はじめに:ディモルフォセカとはどんな花
ディモルフォセカは花色豊富なキク科の植物
ディモルフォセカとはわかりやすい嫌味を感じないシンプルで美しい見た目と花色が豊富なことで、鉢花や切り花などにも人気の植物です。それだけでなくはじめて植物を育てるという初心者の方にも、ディモルフォセカは簡単で早く花が咲くところが見られるためおすすめできる植物となっています。
また苗や鉢植えを買ってきて植え付ければ次つぎに花芽があがってきて簡単に満開の花鉢を手に入れることができるでしょう。
よく似た花を付ける種類との見分け方も紹介
ディモルフォセカの写真や実物を見るとよく似た花を見たことがあると感じる方も少なくありません。とてもよく似た花や育て方をする植物にオステオスペルマムという鉢花が多く市販されていて出回っているからです。ディモルフォセカとこの植物の違いについても簡単にわかりやすく見分ける方法を解説しましょう。
育て方の前にディモルフォセカの特徴を知る
ディモルフォセカ栽培をはじめる前にこの植物についての基礎知識を知っていると何かと役にたちます。まずはディモルフォセカとはどんな植物の仲間なのか?その原産地や特徴開花時期と非常によく似た花との違いについても触れていきましょう。
ディモルフォセカの基本情報
科・属 | キク科アフリカキンセンカ属(ディモルフォセカ属) |
原産地 | 南アフリカ |
英語名/学名 | Dimorphotheca |
育て方難易度 | 簡単 |
キンセンカとディモルフォセカ
ディモルフォセカの別名がアフリカキンセンカで分類もこのアフリカキンセンカ属に分けられています。これはアフリカ原産のキンセンカに似た花という意味ですが、この名前の由来はキンセンカの方がメジャーな花の種類だったことにほかなりません。実際キンセンカの花はもっと花びらの数も多くぽってりと大きな花となるのですぐに見分けは付くでしょう。
ディモルフォセカの特徴
ディモルフォセカはキク科の植物で、その花や葉にキクと同じようなわかりやすい特徴が見て取れます。花付きがよい植物ですので開花時期には次々と下からたくさん花芽があがってきて花がら摘みをしてあげることで、長く楽しめるのがディモルフォセカやよく似たオステオスペルマムの特徴です。
ディモルフォセカとオステオスペルマム
ディモルフォセカとオステオスペルマムは花だけ見ると見分けが付かないほどよく似ていますが葉を見ると細長いのがディモルフォセカで幅広なのがオステオスペルマムと特徴があります。
また一年草なのがディモルフォセカで多年草がオステオスペルマム。黄色やオレンジ・白色の花が咲くのがディモルフォセカで青・赤・ピンクの色がオステオスペルマムという方もいますが、最近は花色については見分ける材料にできないほど花数が増えてきているので、参考程度にしておいた方がよいでしょう。
ディモルフォセカの開花時期
ディモルフォセカは春から初夏の花というイメージがありますが実際開花時期を迎えるのはもう少し早くてまだ寒い2月ころから開花時期に入ります。ディモルフォセカは次々と花があがってくるため傷んだ花・終わった花はすぐに花がら摘みをしながら開花時期が終わるまでお手入れしましょう。
ディモルフォセカの育て方
ディモルフォセカの基本情報を知っていただいたところで、早速その育て方レクチャーにはいります。
ディモルフォセカは1年草であるため花を咲かせる、または種取りまでできればあとは処分してしまうのでそれほど細やかな栽培の心配りは必要ありません。苗を買ってきて植え付ければほぼ手間なしでその年は楽しむことができるでしょう。
ディモルフォセカの日当たり
この植物は日当たりがよいところを好みます。またじめじめとした場所や土を嫌うので庭木の下など半日陰なところに植え付けるのは適していません。風通しがよくて日当たりのよい場所に置くようにしてください。
適期はいつ?ディモルフォセカの種まき
ディモルフォセカはあまり種まきからの発芽率は高くありません。種まき時期は秋。関東の気候であれば9-10月ころが発芽気温とあっていて適期といえるでしょう。そのまま冬中苗として栽培しなくてはいけないため、はじめて育てるなら種まきよりも春先になって苗が出回ってきてからそれを買って植え付けて育てる方が簡単でおすすめ。
種まきにおすすめの用土
赤玉土と腐葉土を6:4程度に配合した一般的な植物用の土で十分育ちます。ベランダ栽培など鉢やプランターで育てる方・土を購入するならば花用の培養土が手軽にすぐに植え付けられるためおすすめです。マーガレットやマム用の土として売られている培養土であればなおよいでしょう。
鉢植えから地植えへの植え替え
