トマトとは
家庭菜園で育てたい・育て方を知りたい野菜といえば、トマトやミニトマトではないでしょうか。みずみずしいトマトは夏野菜の定番といってもよくてサラダの彩やお弁当だけでなく、煮込み料理にも使える万能野菜です。植え方や育て方も決して難しくはなく、特徴を知ってちょっとしたコツを覚えるだけでおいしい実をつけてくれます。
トマトの特徴を知っておこう
トマトの育て方を知るには、特徴を知っておくことも重要です。トマトは、もともと栄養や水が少ないやせた土地に生育していた植物なので、栄養が豊富すぎたり水を適量以上に与えすぎたりすると病気になってしまう、もしくは実が付きにくくなるなどの特徴があります。
とはいえ育て方を学んできちんと手入れをすれば生育は難しくなく、露地栽培だけでなくハウス栽培や、プランター栽培、水耕栽培などさまざまな育て方ができる野菜です。育て方に関する注意点やポイント、かかりやすい病気などを事前に知っておくことでいざというときに対処ができます。
またトマトは、かつてその実の特徴的な赤さから毒があると思われていて、成長して実がなってもあくまで園芸用の観賞用植物とされていた時期もあった野菜です。
トマトの育て方
ここでは、苗の選び方から植え方、収穫までの育て方を詳しく解説していきます。トマトの育て方をきちんと理解しておくことで、初めて家庭菜園をするという人でも失敗することなく、おいしいトマトをたくさん実らすことができるでしょう。ただし、植え方に始まる育て方の注意点をよく理解しておくことが大切です。
トマトは栄養豊富で、使い勝手のいい野菜といえます。生育には手間と時間がかかりますが手をかけた分だけおいしいトマトが収穫できるので、ぜひいろいろと試してみてください。
トマトの育て方①苗選びの注意点
トマトの育て方では、苗選びが重要です。園芸店ではさまざまな苗が売られていますが、見るべきポイントは病気かかっていないか、害虫がついていないか、丈夫な苗であるかなどが考えられるでしょう。葉先が黄色くなっているものや葉の裏に黒い粒がついているもの、根がぐらつくものは選ばないようにしてください。
とくに重要なポイントは、1番花がついているかどうかになります。ナス科の中には1番初めについた花は取ってしまうという野菜もありますが、実はトマトは1番についた花芽はそのまま結実させるべき野菜です。最初に咲いた花を取ってしまうと、樹勢が強くなりすぎて成長しても2番目以降は結実しないこともあります。
植え付ける時期的には春ごろがいいですが、天候の安定しない4月に生育を始めるには遅霜に対する対策などのコツが必要です。そのため、植え付け時期に合わせて園芸店で苗を選ぶようにしましょう。
トマトの育て方②土づくりと植え方
トマトの育て方では、土も重要な要素です。トマトを植え付ける2週間ほど前に、苦土石灰と堆肥を入れておくといいでしょう。プランター栽培であれば、市販の野菜用培養土でとくに問題はありません。野菜用の培養土には既に必要な肥料などが配合されているため、下手に何かを加えることはせずにそのまま使用しましょう。
トマトの植え方は、露地栽培なら畝を作ってマルチを敷くと、穴を掘って鉢土ごと崩さないようにして植えます。野菜の中には土を崩して植えるものもありますが、トマトの根はできる限り傷つけないことが肝心です。また、プランターの場合は一つのプランターに1株か多くても2株にし、しっかり株間を開けるようにしてください。
植え方の注意点
- 植え付け時期は気温が25度から30度
- 根を傷つけると病気になる可能性があるので注意
- つぼみがついてから開花前後に植える
トマトの育て方③肥料と水やり
トマトの育て方では、肥料を与えすぎるとよくありません。しかし、時期を見て追肥することも必要になる場合もあります。つまり、まったく肥料がいらないというわけではありません。基本的には植えてから1か月程度で追肥が必要になるので、即効性のある液肥を適量与えてください。ただし、苗の様子をよく観察して栄養状態が万全であれば、追肥は行わないようにします。
トマトは栽培時に栄養過多にならないようにするのが、おいしい実をならせるコツです。その後の追肥も、葉や茎の様子や成長度合いを見てから与えるかどうかを判断するといいでしょう。土にしっかりと栄養があり、特に成長に問題がなければ追肥は必要ありません。
また、トマトの育て方では水は乾かし気味にと言いますが、少なすぎれば病気になってしまうこともあるので、土が乾いたらたっぷりの水を与えるようにします。プランター栽培での育て方は、夏は最低1日1回から2回、露地栽培でも晴天が続くようなら1日1回は水やりをしてください。
トマトの育て方④支柱とわき芽かき
トマトは植えた時に、根を傷つけないよう注意して支柱を立ててください。放っておくとわきからもどんどん芽が出てくるうえに、大きく成長するのが特徴の野菜です。そのため、支柱を立てて倒れないようにする必要があります。また、支柱を立てたら蔓をうまく誘引して、望む方向に成長させるのが育て方のポイントになるでしょう。
育て方の注意点としては、成長するにしたがって出てきたわき芽は早めに取り除くことです。わき芽も放っておくとどんどん伸びてきて花をつけ、実がなるでしょう。しかし、たくさんついても栄養が分散してしまうので大きくおいしい実にはなりません。そのため、わき芽は取り除く必要があります。
