はじめに:植物を枯らすうどんこ病
うどんこ病が発生する植物は多い
花や庭木・野菜などどんなグリーンを育てていても頭を悩ますのが植物の病気の問題でしょう。中でもうどんこ病は人気の植物であるバラや家庭菜園でもよく作られるきゅうりなどに多く発生することからSNSでも話題に登ることが多い例としてご存知の方も多いでしょう。
うどんこ病とはどんな症状で最終的には植物に悪いことを起こすのかよく知らないという方も多いのではないでしょうか。見た目が悪くなった時点で慌てて農薬散布などをされる方が多いからです。
うどんこ病の発生条件や対策を紹介
放置していると怖いうどんこ病の症状とその発生条件・軽度レベルのときに家にあるものでできるうどんこ病対策や予防方法を解説していきましょう。
今すでにうどんこ病の植物の対処法に困っている方から、これからバラやきゅうりなどを育てる予定のある方まで知っていて損はないうどんこ病に関する情報です。
うどんこ病とはどんな病気なのか
それではまずはうどんこ病の発生しやすい条件や原因となる環境・出やすい時期やかかりやすい植物の種類などうどんこ病の基本ともいえるものがご覧頂きましょう。
怖いうどんこ病の症状
エンドウさんのきょうだいが病気です🏥
— そらまめくん (papo-papo) (@jiyuuna_kurashi) March 27, 2021
うどんこ病が蔓延しちゃいました💧#ベランダ菜園#スナップエンドウ#赤花絹サヤエンドウ#うどんこ病 pic.twitter.com/VmTeF8srwz
うどんことはうどんの粉すなわち小麦粉をまぶしたように見えることから付けられた病気名です。ごくごく初期は小さな白い点が葉の表面にちらほら確認できる程度からはじまります。
ひどくなってくると葉全体がまっしろいうどんこをふりかけたようになり、それだけでなく患部の萎縮・枯れて茶色くなるなども確認できるようになるだけでなくカビ菌の一種であるため他の健康な部分にも感染して広まってしまう怖い植物の病気です。
うどんこ病の原因とかかりやすい条件
菌タイプの病気の素は土の中に潜んでいるものもありますがうどんこ病は空気中に漂っているカビ菌が原因なので、土を変えても効果はありません。たとえば近所に家庭菜園をされている方がいる、バラを育てているなどというよそから発生して自分の家の植物がかかるという感染源も珍しくないのです。
かかりやすい植物の状態
普段目に見えない空気中のカビ菌が原因ですので、株の健康度がかかるかからないの分かれ目になります。特になりやすいのが健康的に問題のある株で例えば日かげで徒長ぎみなもの・風通しの悪い場所に植えている・肥料を与えすぎている花や野菜です。
少し意外に思われるのが肥料問題でしょう。これは特に窒素分を多く与えた場合に顕著にうどんこ病症状があらわれやすく原因は植物の軟弱化によるものと考えられています。
うどんこ病の発生時期
高温期に突入して、うどんこ病が発生しました。果皮や葉面にうどん粉をまぶしたようにカビが生える病気です。食えますが、出荷は出来ません。
— 常磐農産@いちご屋ニシデ (@tokiwa_nosan) March 26, 2021
本日、殺菌剤を散布。沈静化するとよいのですが。#いちご #🍓#うどんこ病#常磐農産 #tokiwafarms https://t.co/tlHgfmLqqd pic.twitter.com/Gy7YCUL82r
うどんこ病は環境や植物の健康度の他にもかかりやすい時期季節というものがあります。具体的にいうと気温が高く植物が生きている季節で、春から夏になります。
うどんこ病は植物が生きている場合のみ発生して枯れた植物には出てこず、また空気中を飛んでくるため雨が多い梅雨や台風シーズンや秋などには数がグンと減るのが特徴です。
うどんこ病に気をつけたい植物
うどんこ病は花や野菜だけでなく花木にも発生します。出やすい植物としては野菜であればきゅうりやトマト。花ならばバラ。花木ではハナミズキ。果物がなる株や木ではいちごとぶどうがかかっているのをよく見るでしょう。
特に気をつけたいのがハナミズキで、花木ということでかかったからといって簡単に処分しづらく消毒剤を散布するのにも大変ですし葉が著しく見苦しく変形変色するため予防からしっかりとおこなう必要が出てくるでしょう。
おすすめのうどんこ病の予防法と対策方法
うどんこ病の症状やかかりやすい植物をご覧いただいたところで、どのように育てていたったらうどんこ病に強い植物になるのか。またかかってしまったときの対策方法についても見ていきましょう。
