オオアラセイトウとは?
オオアラセイトウとはどんな花?
オオアラセイトウとは、原産地を中国とする、アブラナ科オオアラセイトウ属の越年草(秋に発芽し越冬し、翌年に花を咲かせる草本植物)です。とても美しい花姿と、食用としても茎や花を食せることから、現在では中国付近東アジアを越えて、帰化植物としてヨーロッパ南部まで世界中に広まりました。
オオアラセイトウはすみれ色の奥ゆかしい十字の花を咲かせ、あまり派手では無いものの群れて咲く姿は一面を美しい紫にして、私たちになんとも言葉に言い表せられない程の魅力を見せてくれます。
オオアラセイトウの原産地
オオアラセイトウの原産地は、中国などの東アジアです。中国(原産地)の東部に分布し、ヨーロッパ南部に帰化していて、また日本でも江戸時代に輸入され栽培されるようになりました。
また中国(原産地)では、昔から食用としてオオアラセイトウが栽培されています。若い葉を摘んで食べることができる他に、種子から油を取ることもできます。
原産地中国から入ってきて今や野生化しているため、道端のあらゆる場所に見かけることができるので、綺麗なものを採取して春の季節のお楽しみとして食してみるのもいいですね。
オオアラセイトウの名前の由来
和名「ムラサキハナナ」「ハナダイコン」
オオアラセイトウは和名で別名「紫花菜(ムラサキハナナ)」、ほかにも和名では、「花大根(ハナダイコン)」と呼ばれます。ムラサキハナナ(和名)と言われるだけあって、綺麗な紫の花を開花させることに由来します。
オオアラセイトウはムラサキハナナ(和名)の他、花大根(ハナダイコン)と呼ばれることもありますが、これは大根の花に似ていることからこの名が付けられました。どちらも名に違いがありますが、春の風物詩に相応しい由来と、愛らしい和名ですよね。
中国名「ショカツサイ」
中国名
続いて、中国名をご紹介しますね。オオアラセイトウはハナダイコンなどと呼ばれていますが、面白い中国名も存在します。
中国の三国志に登場する優れた兵士「諸葛孔明」(蜀漢の丞相)が、大軍を率い野営していた際に、このオオアラセイトウの種子を準備し、兵士に野菜作りをさせ戦いに挑んだとされる伝説から、中国名で「ショカツサイ」と呼ばれるようになりました。
有能な兵士が食料として花「ショカツサイ」を広めて、そこから中国名ができたなんて興味深いストーリーですよね。
英名Orychophragmus violaceus
オオアラセイトウは英名では、「Orychophragmus violaceus」(英名)と表記します。violaceus(英名)は「紫」、Orychophragmusのorychoは「掘り出す」、phoragmusは「隔壁、垣根」といった意味合いを持ちます。
和名とは違いのある英名は、壁や垣根のあらゆるところから掘り起こすかのようにして咲く繁殖力の強さを表現しています。Orychophragmus violaceusと英名で読んでみるのも素敵ですね。
オオアラセイトウのその他の呼び名
- 和名:ムラサキハナナ、ハナダイコン
- 中国名:ショカツサイ
- 英名:Violet Orychophragmus
オオアラセイトウの特徴と開花時期
オオアラセイトウの特徴
オオアラセイトウは一度植え付けをすると、こぼれ種だけで毎年生えてくるようになるほど生育旺盛なのが特徴です。その他の特徴としては、茎丈は40〜70センチメートルで、アブラナ科らしい十字姿の花を開花させる点が挙げられます。
群植すると本当に美しいので、ガーデニングスペースが広く余っている方など、オオアラセイトウを植えてみるのはいかがでしょうか?春の時期に開花し、暑さには弱い特徴があるので夏の季節には枯れてしまいます。続いて開花時期についてです。
オオアラセイトウの開花時期
では、開花時期についてご紹介いたします。オオアラセイトウの開花時期は3月~6月です。オオアラセイトウは開花時期が近づくと、枝分かれして伸びた茎の先に総状花序を伸ばし、2〜3センチの花を多数開花させます。
花は淡い紫色をした十字型の4弁花で、がくもすみれ色をしています。中心部には黄色い雄しべが6本と1本違いのある雌しべがあります。日本では昭和50年前後から栽培されている他、開花時期に野生でも群生して道端に咲く姿が見られます。
オオアラセイトウの花言葉
花言葉「知恵の泉」「優秀」「聡明」
先ほどご紹介した三国志の軍師「諸葛孔明」が非常に知略に富んでいたことから、「知恵の泉」「優秀」「聡明」といった花言葉が付けられました。また別名「溢れる知恵」とも言い表されることもあります。
聡明の意味とは「賢く人格に優れた人」のこと。人格の豊かな人に贈るに相応しい花言葉と言えるでしょう。諸葛孔明は、非常に長けた政治家でもあり、偉大な発明家でもあったと記録が残されています。そんな有能な人物から考えられた花言葉の意味って誇り高くて素敵ですよね。
花言葉「癒し」