トマトはナス科の中では育て方によってはかなり大きく育つ野菜なので、植えるときにはしっかり間隔をあけるようにしてください。また、わき芽を取るときは、病気を防ぐためにもはさみではなく手でちぎることをおすすめします。
トマトの育て方では摘果も大切
育て方のもう一つのポイントは、摘果です。プチトマトの場合は特に必要はありませんが、大玉トマトの場合は適度に実を間引くのが大きい実をならせるコツといえるでしょう。また、実が多すぎると花が落ちてしまって結実しない場合もあるので、忘れずに不要な実は取り除くようにしてください。
そのほか、成長を促すためにも支柱より大きくなってきたときには茎の上部を摘み取ってしまうのも重要なポイントです。苗が成長しすぎると栄養が取られて実の付きが悪くなるので、支柱を超えない程度の高さがちょうどいいでしょう。支柱はせいぜい180cm程度にして、高くなりすぎないように気を付けてください。
収穫をしよう
トマトは品種にもよりますが、大体植え付けから一月半~二月たったころに収穫の時期が来ます。タイミングとしては、実が赤く完熟したころです。ただし、大雨が降ると実が割れてしまうので収穫時期には天気予報をしっかり見ておくのが注意点といえるでしょう。
多少青くても、収穫後に冷暗所に置いておくことで追熟するので、完熟する前であっても雨にあたる前に収穫するのが育て方のコツといえます。また、木が完全に枯れるまでは次々と実を実らせて収穫できるのもトマトの利点なので、枯れるまでは残しておくのも育て方のポイントです。
トマトの品種
品種が多いのがトマトの大きな特徴であり、日本でも約120種類程度もあるので園芸店でどの苗を買うか迷ったことはないでしょうか。とくに充実している園芸店であれば、苗だけでなく種もさまざまな種類を置いています。育て方はどの品種でも大きく変わることはないので、どのように選べばいいのかポイントをチェックしておきましょう。
大玉トマト
大玉トマトとは、一つの実が約150g以上あるような大きめの品種です。どのように食べてもおいしいですが、加熱しても食べられてさまざまな料理に幅広く使うことができます。園芸店では特に「桃太郎」という品種をよく見かけるでしょう。なぜならほかの品種よりも病気に強く、園芸初心者にも育てやすいからです。
煮込み料理などを作るときには、酸味の多い日本では昔からある「ポンデローザ」がいいでしょう。トマトの品種は、料理や食べ方に合わせて選ぶのがコツです。
ミディトマト
約40gから150g程度のトマトを、ミディトマトと呼びます。大玉トマトと小トマトを掛け合わせて生まれたトマトです。大きさ的にも料理に使いやすく、園芸店では「フルティカ」や「アイコ」という品種が育てやすいうえに甘みも強いためぜひ育ててみてください。
ミニトマトとプチトマト
ミニトマトとプチトマトは、いわゆる小玉トマトに分類されます。特徴はその名の通り小さいことであり、20g以下程度の小さなトマトをミニトマトと総称し、その中の品種の一つがプチトマトです。植え方はほかの品種と大きな差はなく、どちらかといえばほかの品種より栽培も容易であるため初めての家庭菜園にはとくにおすすめといえるでしょう。
フルーツトマト
フルーツトマトというのは品種名ではなく、糖度が高いトマトのことを指します。通常の大玉トマトの糖度が約4~5程度なのに対し、フルーツトマトはその倍の糖度があるので食べやすいトマトです。そのため、トマト特有の青臭さも少なく子供にも食べられるのでぜひ、家庭菜園で作ってみましょう。
植え方にはとくに変わりはありませんが育て方で糖度が変わってくるので、手間を惜しまなければ十分に家庭でもフルーツトマトと呼ばれるような甘い実を作ることができるのが魅力といえます。もちろん品種によっても甘く育ちやすい「アメーラ」などがあるので、品種にこだわるのもおすすめです。
病気の注意点と対処法
トマトの病気は、できるだけ予防することが大切です。育て方と一緒に、病気に対する注意点や対処法を知っておきましょう。たとえ病気になったとしても正しい対処法を知っておくことで、根ごと抜かなくても最後までおいしい実をつけてくれることもあるからです。
病気①うどんこ病
うどんこ病は、ほとんどの野菜がかかる可能性がある厄介な病気です。葉に白いカビのような斑点ができ、放置しておくと枯れてしまうでしょう。気温が高く湿度が低い春先や秋口に発生しやすく、気温が高くなりすぎる真夏には自然と治ることもあります。
注意点としては、葉に普段はない白い斑点ができてきたらうどんこ病を疑ってください。木酢や竹酢を散布することで、ある程度は防ぐことができるでしょう。また、発症後は発症した葉をちぎって捨て、その後は様子見で大丈夫な場合もあります。
病気②尻腐れ病
果実のお尻部分が黒ずんできたら、尻腐れ病を疑いましょう。発症する原因はカルシウム欠乏症であるため、薬剤を散布しても治らないのが注意点です。発症した実はすべて破棄し、即効性のカルシウムを含んだ肥料を与えるとその後の発症を抑えることができます。
まとめ
トマトの育て方では苗の選び方から植え方、収穫までの流れを一通り覚えておくことで失敗しないトマトづくりができるのではないでしょうか。栄養豊富でおいしいトマトがあるだけで、料理の幅も大きく広がります。育て方をしっかり理解しておき、夏にはみずみずしくおいしいトマトを新鮮な状態で食べてみてください。
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