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初心者にもおすすめ!【韓国岳の登山ガイド!】コースの見どころも徹底解説!

南九州の宮崎県と鹿児島県にまたがる霧島連山。その霧島連山の中で、最高峰の標高1700mを誇るのが「韓国岳」です。登山道からは四季折々の多彩な景色が楽しめます。天孫降臨の地としても名高い霧島連山の中で、初心者にも人気の韓国岳登山の魅力を紹介していきます。
2021年3月9日
水野あみ
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目次

韓国岳ってどんな山?

韓国岳登山の基本情報

韓国岳(標高1700m)は、宮崎県えびの市と小林市、鹿児島県霧島市にそびえる霧島連山の山です。頂上からの展望はとても雄大で、眼下にはえびの高原が広がり、目線を上げると霧島連山の高千穂の峰、火山活動中の新燃岳などを一望できます。天気のよい日には遠くは桜島や錦江湾まで見渡せ、その眺望や景色のよさから日本百名山に選ばれています。

名前の由来は

フリー写真素材ぱくたそ

韓国岳(からくにだけ)と聞いて、気になるのが名前の由来です。一体なぜ「韓国」という外国の名前が付いているのでしょうか。一説によると、頂上からの見晴らしのよさが、遠く韓国まで見えるほどだったことが由来だといわれています。実際には韓国や朝鮮半島を望むことはできませんが、先人の登山者たちがそう思いながら韓国岳山頂の景色を楽しんでいたかと思うと親近感がわいてきますね。
 

整備された登山道

Photo byMaBraS

韓国岳の人気が高い理由の一つとして、登山道が整備させているため初心者でも歩きやすいことが挙げられます。小学生やシニア世代でも日帰りで登山を楽める難易度の高くない山です。また、韓国岳登山口の周辺にはビジターセンターやキャンプ村、温泉地など観光スポットが多く、アクセスが比較的よいこともシーズンを問わず愛好家が絶えない理由です。
 

おすすめのシーズンは

フリー写真素材ぱくたそ

韓国岳周辺の気温は季節を問わず登山に適しています。山頂の気温は1月で平均気温-4.7℃、夏場の7月で平均気温16.9℃と比較的過ごしやすいです。本州の山々よりも冬場の気温が高い点も初心者におすすめのポイントです。

韓国岳にミヤマキリシマやノカイドウが咲き誇る春の行楽シーズン(3月下旬~6月)や、秋の観光シーズン(10~11月、12月ごろ)が最も過ごしやすく、登山には最適な季節です。

噴火警戒レベルは「1」

現在の噴火状況

霧島連山は火山活動が盛んな山です。そのため韓国岳山頂へ向かう一部の登山コースが通行禁止だったり、火山活動の状況によっては登山道に入山規制がかかっていたりすることもあります。

霧島連山の中でも近年活発に火山活動を続けていた「新燃岳」は2021年3月1日、気象庁によって噴火警戒レベルが2から1の「活火山であることに留意」に引き下げられました。新燃岳は2018年6月以降は噴火しておらず、現在は比較的安心して登ることのできる時期だといえます。

韓国岳登山時の注意点

出典: https://www.city-kirishima.jp/anshin/iouyama/20171011shinmoedake.html

韓国岳の登山コースの一部である「硫黄山」周辺は、現在も一部通行禁止の区域があります。通行禁止のコースを除けば、通行可能な登山道も複数あるので、登山前には「えびのエコミュージアム」や天気の情報をチェックしておきましょう。
 

施設名 えびのエコミュージアムセンター
所在地 宮崎県えびの市末永1495-5
電話番号 0984-33-3002
開館時間 午前9時~午後5時(年中無休)


韓国岳おすすめコース①えびの高原ルート

登山コースの特徴

出典:ライター撮影

えびの高原から韓国岳山頂を目指すピストンのコースです。途中、火山活動中の硫黄山が見えるビューポイントもあり活火山の迫力を間近で感じられます。登り始めから整備された歩きやすいコースですが、山頂近くになるに連れ岩場が多くなってきます。三合目以降には標柱が立っており、わかりやすい案内が初めての登山客を安心させてくれます。

