プランターを使ったトマト栽培の魅力
近年、人気を集めているプランター・コンテナを使った家庭菜園。丸々と赤く実ったトマトを自宅で収穫できたら、嬉しいですよね。まずは、プランターを使ったトマト栽培の魅力からチェックしましょう。
初心者でも簡単に挑戦できる
プランターやコンテナを使った家庭菜園にはいろいろな種類がありますが、中でも初心者向きと言われているのがトマトです。トマトは基本的な苗の植え方や育て方を把握しておけば、初心者でも比較的簡単に育てられると言われています。
トマト栽培でプランターを使った家庭菜園に慣れておけば、他の野菜にチャレンジすることもできるようになるでしょう。完熟トマトを自宅で収穫できるように、プランター家庭菜園にチャレンジしてみてください。
プランターならベランダでもOK
「家庭菜園をやってみたいけど、畑を作るスペースがない」と感じている人でも取り入れやすいのが、プランター家庭菜園の良いところです。プランターなら小さなスペースでも置けるので、ベランダでトマトを育てられます。
自宅でのベランダが家庭菜園の場になったら、おうち時間がさらに充実しそうですよね。毎日すくすくと育つトマトを眺めながら、充実した日々を過ごしてみてはいかがでしょうか。
プランターのトマト栽培に必要なもの
プランターを使ったトマト栽培を始める前に、必要なものを揃えましょう。基本的な必要なものさえ準備しておけば、簡単にプランターのトマト栽培をスタートできます。いずれもホームセンターなどで手に入るので、チェックしてみてください。
必要なもの①プランター・コンテナ
まずは、好みのサイズのプランター・コンテナを準備します。トマトはきちんと根を張るタイプなので、用土をたくさん入れられるように深さのあるプランターがおすすめです。また用土がたくさん入っていれば、肥料や水が長持ちしやすいのもポイント。
長方形のプランターなら、幅30cm、深さ30cmのサイズを目安にしてください。丸型のプランターに鉢植えする場合は、10号(直径30cm)、深さ30cmくらいのサイズを選ぶと良いです。
必要なもの②用土
必要なものの2つ目として挙げられるのが、用土です。元気の良いトマトをプランターで育てるためには、元肥が入った用土が適しています。元肥入っているタイプは、用土のパッケージに「野菜用」といったように記載されているので確認してください。
また用土によっては「トマト用」と記載されているものもあります。トマトだけをプランターで栽培する予定なら、トマト用と記載された用土を選びましょう。
必要なもの③鉢底石
鉢底石は、プランターの中で効率的に排水を行うために必要なものです。鉢底石には日向石やパーライト、軽石などいろいろなタイプがありますが、再利用できるタイプだと便利でしょう。
再利用できるタイプを選ぶ場合は、ネットに入っている商品を選ぶのがおすすめ。ネットに入っていることで、再利用する際に土から取り出しやすいのがポイントです。
必要なもの④園芸用のハサミ
園芸用ハサミは、トマトだけでなくあらゆるプランター家庭菜園で必要なものとされています。園芸用ハサミが1つあれば、他の植物を育てるのにも役立つので事前に準備しておきましょう。
通常のハサミよりも園芸用ハサミの方が植物を剪定しやすいので、必ず必要なものリストに入れて準備してください。
必要なもの⑤支柱&麻紐
支柱は、成長して伸びるトマトの茎を支えるために必要なものです。支柱がないと、強い風が吹いた時に枝が折れてしまう可能性があります。また、真っ直ぐ枝を伸ばすという意味でも支柱は欠かせません。
トマトの苗が小さい場合は、75cm程度の支柱を準備すればOKです。トマトの苗が伸びてきたら、150cm程度の支柱に取り替えてください。また、支柱にトマトの茎を結びつけるための麻紐も必要なものとして揃えましょう。
プランターを使ったトマトの植え方
必要なものが準備できたら、プランターを使ったトマトの植え方・土台の作り方をみていきましょう。基本的な植え方を学んでおけば、初心者でもプランター家庭菜園を気軽に楽しめるようになります。
プランターにトマトを植える時期
プランター や鉢植えにトマトの苗を植えるのに適している時期は、4月の下旬から5月の上旬にかけてです。この時期は気温が上がりやすく、日差しも多いためプランターに植えたトマトの苗もすくすく育ってくれるでしょう。
ちょうどゴールデンウォークの時期にあたるため、大型連休を活用してプランター家庭菜園に挑戦するのも良いのではないでしょうか。鉢植えの時期を決めたら、それに合わせてトマトの苗を購入しておいてください。
植え方①苗に水を与える
プランターに植える前のトマトの苗に、しっかりと水やりを行いましょう。水やりをすることで土が柔らかくなってビニール容器からトマトの苗を取り外しやすくなります。
水やりは、プランターに植える2時間前くらいに行ってください。トマトをプランターに植える日の朝に水やりをし、朝食を終えたら植え始める、といったようにプランを立てておくと良いです。
