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苦土石灰とは?読み方・効果など知っておきたい3つの基本情報!

苦土石灰(くどせっかい)って使ったことありますか。 植物の植え付け前に土に散布して、土の酸度を換えるだけでなく実は病害虫予防の効果もあるのだとか!?今回は苦土石灰の基本的な使い方から効果的な使い方までご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
2020年8月27日
printemps117
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苦土石灰(くどせっかい)って何?

家庭菜園をこれから始めようという方は、苦土石灰を知っておきましょう。読み方は「くどせっかい」というのですが、これは、石灰(炭酸カルシウム)とマグネシウム(酸化マグネシウム)が混ざったもので、家庭菜園では主に酸性土壌を中和させる役割をします。降水量が多い多い日本の土壌では酸性に偏りがちなので、植物、特に野菜を育てる際は、この苦土石灰を散布して土の酸度を中和させることで、野菜をはじめ植物の生育が良くなります。 野菜の種類によって酸性度に対する強さが違うので、それぞれ加減して使いましょう。

苦土石灰の名前の由来

苦土石灰の「苦土」とは、マグネシウムをなめると「苦い」ことからこの名がつきました。

苦土石灰は土の肥料と並んで必要

土の改良には、肥料が必要ですが、細かく成分を分けるとチッソ、リン酸、カリウムなどの三大要素が必要なのです。 そこにマグネシウムと石灰を混ぜることで、5つの要素が加わり野菜をはじめ、さまざまな植物の養分となるのです。

一から土作りをするなら5大要素が大切

苦土石灰によって、土に含まれるマグネシウムの量は決して多くはありませんが、この苦土石灰によるマグネシウムが不足してしまうと、植物の葉の緑素の形成に影響し、下葉から黄色く変色して枯れてしまうことがあります。 ご自身で畑や花壇の土を配合される場合や、土作りを一からされる方は、この5大要素に注意して土作りを行ってください。 一方、市販の培養土を使用する場合は、その中にすでにマグネシウムやカルシウムも含まれていますので、そのままプランターに注ぎ込んで使っても構いません。

必要情報1.苦土石灰と消灰石の成分や使い方の違い

園芸店やホームセンターでは苦土石灰と並んで「消石灰」というものが並んでいることがあります。 どちらも酸性土壌改良に使う資材なのですが、それぞれ成分の違いや特徴があります。 どちらかというと苦土石灰のほうが使いやすく手に入りやすいので、苦土石灰をおすすめします。

苦土石灰の特徴

・アルカリ成分が53%以上 ・苦土(マグネシウム)を含む ・基本量としては1㎡あたり100g ・種まき(苗の植え付け)4~5日前に使用しても大丈夫です。

消石灰の特徴

・アルカリ成分が80%以上 ・カルシウムを含む ・基本としては1㎡あたり50g程度が目安 ・一度にたくさん使うと土が固くなる恐れがある ・2週間前以上に使わないと障害が起こりやすくなる


混ぜたあとの反応の速さに違いがある

苦土石灰と消石灰とを比べると土と混ぜたあとの反応の速さが違います。 消石灰は空気に触れるとそこから炭酸ガスを発生させ熱も発生させます。 庭の土に撒いてから、2週間以上放置させてから土に混ぜる必要があることや、アルカリ分が80%以上と大きくPHが変わることから、反応が激しいという特徴があります。 一方で、苦土石灰は反応が緩やかで、空気に触れてもすぐに化学反応を起こさず反応も緩やかなことから種まきや苗の植え付けの4~5日前でも生育上影響が少ないといわれています。

土の酸度の見分け方

こんな雑草が生えていたら酸性土壌かも…。

ぱっと畑や花壇を見ただけではこの土が酸性かアルカリ性なのかわかりません。そこで、土の酸度計という便利な機械で酸度を測ることもできますが、家庭菜園では、周辺に生えている雑草の種類で酸性度を見極めることができます。 こんな雑草が生えていたら酸性の強い土の証拠です。 スギナ、オオバコ、スミレ、キイチゴ、カヤツリグサ、シロアガサ、ハハコグサ、ヨモギ などです。