登山の難易度と標高差

Photo byHermann

登山初級者におすすめしたいコースです。標高約1200mにある「えびの高原」や「えびのエコミュージアムセンター」から韓国岳登山道へ向かいます。どちらも観光客や登山客が多いため、季節の植物や噴火状況など最新の情報を集められます。

地元の小学生が遠足で登ることもある難易度の低いコースのため、小さい子供のいる家族連れからシニア世代まで日帰りで楽しめる人気の登山道です。天気のよい日には頂上から360度見渡せる大パノラマの景色が味わえます。

登山口の標高 約1200m (山頂は1700m)
標高差 登り:約550m、下り:約550m
コースタイム 登り:約1時間30分、下り:約1時間5分

登山口までのアクセス

出典: https://ebino-ecomuseum.go.jp/about/

韓国岳登山口までの車やレンタカーでのアクセスは、九州自動車道「小林IC」から車で約45分、「鹿児島IC」から車で約80分です。公共交通機関でアクセスする場合は、JR日豊本線「霧島神宮」駅からバスで約30分の「丸尾」で乗換え、霧島連山周遊バスで約40分「えびの高原」で下車します。

バス停からすぐの場所に韓国岳登山口はあります。鹿児島の空の玄関口、鹿児島空港は霧島市にあるため、韓国岳へは九州外からのアクセスも悪くないといえます。

トイレと駐車場

フリー写真素材ぱくたそ


韓国岳登山口に近い「えびのエコミュージアムセンター」には、約200台の駐車場があり、誰でも1日410円で利用できます。このセンター内にトイレや登山届ボックスもあるので、初心者の方はしっかりチェックしておきたいですね。

韓国岳おすすめコース②大浪池ルート

登山コースの特徴

韓国岳の南西にある「大浪池(おおなみのいけ)」を一周し山頂を目指すコースです。大浪池は標高1241mにある火山湖で、直径約650m、最大深度は12mほどある雄大な湖です。登山ルートとして池の周囲を約2時間で散策できる遊歩道が整備されており、季節を問わず全国各地からの登山客が絶えません。

コバルトブルーに輝く水面は神秘的で美しく、映画「君の名は。」の名シーンの舞台にそっくりとも言われている景色です。11月の紅葉の季節は特に魅力的です。

登山の難易度と標高差

Photo byFree-Photos

登山初心者~中級車向けのコースです。車やバスでアクセス可能な「大浪池登山口」から山頂を目指します。登山口近くにはバス停や駐車スペースもあります。足場には石段や木の板が整備されているところも多くあり、コース序盤は比較的歩きやすいといえます。

大浪池から山頂までの登山道は一度下り、そこからの終盤はやや急登で岩場も増えます。季節や天気によっては難易度がぐっと上がるので注意が必要です。


登山口の標高 約1070m (山頂は1700m)
標高差 登り:約760m、下り:約760m
コースタイム 登り:約2時間30分、下り:約2時間10分

登山口までのアクセス

出典: https://www.city-kirishima.jp/kirikan/kanko/bus/renzan.html

韓国岳登山道への車やレンタカーでのアクセスは、九州自動車道「溝辺鹿児島空港IC」から車で約45分です。公共交通機関でアクセスする場合は、JR日豊本線「霧島神宮」駅からバスで約30分「丸尾」で乗り換え、霧島連山周遊バスで約40分の「大浪池登山口」下車します。すぐに韓国岳登山道が見えてきます。

トイレと駐車場

Photo byAlexas_Fotos

「大浪池登山口」のバス停に近い登山口周辺には、無料の駐車スペースが数台分あります。簡易的ではありますがトイレも設置されています。コースタイムを考えて、登山前にトイレをここで済ませておけば初心者でも安心ですね。

