼされていません。
購入するときには、通信販売などで探してみると売られています。味は糖度が高いために甘くてジューシーであると話題で、ジュースにしてもおいしく飲めるでしょう。沖縄で栽培されているために、完熟したものを食べられるのも魅力です。
ミニドラゴンフルーツ
ドラゴンフルーツとは別の植物にもかかわらず、ミニを付けただけで同じカテゴリの植物と勘違いされがちなのが、ミニドラゴンフルーツです。とはいえ、栽培方法に大きな違いがあるわけではありません。
広い土地が確保できない、庭がないなどという場合にはぜひ育ててみるといいでしょう。小さくても実った果実は食べることができるので、観賞用としてだけでなく食用としても栽培することができるのが、大きな魅力といえます。
まとめ
ドラゴンフルーツは、一般に流通している果実以外にも食べられる部分はありますが、安全のためにも食べるときには詳しく調べてからにするといいでしょう。
完熟させた果実を食べる機会はあまりないので、家庭菜園で栽培したものを食べると全く別の果物かと思う程に甘みがあります。ぜひこの記事を参考にして、ドラゴンフルーツの栽培にチャレンジしてみてください。
ドラゴンフルーツの栽培方法が気になる方はこちらもチェック!
当サイトでは、ほかにもドラゴンフルーツの育て方を詳しく書いた記事が掲載されています。また、害虫への対策方法を書いた記事などもあるのであわせて読むことでより、詳しい育て方を知ることができるでしょう。ドラゴンフルーツの栽培方法を知りたいときには、ぜひチェックしてみてください。

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