はじめに:日向土とは?特徴や用途を解説
日向土の読み方やおすすめサイズ再利用を紹介
日向土という土の名前を聞いたことがありますか?最近はサボテンなどの多肉植物用の土としておすすめされていたりと目に触れる機会が増えてきたという方も多いのではないでしょうか。
園芸用の土は種類もサイズも多くてなかなか自分で配合するのも大変ですが、日向土は他とは少し違っていて実はうまい使い方をしてあげれば再利用も可能で安く目的の園芸土を作ることが可能な便利な土です。サイズも豊富な日向土の気になる特徴や相場その読み方・別名や探し方など解説していきます。
日向土とは?その特徴を紹介
日向土は土といいながら実は軽石と言う表現がしっくりくるような土です。このような軽石の土は他にもありますがここでは日向土のみの特徴やお店で探しやすい別名についてまずはご覧いただきましょう。
日向土とは
日向土の読み方はひゅうがつちと読み、この日向とは産地である地名のことを差します。宮崎県都城市にある地域で、もっと詳しく言うと霧島山の噴出物に限りこの日向土といえます。漢字の日向土はひゅうが土販売株式会社で登録商標されているため他の会社製品では使用できません。
地域が限定されていることで他の地域ではなかなか出回らなかったりすぐ売り切れてしまうのがホームセンターなどで出会えない理由のひとつ。日向土の市販品を探す場合はひゅうが土とひらがな表記で探すと見つけやすいですよ。
日向土の特徴
火山の噴出物である日向土はとても硬いことがまず大きな特徴です。またふつふつとした溶岩が冷え固まったものであることから中にたくさんの気泡が入った状態で固まり、たくさんの穴が開いている冷蔵庫の消臭剤として使われる活性炭のような形状になっています。
そのため水はけが非常に良くまた雑菌を含まない・洗って何度も再利用が可能など他にはないいろいろな特徴があります。
どこでも見つけられない人へ!日向土の別名
日向土はひゅうが土で検索したり近くのホームセンターや園芸用品店に置かれていたりしますがそれでも見つけられない場合はボラ土で探してみてください。ボラ土は日向土が湿った状態で売られているものを差しますので内容は日向土です。どこで買ったら良いかわからない方も別な名前で探すことで意外と身近で見つけられたりするでしょう。
日向土とは?その用途やおすすめの使い方
日向土の用途1.酸性土を求める栽培用
日向土を使う育て方をする植物にシンビジュームなどがあります。洋蘭の花は日本の環境に適応しづらいため地植えでは栽培できないくらい育て方難易度は高いものですがそれを比較的栽培しやすくしてくれるのがpH6程度の弱酸性でとても硬質な性質を持つ日向土の存在です。この他観音竹や万年青といった竹の栽培にも日向土は適しているといわれています。
日向土の用途2.水はけを求める植物に
日向土はそれだけで使うと弱酸性のpHとなっているため植える植物を選びます。また土の中にまったくといっていいほど栄養がなく水溶性肥料を与えても保水されずあまり効果があらわれないということもあります。
ただし日向土と別の土を混ぜて使う。pHを苦土石灰で中和するという使い方をすればほとんどのガーデニングでコスパよく再利用できる素材として活躍してくれるでしょう。
日向土の代用品として使える土とその違い
日向土は特徴的な土ではありますが、水はけを求めるだけであれば別の土でも代用可能となっています。ここでは日向土が手に入らない場合や手持ちにある土を使いたいなどの代用となるものとそれらとの違いを解説していきましょう。
日向土の代用品候補1.赤玉土
まず日向土のように水はけを良くする土としてかなり出番が多い土として赤玉土をご紹介します。代用としての使い方はほぼ同じでサイズも小粒から大きいものまでいろいろなものが揃っているので使いやすいでしょう。
しかし日向土との大きな違いとして赤玉土はやわらかくて崩れやすいため繰り返し利用が難しいということがあげられます。使い方として再利用に魅力を感じている方には物足りないでしょう。
日向土の代用品候補2.鹿沼土
日向土代用品として挙げられる土のふたつめに鹿沼土があります。こちらは赤玉土ほどではありませんがいくつかのサイズが揃っており、水はけをよくする土としても使われますが大きな違いとしてそのpH値があるでしょう。
日向土が弱酸性の土であるのに対して鹿沼土は酸性土に分類されているため、かなり使い方は狭められてしまいます。また赤玉土同様硬さにおいても柔らかいということも違いです。
どちらも1回きりの使い捨て代用品と考えると
水はけを良くする土として名前があげられる3つの土ですが、何度も使えるというコスパの良さでは日向土の他には代用品は見つけられません。ただし1回だけの利用であれば酸性を嫌う植物が多いことから日向土よりも赤玉土の方が初心者には使いやすいものであるともいえるでしょう。
日向土の価格相場とコスパの良い理由
ここで気になる人も多い日向土を買う場合の価格とそのコスパが良い理由をお話していきましょう。今までの園芸用の土とは少し違うその使い方に驚かれるかも知れませんね。
市販の日向土を見てみよう
