多肉観葉植物アガベ(リュウゼツラン)の基本情報
日本において熱狂的な愛好家も多い人気の多肉観葉植物アガベです。メキシコを中心にアメリカ南部州から南アメリカ大陸に広がる(リュウゼツラン属)に分類される仲間になります。
世界中におよそ300種以上あると言われ、大きさは葉張り4センチくらいの小型種のものから草丈6メートルを超えるような大型まで多岐にわたります。
植物の特徴
花が咲くまでに10年以上の長い歳月をかけて成長するアガベは「世紀の植物(センチュリープランツ)」と呼ばれていることは有名です。ロゼット状(放射状に葉っぱが展開する)に広がる葉っぱの中心部から真直ぐ上に花茎を伸ばして、その先に白や黄色の花を咲かせます。
大型のものは、ビニールハウスを突き破るくらい高く花茎を伸ばして花を咲かせると言いますから驚きです。
「テキーラ」の原材料となる植物
アガベは観賞用の多肉観葉植物だけでなく、ブルー・アガベと呼ばれる大型種のアガベ・テキラーナなどは「テキーラ」の原材料になります。もちろん自宅で育ててテキーラを作ることはできませんが、お酒好きな方にはとっても興味がわく植物ですね。
その他にも、葉っぱの汁を使用して低GI値として健康志向の人に人気のシロップの原材料になったり、繊維の材料になったりする種類もあります。
花言葉は?
野趣あふれる植物アガベには、どのような花言葉だと思いますか?アガベは砂漠で野生して、数十年くらいの限られた生命の最後に一度花を咲かせ枯れてしまいます。
そのような生態から、「繊細」・「気高い貴婦人」という花言葉が託されているのです。
アガベファミリーは豊富な種類・品種を持つ植物
300種を超すと言われている多くの仲間をもつアガベですが、逆にどんなアガベを育てたらよいか迷ってしまいますね。そこで、日本でもなじみが深く、最近注目を浴びている8種類をまとめてご紹介しましょう。
アガベの種類・品種①アテナータ
アテナータは、白粉に覆われたライムグリーンの葉っぱがとっても綺麗で、一般的には固く鋭い葉をもつアガベが多い中では珍しく、ソフトな葉っぱを生やしているのが特徴です。
プニョプニョとした感触のちょっぴりかわいい雰囲気の植物になります。小型のものを鉢植えで室内に置いて育てるのがおすすめ。大型のものになると開花時に草丈4メートルにもなる花芽を伸ばしてたくさんの花を咲かせます。
アガベの種類・品種②アメリカーナ
アメリカーナは、アガベの中でもっともメジャーな大型種の植物です。日本国内においては「アオノリュウゼツラン」という名前でもよく流通されています。日本の街路樹によく植えられているのがこのタイプになります。
ホテルのエントランスを飾るシンボルプラントとしても定番のアガベ。耐寒性が強いので地植えで良く育ち、スタイリッシュで葉張り3メートルくらいになり、草丈2メートルくらいに成長する大型種です。
アガベの種類・品種③チタノタ
チタノタは色や形、大きさが豊富な多肉観葉植物で、青色っぽく肉厚の幅広い葉っぱと、葉っぱのフチに白いサメの歯のような鋭いトゲが特徴のアガベです。
比較的小型で、葉張り60センチくらいで成長がとまるため、狭い空間でも育てられます。寒さに強い品種なので、屋外で地植えをしても問題ありません。といっても、個性的な見た目のチタノタタをいつでも眺めたい方は、鉢植えで育てましょう。
アガベの種類・品種④パラサナ
パラサナは、メキシコ北部やコアウイラ州の標高1,500メートル~2,400メートルの高地に野生している植物でアガベではとりわけ小型の原種です。パラサナも希少価値のある品種として販売しています。
葉っぱは青灰色で、短めで幅のある葉っぱと長く鋭い赤いトゲが特徴の植物です。成長がゆっくりで小型の品種になりますが、豪快な見た目で存在感があります。パラサナは狭い庭やベランダの寄せ鉢植栽などにおすすめです。
アガベの種類・品種⑤ベネズエラ
アガベ・ベネズエラの葉っぱは肉厚で扇を広げた形で、グリーンとイエローの波打つような葉っぱの躍動感が特徴。竜の舌に例えられ竜舌蘭と呼ばれる植物です。ベネズエラはアガベの中でも市場であまり流通していない希少価値のある品種の植物とされています。
大型は草丈約90センチ、葉張り約60センチになります。耐寒性がありますが、冬は5℃以上の環境を維持してください。関東以南なら屋外に地植しても楽しめます。
アガベの種類・品種⑥モンタナ
モンタナはメキシコ北東部のタマウリパス州の標高2,600メートルの高地に野生する5メートルくらいまで伸びる大型植物です。高山植物の性質を持ち、他のアガベに較べると耐寒性が強く、逆に夏期の高温多湿には弱い植物です。