鉢花として購入したものを花壇などに直植えにする場合は、植え替えも必要になるでしょう。鉢を逆さまにして土ごと取り出したら根鉢(鉢の中で固まった土とその中の根部分)はさわらずそのまま花壇に植え替えてください。深植えにしないのがこの花を上手に植え替えるポイントです。
ディモルフォセカ水やりと肥料
春に種まきをして秋や冬寒くなるまで育てて終わりという1年草が多い中、ディモルフォセカは秋に種まきをして冬を越し6月ころに株が終わるという少し珍しいサイクルでの栽培をする植物です。
冬場にも土が乾いたら水やりをして育てていくと2月ころから花が咲き始めます。開花時期が長いため花が咲き始めたら定期的に水やりと一緒に液肥を与えるとよいでしょう。
ディモルフォセカの花がら摘み
水やりや肥料やりと同時におこなって欲しいのが花がら摘みです。難しいことではなく花が終わってもう枯れかかった花を茎ごと切り取って処分するだけ。これをすることで花が多いディモルフォセカの場合は下から出てくるつぼみにまわる養分が確保出来る大切なお世話。
枯れかけの花の茎を下までたどってできるだけ根元に近い場所から切り取ってしまってください。咲いたらすぐに剪定して切り花で楽しむという方法でもよいでしょう。
ディモルフォセカ病気と害虫
キク科の植物にはよくアブラムシが付きます。この植物もご多分にもれずアブラムシには注意してあげましょう。春あたたかくなってころから見かけることになるので、見つけ次第捕殺してしまえばOKです。注意する病気は特にありません。
ディモルフォセカの種取り方法
先程花の時期には花がら摘みが必要といいましたが、種取りをしてまた秋に種まきから育てるのであれば、種取り用の株を用意して花がら摘みをせずに肥料を与え続けて種が熟すまで育てます。
採取した種はそのまま保存しておき9月以降になったら種まきをしてください。発芽率は高くはないので種はできるだけ種まき用の土を使うようにし、気温にも気をつけてあげるとよいでしょう。
本葉が2枚出たらポットに植え替え
種まきをして発芽したら本葉2枚くらいまでそのまま育苗箱で育てます。その後間引きはせずに良い苗をポットにあげて重点的に育ててあげ、翌春植え付けをしてあげましょう。その後の育て方は市販の株と変わりありません。
種まきした苗の冬越し
ディモルフォセカは耐寒性は高くありません。秋に種まきした小さな苗は比較的寒さにも絶えやすくはありますが心配であれば簡易的なものでも良いのでトンネルやフレーム・温室などの中に入れて春まで管理しましょう。
ポット苗で移動が容易に可能であれば上に屋根がある軒下などの場所に置くことで、霜を防げるため簡易的な避難所となってくれます。
ディモルフォセカが咲かない原因と対策
ディモルフォセカのつぼみは付いているのだけど開かないという場合は、日当たりを見直してみてください。室内のような薄暗い環境であると花が開かないという性質を持っています。
もし置き場所が半日陰か室内であるようならば太陽光の下へ移動して様子を見て下さい。昼の間は花が咲き夜になると花びらを閉じて眠ります。
ディモルフォセカの種類・品種
スプリング・フラッシュ・イエロー
ディモルフォセカの中ではベーシックともいえる黄色系の花色で非常にたくさんの花芽があがってきてひと鉢でも十分な見応えが人気の種類です。黄色の花の他にオレンジ色がかった花色のものも存在します。
ディモルフォセカ・プルビリス
矮性(草丈がそれほど高くならない性質)の白花の品種がこのプルビリスと呼ばれる種類です。特に特徴的なのが花びらの中心部分が紫色であること。花が満開に近くなればなるほど紫部分も広くはっきりと確認できるでしょう。
まとめ:ディモルフォセカの栽培は簡単
美しいディモルフォセカでガーデニングを楽しもう
キク科のシンプルながらも間違いない美しさを見せてくれるディモルフォセカ。近年は黄色系だけでなくオステオスペルマムとの混色でピンクや紫・青といった花色のものも見かけるようになり楽しみ方が広がっています。
ディモルフォセカは苗を買ってきて花が終わり種取りまですればあとは処分してしまえばよい育て方も簡単な植物。種まきからの栽培は冬場の管理が必要なので少し難易度が上がるのでご注意ください。
ディモルフォセカが気になる方はこちらもチェック
ディモルフォセカとよく似たオステオスペルマムの育て方も暮らしーのでは解説しています。ディモルフォセカだけでなくよく似た多年草のこの花についても気になる方は合わせてこちらもご一読くださいね。

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出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/4680590