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ウイキョウ(茴香)とは?人気生薬の効能とその食べ方をご紹介!

甘い香りと清涼感のある口当たりが特徴のウイキョウは、漢方の生薬にも用いられています。東洋だけでなく西洋でもその薬効が、古くから知られるウイキョウ。古代ローマや古代エジプトのも園栽培の記録があるほどで、歴史上でも最も古い作物といわれています。
2020年8月27日
kaorin007
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ウイキョウ(茴香)とは

ウイキョウは、耐寒性に富むセリ科の多年草です。英名を「フェンネル」または「フェネル」と言います。原産は、南ヨーロッパの地中海地方で日本へは平安時代に中国から渡ってきたといわれています。茎や葉から独特の香りを発するのが特徴的です。

特徴

ウイキョウの草丈は、1m~2m程度に育ちます。多年草なので、毎年楽しむことができるでしょう。茎は、上部で細かく枝分かれしています。 花は、枝先にかわいらしい小さな花を付けます。開花時期は、6月~8月です。秋には、茶褐色の1cm前後の小さな実を付けます。 ウイキョウは、漢方の生薬にも用いられています。漢方では、完熟寸前の種を取り天日干しにし胃の薬として用いられています。ヨーロッパでは、咳止めや利尿剤としての役割があるようです。

栽培地域

インド・エジプト・中国がウイキョウの主産地になります。日本では、長野県や富山県、岩手県などで多く栽培されています。

ウイキョウの花言葉

花言葉:賞賛

ウイキョウの花言葉には、次のようなものがあります。 ◆賞賛 ◆背伸びした恋 ◆良い香り

花言葉の由来

「賞賛」は、観賞用だけでなく薬効にも優れ古代から様々な用途に活用されてきたウイキョウへの賞賛の思いから来ているのでしょう。 「背伸びした恋」は、幼い少女が精いっぱい背伸びして恋するようなウイキョウのか細い姿そのものです。 「よい香り」は、ウイキョウの放つ心地よい清涼感のある香りが由来だといえるでしょう。

漢方でも使われるウイキョウ

漢方としての特性


漢方薬の組み合わせは、「五気」という薬性と「五味」という味覚の2種類を使ってあらわされます。ウイキョウは、五気が「平」でほど良い熱寒性があり穏やかに効果を促すのが特徴です。五味は、「辛」で身体の中の停滞しているものを外に出す効果が期待できます。

ウイキョウを含む漢方生薬

ウイキョウを含む漢方薬には、次のものが知られています。 ◆安中散(アンチュウサン) ◆枳縮二陳湯(キシュクニチントウ) ◆丁香柿蒂湯 (チョウコウシテイトウ) これらの生薬に含まれるのは、主にウイキョウの実を乾燥させたものです。

ウイキョウを含む生薬の効能・効果

ウイキョウが含まれるそれぞれの生薬には、様々な効能・効果があります。安中散の効能・効果は、胃腸痛です。ストレスによる胃痛や胃の不快感などを改善してくれます。枳縮二陳湯も同様で、胃部不快感やおう吐、悪心などに効果的です。丁香柿蒂湯 は、しゃっくりや胃腸虚弱の改善に用いられます。

ウイキョウの効果が期待でいる症状とは

では、ウイキョウを含む生薬が効果的だといわれている症状とはどのようなものでしょう。 ウイキョウは、生薬として健胃や止痛の効果が期待できます。そのため、次のような症状に効果があるとされています。 ◆神経性胃炎 ◆慢性胃炎 ◆胃下垂 ◆胃酸過多 ◆つわり これ以外にも、生理痛や腰痛などに効果があるようです。

ウイキョウの育て方

種まき

ウイキョウの種まき時期は、3月~5月か9月~10月が適期です。種まきの間隔は、少し広めで60cm位あけておくとよいでしょう。土に軽く穴をあけ1箇所に10粒前後を目安に蒔きます。発芽後は丈夫そうなものを3株ほど残し、本場が5~6枚ほどになった頃に1箇所に1株まで間引きます。

植え付け

植え付け時期も3月~5月か9月~10月がおすすめです。鉢植えにする場合は、根についた土はそのままの状態で少し大きめの鉢に植え付けましょう。鉢植えにすると葉や茎は収穫可能ですが、根茎があまり成長しません。根茎を大きく育てたいのであれば、地植えがおすすめです。 地植えは、植える2週間ほど前から土づくりをしておき60cm間隔で植えつけます。植え付け場所は、日当たりのよい場所がおすすめです。

