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古来から薬として使用されてきた紅花(べにばな)の花言葉をご紹介!開花時期も!

山形県花のキク科の紅花は、かつては染料や口紅に、現在は漢方薬やサラダ油などに利用されています。応用力の高い紅花の花言葉は、外見的なことと内面的なことを示す2種類あります。アフリカなどが原産とされる紅花の、花言葉の意味や由来、特徴や種類などについてご紹介します。
2021年3月17日
ring-ring
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目次

紅花とはどんな花?

Photo by12019

紅花の花言葉の前に、特徴などについてチェックしておきましょう。一年草である紅花の最大の特徴は、染料や漢方薬などの有用な植物という点が挙げられます。原産地のアフリカや地中海などを経て世界各地に伝わりました。

日本に伝来したのは5世紀頃で、山形や千葉、埼玉などで盛んに栽培されていました。明治以降は中国産の増加や化学染料の発達により衰退しましたが、現在は山形県で「特用作物」として栽培されているのです。

外見的な特徴

Photo by Grilled Ahi

紅花の花の色の特徴は、咲き始めの黄色が少しずつ赤みが増してオレンジ色になり、やがて紅花の名前どおりに赤くなる点にあります。種類も多様で、中国の紅花は咲き始めから紅色で、日本の種類とは異なります。

高さは約50~1メートルで、開花時期は6月~7月です。茎の先に、たくさんの花が集まって一つの花になる「頭状花」をつけます。葉の縁に鋭いトゲがあるため、紅花の花摘みはトゲがやわらかい朝方に行われていました。

栽培方法

Photo byPublicDomainPictures

紅花の栽培はそれほど難しくないとされています。高温には割と強く、苗を育てる段階では耐寒性と耐湿性も高いため、温暖地域では越冬もできます。問題は発育後で、耐寒性も耐湿性も落ちてしまうそうです。

日本ではほぼ全国で栽培できますが、山形県では雪解け後に土が乾いてから種をまくなどの工夫がされているのです。花摘みは7月中旬から下旬にかけてなので、この開花時期に山形に出かけると花摘みが見られるかもしれません。

日本の一大生産地は山形県

Photo by 寒江2009

紅花が山形県に伝わったのは室町時代後期といわれていますが、急速に栽培が広がったのは江戸時代中期です。特に栽培が盛んなのが最上川流域で、最上川の舟運という利点を最大限に生かせたことから京都や大阪などとの取引が伸び、一大生産地となりました。

現在は化学染料の普及により生産量は少なくなりましたが、山形県では紅花文化を守る活動が行われています。「特用作物」として栽培され、染料や食材にも利用されています。
 

紅花資料館

紅花資料館では、山形県最上川流域の西村山にある全国唯一の、紅花に関する歴史的な資料を展示してあります。かつて豪商だった堀米四郎兵衛の屋敷跡に建てられ、武器や生活用品も保存。

周辺は紅花畑が広がる一帯で、京都から持ち帰ったひな人形などが展示されている「紅の館」や紅染工房などもあります。紅花の開花時期には、最上川の舟下りなどと合わせて山形観光に出かけてみましょう。

紅花の花言葉

Photo byoliana_gruzdeva

紅花の花言葉は、外見に関する花言葉の「装い」や「化粧」、内面的なことに関する花言葉の「包容力」「愛する力」があります。「装い」「化粧」の花言葉の由来は、紅花の特徴である赤い色が口紅や頬紅に用いられてきたとおり。

「包容力」「愛する力」の花言葉の由来は明確ではありませんが、化粧や漢方薬、食用油などに利用できる紅花は応用力があるといえます。このような理由から花言葉の意味が考えられたのかもしれません。


紅花の誕生花

Photo by Kanko*

紅花は、6月11日の誕生花とされています。6月といえば暦では梅雨明けの初夏にあたりますが、元気が出る紅花の黄色やオレンジ色は、それまでのジメジメした気分をスカッとさせてくれるカラーです。

紅花の花言葉は「包容力」「愛する力」と前向きなので、男女問わずに誕生花が6月11日の人にプレゼントすると、とても喜ばれそうですね。紅花の花言葉も添えて贈りましょう。