次に花言葉「癒し」の意味をご紹介します。「諸葛孔明が陣をはると、そこには花が咲く」と言われていたそうですが、そんなおはなしにちなんで、戦いの中、風に揺れ美しく咲いていたオオアラセイトウは戦士たちの心をさぞかし癒したことでしょう。
また戦争の後にも、オオアラセイトウが咲き誇っていたことから「癒し」という花言葉がつけられたと考えられます。大変な戦争の時期に、健やかに涼しげに咲いていたオオアラセイトウを想像するとそこには感慨深いものがあります。
花言葉「仁愛」
仁愛の丞相として三国志に、諸葛孔明の人柄が描かれていることから、この花言葉「仁愛」がつけられたと考えられます。仁愛の意味は「情け深い心で人を思いやること」「いつくしむこと」また、そのさま。
諸葛孔明は兵士や人を心から思いやる人情や愛情に溢れた人物だったのでしょう。「人を慈しむことができる美しい心」そんな花言葉をこめて食卓にオオアラセイトウの花を飾ったり、大切な人に贈ることができたら、贈る側のこちらの心まで透き通るかのように癒されます。
オオアラセイトウの育て方と食べ方
育て方:苗の選び方と植え付け
苗のオオアラセイトウは下葉が黄色くなっていないものや、蒸れていないものを選ぶようにしましょう。種であれば秋(9〜10月)に直まきで大丈夫なので、秋蒔きをしましょう。発芽するまでは乾燥しないようにだけ、育て方に注意してください。
オオアラセイトウを種から発芽させた場合は、本葉が4枚程になったら植え付けを行います。苗のオオアラセイトウの場合も秋の季節の間に植え付けを済ませましょう。また、オオアラセイトウは一年草ですので植え替えの必要はありません。
育て方:栽培環境と用土
栽培環境についてですが、植え付ける際に鉢植えにするか地植えにするかの選択に迷うかもしれません。オオアラセイトウは生命力が強靭なので、鉢植えでも地植えでも、どちらでも育てることが可能です。水捌けがよく、日当たりの良い場所で栽培しましょう。
オオアラセイトウに使用する用土は、市販の培養土で問題ありません。屋外で育てれば、自然の風美を味わうことができますし、インテリアとして屋内に飾るのであれば窓際など、日当たりの良い場所に置いて栽培しましょう。
育て方:水やりと肥料、増やし方
表土が乾いたなと感じた時は、お水をたっぷりあげてあげましょう。肥料はあまり必要ではないので、植え付ける際に元肥を混ぜ込んでおけば十分です。
増やしたい場合は、種で増やします。花が咲いた後、サヤが茶色く変化したら、中の種が熟している証拠。採取し涼しい場所で保管をしましょう。
そして、その種を9月から10月に撒き、土が乾燥しないよう適湿に注意し発芽させます。その後の栽培フローは先ほど説明した通りになります。初心者でも簡単な育て方です!
育て方:収穫と冬越し
オオアラセイトウは花期である春ごろに収穫することができます。茎も花も食べられるのでお次に食べ方についてご紹介いたしますね。また収穫した種子は冷暗所で保管し、秋にまきましょう。
オオアラセイトウ(ムラサキハナナ)は越年草です。意外にも、しっかりと冬の寒さに触れないと開花しません。春に美しい花を咲かせるためには冬の季節の「寒さ」が肝心なのです。冬は霜が発生しない戸外で冬越しをさせるようにしましょう。
食べ方
オオアラセイトウはアクがなく癖もないのでさまざまな料理レシピに取り入れることができます。苦味などなく、むしろほの甘さがあるほど食べやすいのでおすすめ。一番のおすすめの食べ方は「お浸し」ですが、その他、「豚肉炒め」や「鶏肉炒め」「牛肉炒め」にする食べ方も美味しく戴けます。
子どもでも「美味しい!」と喜んで食べられるような食べやすさが魅力。色々な食べ方のアレンジができます。春の季節を楽しむためにオオアラセイトウレシピを考案してみてはいかがでしょうか?パスタなんてのもおしゃれで良いですね。
おわりに
春の景色をすみれ色一色に飾る花オオアラセイトウの特徴や育て方、原産地や特徴を今回はお贈りいたしました。いかがでしたでしょうか。ガーデニングに取り入れれば、群生する薄紫の花姿が風に揺れて、その優美たるや風格たるや格別に違いないでしょう。
オオアラセイトウの花姿の印象は、柔らかく仄かで甘美で、どこまで多く咲いてもくどさと飽きのこない花の印象が一番の魅力。食用にもなるので、お庭からいくつか採取して、新鮮なままに食卓に登場!なんていうのも素敵に違いありません。
オオアラセイトウが気になる方はこちらもチェック!
他にも、オオアラセイトウ(ムラサキハナナ)の魅力が書かれた記事をご用意しました。今回の記事よりもさらに詳しく、育て方にフォーカスして書かれてあるので、育ててみたいとお考えの方はぜひご覧くださいませ!
最後までお読みいただきありがとうございました。
読者の皆さまに素敵な花日和が訪れますように。

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