植え方②プランターに用土を入れる
続いてプランターに用土を入れます。プランターの縁から5〜6cmくらいまで用土を入れてください。プランターの縁ギリギリまで用土を入れると、水やりをした際に水や土が溢れる原因になります。入れすぎには注意しましょう。
植え方③プランターに植え付ける
プランターに用土が入ったら、トマトの苗を入れるための穴を作ります。トマトの苗が入るくらいの穴を空けましょう。続いて、ビニール容器をひっくり返してトマトの苗を取り出します。この時、苗を無理に引っ張らないでください。
根や茎が折れてトマトの生育が悪くなる原因になります。トマトの苗の根の部分をプランターに空けた土の穴の中に入れてください。周りの用土を根の部分にかぶせ、苗が倒れないように優しく押さえつけます。
植え方④支柱を立てて誘引する
プランターに苗を植えたら、支柱を立てて茎が倒れないようにします。この作業は誘引と呼び、鉢植えをした後にも行う大切な作業です。プランターに植えた苗から10cmくらいのところに支柱を立て、茎の部分を麻紐で結びます。
きつく結ぶと茎が傷んでしまうので、優しく八の字結びにしてください。またトマトの茎は成長するごとに太くなります。緩く結び、茎が太くなってもきつくならないようにしましょう。
植え方⑤水をあげる
プランターに植えたばかりのトマトの苗は、まで用土に定着していません。支柱に誘引できたら、たっぷり水やりを行いましょう。最初にしっかりと水やりを行うことで、プランターの用土にトマトの苗が馴染みやすくなります。
これで最初に行うプランター家庭菜園の手入れは終わりです。簡単な植え方・作り方でトマトの苗は植えられるので、ぜひチャレンジしてみましょう。
トマトの植え方まとめ
- プランターに植える前の苗に水やりをする
- ビニール容器からトマトの苗を無理やり取り出さない
- 支柱に茎を結ぶ時は、優しく緩めに
プランターを使ったトマトの育て方
美味しいトマトを収穫するためには、プランターに苗を植えた後の手入れも重要です。定期的に手入れを行い、問題なくトマトが育つようにしましょう。初心者でも簡単にできるトマトの育て方・手入れ方法を紹介します。
育て方①風通しと日当たりが良い場所に置く
太陽は、プランターに植えたトマトの苗が光合成をするために欠かせないものです。トマトを植えたプランターは、日当たりの良い場所に起きましょう。
また、風通しの良さも重要なポイントです。風通しが悪いと湿気によってトマトの苗が弱る可能性があります。日当たりと風通しの良さを確認し、プランターを設置する場所を決めてください。
育て方②植え付けから1週間は毎日水をやる
トマトの苗のプランターの用土に定着するまでは、毎日水やりをする必要があります。毎日水やりを行わないと、根が乾燥してトマトの元気がなくなってしまうので注意が必要です。
プランターに苗を植えてから、1週間は毎日水やりを行うと良いでしょう。また水やりをするのはトマトが光合成を始める午前中がおすすめです。午前中の水やりにより、トマトの生育を促せると言われています。
1週間経過後は土の表面が乾いたら水やり
1週間は毎日午前中に水やりをする必要がありますが、その後は土の様子を見て水やりを行うようにしてください。プランターの土の表面が乾いたら、トマトに水やりをするサインです。
プランターの土の表面が濡れているのに水やりを続けると、根腐れをする原因になります。土に手で触れて、乾いているかどうか確認してください。
育て方③茎が伸びたら誘引する
プランターに植えたトマトの生育具合を見ながら、誘引を行うのも必要な手入れの1つです。トマトの茎が伸びてきたら、30cmくらいの間隔で誘引をしてください。プランターに苗を植えた時と同じように、麻紐で緩く優しく支柱に結びつけましょう。
もし最初に立てた支柱が70cmくらいの低いタイプの場合は、苗の成長に合わせて150cmくらいの高いタイプに取り替えてください。
茎が支柱より高くなったら摘芯
茎が支柱よりも高くなったら、摘芯と呼ばれる作業を行います。支柱よりも高い茎の部分をハサミを使って切り取りましょう。適度なところで茎をカットし、トマトの成長を止めることで全体に栄養が行き渡りやすくなります。
茎を伸ばしっぱなしすると栄養が十分に行き渡らず、プランターに植えたトマトの生育が悪くなる場合があるので気をつけてください。
育て方④わき芽を仕立てる
不要なわき芽をカットすることを仕立てと呼びます。トマトの場合は、主枝以外に1本のわき芽を残し、あとのわき芽はカットする「2本仕立て」が基本です。
2本仕立てにするために、主枝に最初に咲いた花の下に伸びているわき芽を残しておきましょう。他のわき芽は小さいうちにカットすることで、トマトの生育の妨げになるのを防げます。トマトはわき芽が出やすい野菜なので、1週間に2回程度の頻度で仕立てを行うのがおすすめです。
育て方⑤肥料は様子を見て適宜追加