紅花の名称の由来

紅花の和名

Photo by 阿橋花譜 KHQ Flower Guide

紅花の和名の由来は、文字どおりに紅色の染料や化粧が採れることにありますが、花の色にも名前の由来があります。紅花の種類によりますが、ほとんどの種類の紅花は色を3段階で変化させます。

咲き始めは濃い黄色をしており、時間が経つと紅色が強くなってオレンジ色に変化し、花後近くには名前のとおりに紅色に変化するのです。花言葉の「装い」は、グラデーションで変化する紅花を表しているような花言葉でもあります。

ベニバナの和名は?①「末摘花」

紅花の和名には「末摘花(すえつむはな)」という古風な名前もあります。名前の由来は、茎の先端につく紅花の花を摘み取る行為から来ています。末摘花と聞けば『源氏物語』の登場人物、赤い鼻の女性を思い出す人も多いはず。

末摘花は、美人ばかりの光源氏の愛人の中にあって異彩を放つ存在。しかし物語からは花言葉の、光源氏の末摘花に対する「包容力」と末摘花の光源氏に対する「愛する力」という意味が示されている気がします。

ベニバナの和名は?②久礼奈為・呉藍

紅花には、「久礼奈為・呉藍(くれない・くれのあい)」というもう一つの古い日本の名前があります。別名で「呉の藍」ともいいますが、染料である外来作物の紅花を、日本の代表的な染料の「藍」に例えて「呉から来た藍」とした意味なのです。

「呉」とは、外国や異国の意味があり、「高麗」が転訛した説や中国という説があります。こちらの和名は花言葉とは関係なく、大陸伝来の染料植物という意味から、名前が付けられたものです。

紅花の英語名

Photo byfiralivet

紅花の英語名は「Safflower(サフラワー)」ですが、近い英語名に「saffron(サフラン)」があります。アヤメ科植物のサフランは鮮明な黄色が出るため、料理の色付けに利用される高級な香辛料です。

花言葉とは関係なく、紅花はサフランの代わりの花という意味で「saffron(サフラン)」と「flower(花)」を合わせた名前で、「Safflower(サフラワー)」との英語名がつけられたのです。

紅花の染料以外の利用方法

口紅や頬紅

フリー写真素材ぱくたそ

花言葉の「装い」を表しているかのようにきれいな紅色が出る紅花の利用方法は、染料以外にもあります。紅花は江戸時代に口紅や頬紅として利用されてきたことは有名で、絶世の美女といわれた小野小町にあやかり「小町紅」として販売されました。

紅花の生花の重さのうち、染料として採れるのは0.3パーセントほどのため、非常に貴重品でした。裕福な家の人しか利用できず、農家の紅花摘みの娘たちは使うことがなかったそうです。


漢方薬

Photo bysik-life

紅花の特徴のひとつに、花びらを乾燥させた「紅花(こうか)」として漢方薬にしている点も挙げられます。効能は、血行促進・高血圧・動脈硬化・狭心症・生理痛などの婦人病の予防も期待されているのです。

「養命酒」にも紅花が含まれていることから、紅花の効能の素晴らしさに納得します。炎症や痛みを鎮める効能もあるとされ、打ち身や火傷にも用いられています。紅花の効能から、まさに花言葉と同じ「包容力」が感じられますね。

手軽に飲める紅花茶

漢方薬と聞くと何だか面倒なイメージがありますが、紅花はデパートのハーブ店や薬局などでも販売されているので、気軽にお楽しみください。

「紅花茶」は1~2グラムの紅花をお湯で注ぐだけです。紅花焼酎も普通の焼酎と同じ感覚で造れます。出来た焼酎はロックや水割りを始め、ソーダ割りやハチミツなどを加えて飲むのもおすすめです。花言葉どおりの「包容力」が感じられる味わいがすることでしょう。

食用油

Photo byskyqxb

紅花の特徴のひとつに、食用油として利用されている点も挙げられます。各食品メーカーが販売しており、種から油を搾って作られる紅花のサラダ油は、整腸作用や便秘改善、シミやシワなどへの効能もあるそうです。