日向土の相場を有名通販サイトで扱われている価格から見ていくと以下のようになります。日向土は小粒から大粒までいろいろなサイズがあるのでそれぞれ見比べてみてください。
微粒18リットル
日向土 微粒 18L
微粒は軽石とはいえ土のように使えるという利点があり、そのまま鉢に入れてサボテン栽培や水栽培できる植物の根を安定させるためにも使うことができます。微粒と小粒は使い道が似ているのでどちらを選ぶかは個々のお好みで良いでしょう。
小粒18リットル
日向土 小粒 18L
微粒よりも少し大きめなのが小粒の日向土です。このくらいの大きさであれば土の代用品として植物を植えるのにも許容範囲な大きさではないでしょうか。ひとつひとつの粒の重さがないため鉢サイズが小さいと安定しません。使用する場合は鉢自体がどっしりとしているものを選ぶのがおすすめ。
中粒18リットル
日向土 中粒 18L
中粒程度の大きさになると鉢底石などの使い道が出てきます。他の土と混ぜ合わせてさらに少し苦土石灰でpHを中和することでいつもの土に水はけをプラスすることもやりやすくなるでしょう。酸性土が苦手でない植物であればそのまま使うこともできますよ。
大粒18リットル
日向土 大粒 18L
大粒となると大きな野菜用プランターの鉢底石としての使い方がほとんどになります。またここでは入っている量を18リットルで統一しましたが大粒の場合は4リットルなどの小さなパックの流通の方が多く個人で使う場合ほとんど鉢底石の利用となるのが想定されているようです。
日向土は決して安くない土だが
通販サイトでの相場価格を比較すると需要と供給のバランスのよい小粒の相場が安定していて多少安いということはありますが、決してこれだけ見ると安いという印象を受ける方は少ないのではないでしょうか。しかし日向土がコスパが良いと言われるのは再利用が可能という特徴があってのことです。
日向土はなぜコスパが良いのか
土は一度使うと連作障害があったり、害虫のたまごが心配であったりとプランター栽培では再生するよりも捨てて買い替えた方がお得という考えの方が多いですが、日向土の良さは軽石であることから雑菌や虫のたまごなどを比較的簡単に消毒して清潔な状態で再利用することができるのが良いところ。そのため繰り返し使えてコスパが良いといわれます。
日向土の活用例!サボテンや多肉用の土を作る
最後になりますが日向土の具体的な使い方としてサボテンを育てる使い方例をご覧いただきます。どのように日向土を使ったら良いかわからないという方にヒントとしていただけるのではないでしょうか。
サボテンやアロエなど育てる土の配合例
これらの植物には一般の土づくりに良く使われる腐葉土は不要です。赤玉土と日向土・桐生土のブレンドがおすすめで、そこに鉢底石として赤玉土の大粒などを使っていくと良いでしょう。
具体的な割合は赤玉土を容器やスコップなどで2杯のところに同じものを使って桐生砂と日向土をそれぞれ1杯使って混ぜてください。これを使うと水はけが非常によくサボテンの鉢土が簡単に用意することができます。市販のサボテン土を買う必要がなく便利です。
ボラ土だけでも多肉植物の土として使える
前述で日向土の湿り気のあるものとご紹介したボラ土ですがこちらは意外と水持ちが良いのでこれだけで多肉植物であれば植え付けることが可能です。植え付ける植物と土の量のバランスもありますが、鹿沼土や赤玉土と比べると水持ちに大きく差があり湿り気があるけれどいつまでも濡れていないというところが多肉植物の栽培に適しています。
ボラ土は水やりが苦手な人にもおすすめの土
植物の水やりはお好きな人は毎日あげたいものですが、日数がたつうちについつい忘れてしまう日が増えてきたりすることもあるので水はけがよくすぐ乾く日向土では枯れる寸前までになってしまうこともあります。
そんな方におすすめなのがボラ土の存在で、こちらはスパルタ栽培とも言われている長田式栽培法でも使われる土素材です。この育て方を試したい方にもボラ土はおすすめな土となるでしょう。
まとめ:日向土は用途に合わせて使い分ける
初心者注意!日向土はpH調整が必要な土
今回は日向土という園芸用の土のおすすめポイントと他の土との違い、そのコスパの良さやpH調整の仕方などをご紹介してきましたがいかがでしたか?
日向土はなかなかホームセンターで手に入れることができないという声も聞きますが、ひらがな表示であったりボラ土という別名で探すと意外と手に入ることもあるようです。一度使用したものを消毒して再利用できる日向土を上手に利用してコスパの良いガーデニングにお役立てくださいね。
日向土等土が気になる方はこちらもチェック
日向土のほかにもたくさんある園芸用度。暮らしーのではそんな植物栽培用の土についてもたくさんの解説・紹介記事をご用意しています。日向土が気になる方はこちらの記事もお役に立つのではないでしょうか。是非ご覧くださいね。
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出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1273522?title=%E9%89%A2%E5%BA%95%E7%9F%B3