水やり

ウイキョウは、乾燥気味の土質を好みます。水やりは、あまりやり過ぎず鉢植えなら土の表面が乾いたときにたっぷりとやるだけでよいでしょう。地植えの場合なら、ほとんど水を与えなくても自然の雨水で大丈夫です。ただし、日照りが続きすぎた時などは、水やりをしっかりとおこなってやりましょう。

肥料


春と秋の時期が肥料の与え時です。株元に粒状の化学肥料を与えてやりましょう。化学肥料は、じっくりと効く緩効性化成肥料が適しています。

栽培場所

ウイキョウの栽培場所は、日当たりが良く水はけの良いところが最適です。株が込み合ってきたら、株の内部にまで日が当たるくらい間引いてやることが大切です。根元まで日が当たらないと貧弱に育ってしまうので注意しましょう。 ウイキョウは、地上部分が枯れてしまっても春には新しい芽が出てきます。冬場に凍結の心配がある地域では、腐葉土などを敷くことで防寒できます。

ウイキョウを育てる際の注意ポイント

周りの植物との相性に注意

ウイキョウには、相性の合わない植物があります。コリアンダーやトマト、豆類などがその種類です。また、同じセリ科のディルが近くにあると交雑してしまいます。交雑した種は、ウイキョウ独特の香りを低下させるので気をつけておきましょう。

カメムシに注意

ウイキョウがかかりやすい病害虫にカメムシがいます。セリ科の植物につきやすいカメムシは、ウイキョウの開花時期である夏場に多く発生します。触ると嫌な臭いを発し、新芽や茎葉から栄養をぬくため見かけたら忌避剤で駆除しておきましょう。

植え替えは厳禁

ウイキョウは、太い根ができる直根性でこの根を傷めてしまうと根がつきにくくなります。出来るだけ、植えた場所で育てることが大切です。鉢植えなどで、根が回ってしまった場合以外は植え替えないようにしてください。

ウイキョウの保存方法

葉と茎部分を分けて保存

ウイキョウの保存は、葉の部分と茎の部分を分けて保存します。それぞれ乾燥しないように湿らせた新聞紙などにくるみポリ袋などに入れ冷蔵庫に保管しておくとよいででょう。保存しておけば彩や香味野菜としてすぐに利用できるから、料理を素敵に演出することができます。

冷凍して保存

ウイキョウの葉の部分を長期保存しておく場合は、刻んだものを軟らかくしたバターに練り込んで冷凍しておきます。こうすることで香りを長持ちさせることができ、料理などにもすぐ使えて便利です。細かく刻んだウイキョウの葉をオリーブオイルに絡めても長期保存することができます。


食用としてのウイキョウ

自宅でも楽しめる食べ方

ウイキョウの麟茎部は、玉ねぎのようにふっくらとしておりフィノッキオと呼ばれます。玉ねぎやセロリと同じ要領で生のままサラダにするのもおすすめです。煮物や佃煮の香味野菜としても用いられます。ハーブティーとして楽しむことも可能です。

各国の食べ方いろいろ

ウイキョウは、西洋で魚料理やピクルスの風味づけに良く使われています。中国の代表的な香辛料である五香粉の原料にもなっています。インドでは、カレー材料の1つです。その他にも、スープや煮込み料理などウイキョウには様々な食べ方があります。

その他の活用方法

お口直しに

ガム代わりに食後の口直しとして、ウイキョウが利用されます。インド料理店などでは、ウイキョウの種を乾燥させたフェンネルシードに鮮やかな色の砂糖をコーティングした「ソーンフ」が口直しとして置かれています。食後に5~6粒噛むだけで、口の中に清涼感が広がり胸焼けや膨満感を和らげてくれるのが特徴です。

お酒に活用

ウイキョウは、お酒にも使われています。フランスのリキュール「パスティス」などがその例です。甘口ながら強烈な香りが特徴なこのお酒は、食前酒としてフランスで好まれています。 ジャガイモを主原料とする「アクアビット」にもその香りづけとしてウイキョウが用いられています。

まとめ

夏に可愛らしい花をつけさわやかな香りで視覚や嗅覚を楽しませてくれるウイキョウには、様々な活用法があります。料理の具材や香味野菜としの利用方法や漢方生薬としての効能・効果などです。気をつけるポイントを守れば、比較的栽培しやすいいえるので、自宅で育ててみてはいかがでしょう。