うどんこ病予防に役立つ植物のお世話
うどんこ病は空気感染なので完全に防ぐことはできませんが、そのかわりにかかりにくい植物に育てることはできます。
うどんこ病予防のおすすめ栽培方法は日なたに植える・株間を空けて風通しをよくする・肥料の窒素分過多に注意する他うどんこ病に強い種や苗が売られていますのでそれらを選ぶのも大変効果的な予防法といえるでしょう。
注意してもうどんこ病になった時の対策
それでもどうしてもうどんこ病にかかる植物は出てきます。そんな時は気づいたら早めの対処がおすすめ。うどんこ病の症状の軽-重までに合わせた対策方法はこちらです。
症状の重い軽いに関わらずできる対策
まず症状が出た葉は切除できれば切除してしまうのが他の健康な葉や花・つぼみなどへの感染を防ぐ方法です。
株がまだ小さくて葉の数が少ないという場合は無理に切除することは植物の光合成ができなくなるという深刻な状況にもなるので絶対にやるとは言い切れませんが可能な限りかかってしまった患部は取り除いてすぐに処分してください。
軽度の症状は酢や重曹で対策
患部を切り取れない場合で軽度なうどんこ病であれば重曹や酢を水で薄めたスプレーをかけることでうどんこ病のカビ菌の除菌ができます。萎縮したり色が変色した葉はもう元には戻りませんが進行をストップさせる・他の健康な部分への感染を防ぐという意味では効果的。
重曹と酢のスプレーの作成方法は重曹1gにつき水1リットル。お酢3mlに対して水350mgを目安に希釈して病気の部分にスプレーしてください。
症状が重く広範囲なら薬剤の対策も
うどんこ病に関して。お酢スプレーも重曹スプレーもやってみましたが、菌には弱すぎで葉っぱには強すぎたかと思います。結局カリグリーンのパワーにははるかに及ばず。農薬というほどの劇薬は使われていないので初期段階ではこれがベストかと思います。 pic.twitter.com/ma1vGUKdFp
— ねこやまだ (@msao211) September 30, 2018
病気が株全体にまわってしまったり、背が高いハナミズキの樹木などで手が届きにくい場合は殺菌力の強い薬剤の使用がおすすめ。
うどんこ病用の薬剤はたくさんの種類が出ていますが住友化学園芸のカリグリーンは花だけでなく野菜(作物)のオーガニック栽培にも使えるものとして使用している方が多いおすすめ農薬です。
まとめ:注意してもかかるうどんこ病
うどんこ病対策は健康な株作りが大事
いかがでしたか?うどんこ病は例であげた植物以外でも多くのものに見られて見た目もわかりやすい症状がでるため対処しやすいものです。しかし空気感染ということでどこから飛んできて被害がでるのか、注意していてもかかってしまうのがうどんこ病といえます。
酢や重曹スプレーも手軽に作れて効果はそこそこあるとの報告がありますが、ものによっては植物には強すぎて菌には弱すぎるという場合もあるようです。
そんなときは無理して酢や重曹スプレー散布を続けず、市販の薬剤散布に早めにシフトするのがおすすめです。
うどんこ病の発生時期にも注意
最後にまとめとしてうどんこ病に対するわたしたちができることとして、植物を丈夫に育てる工夫をすること。たとえば庭やベランダに置く時植え付ける場所はその植物に適した場所を選んであげること。室外機のそばには置かない植えないのも大切です。
また大きくなった株よりも小さな若い株の方がどうしても抵抗力も弱くかかるとすぐに枯れてしまうというようなお話もよく耳にします。苗を買ってきて植え付ける時も健康な苗であるか、植え付け時期はあっているか等の時期についても注意してみてくださいね。
うどんこ病が気になる方はこちらもチェック
今回対処法や予防策を解説してきたうどんこ病の他にも植物がかかる病気はたくさんあります。育てる草花や作物によって注意した方がよい病気はちがってきます。うどんこ病以外の白絹病やさび病などが気になるという方はこちらの記事がおすすめとなっています。

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出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1100516?title=%E3%83%91%E3%82%BB%E3%83%AA%20%E3%81%86%E3%81%A9%E3%82%93%E3%81%93%E7%97%85