鮮やかな緑の葉っぱで、先端の長く鋭いトゲと葉っぱのフチにある短いトゲが特徴的で、ワイルドでかっこよく、はまる方が多いのもうなづけます。子株が出難く希少価値があるので贈り物としてもすてきですね。
アガベの種類・品種⑦笹の雪
アガベ・笹の雪には、白い筋が特徴でそれがまるで雪をかぶったような植物、ひときわスタイリッシュで個性的です。バランスが良くて丸く成長して愛らしい姿をしていますが、やはりトゲはあります。
笹の雪はとっても生命力のある品種で、1年に数回しか雨が降らない場所でも育つと言われています。育て方が容易なこともあり、観葉植物がはじめての方にもおすすめです。葉張り8㎝くらいの小型の植物から育ててみましょう。
アガベの種類・品種⑧雷神
アガベ・雷神の花は「神の花」と呼ばれ、アガベ・雷神の咲く花を見た者は雷神のような神の力を手に入れ幸せになれる!?と言われる植物。
葉張り20~25センチの小型種で、波打つような葉っぱの形も特徴的で多肉観葉植物のマニアに人気を誇るシルエットのかっこいい植物です。
日の当たりがよいほど葉っぱの色が綺麗になる植物なのですが、斑入りの種類については直射日光に弱いので気を付けましょう。
多肉植物アガベの育て方
アガベは本来、丈夫なので初めての方も育てるのがやさしい植物です。地植えしたアガベは順調に成長すると、日本の気候においても本来の大きさまで成長も。しかし、枯らさずに育てるためには正しい育て方を知っておく必要があります。
ここからは、「多肉植物アガベの育て方の基本」を考えましょう。先ずはよい株の見分け方です。アガベのよい株の見分け方を理解しておくと、元気なアガベを長く楽しむことができます。
良い株の見分け方
葉っぱや茎の色ツヤがよい株を選ぶ
根腐れした状態だと葉っぱにシワがよっていたり、日焼け状態だと葉っぱの一部分が茶色や黄色に変色したりしています。見分け方はよい株ほど発色が良く、プックリとした葉っぱです。
徒長していない株を選ぶ
植物が日照不足でおこる、茎葉がひょろひょろと伸びた状態のことを徒長(とちょう)と言います。徒長した株は軟弱で、病害虫の被害を受けやすいです。見分け方としては身が引き締まって、ずんぐりとしたフォルムの株を選びましょう。
根元がぐらぐらしていない株を選ぶ
運搬の途中で転倒したり、強い衝撃を受けたりした株は避けましょう。株本をチェックし、根が土の上に出ていたり、すこし軽く株を押してぐらついたり、根が抜けないか、などが見分け方になります。
病気や害虫は付いていないか確認する
アガベは病気にかかりにくい植物ですが、白い粉やワタ、黒い粒など病害虫が発生していないことを確認します。近くの植物にも注意です。
お目当ての株が一見健康そうに見えても、近くの株に病害虫が発生していたら感染している可能性がありますので大事な見分け方となります。
鉢植えの置き場所や日当たりについて
アガベは風通しがよくて日当たりのよい場所を好む観葉植物です。明るい方向に伸びますので、定期的に鉢を回してやると形良く育ちます。
鉢を置きたい所の日当たりが悪い時は、2鉢を用意し片方は日当たりや風通しが良好な所、もう片方は好みの所に飾りましょう。これを数日間で交代してやると、いつも楽しめて、日照不足による株の徒長を防げます。
地植えの管理も日当たりがよい場所を選びましょう。
水やり
地植えのアガベは乾燥に強く葉っぱの中に水分を溜められる植物なので、春と秋は表土が乾いてから2日くらいたって水をやりましょう。
夏は成長期なので表土が乾いたら朝方か、気温が下がる夕方に水をやります。冬越しは屋外で育てる場合、月に1、2度くらいが目安です。気温が5℃以下になると休眠期に入りますので、水やりの必要はありません。
植え替えタイミングの見分け方
アガベを植え替えるタイミングの見分け方は購入して2年経過している、アガベの下葉が枯れてきている、水を与えても土に染み込んでいかない、鉢の底から根が出ている、植木鉢が割れている、などが見分け方になります。
4月~6月に成長期を迎える植物なのでこの時期が最適です。地植えの育て方ポイントは、最低気温が0℃より下回らない地域(関東以西)で水はけのよい土で地植えをすることです。
まとめ
思わず集めたくなるような、豊富な種類・品種をもつ魅力的な植物のアガベ。テキーラの原材料にもなっているクールでハードな印象のアガベは、コアな多肉植物ファンはもちろん、これから始めようと思っている男性にも一押しの多肉観葉植物です。
インテリアとしてかわいく飾るもよし、お庭に地植えするとワイルド!育て方も簡単なアガベをぜひ暮らしに取り入れてはいかがでしょうか。
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