プランターに植えたトマトが育ち、実がピンポン玉くらいに成長したら追肥を行うタイミングです。10g程度の肥料をプランターに植えたトマトの根本部分にまきましょう。
1度目の追肥の後、2週間くらいの間隔で追肥を行ってください。ただし肥料が多いと葉だけが育ってトマトの実が育たない、ということが起きます。トマトの実の生育状況を見て、適宜追肥を行うことが大切です。
育て方⑥害虫対策を行う
せっかく大きく育ったトマトに害虫が着いたら大変です。水やりをするタイミングで、毎回害虫のチェックをしましょう。害虫がつかないようにするには、木酢液を使うのがおすすめです。
木酢液を薄めてから、プランターに植えたトマトの苗にかけておきましょう。また、トマトの実を収穫した後は、その下に生えている葉をカットすることで害虫対策になります。害虫は知らないうちについていることが多いので、よく見て対策を行ってください。
トマトの育て方まとめ
- 植え付けから1週間は毎日午前中に水やりをする
- 茎が支柱より高くなったら摘芯をする
- 最初の実がピンポン玉くらいになったら追肥する
プランターに植えたトマトの収穫方法
トマトが花を咲かせ、実がついたらいよいよ収穫です。美味しいトマトを収穫するための方法をチェックしましょう。
トマトを収穫できる時期
4月下旬〜5月上旬にプランターに植えたトマトは、7月頃になると実が赤くなり始めます。トマトがヘタの周辺まで赤くなったら、収穫できる時期が訪れたサインです。収穫時期を逃すと、トマトが熟しすぎてしまうので気をつけましょう。
軸に近い部分を園芸用ハサミでカット
トマトがしっかりと色付いたことを確認したら、園芸用ハサミを使って軸をカットします。軸が長いと他のトマトを傷つける原因となるため、ヘタからギリギリの部分をカットするのがポイントです。
またトマトを手で支えながらカットするのも、忘れないようにしましょう。手で支えていないと、軸からカットしたトマトが地面に落ちてしまいます。トマトは潰れやすいので、優しく取り扱ってください。
収穫後に枯れた葉はカットする
トマトの収穫が進んでいくと、根本にある葉が枯れていきます。枯れた葉をそのままにしておくことで、根本が蒸れる原因になるのでこまめにカットしましょう。収穫するタイミングでプランター全体の様子を見て、枯れている部分を剪定しておくと綺麗な状態を保ちやすいです。
鳥はネットで対策
トマトが赤く色付いて熟してくると、鳥から狙われることが多くなります。大切に育てたトマトが鳥に取られてしまわないように、防鳥ネットを実に被せておきましょう。
防鳥ネットがない場合は、三角コーナーに取り付けるネットやストッキングを代用してもOKです。自宅にあるものを活用して、簡単に鳥の被害を防げるようにしてください。
トマトの収穫まとめ
- ヘタまで赤くなったら収穫時期
- 収穫後に根本で枯れた葉はカットする
- 実にネットをかぶせて鳥の被害を防ぐ
トマト栽培におすすめのプランター
最後に、トマト栽培におすすめしたいプランターを紹介します。お気に入りのプランターを購入してトマト栽培を楽しみましょう。
アイリスオーヤマ ベジタブルプランター
必要最低限の用土で済むように、無駄な部分を省いた機能的なプランターです。縁の部分には支柱を立てるための穴がついているのも嬉しいポイント。穴の部分に支柱を取り付ければ、簡単に誘引ができます。
底の部分にはスノコがついており、水やり後の排水もスムーズ。通気性が良く、蒸れて苗が弱るのを防げます。初心者が簡単に家庭菜園をしたい時にぴったりのプランターです。
タカショー ウッドテラスプランターナチュラル60
ナチュラルテイストの木製プランターは、おしゃれに家庭菜園を始めたい場合におすすめです。そのままプランターとして使うのはもちろんのこと、鉢植えのカバーとしても使えます。
トマト以外に他の植物を植えた鉢植えを組み合わせれば、色とりどりのプランターになるでしょう。お好みに合わせてアレンジを楽しんでみてください。
アップルウェアー クイーンプランター
柔らかな曲線を描き、エレガントな雰囲気を感じられるプランターです。ティアラ調のデザインが施されているのもポイント。底の部分には水はけが良くなるようにネットがついており、機能性も備えています。
プランターでトマトを育てよう!
プランターを使ったトマトの栽培は、基本の作り方を押さえておくことで初心者でも簡単にチャレンジできます。プランターのサイズや深さ、誘引や仕立てを始めとした手入れ方法など、ポイントを確認した上でトマトを植えてみましょう。
自分で収穫したトマトは、お店で買うものよりも愛着を持てますよね。そのまま食べたり、調理したりして、美味しく食べてください。
トマトの家庭菜園について気になる方はこちらをチェック!
トマトを育て方・植え方についてはさまざまな疑問を持つことがありますよね。トマトの家庭菜園に関する記事は他にもあるので、気になることがあったらぜひ参考にしてください。

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