四季折々の植物たち

ミヤマキリシマ

Photo byDeltaWorks

韓国岳を含む霧島連山では、季節ごとにここでしか見ることのできない多彩な花々が見られます。ミヤマキリシマはその代表格。ツツジ科の一種で、名前のとおり、霧島連山の韓国岳山頂のほか、九州の阿蘇山やくじゅう連山などの火山に生息している植物です。

ピンク色のかわいらしい小ぶりな花を付け、桃色に彩られた山の景色は圧巻です。例年5月下旬~6月中旬が見ごろで、韓国岳の山頂付近では6月下旬まで楽しめそうです。シーズンには多くの観光客が訪れます。

ノカイドウ

Photo byLancier

世界で霧島連山にのみ自生する固有種のバラ科の植物です。高さ3~5mほどの樹木に、サクラより一回り小さい薄桃色の花を咲かせます。韓国岳のあるこの地域は「ノカイドウ自生地」として国の天然記念物に指定されています。韓国岳の登山道から見られれば、とても貴重な経験になることでしょう。シーズンは4月下旬から5月下旬ごろです。

紅葉

年間を通して登山や景色を楽しむことのできる韓国岳で、人気が高いのが紅葉の季節。カエデやモミジ、ウルシなどの植物が霧島連山を彩ります。中でも韓国岳中腹にある大浪池のコバルトブルーと、紅葉の赤や黄のコントラストは必見です。韓国岳近郊では行楽シーズンの10月下旬~12月上旬まで紅葉が楽しめます。

霧氷

南九州に位置する韓国岳ですが、冬には山頂に雪が積もることもしばしばあります。韓国岳の山頂付近では、木々に霧氷が張り付き、日光を反射して輝く美しい景色が見られます。初心者から玄人まで多くの人を魅了する冬の絶景も一見の価値ありです。例年1月~2月の寒い季節に観測できます。

下山後は温泉でまったり


「えびの高原層」の天然温泉

下山後の楽しみといえば、身体の疲れを癒してくれる温泉です。霧島連山は活火山ということもあり、韓国岳の近郊には多くの温泉が点在しています。その中でもおすすめなのが、えびの高原や登山口に近い「えびの高原荘」の温泉です。

特徴はすべて源泉かけ流しの炭酸水素塩温泉であること。登山でこわばった筋肉をほぐしてくれ、リラックス効果の高い温泉です。入浴料金は大人530円、子供310円とお手頃価格な点もありがたいですね。大浴場からは雄大な韓国岳を眺められる贅沢な空間です。

施設名称 えびの高原荘
所在地 宮崎県えびの市大字末永1489
電話番号 0984-33−0161
利用時間 午前11時30分~午後8時(受付は午後7時)

足湯の駅「えびの高原」

下山後に時間がない方にもおすすめしたいのが、韓国岳登山口にも近いえびのエコミュージアムセンタ―からすぐの場所にある「足湯の駅えびの高原」です。無料で入ることのできる足湯が人気です。

源泉かけ流しの温泉は36度と心地よい温度に設定されており、10人以上が座れるゆったりとしたつくりの足湯スペースです。施設そのものは2020年4月にリニューアルオープンし、地元特産品や地酒、パンなどの軽食を販売する商業スペースも充実しています。

施設名称 足湯の駅えびの高原
所在地 宮崎県えびの市大字末永1495番地
電話番号 0984-33−1155
利用時間 午前9時~午後5時

まとめ

出典:ライター撮影

今回は南九州地方にある霧島連山の最高峰「韓国岳」の魅力や登山コースについて紹介しました。霧島連山は古事記や日本書紀に登場する神話の生まれた地と言われています。

韓国岳の周辺は天孫降臨の伝説があるなどパワースポットとして親しまれている場所です。どのシーズンに訪れても景色を十分に楽しめるため、初心者にもおすすめしたい登山コースです。日本百名山としてもしられる魅力満載の韓国岳を、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

九州のアウトドア情報が気になる方はこちらもチェック!

韓国岳のほかにも、九州地域には魅力的な山々や登山コースが数多く存在します。霧島連山のように神話や伝説の残るパワースポットもいつかは訪れてみたいものですね。九州各地の登山や絶景スポット情報を知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。