植物油のリノール酸を過剰摂取することの危険性が指摘されましたが、オレイン酸を多く含んでいる紅花油はその心配が少ないため、人気が上昇しました。購入前にいろいろチェックして身体によい紅花油を選んでくださいね。

紅花に似ている花

アザミ

Photo byCapri23auto

紅花と同じキク科で、アザミ属のアザミも似ている特徴を持っています。花が紫色のアザミは、紅花のベニバナ属とは「属」が違いますが、葉などにトゲがある点など共通点が多くあります。

山形県の最上川で栽培されている「最上ベニバナ」は、他の紅花よりもアザミによく似た、鋭くて硬いトゲを付けるため、花の色以外はアザミと勘違いする人もいるかもしれません。アザミには黄色い花はないため、色で見分けるのが一番です。

アザミの花言葉

アザミは紅花と同じキク科植物ですが、アザミの花言葉は紅花の花言葉とは正反対です。紅花の花言葉は「包容力」「装い」などですが、アザミの花言葉は「独立」「触れないで」「報復」など、少し怖い意味があります。

紅花もアザミも同じようにトゲがあり、一見すると近づきがたい雰囲気です。紅花は効能のせいなのかアザミとはまったく意味の違う花言葉があり、おもしろいですね。

ヤグルマギク

Photo byBru-nO

もうひとつの紅花の特徴に似ている花は、キク科ヤグルマギク属のヤグルマギクがあります。紅花と同じように黄色い花もあり、たくさんの細い花弁があります。球場に広がる特徴も似ています。葉にトゲはありませんが、細長い卵のような形も似ています。草丈も50~80センチメートルほどです。

ニオイヤグルマギクは他にも種類があり、青やピンクの花を咲かせる園芸品種のヤグルマギクもあります。

ヤグルマギクの花言葉


ヤグルマギクの花言葉には「優雅」や「信頼」などがあります。ヤグルマギクの少しはかなげな雰囲気やすがすがしい青色が、花言葉にそのような意味を与えているのかもしれません。

紅色の花言葉は「包容力」「装い」ですが、アザミもヤグルマギクも同じキク科植物なのに、このような違いが花言葉にあるのは、見た目のイメージと効能でつけられているからなのでしょうね。

紅花の花言葉が表現されている作品

刀根夕子作画の『おもいでぽろぽろ』

ジブリでアニメ化された『おもいでぽろぽろ』は、原作は岡本蛍、作画が刀根夕子の漫画です。アニメでは紅花の収穫風景を効果的に使い、花言葉の「包容力」がある人々が描かれています。主人公が青空に向かって咲く紅花の様子に重なり、とても印象的です。

生まれも育ちも東京の27歳OLの主人公が、山形の紅花農家での滞在を通して前向きに歩き出すという、さわやかで、やはり花言葉通りの「包容力」が感じられるストーリーです。

水上勉の『紅花物語』

1971年発表の水上勉の『紅花物語』は、紅花生産地の最上川流域などの風景が詩的に描かれている紀行文的作品。「小町紅」やその原料の「紅花」をつくり続ける人々の、花言葉と同じ紅花を「愛する力」によって伝統を守ることの大切さが描かれています。

紅花染めのことが詳しく描かれており、紅花の魅力にふれられるはず。紅花に感動して一気に書き上げたという、花言葉どおりの作者の紅花を「愛する力」が伝わってくるようです。

花言葉どおりの紅花を贈ろう!

Photo bypearly-peach

6月から7月にかけて開花する紅花の花言葉は、外見に関する「装い」と内面に関する「包容力」「愛する力」があります。トゲのある紅花ですが、染色の他に食用や漢方薬にもなる紅花は、花言葉どおりにとても素晴らしい植物です。

6月11日の誕生花なので、この日がお誕生日の人がいたら、プレゼントしてはいかがでしょうか。しかしトゲがあるので取り扱いには注意しましょう。素敵な花言葉があることを伝えるのもお忘れなく。

薬用の植物が気になる人はチェック!

血行促進・高血圧・動脈硬化・狭心症・生理痛などの婦人病などに効能があるとされている紅花。他にも身体を健康に導いてくれる薬用植物があります。気になる人は、ぜひこちらも参考にしてくださいね。