土壌の酸度別野菜の育ちやすさ

野菜の種類によって、酸性土に対する野菜の強さは違います。 ここで一例をご紹介します。

酸性に特に弱い

ホウレン草、エンドウ、玉ねぎ、枝豆、インゲン、セロリ、そら豆など

酸性に弱い

コマツナ、ナス、キュウリ、トマト、ニンジン、ゴボウ、モロヘイヤ、サラダナ、レタス、ニラ、シソなど

酸性にやや弱い

キャベツ、ダイコン、イチゴ、パセリ、ミツバ、トウモロコシ、サトイモ など


酸性に強い

サツマイモ、ジャガイモ、スイカ、カボチャ、ハヤトウリなど

このような一例があります。このような野菜の他、樹木にも酸性の土に向き、不向きなどがあります。 例えば、ブルーベリー、青アジサイは酸性土で育てると生育が良くなります。 参考にしてみましょう。

必要情報2.苦土石灰の使い方や1回で使う量は?

一回で散布する量は軽く一握り

苦土石灰の使い方ですが、基本的には種まき(苗の植え付け)2週間前、野菜を長年栽培している畑では1㎡あたり100gが目安です。 スギナの生えているような畑では、1㎡あたり200gをまき、良く耕して土と混ぜておきます。消石灰に限らず苦土石灰でも与えすぎると土を固くしてしまい、逆にアルカリ性に傾きすぎることもあるので、注意しましょう。 また石灰の有効期限は約6か月程度です。

苦土石灰を蒔いたあとに肥料を与える

畑や花壇、プランターなど家庭菜園の土作りをする際、基本的に2週間前に苦土石灰を蒔いてそこから1週間ほど日にちを置いてから肥料を与えるようにします。 苦土石灰を蒔いてから、すぐに肥料を混ぜ込んではいけないのか…という疑問がわいてきそうですが、これは先ほど苦土石灰と消石灰の違いでご紹介しました通り、石灰と堆肥を混ぜるとそれらが反応してアンモニアや熱が発生することから、この熱が発生している状態のときに根が出たり目が出ると障害が起きやすくなります。 堆肥や化成肥料を与える1週間前には石灰を混ぜてなじませておきましょう。

必要情報3.苦土石灰が余ったら、上手な使い方

苦土石灰は、土の酸度を中和させる以外にも葉につきやすい害虫予防にもなるそうです。 いわゆる「自然農法」という活用法なのですが、これに似た方法に草木灰を撒くというのがあります。 草木灰というのは、落ち葉や木の枝を燃やして作った灰なのですが、これを野菜全体にふりかけるとこの灰の臭いを嫌って害虫が近寄りがたくなるという害虫防除方です。 特に朝露など、露のある時間帯にかけると、葉に灰がよくついて効果的です。

苦土石灰を葉に散布してもよい?


全国の農家の方が、石灰を野菜や植物に葉に振りかけることで、害虫のほか、病気にも効果があると多くの事例を上げられています。 例えば、キュウリなどに多く発症するうどんこ病や褐斑病などに苦土石灰をふりかけることで、病気に罹っても自然治癒力で克服できたり、苗全体が強くなって病気にかかりにくくなったということが言われています。 その他、苦土石灰を直接振りかけるのではなく、苦土石灰を水に混ぜたその上澄み液を葉に吹きかけることで、ダニやアブラムシが寄り付きにくくなったという事例も挙げられています。

他にもこんな方法が効果的!?

苦土石灰を直接葉に振りかける、上澄み液を吹きかける以外にも以下のような方法も例として挙げられています。

粉を散布する

苦土石灰を苗のポイントポイントに振りかけることで、灰色カビ病など疫病予防に。炭そ病・軟腐病などにも効果的です。

液を注ぐ

立枯病・株腐病は消石灰で回復、苦土石灰上澄み液を土に与えることで青枯れ病から回復することもあります。

石灰+木酢液

木酢液とは、炭を作る際に出る水蒸気を冷やして液体にしたものなのですが、これを石灰を混ぜて葉面散布することで、植物自体が健康になり病害虫に強くなるといわれています。植物そのものに散布することで、実のおいしさも違ってくるようですし、有機物を含んだ木酢液を土壌に散布することで、土壌の微生物を活性化し、土の状態や質も良くなってきます。 ここに先ほどの石灰を混ぜることで、病害虫予防効果もあがるといわれています。

家庭菜園には欠かせない苦土石灰

土の酸度を変えるだけでなく、植物の病害虫予防にも効果のある便利な苦土石灰。 苦土石灰は園芸店やホームセンター、ネット通販など気軽に購入できる資材です。 値段もそれほど高くないので、家庭菜園を始めようと思われている方はぜひ購入して使ってみてください。